主人公とは、物語の展開上において最も重要な立ち位置の人物。
概要
基本的にストーリーは主人公中心の視点で進められる。作品によっては主人公格のキャラクターが複数設定される場合や(『超重神グラヴィオン』の天空侍斗牙、紅エイジ、クライン・サンドマンなど)、逆に主人公を意図的に設定しない場合もある(『電脳戦機バーチャロンシリーズ』『ボーダーブレイク(AC版)』『OBSOLETE』が該当)。
ロボットアニメ各版権作品の中でも、主人公こそが最も目立つ。主人公は、基本的に様々な物事を経験して人間的に大きく成長していく存在として描かれる。また作品内で大抵トップクラスの実力を持つ(あるいは実力をつけていく)為、戦闘シーンでの存在感も大きくなっている。
前述したとおり、基本的にストーリーは主人公中心の視点で進められる。そのため、主人公が重大な秘密を知る展開が多い。これに限らず、「一介のパイロットが、政治家も知らないような機密を知り得ることは不自然だ」という見方もあり、主人公よりも政治に明るい脇役が機密を知り、主人公に代わって視聴者に伝える手法もある。
スパロボシリーズにおいては参戦作品とその主人公は原則不可分の関係となっているが、稀なケースとして『OE』における『ZOIDS新世紀/ZERO』は初参戦、かつ主人公の設定されている作品でありながら主人公不在と言う形での参戦となっている。『DD』における『電脳冒険記ウェブダイバー』も期間限定参戦時は同様だったが、この時は参戦機体のグラディオンが本来の主人公である結城ケントと別行動をしているタイミングでシナリオが組まれている、と明確な理由が公式から示されており[1]、恒常化に伴いイベント外のグラディオンのサブパイロットとしてケントが追加された。
主人公と主役機
基本的には、主人公こそが主役メカの操縦を務める。ただし中には、『魔境伝説アクロバンチ』の蘭堂ジュンや『破邪大星ダンガイオー』のミア・アリスのように、メイン操縦を仲間に任せて自らは同乗者としてサポートに徹するキャラクターも存在する。また、『交響詩篇エウレカセブン』のレントン・サーストンは、前半はサブ操縦者扱いだが、後半からはメイン操縦者に転向する。
他にも、『戦国魔神ゴーショーグン』の真田ケン太や『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のアルフレッド・イズルハ、『天空のエスカフローネ』の神崎ひとみのように、主人公でありながらロボットの操縦者ではないキャラクターも存在する。こういったキャラクターはスパロボにおいては出番が少なく、あるいは完全にカットされてしまっているケースもあり、原作未視聴者には作品の主人公が別のキャラ(ロボット兵器の操縦者)だと勘違いされることもある。
主人公の存在感
作品によっては存在感のある前作主人公や脇役・悪役が主人公以上に目立ってしまう場合もある。例えば、『グレートマジンガー』の主人公剣鉄也は前作主人公の兜甲児に、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』ではシン・アスカが前作主人公のキラ・ヤマトに終盤実質的な主役の座を奪われる[2]。また『機甲戦記ドラグナー』のライバルキャラであるマイヨ・プラートは主人公のケーン・ワカバから物語の主導権を奪い、次回予告でもネタにされる(ただしスパロボでは、このような主役交代が再現されることは殆ど無い)。悪役が物語の主導権を奪った例としては「真の主人公」とまで評された『機甲界ガリアン』のマーダルがある。
稀な例としてはゲームの公式サイト紹介において、『真ゲッターロボ 世界最後の日』における竜馬は號の代わりに主人公扱いされている。
新主人公の見せ場を作るために、敢えて前作主人公を主舞台から遠ざける場合もある。例えば、『機動戦士Ζガンダム』前半の主舞台は宇宙だが、前作主人公のアムロ・レイは地球に滞在していた。この場合は、中盤~後半にて前作主人公が登場し、先達として新主人公に助力することが多い。その反面、「前作主人公の存在について全く触れない」という極端な例もある。
前作主人公が痛ましい状態で新作に登場し、前作との幕間で悲惨な目にあっていたことが発覚する、という場合もある。これは前作がハッピーエンドであるほど、衝撃が大きい。スパロボ参戦作品では、『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』におけるTV版主人公テンカワ・アキトが代表例といえる。
スーパーロボット大戦シリーズの主人公
スパロボにおける主人公の概念は、初代『スーパーロボット大戦』の時点でその雛型が存在する。当作では所謂「オリジナル作品」はまだ存在しないため、ゲーム開始時にガンダム・マジンガー・ゲッターチームのうち一つを選び、更にその中の一人を「ヒーロー」という実質上の主人公として扱う、というシステムだった。「ヒーロー」は主人公であると同時に自軍全体の盟主でもあり、倒されるとゲームオーバーとなる。
スパロボオリジナルキャラが主人公として採用されたのは『スーパーロボット大戦EX』からである。同作品では『魔装機神』を主軸に据えた関係上、主人公名称などは固定であったが、『第4次スーパーロボット大戦』において、名前変更や誕生日など現在も続くユーザーメイキング方式によるバンプレストオリジナルの主人公スタイルが確立された。主人公となる人物は基本的に複数から選択可能、たまに1人で固定となっているが、2009年の『スーパーロボット大戦K』から2015年の『スーパーロボット大戦X-Ω』までは単独主人公制のみだった。
『COMPACT』や『α外伝』では「主人公がいなくてもいい『スパロボ』があるんじゃないのか」との考えからオリジナル主人公を登場させなかったが、これら2作品には主人公が欲しいという要望が「ビックリするぐらい」寄せられたため、以後は基本的には主人公を登場させるようになった[3]。
当初のスパロボオリジナル主人公は誰を選んでもストーリーに影響がなく、純粋なプレイヤーの分身的存在だった。しかし『α』以降は主人公を中心としたオリジナル設定の比重が大きくなり、ストーリー上でも重要な存在となっている。
デフォルト名は全ての主人公に設定されているが、ゲーム開始時に名前を変えることが可能(一部の作品を除く)。それ故、声付きの作品においては、敵味方とも主人公の名を戦闘画面で喋ることは少なく(名前を変更した場合は、名前を呼ぶ音声が再生されなくなる)、何らかの関係がある場合は固有名詞で呼ぶことがある。また、作品によっては誕生日も変えることが可能で、その場合同じく変更可能な血液型との組み合わせで特殊技能と精神コマンドが決定される作品が多い。
オリジナルキャラのみで展開されるOGシリーズについてはOG1にてリュウセイとキョウスケをそれぞれ主人公に立てていたが、『OG2』から『第2次OG』までは群像劇のスタイルが取られ特定の主人公が設けられていなかった(ただし『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』においてはキャラクター紹介においてキョウスケが全体の主人公として強調されている)。その後『OGDP』のシュウ・シラカワ、『OGMD』のトーヤ・シウンと再び主人公枠が設けられている。外伝作品である『無限のフロンティア』シリーズは作品ごとに主人公が立てられている。また、『魔装機神』シリーズでは非正史タイトルを除き一貫してマサキが主人公を務めているが、『魔装機神F』ではストーリー開始当初にマサキが不在となっている関係上、シナリオ序盤はサキトが主人公的立ち位置を与えられている。
話題
クロスオーバーの一環として主人公格のキャラクターには、他作品の有名な敵(シャア・アズナブル、ギム・ギンガナム、ラウ・ル・クルーゼなど)や、終盤のスパロボオリジナル大ボスとの間に戦闘前会話や特殊戦闘台詞が設定されていることが多い。
主人公一覧
版権作品
原則としてスパロボに登場したキャラを記載する。
スパロボにおいてキャラクターボイス(以下CV)の収録が行われた声優は太字で表示。
バンプレストオリジナル
- 『EX』以降でオリジナル主人公の存在しない作品は『スーパーロボット大戦COMPACT』『スーパーロボット大戦α外伝』『スーパーロボット大戦Scramble Commander』『スーパーロボット大戦モバイル』『スーパーロボット大戦Card Chronicle』の5作。OGシリーズについては先述の通り、OG2以降一部を除き特定主人公は設定されていない。
関連作品
登場作品 | 主人公 | 声優 | 備考 |
---|---|---|---|
スーパーヒーロー作戦 | イングラム・プリスケン | 古澤徹 | 名前変更可。 |
ヴィレッタ・プリスケン | 田中敦子 | ||
真・魔装機神 PANZER WARFARE | ケイゴ・クルツ・フェルディナン | 三木眞一郎 | |
リアルロボットレジメント | アリエイル・オーグ | 小林由美子 | |
PROJECT X ZONE | 天斎小吾郎 | 関俊彦 | |
黄龍寺美依 | 田村ゆかり | ||
リアルロボット戦線 | ムジカ・ファーエデン | ---- |
A.C.E.シリーズ
登場作品 | 主人公 | 声優 | 備考 |
---|---|---|---|
Another Century's Episode: R | オータム・フォー | 沢城みゆき |
他媒体作品
登場作品 | 主人公 | 声優 | 備考 |
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魔装機神サイバスター | 安藤ケン | 有馬克明 (現:織田優成) |
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超機人 龍虎王伝奇 | 稲郷隆馬(第1部) | ---- | |
飛麗(第2部) | ---- | ||
稲郷兵馬(外伝) | ---- | ||
スーパーロボット大戦OG 告死鳥戦記 | リェータ・ウィーバー | ---- |