界塚伊奈帆

界塚伊奈帆は『アルドノア・ゼロ』の主人公の一人。

界塚伊奈帆
読み かいづか いなほ
外国語表記 Inaho kaiduka[1]
登場作品 アルドノア・ゼロ
声優 花江夏樹
デザイン 志村貴子(原案)
松本昌子(アニメ版)
初登場SRW スーパーロボット大戦DD
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
種族 地球人
性別
年齢 15歳
所属 芦原高校 → 地球連合軍
所属部隊 マスタング小隊
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概要編集

新芦原市にある芦原高校に通う高校生で、姉の界塚ユキと二人暮らし(両親は過去のヘブンズ・フォールで亡くなっている)。

性格は極めて冷静で、おおよそどのような状況に置かれても感情を大きく露わにしたり声を荒げたりすることはなく無表情。一方で、その振る舞いゆえに伝わりにくいが家族・友人思いであり、家事・料理を得意とする。

火星ヴァース帝国から地球にやってきた皇女のアセイラム・ヴァース・アリューシア暗殺事件(実際には未遂)を切っ掛けに、地球と火星の戦闘に巻き込まれ、カタフラクトに搭乗してヴァース帝国軍と戦っていく。軍事訓練を受けているだけの一介の学生でありながら並外れたカタフラクト操縦技術と戦術眼を有しており、その能力と胆力によって数多の戦果を挙げていくこととなる。

元々は芦原高校で訓練機として運用されていた前世代機のスレイプニールを愛用し、軍属となり現在の地球連合軍の主力機アレイオンを提供された後もスレイプニールに乗り続ける。軍では幼馴染の網文韻子と共に姉が率いる「マスタング小隊」に配属される。

ザーツバルムの揚陸城における決戦の後、スレイン・トロイヤードに銃で撃たれ、左目を失うと共に瀕死の重傷を負う。しかし救助されて一命を取り留め、第2クールからは失った左目部分に高性能コンピュータの「アナリティカルエンジン」を搭載した義眼を入れ、戦場に舞い戻る。また、一連の出来事でアセイラムの血を経口摂取した際にアルドノアの起動因子を獲得しており、連れ去られたアセイラムに代わりデューカリオンの起動役も担うことになる。

登場作品と役柄編集

単独作品編集

スーパーロボット大戦DD
初登場作品。序章ワールド5第1話より参戦。ワールド5の実質的な中心人物で、破嵐万丈と共に部隊のリーダー格となる。
ディバイン・ドゥアーズの一員としても原作よろしく、戦略・戦術、謎の解明など頭脳労働全般で出番が多い。
3章Part1にて原作通り失明する等の重傷を負うが、続くPart2にてGGGの治療で早々に回復し、アナリティカルエンジンを移植。自軍合流に際して葛城ミサトの副官に任ぜられる。

パイロットステータス編集

精神コマンド編集

DD
狙撃直撃必中直感分析巧手

特殊スキル編集

DD
戦術眼
気力120以上の時、照準値・運動性が増加する。
臨機応変
全ての攻撃の与ダメージが増加する。攻撃を命中させたときの気力上昇量が増加する。
[X]気力限界突破(マスタング小隊)
気力上限が増加する。攻撃力・照準値が増加する。
見切り(伊奈帆)
攻撃力が増加する。気力130以上のとき、ステージ中一度「熱血」がかかる(LV10で追加される)。

支援効果編集

パーツ メイン効果 サブ効果 精神コマンド 専用演出対応
頼もしき級友 実弾強化III タイプ強化III・運動性(攻撃・回避) 不屈 アレイオン
網文韻子

人間関係編集

家族編集

界塚ユキ
姉。家事の面では伊奈帆が面倒を見る立場。「ユキ姉」と呼ぶ。
戦場では彼女の部下となるが、伊奈帆が戦場に身を置くことには当然ながら複雑な感情を持たれる。

芦原高校編集

網文韻子
同級生で幼馴染。パイロットとしても良き相棒となる。
カーム・クラフトマンニーナ・クライン箕国起助
同級生達。死亡した起助を除き、わだつみ及びデューカリオンのクルーとして共に戦う。
祭陽希咲詰城祐太朗
先輩達。同じく、わだつみ及びデューカリオンのクルーとして共に戦う。

地球連合編集

鞠戸孝一郎
芦原高校の訓練教官。
ダルザナ・マグバレッジ不見咲カオル筧至鋼
乗艦となるわだつみ及びデューカリオンのクルー。
エーリス・ハッキネン
地球連合軍の中将。伊奈帆にアナリティカルエンジンを提供した。

ヴァース帝国編集

スレイン・トロイヤード
火星側の主人公。アセイラムを巡るライバル的存在となる。
アセイラム・ヴァース・アリューシア
ヒロイン。物語が進むにつれ、命を懸けて戦う理由になるほどの特別な存在となる。
その性格ゆえに、どのように想っているのかは全編通してハッキリしないが、ユキの見立てでは第9話時点で「相当入れ込んでる」。
トリルラン
初陣の相手。起助の仇として引導を渡す。

民間人編集

ライエ・アリアーシュ
共にセラムの正体を知り、肩を並べて戦うことになる。
耶賀頼蒼真
同じ新芦原市の住人であり、知り合いの仲。

他作品との人間関係編集

破嵐万丈
『DD』で共演。難民となった伊奈帆たちを保護し、協力する。
破嵐創造
『DD』での伊奈帆の住む世界では偉人として教科書に掲載されており、“学校で教わった範囲内での”破嵐創造の偉業と去就を解説する場面がある。真実を知るであろう万丈は内容を聞いて複雑な心境だった様子。
ソゴル・キョウ
『DD』では度々インテリトークを行っている場面が描かれ、馬の合う友達となっている。
アムロ・レイ
『DD』で共演。伊奈帆の洞察力や判断力の高さを認めている。
葛城ミサト
『DD』で共演。作戦参謀である彼女の副官の一人となる。
レイラ・マルカル
『DD』で共演。同じくミサトの副官という立場になっていたため、ディバイン・ドゥアーズ内での同僚となる。
獅子王麗雄
『DD』で共演。左目を失明した際の治療とアナリティカルエンジンの移植をしてもらう。
ミスマル・ユリカ
『DD』において、極冠遺跡の戦いの際にアナリティカルエンジンを通じて彼女の声を聞き、部隊に対して彼女の言葉を伝えた。
尚、彼女の言葉を一言一句伝えた為、伊奈帆が彼女の決め台詞である「ぶい!」を発言した。
ユニス・エアリー
『DD』序章ワールド5では、伊奈帆の初陣中に転移してきた彼女と最初に接触。寄る辺ない彼女と難民になった伊奈帆たちとで共に逃避行をすることになる。

名台詞編集

「ペ二ビアかな」
カーム「何?」
「怠惰の女神」
第1話。バスに乗り込み、カーム達にユキが今日は遅刻だと告げて、姉は怠惰だと称する。
「今すぐここを離れよう。ミサイルが来る」
同話より。アセイラム暗殺のために発射されたミサイルにいち早く気づいた。
「戦おう。ユキ姉達の代わりに。今度は僕らが」
「あの火星カタフラクトと」
第2話。目の前で起助の理不尽な死を目撃し、鞠戸から敵が追ってきてると聞かされて。
「起助が死んだ」
「判断は臨機応変。いざとなれば自分を信じて決断する。ユキ姉、いつも言ってたよね」
「きっと、今がその時だと思う」
第3話。姉から「どうして伊奈帆が戦うのか」と問い詰められ、決意を述べる。
要は「あいつに殺された友達の仇を討つ」という人並みの感情的な動機を至って淡々と口にする、伊奈帆のパーソナリティがよく出ている台詞と言える。
「運動エネルギーだけじゃなく、電波もレーザーも吸収される」
「きっとそれが、あの壁の特性なんだと思う」 
同話より。ニロケラスの次元バリアの謎を看破し、空に浮かぶ外部カメラの存在を見抜く。
「お前のバリアに隙間があることは分かっていた」
「例えば接地面、足の裏にバリアは張れない。そんなことをすればお前は立つことすらできなくなる」
「お前のバリアはその無敵さゆえ、全身を覆いきることができないんだ」
「外部カメラのデータ受信部、バリアの隙間の一つさ。…友達の分だ!」
同話より。海中に落下したニロケラスに、仇討ちの意志を込めて止めを刺す。
「HE弾は駄目か…AP弾ならどうだ」
「弾頭が蒸発して、弾道が弾かれてる。ライデンフロスト現象か。…なんて熱量だ」
第4話。アルギュレとの戦闘中、相手が使うビームサーベルを考察する。
「…水蒸気爆発。あの刀の膨大な熱エネルギーが、海水を急激に蒸発させ、その高圧水蒸気の衝撃が、奴を破壊した」
第5話。アルギュレ撃破後の解説。
スレイン「あなたは僕の敵ですか!?」
「君は……僕の敵だ」
第7話。スレインの手助けでヘラスを撃破した直後、スカイキャリアに随伴しながら伊奈帆はスレインの思惑を問い質す。その気になれば和解もあり得る状況だったが、伊奈帆から見れば「アセイラムが生きていることをなぜか知っているヴァース側の人間」という疑わしい存在でしかなく、お互いに腹を探り合った末に決裂。スカイキャリアを撃墜し、2人の主人公の最初で最後の共闘は終わりを迎える。

スパロボシリーズの名台詞編集

伊奈帆「僕は避難民が逃げる時間を稼がなきゃならない。戦えるなら、協力してくれ」
ユニス「い、いきなり実戦…!?」
伊奈帆「僕もだ」
ユニス「わ、わかった! こんな所で死ねるもんか! やってやるわよ!」
伊奈帆「切り替えが早いな」
序章ワールド5第1話「地球の一番長い日」にて。初陣が一段落したところに突如転移してきたユニスの事情をひとしきり聞いた直後に後続が現れ、事情はさておいて共闘を求める。
切り替えが早いとは言うが、立て続けの緊急事態に巻き込まれているのはお互い様なのに「切り替え」も何もない伊奈帆の方が大概であろう。
キョウ「そんなバリアで全身を覆ったら、周りが見えねえだろ?」
伊奈帆「すぐそこに気づくとはね」
1章Part6「オールド・ネスト」にて。オケアノスの格納庫でホロニックローダーに興味津々だったのがきっかけでソゴル・キョウとの話になった際、ニロケラスの次元バリアの話題でキョウが弱点にすぐ気づいた際の台詞。インテリ二人の気が合うきっかけの一つ。
伊奈帆「だが、特殊な力を持った火星カタフラクトはまだいる。詳細がわからない以上、検証を続けて対処していくしかない」
キョウ「帰納的推論じゃ、正確性は担保できねえぜ?」
伊奈帆「仮説を構築し、反証可能性を模索するさ」
キョウ「ふっ、ポパーか。いいね、気に入ったぜ。お前とは話が合いそうだ」
上記場面の続き。小難しい言葉の連打だが、要は「諦めず試行錯誤していく」と伊奈帆は言っている。ポパーとは、反証可能性を提起した哲学者カール・ライムント・ポパーのこと。どうやら知識面でもついていける相手としてお互いを認識したようである。
「でも、それは普通の人にだってあり得る事態だよ。頭部にショックを受ければ記憶喪失になることもあるし、酷い怪我をすれば死ぬ」
「要するに、普通の人間と変わりないってことじゃないかな」
1章Part8「ウェットダメージ」より。自分が幻体であることに改めてショックを受けていたキョウに対して。キョウは確かに幻体かもしれない…データ転送のたびに記憶が失われ、データ破損で死ぬ身体。それでも、生身の人間にだって起こりうる事態であり、伊奈帆とっては一人の友人であることに変わりはないと説く。
「日本の海軍のしきたりなんだ。長い間、艦に乗ってると曜日感覚が薄くなるから、金曜の昼食をカレーで固定したと言われてる」
2024年4月のイベント「私のように熱く叫び、戦うのだ!」第2話「この星の明日のために!」より。ラー・カイラムの食堂メニューが金曜日はカレーライスであったことを疑問に思うひびき洸に対して。実際現在の自衛隊でも旧日本軍から引き続きこの習慣は残っており、神奈川県横須賀市を始めとしてこの習慣をPRしている地域もある[2]が、伊奈帆の語るこの習慣は実は後付けでPRのために付与された理由となっている(現在対外的に理由として公言されているものではあるため、伊奈帆の言葉も間違っているとはいえない)。
なお、このカレーの話は同イベントで参戦する『勇気爆発バーンブレイバーン』に関連するネタ。作中で自衛隊の食事としてカレーを食べる描写があり、先の横須賀市はブレイバーン達の転移直前、『ブレバン』の世界(第6話後半)にてスペルビアが再出現した場所である。

搭乗機体編集

スレイプニール
地球連合軍の量産型カタフラクト。

脚注編集