ジミー・オリオン

ジミー・オリオンは『合身戦隊メカンダーロボ』の主人公

ジミー・オリオン
登場作品 合身戦隊メカンダーロボ
声優 神谷明
デザイン 岡迫亘弘
初登場SRW スーパーロボット大戦COMPACT3
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
種族 ガニメデ星人
性別
年齢 17歳
出身 ガニメデ星
所属 キング・ダイヤモンド
称号 王子
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概要 編集

メカンダーロボのメインパイロットにしてガニメデ星の王子。合身戦隊では主に火器管制を担当する。

2歳のときにコンギスター軍団によって母星の襲撃を受け、サイボーグに改造される寸前に母親によってカプセルで脱出させられ、カプセルに搭載されている催眠教育マシンで必要な知識を学習しつつ15年間宇宙を漂流した後、地球に辿り着き敷島正造博士に保護される。後にキング・ダイヤモンドへ所属し合身戦隊の一員となり、コンギスターの魔手から地球を守る為に戦う。

自らを「コンギスター軍団と闘う為に生きる男」と称し、再三に亘り口にする事で己のアイデンティティとしている一方、コンギスター憎しの感情が先走るあまり時には愛機の弾切れを招いたり、突出し過ぎて撃墜されたりと初歩的なミスを遣らかす事も多く、遂には輸送艦隊の護衛任務を放棄して敵編隊の殲滅に拘り過ぎた挙句、陽動作戦に引っ掛かり艦隊を壊滅させてしまい多数の犠牲者を出すという取り返しの付かない大失態まで犯してしまった。

コンギスター軍団を倒した後、故郷であるガニメデ星に戻るが、既に星には生きた住民の姿は無く、誰に行き先を告げずに仲間のもとから離れて何処かへと去ってしまった。

登場作品と役柄 編集

COMPACTシリーズ 編集

スーパーロボット大戦COMPACT3
初登場作品。メカンダーロボのメインパイロット。10話から参戦。復讐をデフォルトで持っている唯一のキャラ。復讐を有効活用するならば必中をかけ、竜介の鉄壁を使用したい。

パイロットステータス 編集

能力値 編集

トップクラスの格闘値を持つ。命中が低いのが難点。

精神コマンド 編集

COMPACT3
ひらめき必中努力熱血気合
3~4人乗りのメカンダーロボのパイロットだが、一人でスーパー系に必須の戦闘用のものを取りそろえる。

特殊技能 編集

COMPACT3
底力防御復讐

パイロットBGM 編集

「トライアタック! メカンダーロボ」
オープニング曲。『COMPACT3』で採用。

人間関係 編集

敷島竜介
八島小次郎
敷島ミカ
敷島正造
上司。地球漂着時に初めて出会った地球人であり、命の恩人でもある。
ユータ
合身戦隊に憧れる少年で、彼から「ジミー兄貴」と呼ばれ慕われている。SRW未登場。
第14話では体罰込みで彼に厳しく接するが、それまで遊び気分が抜けなかったユータの意識改革を促す事に繋がった模様。
ジミーの母 / メデューサ将軍
母親だが、洗脳されてメデューサ将軍に変えられている。割と早い段階でメカ獣を操る敵指揮官が、愛する母の変わり果てた姿である事に気付いていたものの、戦場で相対する際には仲間達へ苦悩や葛藤に苛まれる様子を一切見せなかった。
第23話のドラゴンドリラー戦にてメデューサは「母親」としての自我を取り戻しジミーの名を叫び続けるが、ジミーはメカンダーMAX内で昏倒していたため意識を回復した時には、既に母は自爆させたドラゴンドリラーの炎の中へ消えており、実際に再会する事が叶わなかったジミーは、炎上する残骸を前にして慟哭するしか無かった。
ヘドロン皇帝
宿敵。

他作品との人間関係 編集

流竜馬
ジミーの正体が判明しても非難せず、仲間と認めた。
ブライト・ノア
COMPACT3』では上司。

名台詞 編集

「トライサー!」
キング・ダイアモンド隊員内で使用される「ラジャー」「了解」に相当する掛け声だが、本作に於けるジミーの第一声でもある。
「いや、俺は闘う為に…コンギスター軍団を叩き潰す為に生きる男だ! 1人でもやるぜ!」
第1話より。メカンダーMAXへの合体訓練中にコンギスター円盤群と出くわした事で闘争心に火が点き、「実戦は時期尚早」との判断を下した敷島博士からの撤退命令を無視して愛機メカンダー・プレーン1で突貫するが、冷静さを欠いたジミーは直後「弾切れ」という窮地を招く事になる[1]
「…どんな血が流れていると思った?」
「緑色か? それとも青い色をした血か!? フン、俺は地球人じゃねぇからな!」
第2話でミカから「貴方にも赤い血が流れているのね」と言われた時の返答。ミカ自身、既にジミーが異星人である事を把握してはいたが、無意識に彼のコンプレックスを刺激してしまう。
「フン、関係ねえなぁそんな事。俺はコンギスター軍団と闘えりゃあそれで良いんだ。奴らを操る化物を叩き潰す為に、命を懸けて闘えればそれで良いんだ!」
「畜生…今に見てろ! 必ず、必ず俺がブチのめしてやるッ…!!」
直後、「貴方が私達と同じ血が流れていると知って嬉しかった」とのミカからの弁明を一笑に付した後、改めてコンギスター軍団の殲滅を叫ぶ。その尋常ならざる激情を目の当たりにして、ミカは言葉を失った。
COMPACT3』でジミーの特殊技能に「復讐」が宛がわれた理由も窺える一幕である。
(…あのブレスレットは、俺のブレスレットと同じ物だった…ガニメデ星王家の紋章…)
(まさか…まさかあの恐ろしい顔をしたあいつが、俺の…!?)
シンキラーのコクピット目掛けて空中大型魚雷ジョーズの照準を絞り込んだ刹那、敵指揮官が自身と同じブレスレットを所持していた事に動揺し不吉な予感に苛まれる。直後、竜介からシンキラー撃破の好機を逸した事について追及され「俺の技術不足が招いたミス」と誤魔化すジミーだったが…。
「…うん。小次郎の言う通り、確かに科学力は遙かにコンギスターの方が優れている」
「しかし、このロボットやメカンダー・プレーンが地球上で最高の物であるんなら、これで闘うしかない!」
第3話より。シンキラー戦で受けた損傷箇所の修理作業を見守りながら、メカンダーロボの心許なさを指摘する小次郎の悪態に一定の理解を示しつつ、不利な戦況下でも限られた戦力を駆使して闘う事を訴え掛ける。
「心配するな、俺の身体は地球人とは違う。一か八か、そこに望みをかけてやってみるしかない!」
第3話より、敵の攻撃でメカンダーの回路が焼き切れて戦えなくなった時に。なんとジミーは焼き切れた配線を掴み、自分の身体を配線代わりにするというとんでもない無茶を実行。いくらガニメデ星人が地球人より頑丈とはいえかなりの苦痛であったようだが、竜介と小次郎の奮戦の甲斐もあり、苦戦しながらも敵の撃破には成功した。
「俺は許せない! この子たちから父や母を奪い取ったコンギスター軍団を、絶対に許せない!!」
第7話より。不時着した海岸で介抱してくれた子供達全員が、コンギスター軍団に因って両親を殺され孤児の身である事を知り、自身の境遇と重なって見えた事で改めてコンギスター壊滅に燃える。
「高度が限界を超えてる、これ以上飛行すると機体が分解するんだ!」
「小次郎、お前は…我々の使命を忘れたのか!?」
第8話でオメガミサイルに対する恐怖心のあまり、静止衛星めがけて狂乱の体で成層圏を上昇する小次郎へ空中分解の危険性を訴えつつ、合身戦隊の使命を思い起こさせる。ジミーの叫びに錯乱状態だった小次郎も平常心を取り戻し引き返す。
「いいって事さ。俺も竜介も、本当はオメガミサイルが恐ろしいんだ」
「いつか必ず、俺達の手で静止衛星を撃ち落してやろうぜ!」
同話ラストより。2体のメカ獣と3発のオメガミサイルに因る東京消滅を喰い止め帰還する最中、己の不甲斐なさを詫びる小次郎へ励ましの言葉を掛ける。上述の説得同様、ジミーが「リーダー」としての資質を竜介以上に発揮した名シーンでもある。
「ここには燃料も爆薬も有るんだ。大爆発を起こしたらどうするんだ?」
「それくらい判断出来んようでは、メカンダーの一員には成れんぞ!」
第14話で格納庫内へマッチを持ち込んだユータの危機意識の無さに激怒し、彼を張り倒して猛省を促す。傍らに居たミカの言う通り厳し過ぎる感は否めないものの、発火物を持ち込むという行為自体が格納庫で作業しているクルー全員を危険に晒した事は確かなので、遊び感覚で合身戦隊に同行しているユータの無責任さがジミーとしても許せなかったのだろう。
「確かに理屈はそうだ。しかし、いちいちオメガミサイルを待っていたんじゃ日が暮れちまうぜ!」
「…フッ、日が暮れる訳も無いか。ここは宇宙だ」
第17話に於ける静止衛星撃破作戦で、オメガミサイルの弾切れを狙おうとする竜介からの提案に思わずツッコミを入れるも即、自身の発言に対してシニカルに笑う。
「…竜介、ユニフォームは有るか?」
「ああ、俺達も野球をやろうじゃないか」
第18話より。謎の闖入者・高田がキング・ダイヤモンドのマウンド上でユータ相手に野球を始めてしまった為、秘密基地の性格上マシンを出撃させる訳にいかず合身戦隊が苦慮していた際、ジミーは上述の奇策で高田からの指導を受けつつ彼の素性を探ろうとする。なお、ジミーなら「1」小次郎なら「2」といった具合に各々の背番号はメカンダー・プレーンに準拠している。
「惨い事しやがる。ガニメデ星人をサイボーグにして虫ケラのように使う…俺のお袋も……」
同上。高田の正体であるサイボーグ兵・ガーダー(SRW未登場)の亡骸から露出したメカを目の当たりにして、母親も同様の境遇に置かれている事を改めて実感し、暗澹たる思いに囚われる。
「俺達が護衛しながら、レッドリバーを全滅させるなんて…」
「メカンダーロボは、俺達は…何も出来なかった……ッ!」
第19話より。コンギスターへの反撃作戦に必要な原油を積載していた輸送船団が次々と襲撃を受け、最後の船団たるレッドリバー艦隊の護衛任務に就いていたものの、捉え処の無いメカ獣メカオニヒトデ(SRW未登場)に翻弄されているうち彼らも撃沈されてしまい、実質的に反撃作戦が頓挫してしまった事で嘗てない無力感と敗北感に苛まれる。
「やらねば成らないんだ。そうしなきゃ…俺達のメンツが立たん!」
「…いや、メンツなんかどうでもいいんだ。地球防衛軍に対して申し訳無い」
同上。合身戦隊のプライドよりも志半ばで全滅した輸送船団の遺志を重んじて、海上に放置されていた旧式潜水艦へ修理改造を施した上で、ペルシャ湾の補給基地を目指すという奇策を立案する。
「博士、連合艦隊の機動部隊はどうして出動しないんですか? 潜水艦隊護衛任務は彼らで充分でしょう」
「連合艦隊の運命がどう成るか知りませんがね、俺達にも地球最後の拠点日本を防衛するという重大任務が有るんですよ!」
「その俺達を、救急車のように気軽に使われちゃ堪りませんよ!」
第21話で発した防衛軍からの潜水艦護衛要請に対する不平不満。敷島から「連合艦隊の再建を左右する重大任務」である事を説かれても、敵との交戦を極力回避する護衛重視の出動にジミーの拒絶反応は収まらなかった。
医療従事者の仕事を軽視するかのような問題発言も然る事ながら、上述の第8話や第19話にて確かな精神的成長を見せていたジミーが、あたかも最初期に於ける好戦的な性格へと「逆行」したかの如き悪態を吐くのは違和感が拭えず、YouTube「メカンダーロボ公式チャンネル」のコメント欄でも数人の視聴者が「本来なら初期で遣るべき脚本に何らかのトラブルが生じ、番組後半へと廻されてしまったのではないか?」との考察を展開している[2]
「…さあ行こうぜ、輸送船団の護衛に就こうじゃないか」
「山本長官は俺達に頼むしか無いのさ。『連合艦隊』と言っても名ばかりで、今じゃ寄せ集めの弱小部隊だ」
「タイガーシャークを叩けるのは、合身戦隊メカンダーロボだけさ!」
第23話より。本来なら連合艦隊が請け負うべき輸送船団護衛任務を、メカタイガーシャーク軍団に艦隊が壊滅させられてしまう事を恐れ、合身戦隊へ肩代わりさせようとする山本長官の虫の良すぎる依頼に小次郎やミカが彼へと批難をぶつける中、長官の胸中を察したかのように任務を承諾する。とは言え、サラリと皮肉を漏らす辺りジミーとしても思うところが有った模様。
子供じみた悪態に終始する上記第21話と殆ど同じシチュエーションだが、打って変わって「オトナの対応」を示すジミーを見るに付け、上述の「初期シナリオ後回し説」がより有力になった感は否めない。
「お母さん…お母さんの声がする…お母さん!」
同上。ドラゴンドリラーに惨敗を喫したメカンダーロボから脱出不能となり、炎に焼かれるメカンダーMAX内で昏倒していたジミーの脳裏へ「瞼の母」の声が響くが…。
「…お母さんのブレスレット! 何故ここに?」
直後、母の手助けで漸くMAXが脱出に成功し意識を回復したジミーだったが、傍らに置かれていた母のブレスレットと眼前で炎上するドラゴンドリラーの残骸から全てを悟り、泣き崩れる。
「…何か言ったか? 取り乱したようだな…」
第24話での戦闘中、不覚にも失神し母の夢を見た事で彼女の名を呟くが、意識を回復したのち自分の代わりにメカ火焔龍を仕留めた小次郎へ、バツが悪そうに昏倒中の様子を訊ねる。
「お母さん…」
最終話で故郷に戻った時に発した台詞。このあと彼は一人何処かへと去って行ってしまう。

迷台詞 編集

「博士、先回の汚名挽回にもう一度チャンスを!」
第21話でスタンドプレーの贖罪として、防衛軍コマンド部隊を援護するべく単身オーストラリアへ向かう事を敷島に告げた、堂々たる命令違反ジェリド・メサ同様、汚名返上と名誉挽回がゴチャ混ぜになっている「迷台詞」と化してしまった。
「ベルトを締めろ! 振り飛ばされるぞ…うわあぁぁぁッ!!」
第24話で初の本格的なメカ獣戦にミカを気遣った台詞…なのだが、当の本人がベルトを締め忘れていたので敵の攻撃を喰らって計器盤に頭をぶつけ、失神してしまうという「凡ミス」と呼ぶにはあまりにも迂闊すぎる醜態を、よりにもよってメカンダーロボPART2のデビュー戦という晴れ舞台で晒してしまう。なお、メカ獣は代打を務めた小次郎の手で撃破されている。

スパロボシリーズの名台詞 編集

「みんな…ありがとう」
COMPACT3』第25話「ハイパー・ジェリル」より。自分の正体が異星人であっても「仲間」であると竜馬隼人ボス達から言われて発した感謝の言葉。

搭乗機体 編集

メカンダーMAX
メカンダーロボ

脚注 編集

  1. 第13話に於けるクマンダー2号機(SRW未登場)でも同じく弾切れ状態に陥るが、これは第1話でのクマンダー戦をバンクシーンとして流用している為であり、第1話と違ってジミー自身に落ち度はない。
  2. 実際、或る程度の成長を遂げていた主人公が相当数のエピソードを消化した後半で、いきなり初期の未熟キャラに逆行してしまうというケースは、シリーズ構成制度が充分に確立されていない'70年代アニメで多く見られる事例であった。