機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』はサンライズ制作の劇場アニメ作品。
| 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM | |
|---|---|
| 外国語表記 | Mobile Suit Gundam SEED FREEDOM[1] |
| 原作 |
矢立肇 富野由悠季 |
| 監督 | 福田己津央 |
| 脚本 |
両澤千晶 後藤リウ 福田己津央 |
| キャラクターデザイン | 平井久司 |
| メカニックデザイン |
大河原邦男 山根公利 宮武一貴 阿久津潤一 新谷学 禅芝 射尾卓弥 大河広行 |
| 音楽 | 佐橋俊彦 |
| 制作 | サンライズ |
| 配給元 |
バンダイナムコフィルムワークス 松竹 |
| 公開日 | 2024年1月26日 |
| シリーズ |
|
| 前作 | 機動戦士ガンダムSEED DESTINY |
| 初登場SRW | スーパーロボット大戦DD |
概要 編集
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の放送終了後に映画化が企画されたが、その後続報が出ず、頓挫した状態となっていた企画をガンダムSEED放送20周年記念プロジェクトとして復活・制作された正統続編。
『DESTINY』での戦いの後の世界を描きつつ、キラとラクスの愛を物語の中心に据え、新たな戦いと世界の行く末を描く。
脚本は『DESTINY』放送後に亡くなった両澤千晶氏が準備していた劇場版用の遺稿をもとにノベライズを担当していた後藤リウ氏と福田己津央氏が後半を書き足す形で執筆されており、SEEDらしさがありつつも後半は活劇要素の強いお祭り騒ぎな作風となっている。
また、一部の劇場ではガンダム映画初となる応援上映[2]が行われた。
興行面においては、『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』以来破られていなかったガンダム劇場作品の興行収入記録を42年ぶりに更新。同年9月にはソフト用の作画修正とピクチャードラマが追加された特別版の上映が行われた他、『DESTINY』との間に起きた事件を描く前日譚『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO』の制作が発表された。
ストーリー 編集
C.E.75。ブレイク・ザ・ワールドに端を発する第2次連合・プラント大戦から2年。
キラ達はカガリの提唱で結成された世界平和監視機構コンパスに所属し、いまだ抵抗を続けるブルーコスモス残党らと戦っていた。
そんな中、ユーラシア連邦から独立した新興国ファウンデーション王国からブルーコスモスの本拠地の情報を提供すると言う申し出を受け、キラ達は同地を訪れる。
しかし、それは新たな戦い、そしてキラとラクスにとって最大の試練のはじまりであった。
登場人物 編集
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
世界平和監視機構コンパス 編集
- キラ・ヤマト
- 主人公。コンパスのエースパイロットでヤマト隊の隊長。
- ラクス・クライン
- ヒロイン。コンパスの総裁。
- シン・アスカ
- 前作の主人公の一人で、ヤマト隊の一員。
- ルナマリア・ホーク
- ヤマト隊の一員。
- アグネス・ギーベンラート
- ヤマト隊の一員でシン達の士官学校時代の同級生。
- アレクセイ・コノエ
- コンパスの旗艦ミレニアムの艦長。
- アーサー・トライン
- ミレニアムの副長。
- アルバート・ハインライン
- ミレニアムの技術責任者。MS開発初期から携わり、フリーダムとジャスティスを開発した人物。
- ヒルダ・ハーケン、ヘルベルト・フォン・ラインハルト、マーズ・シメオン
- ラクスを敬愛するMS小隊のメンバー。
- アビー・ウィンザー
- ミレニアムのオペレーター。
- マリュー・ラミアス
- アークエンジェル艦長。
- ムウ・ラ・フラガ
- フラガ隊の隊長。
- アーノルド・ノイマン
- アークエンジェルの操舵手。
- ダリダ・ローラハ・チャンドラII世
- アークエンジェルのオペレーター。
- ヒメコ・ユリー、ユウ・キリシマ
- 新たにアークエンジェルに配属されたブリッジ要員。
- リオ・マオ
- ラクスの秘書官。
- トリィ
- 幼い頃にアスランがキラに贈ったペットロボット。
- ブルー
- キラがトリィと対になるようにラクスに贈ったペットロボット。
オーブ 編集
- カガリ・ユラ・アスハ
- オーブ代表首長。
- トーヤ・マシマ
- カガリの秘書。
- アスラン・ザラ
- 前作の主人公の一人で、ターミナルのエージェントとして出向中。
- メイリン・ホーク
- ターミナルの情報処理担当官として出向中。
- エリカ・シモンズ
- 技術者。
- サイ・アーガイル、ミリアリア・ハウ
- カガリの補佐官。
プラント 編集
- イザーク・ジュール
- ザフトの情報将校。
- ディアッカ・エルスマン
- イザークの部下で相棒。
- シホ・ハーネンフース
- イザークの部下。
- ワルター・ド・ラメント
- プラント最高評議会議長。中立派。
- ハリ・ジャガンナート
- プラント国防委員長。急進派。
- アイリーン・カナーバ、エザリア・ジュール
- 最高評議会議員。
地球連合 編集
- フォスター
- 大西洋連邦大統領。コンパスに加盟している。
- ミケール
- 連合軍大佐でブルーコスモス残党。
ファウンデーション王国 編集
- アウラ・マハ・ハイバル
- ファウンデーションの女王。
- オルフェ・ラム・タオ
- 宰相。アウラを補佐する。
- シュラ・サーペンタイン
- 国防長官にしてブラックナイトスコード隊隊長。
- イングリット・トラドール
- 国務秘書官。リデラードの姉。
- リデラード・トラドール
- ブラックナイトスコード隊隊員。イングリットの妹。
- ダニエル・ハルパー
- ブラックナイトスコード隊隊員。マスクを着けた青年。
- リュー・シェンチアン
- ブラックナイトスコード隊隊員。赤髪の青年。
- グリフィン・アルバレスト
- ブラックナイトスコード隊隊員。坊主頭の青年。
その他 編集
- ギルバート・デュランダル、ラウ・ル・クルーゼ、ニコル・アマルフィ
- 回想シーンにて登場。
登場メカ 編集
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
コンパスの機動兵器 編集
- ライジングフリーダムガンダム
- ストライクフリーダムガンダムの運用データとムラサメの可変技術を合わせた新型機。
- イモータルジャスティスガンダム
- インフィニットジャスティスガンダムの運用データとムラサメの可変技術を合わせた新型機。
- ストライクフリーダムガンダム弐式
- ストライクフリーダムの改修機。
- マイティーストライクフリーダムガンダム
- ストライクフリーダム弐式がバックパックを分離し、プラウドディフェンダーと合体した姿。
- プラウドディフェンダー
- フリーダム用の新型ウイング。コックピットが搭載されているため、単独飛行も可能。
- デスティニーガンダムSpec II
- 大破したデスティニーガンダムを改修した機体。
- インパルスガンダムSpec II
- インパルスガンダムの改修機。
- フォースインパルスガンダムSpec II、ソードインパルスガンダムSpec II、ブラストインパルスガンダムSpec II
- インパルスの各形態。
オーブ軍の機動兵器 編集
- キャバリアーアイフリッド
- 新開発されたフライトシステム。
Z.A.F.Tの機動兵器 編集
- デュエルブリッツガンダム
- 保管されていたデュエルガンダムの改修機。
- ライトニングバスターガンダム
- 保管されていたバスターガンダムの改修機。
- ザクウォーリア、ザクファントム(各種ウィザード含む)、バクゥ、シグー、ジン、ザウート
- ザフトの量産機。
地球連合軍の機動兵器 編集
ファウンデーション王国の機動兵器 編集
- ブラックナイトスコード ルドラ
- ファウンデーションが独自に開発したブラックナイトスコードの主力機。
- ブラックナイトスコード シヴァ
- シュラの専用機で近接格闘特化機。
- ブラックナイトスコード カルラ
- オルフェ専用機で複座機。ルドラやシヴァとは機体色が異なる。
- ジグラート
- カルラが遠隔操作する大型の自律機動兵装。
- ジン-F
- 型落ちしたジンをファウンデーションカラーに塗装した機体。
- ジン-R
- ジンを無人機仕様に改修したブラックナイトスコードの随伴機。
- ディン-F
- 型落ちしたディンをファウンデーションカラーに塗装した機体。
- ディン-R
- ディンを無人機仕様に改修したブラックナイトスコードの随伴機。
艦船 編集
- ミレニアム
- コンパスの二番艦。ザフトが供出したミネルバの後継艦。
- アークエンジェル
- オーブ軍所属のコンパス一番艦。
- クサナギ
- オーブ軍のイズモ級二番艦。
- オーブ軍イージス艦
- オーブ軍のイージス艦。
- ワダツミ
- オーブ軍のタケミカズチ級空母。
- ナスカ級高速戦闘艦、ローラシア級MS搭載艦
- ザフト軍の主力艦。若干形状や武装が変更され、ファウンデーションにも輸出されている。
- エターナル
- ターミナル所属艦。
- ドレイク級護衛艦、ネルソン級戦艦、アガメムノン級宇宙空母
- 地球連合軍の主力艦。若干形状や武装が変更されている。
- グルヴェイグ
- ファウンデーション旗艦のヴァナヘイム級惑星間航宙戦艦。
- バルドル級惑星間航宙戦艦
- ファウンデーションの主力艦。
用語 編集
- 世界平和監視機構コンパス
- カガリ・ユラ・アスハの提唱でオーブ・大西洋連邦・ザフトなどが戦力を出し合って結成された平和維持軍。地球と宇宙を行き来し、世界中で発生する紛争に介入する。
- ファウンデーション王国
- ユーラシア連邦から独立したばかりの小国。独立後、目覚ましい発展を遂げている。
- ブラックナイトスコード
- アウラの親衛隊でブラックナイツとも呼ばれる。ブラックナイトスコードが使用するモビルスーツの総称でもある。
- ファウンデーション・ショック
- ファウンデーションがユーラシアから独立を勝ち取った事件。またはその影響でユーラシア連邦各地で独立運動が起きた事件。武力に訴えたユーラシア連邦を独自の戦力で押し返し、国際社会の予想に反して独立を勝ち取った。
- アコード
- コーディネイターを超える存在としてアウラが作り出した新人類。精神感応能力を持ち、心を読んだり心の中の闇を増幅するといった超常的な力を持つ。
- フェムテク装甲(FT装甲)
- ファウンデーションが開発したビームを無効化する新世代の装甲。
- フリーダム強奪事件
- 『FREEDOM』本編の半年前に発生した、正体不明のテロリストによるストライクフリーダムガンダムの強奪未遂事件。ブラックナイトスコードの協力により鎮圧した。
楽曲 編集
- 主題歌
-
- 「FREEDOM」
- 歌:西川貴教 with t.komuro
- エンディングテーマ
-
- 「去り際のロマンティクス」
- 作詞:石川智晶 / 作曲・編曲:梶浦由記 / 歌:See-Saw
- 挿入歌
-
- 「望郷」
- 作詞・作曲・編曲:小室哲哉 / 歌:中島美嘉
- 「Meteor -ミーティア-」
- 歌:T.M.Revolution
登場作と扱われ方 編集
単独作品 編集
- スーパーロボット大戦DD
- 初参戦作品。2025年8月の4章Part3から登場。原作が劇場アニメ作品であるためか再現のテンポが早く、同Partにて物語前半部が終わっている。会話パートでは小説版の描写も参考にされている。
- 同Part以降、過去作から継続出演するキャラクターは『FREEDOM』仕様となるが、ライジングフリーダムやイモータルジャスティスなど前半のメイン機体がプレイアブル化しない都合もあってか、最初のプレイアブル機体がアスランのズゴック単騎の珍事を巻き起こした。ちなみに主役機を差し置いての実装は本作初である。
余談 編集
- 上述した通り、一度ほぼ頓挫して再始動した企画であるため、本作は発表まで相当の紆余曲折があった作品である。
- 劇場版の制作告知自体は2006年と早い段階でされていたが、そのまま続報がなかった。ニッポン放送『ミューコミ+プラス』2014年6月12日放送分では、本作でも主題歌を担当した西川貴教氏が「別作品の打ち上げで劇種に触れたら、サンライズの関係者真っ青」と発言しており、長らく頓挫が疑われていた。
- しかし、2021年に20周年企画「GUNDAM SEED PROJECT ignited」が発表され、その中で改めて劇場版が制作中であると発表された[3]。その後2023年7月2日、遂にタイトルと公開予定日が公開されることとなった。
- 本作公開後、同年11月1日には前日譚『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO』の制作が発表されている。
- 福田己津央監督は『DESTINY』以降本作発表までの間アニメ作品制作から離れており、2014年制作の『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』を除き表立って携わる事がほとんどない状態だった。『クロスアンジュ』についてもクリエイティブプロデューサーとしての参加である。本作発表以降は2024年に『グレンダイザーU』の総監督を務めており、再び表立ってアニメ作品制作に携わっている。
- 2024年5月22日時点で観客動員数288万人、興行収入48.2億円を突破。これまでのガンダム映画で興行収入最高額だった『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』の約23億円を42年ぶり&ダブルスコアで更新するという快挙を成し遂げた。最終的な興行収入は約53.8億円、2024年の国内映画興行収入ランキング6位という大ヒットとなった。[4]
- 実質的に『DESITNY』の設定補強が行われ、『DESTINY』本編におけるシンやキラの心情、精神状態がどれほど酷いものだったかが理解できるものとなっており、『DESTINY』の再評価へと繋がった。
- ストーリー展開(特に後半部分)に歴代スパロボシリーズにて『DESTINY』が参戦した際に描かれた展開に酷似した要素が多く見られており、一種の逆輸入とも取れる。創作者が考えることは似ているともとらえられる。[5]
脚注 編集
- ↑ タイトルと併記。
- ↑ 観客が声を出すことを許された上映形態。
- ↑ 「機動戦士ガンダム SEED」シリーズの新プロジェクトが始動!ガンプラ「MG エクリプスガンダム」が発売決定!!TVシリーズの続編となる劇場作品や新作ゲームも 2021年5月28日閲覧。
- ↑ 一般社団法人日本映画製作者連盟HP 2025年11月15日閲覧。
- ↑ 後半の戦闘シーンにおいても、細かい部分にスパロボを意識したかのような演出・描写が散見される。
商品情報 編集