アグネス・ギーベンラート
アグネス・ギーベンラートは『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の登場人物。
| アグネス・ギーベンラート | |
|---|---|
| 外国語表記 | AGNES GIEBENRATH[1] |
| 登場作品 | |
| 声優 | 桑島法子 |
| デザイン | 平井久司 |
| 初登場SRW | スーパーロボット大戦DD |
| プロフィール | |
|---|---|
| 異名 | 月光のワルキューレ |
| 種族 | 地球人(コーディネイター) |
| 性別 | 女 |
| 誕生日 | C.E.56年11月18日 |
| 星座 | 蠍座 |
| 年齢 | 18歳 |
| 身長 | 163cm |
| 所属 | ザフト → 世界平和監視機構コンパス |
| 所属部隊 | ヤマト隊 |
| 役職 | 赤服(ザフト) |
| 軍階級 | 中尉 |
概要
編集世界平和監視機構コンパスにて、キラ・ヤマト率いるヤマト隊に所属するパイロット。
ザフトの出身で、同じヤマト隊に属するシン・アスカやルナマリア・ホークとはアカデミー同期だったが、ザフト時代は彼らと異なりミネルバ隊には配属されず、第2次連合・プラント大戦では月方面での活躍により「月光のワルキューレ」という異名を獲得している[2]。
浅く付き合う分には男ウケはよく、作中序盤でもヴィーノ・デュプレらを侍らせていたりする。が、内心は承認欲求と自己顕示欲の塊であり、アカデミー時代の頃から男をアクセサリー感覚で見定めてはとっかえひっかえを繰り返しており、作中時点では既にパートナーの存在する上司のキラに執拗なアプローチを続けている。
また、自分の眼鏡にかなわない相手には周囲の目も厭わず無神経な暴論を吐き捨てる[3]など、性格面には非常に問題がある人物であり、特にヤマト隊内では全員からマイナスの感情を抱かれている。
後にシュラ・サーペンタインからの誘いを受け、裏切りを決意。ファウンデーション王国側へと身を寄せる。その後は最後まで敵対し続けた末、最終決戦にてルナマリア相手に敗北。死ぬことはなかったが、涙を流して途方に暮れていた所を救助される描写で終わっている。
登場作品と役柄
編集単独作品
編集- スーパーロボット大戦DD
- 初登場作品。メインシナリオ4章Part3から登場。原作同様の変遷でファウンデーション王国に与する。直接戦闘の機会はなくマップ内イベントでの登場に終始、4章Part10にて原作通りルナマリアに撃墜される。その後回収はされたことが語られている。
- ちなみに、本作ではミスリルの援護が間に合ったお陰でシンを救出出来たルナマリアがエルドアを脱出した後にアグネスの裏切りを知らされている。
人間関係
編集- キラ・ヤマト
- 上司。幾度となくアプローチをかけるが、その結果彼を逆上させてしまっており、彼にしては珍しく明確に嫌悪を剥き出しにされてしまう。
- また、キラがアプリリウス市内の自宅にいるシーンでは、キラに対して執拗に電子メールを送っている描写が見られる。
- シン・アスカ
- アカデミー同期であり、ヤマト隊同僚。
- しかしアカデミー時代から現在に至っても彼を小馬鹿にしており、第2次大戦での功績も「デュランダル議長に騙されて都合の良い駒にされていた」として全く認めていない。本人のいないところでは「山猿」だの「チンクシャ」だのと散々に扱き下ろしている。
- ルナマリア・ホーク
- シン同様アカデミー同期でありヤマト隊の同僚。
- アカデミー時代、当初は仲がよかったが、彼女の恋人を奪ったことで距離を置かれている。
- ヴィーノ・デュプレ
- 『FREEDOM』序盤に侍らせていた整備兵の一人。彼もアカデミー同期であり、アグネスが自分に気があるシーンがあったのではないかと勝手に勘違いしていた。
- 『FREEDOM』の特典小説『月光のワルキューレ』では、ザフト時代に広報を見た彼から送られたメールによりシン達の近況を知ることとなる。
- ラクス・クライン
- コンパスの総裁。
- 直接の絡みはないが、彼女がいながらキラにアプローチをかけたのを機に、彼女とキラのすれ違いが加速してしまう。
- アーノルド・ノイマン
- コンパス所属となったアークエンジェルの操舵手。
- 『SEED FREEDOM』の特典小説&ドラマCD『ノイマンの航海日誌』で、アグネスは彼にもキラの昔話について訊ねている。
- ノイマンはアグネスの本性を知らなかったため、「熱心で良い子」と評していた。
- シュラ・サーペンタイン
- 初対面から彼に好意的な接触を受けており、それが後々の転機となっている。
その他
編集- レイ・ザ・バレル
- アカデミー同期だが、彼には冷たくあしらわれていた。
- ヨウラン・ケント
- アカデミー同期。彼からもあまり好かれていなかった。アカデミー時代には、彼がシンを擁護する姿勢を取ったことでアグネスが逆上したこともあった。
- ミリアリア・ハウ
- 『SEED FREEDOM』の特典小説&ドラマCD『ノイマンの航海日誌』では、キラを籠絡するための手札を得る目的で、ミリアリアを始めとしたアークエンジェルのクルーからキラの昔話を聞き出そうとする場面がある。
- しかし、ミリアリアは女の直感と第1次連合・プラント大戦での実体験からアグネスの本性と思惑に感付いたため、キラ達の昔の写真を見せて欲しいとせがむアグネスを軽くあしらう形で突っぱねている。
- レオナード・バルウェイ
- 『SEED FREEDOM』の特典小説&ドラマCD『月光のワルキューレ』の登場人物。SRW未登場。
- 同作では意気投合して恋人になっていた。ただし『FREEDOM』小説版ではアグネスが元彼のレオナードについて「酷い裏切りを受けた」と言及しており、『月光のワルキューレ』でもそれを示唆する描写がある。
名台詞
編集- 「なに言ってるの、私の機体は近接戦用! 援護はあんたよ!」
- 作中序盤のオルドリン自治区戦で援護を要請したシンに対して。
- シンはこの時、シールドブーメランを民間人の盾にするために地面に刺しており、民間人を守るための援護を要請している。
- しかしアグネスはその意図を一切汲まず、戦闘のことだけを考えて返答した。
- 「やっぱり、シンとは格が違うわね」
- オルドリン自治区戦において、ライジングフリーダム単機でデストロイを戦闘不能に追い込み、ブルーコスモスのMSとミケール大佐がカナジにいる偽情報に乗せられて追撃しようとしたザフトのMSを無力化したキラに対して。
- 心身が疲弊しているキラを心配していたシンとルナマリアと違い、場違い過ぎる発言である。
- 「信頼なんて、されてるわけないじゃない。『フリーダム・キラー』なんて呼ばれてたあんたが」
- オルドリン自治区戦後、キラが一人で戦おうとしている姿に複雑な思いを抱えるシンに、彼の異名を皮肉のように用いて小馬鹿にした。
- 「いつ背中から撃ってくるかもしれない人、私だったら横にいてほしくないもの」
「ねえ、譲りなさいよ、ジャスティス。あんたが持っていても宝の持ち腐れよ。アカデミーじゃ技術も評価も私の方が上だったじゃない」
「大戦のときも、おかしいと思ってたのよね。あんたが“FAITH”だなんて。でも、結局デュランダル議長にとって、ちょうどいい駒だったってことでしょ?」 - 上記の後、明確に「フリーダム・キラー」の皮肉の意味を語りながら、徹底的にシンを扱き下ろす[4]。
- この話は裏を返せばシンの戦果であり、FAITHに任命された理由でもあるのだが、それには目を向けずひたすら自分に都合の良い要素だけをパッチワークして喋り続ける。
- ただ、デュランダルによる人事はシンもアスランについて似たような事をドラマCDで語っており、ある意味でデスティニープランの明確な欠点・隙が垣間見える。
- 「あんたってほんと情けないわね、こんなことなら私が出ればよかった」
- ファウンデーション王国の首都イシュタリアに寄港した後、シュラ・サーペンタインとの決闘に敗れたシンを酷評した。
- 「私は適当なところで妥協する気はないの。アンタと違って」
- イシュタリアに寄港した日の夜、宮殿で行われたパーティーにて。キラへのアプローチにまたも失敗し、ルナマリアから苦言を呈されるが、シンも絡めて侮辱するこの発言はルナマリアの逆鱗。当然キレかけるが、シン当人が空気を読まずに割って入ったため、他国のパーティー会場でトラブルを引き起こす事態は回避された。
- 「男ならみんな、私のこと好きな筈よ」
- 同上のパーティーにて。アグネスの自意識過剰ここに極まれり。
- 「どうしてあんな人がいいの!? 私ならしない! 愛する人を戦場に送り出して、自分は安全な場所でただ見てるなんてこと!」
- そして、ラクスとすれ違いを重ねているタイミングに付け込んでキラにアプローチをかけるが、仕掛けたキスが直前で乱暴に引きはがされ未遂に終わるどころか、激烈な嫌悪と怒り(小説版では「毒虫を見るような目」と形容している程の表情)を向けられ、去ろうとするキラを引き留めての言葉。しかしこれはかえってキラの怒りに火を注ぐ形となり、強引に手を振りほどいて去られてしまう。
- 元々無理筋の話だったのだが、キラへの度重なるアプローチが完全に破綻したとアグネス自身が認識した瞬間であり、(自業自得だが)彼女の自尊心が大きく傷つくこととなる。
- なおこの場面で実は部屋の外にキラのところに夜食の差し入れを持ってきていたラクスもいて事態を見ており、アグネスのこの言葉には耳が痛かったようで居た堪れなくなりその場から立ち去ってしまう…。
- これをアグネスが狙ってやったこととは断言されてはいないが、ラクスに気づいている様な描写はあり、小説版でも狙ったのではないかとキラに推測されている。
- 結果として、キラとラクスのすれ違いは加速する事になってしまった…。
- ちなみに、監督の福田己津央は「実は今のキラとラクスの関係性についても、彼女(=両澤千晶)は余り乗り気ではなかったんですよ。『好きな男だったら、何でそいつにMSを渡して戦場に出すんだ、やってる事と言ってる事が違い過ぎていて気持ち悪い。普通なら“もう出て行かないで”って言う筈だ』って」と語っている。
- 「そいつは私がもらう!」
- 翌日、エルドアにてファウンデーションの罠にかかり窮地に陥ったキラに対して。
- 自尊心の傷ついたアグネスにシュラが好意的に接し、アグネスの欲しかった言葉をかけたことがきっかけとなり、完全にファウンデーションに傾いたアグネスはここでキラを明確に裏切り、フェイズシフトダウンしたライジングフリーダムを完全に撃墜してしまう。
- 小説版ではこの一撃が、恨みを晴らすかのような心境で描かれており、自分に靡かなかったキラに逆怨みの感情を抱いていたものと思われる。
- そのまま、ライジングフリーダムのコックピットから出てきたキラを直接殺そうとするが、アスランが駆るズゴックにギャンの背部を破壊された。
- 「行くわ。あなたと」
- その後、シュラに「来るかい?」と声を掛けられたアグネスはそう答え、シヴァにギャンを抱えられ、戦線を離脱した。キラはアグネスが私情で裏切ることまでは想像していなかったのか、これらの行動に困惑していた。
- しかし……小説版によると、シュラがアグネスを連れて行った理由は「それなりに優秀なパイロットだから」。ただそれだけであり、戦力の足しになる程度しか思われていなかった。
- 「シュラだけが私の価値をわかってくれた!」
- 終盤、ルナマリアと再会した直後にルナマリアを攻撃。裏を返せば、自分の価値をシュラに求めていた……というより、価値のある人物に認められることが自分の価値だと本気で思っていたということになる。この発言と攻撃でルナマリアは完全にアグネスが敵対したと認識し、それでも説得を受けるが……。
- 「あんただってコーディネイターでしょ? 何でそっちの味方するの!? バカな男の影響でアタマ煮えちゃったの!?」
- その説得という温情に対してこの発言。シンを貶されることはルナマリアの逆鱗だと上述したが、この場では止めてくれるシンもいない。ルナマリアをここにきて本気でブチギレさせてしまい、ここから二人だけ監督の過去作を思わせるようなキャットファイトに突入する。
- 「いっつもいっつも! 私ばっかり何でうまくいかないの!?」
- キャットファイトの果てに苛立ちを吐き捨てる。現実より遥かに自分を高く見積もり、他人をその証明に使い、自分の非は一切認めず他責に終始する。この期に及んで浅はかさを隠そうともせずわめくばかりのアグネスだったが……。
- 「私には、愛される価値があるのよ!」
ルナマリア「だから、何っ!?」
「私だって……好きで……!」 - ルナマリアがシンを好きだと明言した。アグネスには本当にそれが信じられなかった。自分の価値観で付き合う価値がなさそうな男を、ルナマリアは好きだと言ったのだ。……それこそが、アグネスの価値観が根底から否定される発言であった。故にルナマリアを嘲笑する言葉が出てこず、1行目の台詞を捻り出す。が、ルナマリアは全く意に介さず、次の瞬間アグネスを完全に無力化する。実力でも精神性でも完全敗北を喫したアグネスは、必死に自己弁護しながら最後の言葉を放つ。その台詞に反して、アグネスは本心からシュラを好きではなかったのだろう。おそらくシュラの方もアグネスを恋愛対象として見てはおらず……因果が巡り、結果としてアグネスはこの戦いで得ようとしたもの全てを失ったのだった。
- 「だから何? かわいそうな難民だからお慈悲で点をやれってこと?」
「戦場に出たらそんなの関係ないのよ! 可哀想な奴だからって敵が外してくれるわけないでしょ!」
「あんたら甘いのよ! お涙頂戴ならよそでやって!」 - 『SEED FREEDOM』の外伝作品『月光のワルキューレ』より。
- シミュレーター訓練開始14秒で戦死判定を受けたシンがオーブで家族を亡くした戦災孤児だと知らなかったアグネスは「お家に帰れば!?」とシンを罵倒したため、ヨウランから避難民であるシンに帰る家がないことを知らされるが、自身の発言を後悔する様子を見せず、自分が悪者にされたことに逆上した。
- 「私があなたのそばにいるわ、ずっと。家族のかわりになれるわ、私が……」
- 同作のラストシーン。当時、交際していたレオナードに二人で撮った写真の入ったお揃いの銀のペンダントをプレゼントした際、ロゴスが放ったレクイエムでヤヌアリウス・ツーに住んでいた家族を失った過去があるレオナードにそう告白した。が、当のレオナードはそれに対して地雷を踏まれたかのような反応をしていた…。
スパロボシリーズの名台詞
編集- 「その点、ヤマト隊長は違うわよね。核動力を積んでないライジングフリーダムでも変わらず大活躍してるし」
- 『DD』メインシナリオ4章Part3「ファウンデーション」より。シンを扱き下ろした上述の台詞に追加された台詞。
- 実は4章Part3公開時点でライジングフリーダムの動力源は明らかになっておらず、描写からすると核動力ではない「かもしれない」という曖昧な状況のため、話題となった台詞。
搭乗機体
編集- ギャンシュトローム
- 白を主体とした機体に搭乗。『DD』ではユニットアイコンのみ登場。
余談
編集- 担当声優が桑島法子氏の新規キャラクターということで、過去の桑島氏の担当キャラクターが『機動戦士ガンダムSEED』シリーズにおいて全員死亡していることから、情報公開時点で死亡フラグが立っているかのように扱われていた。実際に桑島氏はオーディオコメンタリーによると、オファーの際に「また死ぬ役なんですけどどうですか?」と言われてた事を明かしている。そのため、収録前半は死ぬこと前提の心構えで臨んでいたとのこと。
- 一方で、桑島氏がシリーズで演じてきたキャラクターの中では初にして明確な悪女とも呼べるキャラでもある。
- 作中での言動や立ち位置、髪型などからクェス・パラヤのオマージュとされる意見もあるが、根底は父性を求め自身を気にかけていた人間がいたクェスと異なり、アグネスにはそれすらないため根本的には異なったキャラクターとなっている。裏切りの状況だけで言えば、寧ろレコア・ロンドの方がキャラクターとして近い。
- 公式からの発表はないが、名字のギーベンラートはヘルマン・ヘッセの小説『車輪の下』の登場人物『ハンス・ギーベンラート』が由来と思われる。