オールレンジ攻撃(all range attack)とは、機体から射出した端末を使用して敵機体の死角から攻撃する手法のこと。『機動戦士ガンダム』をはじめとするガンダムシリーズに多く登場している。
概要
これまでにオールレンジ攻撃を可能とする様々な武装が登場しているが、機体から端末を射出して敵機体の死角に遠隔誘導し、攻撃するという流れは共通している。端末を使用した攻撃手段には、端末から射撃する、端末自体を敵機に衝突させるといったものがある。
多くのパイロットにとって、モニターの範囲内を一瞬掠める程度しか見えない端末を捕らえるのは難しい。回避はおろか防御すら困難なため、オールレンジ攻撃は有効な攻撃方法として認知された。
オールレンジ攻撃の欠点として、機体と端末の操作を同時にこなす必要があるため単純にパイロットにとって操縦の負担が大きい事が挙げられる。例として、エルメスのパイロットを務めたララァ・スンは、敵の攻撃によってビットの正確なコントロールができなくなったことがあった。
また、端末の操作に高度な空間認識能力を必要とする場合もある[1]上、そのような難易度の高い操作を戦闘中に、自機体の操縦と同時に行わなければならないからである。
ガンダムシリーズにおけるオールレンジ攻撃
ガンダムシリーズでは、様々なオールレンジ攻撃可能な武装が登場している。
第3次Zでは下記の3種が全部登場するため、シン・アスカが名称で混乱するという場面があった。
- 宇宙世紀作品
- 「ビット」、「ファンネル」、「インコム」などが登場しており、それぞれ性能や駆動方式が異なる。このうち「ビット」や「ファンネル」は一部の非・宇宙世紀作品にも登場する。
- SEEDシリーズ
- 「ガンバレル」、「ドラグーン・システム」が登場。
- 機動戦士ガンダム00
- ソレスタルビーイング側のガンダムタイプのものは「GN○○ビット」、それ以外の敵方機体のものは「ファング」と呼ばれている。
宇宙世紀作品におけるオールレンジ攻撃
宇宙世紀作品では『機動戦士ガンダム』の終盤よりオールレンジ攻撃が登場し、『機動戦士Ζガンダム』(グリプス戦役)の時代には一般化した。ほとんどはサイコミュ兵器であり、それらを扱えるのはニュータイプか強化人間に限られる。技術の発展に伴い、端末操作の負担もコンピュータの補助によって軽減された。
オールレンジ攻撃用武装はニュータイプでも強化人間でもないオールドタイプのパイロットにとって恐るべきものであったが、第2次ネオ・ジオン抗争(『逆襲のシャア』)以後は連邦側のサイコミュ兵器対策が進み、もはや絶対的脅威とはみなされなくなる。そして、使い手の不足やコストの増大、さらに小型化以降は特にモビルスーツ本体の機動力の上昇も著しくなったことから、ファンネルは戦場からその姿を消していく。『機動戦士Vガンダム』にもオールレンジ攻撃用武装は散見されるが、使い手も含めその全てがサイコミュ(ニュータイプ用)兵器であったかは判然としない[2]。
なお、オールレンジ攻撃は効果的な攻撃手段であるが、モビルアーマーに搭載されている大型ファンネル、メガ粒子砲を発射するνガンダムのフィン・ファンネル等の例外を除き、単体火力の高い武装ではない[3]。スパロボ等のコンピュータゲームではファンネルがニュータイプ専用モビルスーツの最強武装として扱われる場合が多いが、これは原作等で散見される「一体のモビルスーツを複数のファンネルでよってたかって蜂の巣にする」という描写に由来するものと推測される。そうした攻撃の効果解釈差か、ボードゲームなどでは「機体へのダメージよりパイロットの消耗を狙う武器」として判定が行われる作品もある。
地上で使っていたサイコガンダムMk-IIのリフレクタービット以外のビットやファンネル等が重力下で使えるのかはよく議論になっていてはっきりしないが、ゲームではバランスを取るためか完全に宇宙専用になっているタイトルは少ない。
スーパーロボット大戦におけるオールレンジ攻撃
ゲーム中においては長射程のビーム兵器でないUC系最強武器として長らく君臨していた。ニュータイプ、強化人間が前提条件だが、それらの技能レベルで更に射程が伸びる驚異の武器である。ただし切り払いが適用されることが多いため、思わぬところでダメージを与え損ねるケースも少なくない。近年では複数武装のコンビネーションが最強武器となった場合も多いが、多くの搭載機体にとっては依然として強力な武器である。
武器の特徴
- 武器属性は基本的には射撃武器。モビルファイターであるガンダムローズのローゼスビットを始め、端末が打突武器になるタイプや、ビーム弾状の非実体ビットなど、格闘武器扱いのオールレンジ攻撃も少なからず存在する。
- 基本的に『α外伝』より前は弾数制であり、『α外伝』以降はエネルギー消費武器に変更された。しかしバンプレストオリジナル(OG系列)方面では統一性が乏しく、古参のファミリア系やストライクシールドを中心に、弾数制のオールレンジ攻撃が現在でも数多く存在する。
- 当初はIフィールドなどを無力化してダメージを与えるため、実弾兵器に設定されていた。その後、参戦作品の拡大に伴い、実弾を防ぐPS装甲でダメージが軽減されるなど矛盾が出てきたため、『J』や『W』ではPS装甲を無効化できる武器特性を持たせる措置が採られた。特殊装甲の概念が導入された『Z』からは「バリア貫通」のビーム兵器に設定されている。この通りスパロボでは基本的にIフィールドでは防げないようになっているのだがビームである以上、本来であればファンネルが来るのさえ解っていれば事前に起動しておいたりすることでIフィールドは有効である。
- 初期シリーズからしばらくの間は上記の理由により実弾扱いとなっていた関係で切り払いで(『R』以降の任天堂携帯機シリーズでは撃ち落としでも)防ぐことができた。上記の通り改善が進んでからは属性が変わった関係で結果的に切り払いが出来ないようになっている場合が多い。
- 本来は大気圏内では使えないとされているファンネル系やドラグーン等では、地形適応が空か陸、あるいはその両方がB、宇Sとされていることが多い。大気圏内での運用には強化パーツが不可欠だが、『K』、『L』のドラグーン所持機は地上だとドラグーン自体が封印されてしまう。
- 『α』、『α外伝』では距離補正がかからないという仕様があるが、これらの作品の距離補正はメリットが多大(最大射程を基準に、近づけば近づくほどダメージが上昇)であったため、実質的にファンネル系統にはマイナス補正がかかっている状態だった。
- 「目で捉えることが難しい小型端末で相手の死角から一方的に攻撃する」という性質からか 『V』、『X』ではνガンダム、Hi-νガンダムのフィン・ファンネルのみ、『T』では全てのファンネルにカウンター属性が付いている。
- 『DD』では基本的に敵機のファンネルはビーム属性、味方機のファンネルは特殊属性に設定されている。
アニメーション
スーパーファミコン『第3次スーパーロボット大戦』で完成しており、『第4次スーパーロボット大戦』では射出、命中、回避、切り払いの4エフェクトパターンが確立。
機種の進歩により機体が画面一杯に動きつつ、ビームライフルやビームサーベルとの連携攻撃が主となった。そのパターンを確立したのがプレイステーション2『スーパーロボット大戦MX』でのνガンダムである。
キャラクターボイス
モビルスーツやモビルアーマーのオールレンジ攻撃は、UC系ニュータイプが武器名を叫ぶ武器としてお馴染みである。声付きの作品の場合、多くのニュータイプのキャラクターについてファンネルやフィン・ファンネル専用の音声が収録されている。本来ならばファンネルそのものが登場しない作品(『Vガンダム』等)のキャラクターを乗せても武器名を叫ぶ場合が多い。「ファンネル(あるいはフィン・ファンネル)使用時の声を聞きたいがために乗り換えを多用する」プレイヤーも少なくない。
オールレンジ攻撃の一覧
ガンダムシリーズ
宇宙世紀シリーズ
有線式メガ粒子砲
- ブラウ・ブロ
- 有線式ビーム砲で攻撃。
- ジオング
- 両前腕が有線式ビーム砲となっている。
- ノイエ・ジール
- ジオング同様両腕が有線式だが、こちらは操作システム上はインコムに近い。
- ハンマ・ハンマ
- ジオング同様両腕が有線式ビーム砲となっている。
- ドーベン・ウルフ
- 両腕が一般機は有線式、指揮官機は無線式ビーム砲となっている。
- α・アジール
- 有線サイコミュ式メガアーム砲を装備。ジオングやノイエ・ジールの有線アームの発展型である。
- ネオ・ジオング
- 五本の指がそれぞれ有線式メガ粒子砲となっている。また、これを別の機体に突き刺すことでそのコントロールを奪い、さながら操り人形のように戦わせることが可能。
- ラフレシア
- 無数のテンタクラーロッドを装備。これらにはそれぞれカッターとレーザーが内蔵されている。
- コンティオ
- 有線式ショット・クローを2個装備。
インコム
有線式のオールレンジ攻撃用兵器。
イメージ的には有線式のファンネルと考えれば分かりやすく、スパロボでは「ニュータイプでなくても扱えるオールレンジ攻撃用兵器」と言うニュアンスになっている。
- Sガンダム
- 頭部にインコムと呼ばれる武器を装備。コンピュータで擬似的に操作する。
- Ex-Sガンダム
- インコムの他にリフレクターインコムを装備。発射したビームを射出した端末で反射して攻撃する。
- ドーベン・ウルフ
- インコムを装備。上記ユニットと同様の兵装。
- 量産型νガンダム
- オールドタイプ用にインコム装備型がある。フィン・ファンネルに換装も可能。
- ナラティブガンダム
- B装備にインコムを装備している。
ビット
サイコミュによって脳波で遠隔操作を行う自走式のビーム砲台。
ファンネルとの一番大きな違いは母機との通信方法とエネルギー供給方法であり、通信方法はミノフスキー通信を使う無線誘導であり、エネルギー供給方式はビット自体がジェネレーターを積んでおり、本体エネルギーで稼働する。
ジェネレーターを積んでいる為にビット一つ一つは大型となっている。
ファンネル
ニュータイプや強化人間の感応波によって無線誘導される小型のビーム砲台端末で、正式名称は「ファンネル・ビット」と呼称する。
「ファンネル」とは英語で「漏斗」(「ろうと」あるいは「じょうご」。または「煙突」の意)の事を指す単語だが、キュベレイのビットが漏斗の形をしていた為にこの名称で呼ばれた。そこから転じて、形状によらず多くのサイコミュビット兵器が「ファンネル」と呼ばれるようになり、νガンダムのフィン・ファンネルに至ってはもはや筒型ですらない。名前の通りフィン(魚のひれ)の形になっているので、本来ならフィン・ビットと呼ばれるべきである。
キュベレイ等ファンネルの再使用の為の燃料・エネルギーの再充填機構をファンネルの搭載箇所に持つ機体も稀に存在するが、基本的に使い捨ての武装である。
本来ファンネルは宇宙空間戦用の兵器(スペースコロニー内等における擬似重力化も含む)であるが、地上においても使用する事自体は可能であり、『ΖΖ』においても地上でファンネルを使用しているシーンが存在する。
- キュベレイ系
- ビットを小型化した発展版であるファンネルを初めて採用したMS。ファンネルを主兵装とするため、搭載数も多い。
- ゲーマルク
- マザーファンネルから更に小型のチルドファンネルを射出する所謂親子式。ファンネルの稼動時間増加に一役買っている。
- クィン・マンサ、クシャトリヤ
- キュベレイと同型のファンネルを用いるが、搭載数が更に増加している。
- サザビー、ヤクト・ドーガ
- 未使用時にはコンパクトに折り畳まれる人工衛星型のファンネルを用いる。これらの機体のものは搭載数が少なく、サブウェポンとしての側面が強い。
その他無線系
- サイコガンダムMk-II
- リフレクタービットと呼ばれるビーム反射端末で、ビームを跳ね返して攻撃。
- νガンダム系
- ジェネレーター内蔵式ファンネルであるフィン・ファンネルを搭載。装着時の見た目は排熱放射板と勘違いされるようなシンプルな形状となっている。また、他の機体と比較してファンネルが大型な点も特徴的である。
- 「コ」の字に変形して粒子加速器とすることでビームを放つことが出来るが、既存のファンネルと違って独自のジェネレータを内蔵しているためにビームの出力が桁違いのものになっている[4]。
- さらに複数の基板を形成することで「Iフィールド・バリア」を発生させることが可能である。νガンダムのバリアフィールドは強力な電磁波で形成されている。
- α・アジール、ナイチンゲール
- 両者とも専用のジェネレーター内蔵式ファンネルを用いる。厳密にはファンネルとは言い難く、エルメスのビットに近い。
- ユニコーンガンダム
- 機体にも武器にもビットがないが、ガトリングガンを装着したシールドをサイコ・フレームの共鳴で遠隔操作する。また、サイコミュ・ジャックを用いることで敵の飛ばしたビットやファンネルのコントロールを奪うことが可能。
- フェネクス
- ユニコーンガンダム同様にアームド・アーマーDEをサイコ・フレームの共鳴で遠隔操作する。
- Ξガンダム、ペーネロペー
- ファンネルをミサイル化したファンネルミサイルを持つ。
- ミノフスキー粒子下では旧来の誘導ミサイルは無力化されてしまうが、サイコミュで操作する事で運用を可能としている。また、重力下では使用不能または性能が低下する通常のファンネルと違い、問題なく運用できる。
- これに類似する武器として『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場する「ディビニダド」が搭載する「フェザー・ファンネル」がある。
- ディビニダド
- 背部翼状ユニットに膨大な数のファンネルミサイルに類似した兵器であるフェザーファンネルが搭載されている。回収を想定しない使い捨て式であり、射出後は目標に接近しながらビーム砲を連射、最後はそのまま質量弾として特攻を仕掛けるというミサイルと同じような運用が行われる。
- リグ・コンティオ
- 無線式ショット・クローを1個装備。
- ゲンガオゾ
- マルチプル・ビームランチャーを搭載したバックエンジンユニットを、無線で操作できる。
機動武闘伝Gガンダム
機動新世紀ガンダムX
- アフターウォーの世界ではビットはファンネルの様な攻撃端末群と、本体と同性能のMS型ビットであるGビットの二種類がある。
- パトゥーリア
- 多数の有線ビーム砲端末を搭載。
- ガンダムエックス、ガンダムエアマスター、ガンダムレオパルド
- 専用のビットMS「Gビット」を保有するが、GXビット以外は現存が確認されていない。
- アフターウォー世界のガンダム系MS全般に搭載されている『フラッシュシステム』(サイコミュと同種のシステム)によって制御される。しかし、対応する専用のビットMSが存在する機体は限られている。
- ラスヴェート
- ガンダム系MS以外では、唯一専用のビットMSを有している機体。本機のものは外見上は本体と全く見分けがつかず、撹乱に最適の装備となっている。
- フェブラル、ベルティゴ
- 通常のビットを装備。ベルティゴはエルメスとキュベレイのオマージュ。フェブラルはブラウ・ブロとジオングのオマージュ。
∀ガンダム
コズミック・イラシリーズ
ガンバレル
- メビウス・ゼロ
- 有線式ガンバレルを搭載。有効な兵器だが、特殊な空間認識能力を持つ者でないと扱えない。
- ガンバレルダガー
- 105ダガーにガンバレルストライカーパックを装備させた機体。メビウス・ゼロ同様に特殊な空間認識能力を持つ者でないと扱えない。
- エグザス
- 上記と同様だが、こちらのガンバレルは実弾砲ではなくビーム砲になっている。また、ビームエッジも搭載している。
ドラグーン・システム
コズミック・イラの世界における無線式ビット兵器の代表格。正式名称「Disconnected Rapid Armament Group Overlook Operation Network(分離式統合制御高速機動兵装群ネットワーク)」。量子通信によりオールレンジ攻撃を実現している。なお、ソードインパルスおよびデスティニーに装備されているビームブーメラン系武装は簡易的なドラグーンとしての機能を持つ。
- プロヴィデンスガンダム
- ザフト開発の無線ビット兵器「ドラグーン・システム」を搭載。クルーゼが搭乗してストライクを大破させ、バスターを戦闘不能に追い込んでいる。
- そして、ミーティアを爆砕させて最終的に撃破されるものの、フリーダムまで大破に追い込むその様は、まさにラストボスに相応しい。
- Xアストレイ
- プロヴィデンスガンダムと同じく、「ドラグーン・システム」を搭載。一見有線式のように見えるが、このコードはエネルギーをドラグーンに送るためのものなので、コードが切断されても操作は可能である。フィールドを形成する事も可能。
- また、改装前のドレッドノートから「XM1 プリスティス ビームリーマー」を引き継いで装備している。こちらもコードが存在するが端末のロストを防ぐためのものなため、無線式である。
- カオスガンダム
- ドラグーンから発展した機動兵装ポッドを装備。
- ストライクフリーダムガンダム
- ドラグーン・システムの改良型であるスーパードラグーンを搭載。
- アカツキ (シラヌイ装備)
- 「誘導機動ビーム砲塔システム」というドラグーンの系列装備を持つ。これはゲームではドラグーンバリアとしても実装され、象徴的なヤタノカガミと相俟って圧倒的な防御性能を示す。
- レジェンドガンダム
- プロヴィデンスガンダムの後継機。量子演算システムの改良により、特殊な空間認識能力のないパイロットでも使用可能になっている。円錐状のドラグーン端末はビームスパイクも形成可能。
機動戦士ガンダム00シリーズ
GNファング
- ガンダムスローネツヴァイ、アルケーガンダム
- 西暦世界における無線兵器、GNファングを装備している。誘導式ビーム砲としてだけでなく、先端にビームサーベルを形成して相手を突き刺す近接武器としても使用可能である。
- アルヴァトーレ
- 大型GNファングを装備。ただし、操作の簡略化のため、ビームサーベル形成機能は省かれている。
- ガッデス
- GNビームサーベルファングを装備。アルヴァトーレとは反対にビーム砲として使う事はできない。
- レグナント
- 両腕の爪がGNファングとなっている。分離させずに敵を突き刺すクローとしての使用も無論可能である。
- リボーンズガンダム
- 背部に大型の、腰部とシールドに小型のGNフィンファングを装備。それまでのGNファングとは桁違いの機動性を誇る。
- 余談だが、リボーンズガンダムの武装「GNフィンファング」の元ネタは、νガンダムの武装「フィン・ファンネル」である。
- ガデラーザ
- MSサイズの大型GNファング14機および小型GNファング140機を搭載。合計154機のGNファングをデカルトは脳量子波で巧みに操作する。
GNビット
- ケルディムガンダム
- GNシールドビット、GNライフルビットを装備。制御はハロが行うため、パイロットは機体操作に専念できる。
- ダブルオークアンタ
- GNソードビットを搭載。形状の異なるA、B、Cビットがあり、GNソードⅤと合体させてGNバスターソードになる。
- また、GNソードビットを環状に展開させることによってGNフィールドを張ることができる。さらに、環状に展開させたGNソードビットをくぐることによって超長距離にわたる量子ジャンプまでも可能である。
- ガンダムサバーニャ
- ケルディムの後継機。GNピストルビット、GNライフルビット、GNホルスタービットとケルディムの比ではない数のビットを搭載し、ライルの得意な「乱れ撃ち」の技能を存分に発揮する。
- ガンダムハルート
- コンテナ部にGNシザービットを搭載している。先端部をハサミ状に展開させ、目にも止まらぬ速さで目標を切り裂く。
- ラファエルガンダム
- 肩部ユニットの両サイドに遠隔操作が可能なGNビッグキャノンを搭載。また、GNビッグキャノンはGNビッグクローという格闘形態にも変形が可能である。
機動戦士ガンダムAGE
- ガンダムAGE-FX
- 機体の各部にCファンネルを搭載している。先端部の刀身(シグルブレイドと同様の物質と思われる)で敵機を切り裂く。機体の周囲を旋回させることでバリアとしても用いられる。
- ティエルヴァ
- 機体背部にTビットを搭載している。ビーム砲としてだけでなく、先端のダイヤモンドカッター状の刃を高速回転させ敵機の装甲を貫くことも可能。
- ギラーガ
- 機体の各部から発生させたビーム球体のギラーガビットを使用。ビーム弾をそのままビット化したような特殊なタイプであり、敵にぶつけて攻撃する他、自機周囲に密集させることでバリアにすることも可能であるなど、シンプルな見た目の割りに応用が利く。
- ガンダムレギルス
- レギルスシールドから発生させたビーム球体のレギルスビットを使用。ギラーガビットと性質は同じだが、展開可能数が大幅に増えている。
- フォーンファルシア
- フォーンファルシアビットを搭載している。フォーンファルシアバトンから照射されたビームを増幅して威力を強化することも可能。原型のファルシア(SRW未登場)のものより性能が大幅に強化されている。
ガンダム Gのレコンギスタ
R.C.のファンネルは名前こそファンネルだが内情はインコムであり、『X』ではニュータイプではないR.C.のキャラクターも下記のR.C.のモビルスーツのファンネルは使用出来る。逆に宇宙世紀のモビルスーツのファンネルは使用不可である(オリジナル設定として使用可能にした一部のモビルスーツを除く)。
- G-ルシファー
- 機体の腰部に遠隔操作が可能なスカート・ファンネルを3基装備している。
- トリニティ
- 両腕部と3本足の脚部がビーム砲やミサイルの「ボタン弾」を内蔵した有線式ファンネルとなっている。
- ジーラッハ
- スカート部に遠隔無線誘導兵器のビフレストビットを6基搭載している。
- ジャイオーン
- 大型バックパック「ビッグアーム・ユニット」のアーム先端部から発生させるビーム・サーベル8本の内の6本をソード・ファンネルとして分離・操作できる。
ガンダムビルドシリーズ
- キュベレイパピヨン
- ファンネルに透明処理を施したクリアファンネルを搭載している。
ガンダムシリーズ以外
- アトール
- 両腕に装備したウィンゲルバインダーで、オールレンジ攻撃が可能。実はキュベレイのファンネルより先に登場しているが、SRWでは今のところ未再現となっている。
- ニルヴァーシュ type ZERO spec-V / ニルヴァーシュ specV3
- 槍の先端部を7つのビットに分離可能。
- ファフナー系
- 「ノルン」と呼ばれる無人攻撃端末が登場。ビーム砲による射撃とバリア展開が可能な攻防一体式。スパロボではノートゥング・モデルの武器やバリア扱いだが、実際は機体からコントロールされているわけではなく、ジークフリード・システムによって独自に遠隔操作されている。『EXODUS』では、これの発展型として、小型の無人ファフナーを操るシステムが開発されている。
- EVA第13号機
- 「RSホッパー」と呼ばれる遠隔操作ユニットを搭載。本来はA.T.フィールドを発生させるための装備だがフィールドを直接ぶつけるなど攻撃にも転用可能。
- ウッドマン
- 木の葉型電磁ビット「リーフシールド」を展開し、射出しての攻撃や周囲に展開しての防御が可能。原作ではロックマンの武器可変システム対象の技。
- バル・ルルーン
- 両腕のE.R.L.を切り離して遠隔攻撃端末として運用可能。原型のバル・バドスのものとは異なり、制御が自動化されて扱い易くなっている。
- GA-003 トリックマスター
- 「フライヤー」と呼ばれる遠隔操作ユニットを搭載。
- ディラド決戦メカ
- 遠隔操作可能な球体「ビームポッド」を搭載。
バンプレストオリジナル
- 魔装機神系
- ハイ・ファミリアを装備。パイロットではなくそれに仕えるファミリアが独自に遠隔操作するもので、彼らが乗り込む艦載機のような側面がある。
- ファミリア1体につき1機のハイ・ファミリアしか生成されないという性質上、元より1体しかいないグランヴェールはここには含まれない。
- グランゾン系
- αシリーズ以降、ワーム・スマッシャーがビームそのものを空間転移させてオールレンジ攻撃を行う武器として描かれている。
- ゲシュペンスト系
- 高速回転するプロペラ状のカッターを飛ばして攻撃するT-LINKリッパーやスラッシュ・リッパーなどを搭載している。
- デュラクシール
- 両肩のアーマーを飛ばして攻撃を仕掛けるタオーステイルを搭載(LOEのみ)。νガンダムのフィン・ファンネルに近い。
- R-3
- 直接攻撃を行うストライクシールドを搭載。
- リコニトーレ
- 射撃攻撃を行うピッドを背部に複数搭載。詳細は不明。
- アシュクリーフ
- 直接攻撃を行うスプラッシュブレイカーを搭載。
- アシュセイヴァー
- ビーム攻撃と直接攻撃の両方が可能なソードブレイカーを搭載。
- ヴァイスセイヴァー
- アシュセイヴァーのカスタム機。ソードブレイカーを強化したソリッド・ソードブレイカーを搭載。
- ベルゲルミル
- 勾玉状の端末による直接攻撃を行うシックス・スレイヴを搭載。基となったヒュッケバインMk-IIと戦闘グラフィックにおける描写から、チャクラム・シューターと同様の熱溶断機能を持つと思われる。
- アストラナガン系
- 端末による射撃を行うガン・ファミリア(ガン・スレイヴ)を持つ。OGにおける代用機のR-GUNリヴァーレも同様。
- ヴァイクル、ヴァイクラン
- 端末による攻撃を行うカナフ・スレイヴ(ガン・スレイヴ)を持つ。
- ジュデッカ、ヘルモーズ
- 大量のメギロートによる攻撃を行う「第3地獄トロメア」(メギロート・ミサイル)を持つ。
- エクサランス・コスモドライバー
- フェアリーという無人誘導兵器を装備、ビームによる射撃とそれを反射させる機能を持つ。
- ガナドゥール
- 遠隔操作可能なビームランサー「アルティメットランサー」を2基搭載。
- ジェアン・シュヴァリアー
- 遠隔操作可能なビームサーベル「ブレードビット」を多数搭載。
- デア・ブランシュネージュ
- 射撃攻撃用の「アクティブビット」と、バリア防御用の「パッシブビット」を多数搭載。
- ファービュラリス
- 背中のウイングパーツに多数装備されている菱型のユニットに氷をまとわせて自由に操る「ステルラ・プルウィア」、武器名なのか技名なのかは不明。
- ベルゼルート・ブリガンディ
- 最強攻撃時に遠隔操作型ユニットで射撃を行う、ユニット名称は『OGMD』にて「アーマー・ビット」と名称がついた。
- エグゼクスバイン
- 全身にブレード状の念力誘導兵器「T-LINKスライダー」を装備。
- ブラスタ / リ・ブラスタ
- 遠隔操作型の戦闘ユニット・SPIGOTを装備。厳密にはブラスタ(リ・ブラスタ)のスフィアの力を制御するためのシステムであり、これ自体に攻撃力は持たない。
- ジェミニオン・レイ
- 遠隔操作型の戦闘ユニット・ハウンドを装備。
- グランヴァング
- 遠隔操作型の電撃による拘束を目的にした無人誘導ユニット「スタンショッカー」を搭載。
- ヴァングネクス
- 遠隔操作型の独立可変速粒子砲「征嵐」を搭載。
余談
- オールレンジ攻撃の概念の事実上の発案者である富野由悠季監督自身が、この概念の最大の批判者であったことは結構知られている。なぜならば、ミノフスキー粒子などによって遠隔操作可能な兵器を無力化することで、人型兵器の白兵戦の現実化を考えた監督にしてみれば「オールレンジ攻撃は人型兵器の存在意義を無効にしてしまう本末転倒の戦闘スタイル」に他ならないからである。
- ガンダムシリーズに登場するオールレンジ攻撃は、ビットからファンネルへと設定が変化していく中で、長距離兵器から火力を上げるための浮遊砲台のような位置付けへと描かれ方が変わっていった。だが、ファンネルなどの小さな兵器はそれ自体の見栄えが乏しく、さらに攻撃自体も絵的にも単調でつまらないものになりがちであったこともあり、その問題に拍車をかけることとなる。
- 絵面に関しては『スパロボA』のアンソロジー4コマでも、敵と味方の戦闘がファンネル同士の撃ち合いになった際、ブライトが「どっちが敵でどっちが味方か分からん」と溢す場面があった。
- 実際に『ΖΖ』を経た『逆襲のシャア』では、νガンダムとサザビーの最後の戦いがファンネルを潰しあった末の挙句の殴り合いで終結している。その後『機動戦士ガンダムF91』以降の富野監督のガンダムシリーズ作品においてはオールレンジ系武装はほとんど採用されておらず、前述の通りターンXなどごく少数が登場するに留まっている。
- 一方で、ロボットの作画負担を減らしつつ見た目上は派手な攻撃演出が可能であるためか、富野監督以外のガンダムシリーズにおいてはコンスタントにオールレンジ系武装が採用され続けている。作品によっては近接攻撃能力の追加などの多機能化やそれに伴う特徴的なデザイン設定など演出のための工夫がされている場合もあるが、それもまたロボットアニメにおける遠隔操作兵器の持つ矛盾を回避するがゆえの苦肉の策であることは、演出的にも論を俟たない。
- また、ファンネル(ビット)の強烈なインパクトとそのイメージが広く浸透した故か、ガンダムシリーズ以外のロボットアニメにおいてオールレンジ攻撃系武装が採用されることは少ない。他方、様々なロボットアニメのオマージュ的側面を持つバンプレストオリジナルにおいては「魔装機神シリーズ」のハイ・ファミリアを始めとしてオールレンジ系武装がしばしば採用されている。
- 「ファンネルが地上で使用できるか否か」と言う論議に関しては、右のリンク先に詳しいまとめがある。ファンネルは地上で使えるのか?(外部リンク)
- ただし、これも一個人の推測にすぎず反論の余地もあり、サイコガンダムMk-IIはミノフスキークラフトの応用でビットを浮かせたという説もある為、結局のところ、公式のアナウンスが無い限り、真相は不明のままである。
- なお、『機動戦士ガンダムUC』に登場した水陸両用MA・シャンブロに装備されたリフレクター・ビットは、回転翼を用いたホバリング能力が持たされており(簡単に言えば「動力の付いた竹とんぼ」)、これによって重力下での運用を可能にしている。
- ただし、これも一個人の推測にすぎず反論の余地もあり、サイコガンダムMk-IIはミノフスキークラフトの応用でビットを浮かせたという説もある為、結局のところ、公式のアナウンスが無い限り、真相は不明のままである。
- 『SDガンダム外伝』シリーズにおいては、雷系の最下級魔法「ファン」を上回る魔法として「ファンネル」が登場しており(某有名RPGシリーズの魔法で喩えれば「サンダラ」といったところ)、SRWにおいても『BX』にて法術士ニューが使用している。
脚注
- ↑ 例えば、自分の右斜め45度の500m先にいる敵機の死角から攻撃する場合「端末をどこまで飛ばしてどんな角度で攻撃すれば死角からの攻撃になり命中するか」と言う判断を瞬時に操作へ反映する必要がある。
- ↑ 同時代舞台の漫画作品『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』(SRW未参戦)ではサーカス部隊のジャックに「おれたちはサイコミュ波の流れが読める」とオールレンジ攻撃があっさり見切られており、サイコミュ要素自体への対抗法により弱点化する時代を迎えていた節もある。
- ↑ 例えばキュベレイMk-IIのファンネルの出力は1.3 MWであり、メタスのアームビームガンの2.0 MWよりも低い。一方で、α・アジールのファンネルは20.4 MWとΖΖガンダムのダブルビームライフル1射の10.6 MW×2に匹敵する。
- ↑ νガンダムに搭載されたファンネルの威力は「最低でも前の時代のジェネレータ内蔵型ビーム砲であるハイパーメガランチャー級」と言われており、出展元によっては「(νガンダムのファンネルは)携帯可能なサイズに縮小される前のV.S.B.Rの雛形では?」とするものすらある。