ミノフスキー粒子

ミノフスキー粒子とは、宇宙世紀を舞台としたガンダムシリーズに登場する物質。

概要

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ジオン公国の科学者トレノフ・Y・ミノフスキー博士が宇宙世紀0069年に発見した、静止質量が殆ど0の正か負に帯電した素粒子。ミノフスキー博士は0040年代に統一場理論を証明するためのミノフスキー物理学を提唱し、そこで存在が仮定されていた。

プラスかマイナスの電荷を持っており、互いの斥力(タウ・フォース)により立体格子状のフィールド「Iフィールド」を形成する。このIフィールドによって空間そのものが電荷を持っている状態となり、ここを通過した電磁波がエネルギーを失い漸減吸収されることで、既存の電波通信や電子機器が機能しなくなり、使用不能に陥る「特殊電磁場効果」を発生させる[1]。また、粒子濃度に応じて効果が上下し、放射電波がほぼ完全に阻害される濃度は「戦闘濃度」と呼ばれる他、高濃度空間では放射線すら遮断すると言われている。

ミノフスキー粒子は光子の対になる粒子とされ、通常では存在せず、人為的に散布しなければその効果は現れない。また、発生源から距離の二乗に比例する速度で加速する性質を持っており、発生源から1000kmを超えると立体格子が崩壊し、最終的に亜光速まで加速して拡散していくため、特殊電磁場効果を長時間維持することはできない。また、人為的に散布しなければ効果を発揮しないという性質はミノフスキー粒子が散布されていない平時の隠密行動には不向きであるため、徐々に粒子の濃度を上げる(「滲ませる」とも表現される)といった手段が講じられている。

特殊電磁場効果をジャミングとして用いたことにより、戦場でレーダーや誘導兵器は有効打でなくなり、電子技術も第二次世界大戦レベルにまで低下したことで、宇宙空間における有視界戦闘を行う必要性が生じ、それに適応した新兵器としてモビルスーツが開発された。また、赤外線や一部の可視光線も阻害する性質を持っており、一説にはシャア・アズナブルのパーソナルカラーである赤はその効果を狙ったとも言われている。

この粒子の発見によってミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉が開発され、それまで大規模な施設が必要であった熱核反応炉の大幅なダウンサイジングを実現した。また、導電性物質に対する難透過性を利用して擬似的な斥力場を作り出すミノフスキークラフト、ミノフスキー粒子を縮退したメガ粒子を発射するメガ粒子砲が開発され、これらはMAWS(Minovsky-theory Applied Weapon System=ミノフスキー理論応用兵装体系)、あるいはMBW(Minovsky Beam Weapon=ミノフスキービームウェポン=ミノフスキー粒子兵器)という分類が成されている。

また、ミノフスキー粒子下での通信手段として装甲やノーマルスーツのヘルメットを接触させ、その振動を利用して通信を行う「接触回線」、信号弾やライトによる発光信号、ハンドサインやレーザー通信などが用いられる。モビルスーツもこれら通信を行うための装備(接触回線用のワイヤーや信号弾など)が搭載されており、レーダーについても粒子が散布されていない状態での索敵観測や簡易ミノフスキー粒子濃度チェッカーとしてモビルスーツや艦艇に標準装備されている。

ミノフスキー粒子散布下で全ての電子機器が使用出来ないというわけではなく、光結合回路を使用した学習型コンピュータ(教育型コンピュータ)や、演算素子に有機素材を使用したバイオ・コンピュータはミノフスキー粒子による影響を受けない。また、散布下での索敵システムも模索され、ミノフスキー干渉波形成分析逆探知システム、ミノフスキー・レーダーといった技術が開発されているものの、探知制度は正常に作動した状態のレーダーと比べて著しく劣ると言われる。

なお、一年戦争で猛威を奮ったミノフスキー粒子ではあるが、これによってもたらされた社会混乱は大きく、戦後締結されたグラナダ条約ではミノフスキー粒子の直接散布を「地球圏の汚染」と見做し、高濃度のミノフスキー粒子を散布する兵器の軍事利用を禁ずる条文が盛り込まれている(Iフィールドバリアやメガ粒子砲などはこの限りではない)。

登場作品

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基本的に宇宙世紀ガンダムが参戦する作品では既知の物質として扱われている。その為、他作品の登場人物やメカニックも利用したり影響を受けたりする事がある。例えば『64』では梁山泊が高濃度のミノフスキー粒子に覆われており、『IMPACT』では他星系のテクノロジーであるエルシャンクの索敵システムにすら干渉する事が明かされ、『A』ではリョーコらがミノフスキー粒子の影響でナデシコを見失い合流に失敗し、火星極冠遺跡ではナデシコ・Yユニットが演算ユニットとそのダミーを木連に視認されないようにミノフスキー粒子を散布している。

第2次スーパーロボット大戦
全ての敵の命中率が1ターンの間半減するアイテム。精神コマンドの目眩ましと同じ効果を発揮するが、第2話でしか販売されないにも関わらず購入価格が18000Gもするため、事実上入手不可能となっている。

関連用語

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Iフィールド
ミノフスキー粒子が充満している空間。ミノフスキー粒子の特殊電磁場効果など、ミノフスキー粒子を用いたテクノロジーの基幹となる概念。
核融合炉
モビルスーツやモビルアーマーの動力源。ミノフスキー物理学を応用し、Iフィールドでプラズマや高速中性子を封じることで核融合炉に必要な大規模施設の敷設が必要なくなった。
モビルスーツ
通称「MS」。小型核融合炉を搭載することで、それまでに無い装甲と運動性とを兼ね備えた人型の機動兵器。ミノフスキー粒子の影響下では、この形が一番都合が良いらしい。
モビルアーマー
汎用性と運用性を求めたモビルスーツと違い、機能を特化させるために大型化させ人の形をさせていないものを指す。
ミノフスキークラフト
ミノフスキー粒子を格子状に配列することで擬似的な斥力場を作り、その上に乗って浮遊する機構。これによって、大型艦船や大型モビルアーマーの大気圏内での飛行を可能にする。
ミノフスキードライブ
ミノフスキー粒子によってエネルギーフィールドを発生させて生じる反発力を推進力とする機構。その副産物として「光の翼」が発生する。
ニュートロンジャマー
機動戦士ガンダムSEEDシリーズに登場する粒子であり、ミノフスキー粒子と同じように通信阻害効果を持つが、それは副次的な効果に過ぎない。一番の効果はその名の通り核分裂の抑制である。
GN粒子
レーダーを無効化させたり、通信障害を起こさせる点が共通している。それらの点はミノフスキー粒子のオマージュであると考えられるが、GN粒子の特性はそれだけに止まらない。

余談

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  • ミサイル等の遠隔操作可能な兵器を無力化してしまうミノフスキー粒子の設定は、巨大人型兵器による白兵戦を現実化させる理由付けために富野由悠季監督が考案したものである。
    • 『機動戦士ガンダム』ではあくまで電波撹乱のための粒子であったが、その後書籍『ガンダムセンチュリー』でIフィールドやミノフスキークラフトといった設定が構築され、これが公式サイドに逆輸入され今日まで用いられて来た。
    • なお現実の技術が発達したことで、画像識別を用いて自動追尾するミサイルのような、可視光線に対する影響が少ないミノフスキー粒子では無力化できない兵器が現れてしまった。その為、後発のガンダムシリーズでは白兵戦を現実化させるためにまた異なる理由付けを考案している。
  • 『機動戦士ガンダムUC』の原作小説では、現実の歴史において21世紀までに普及の一途を辿った携帯電話やインターネットなどの「無線通信」の文化が、ミノフスキー粒子の誕生によって大幅に廃れてしまったという歴史が明言されている。

脚注

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  1. ↑ あくまで電磁波エネルギーが失われる機能不全に過ぎない為先述の電子機器等そのものは物理的に壊れる訳ではなく、粒子効果が消えた時点で機能は正常に復帰する。

資料リンク

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