エルメス
| エルメス | |
|---|---|
| 外国語表記 | Elmeth[1] |
| 登場作品 | |
| デザイン |
富野由悠季(ラフデザイン) 大河原邦男(クリンナップ) |
| 初登場SRW | スーパーロボット大戦 |
| SRWでの分類 | 機体 |
| スペック | |
|---|---|
| 異名 |
ソロモンの亡霊 とんがり帽子 |
| 分類 | ニュータイプ専用宇宙用モビルアーマー |
| 生産形態 | 試作機 |
| 型式番号 | MAN-08(MAN-X8) |
| 全長 | 85.4 m |
| 全高 | 28.1 m |
| 本体重量 | 163.7 t |
| 全備重量 | 291.4 t |
| 動力 | 熱核融合炉 |
| ジェネレーター出力 | 14,200 kw |
| スラスター総推力 | 645,200 kg |
| 最高速度 | マッハ7.2 |
| 装甲材質 | 超硬スチール合金 |
| センサー有効半径 | 245,000 m |
| 開発者 | フラナガン博士 |
| 開発 | フラナガン機関 |
| 所属 | ジオン公国軍 |
| 主なパイロット | ララァ・スン |
概要 編集
フラナガン機関が開発したジオン公国軍の試作型モビルアーマー。
完全なニュータイプ専用機として開発されており、搭載されたサイコミュ・システムで複数の無線式誘導兵器「ビット」を操作してオールレンジ攻撃を行う。
機体前部にはスペースの広いコクピットが存在し、内部のほとんどはコンソールで埋め尽くされている。これは前身機のブラウ・ブロもそうであるが、当時はサイコミュ・システムの黎明期にあたりシステムの小型化が出来ておらず、MAサイズの機体にしか搭載できなかった事情もある。また、高性能の緩衝装置が搭載され、パイロットを加速Gから防護している。
機体の制御もAMBACやアポジモーターではなくジャイロによるシステムを採用しており、重心を変化させる事で対応するようになっている。
なお、この機体のデータからキュベレイが開発されることになる。
劇中での様相 編集
劇中ではララァ・スンが搭乗し、ビットを使ってコンペイ島に駐留していた地球連邦軍の艦艇やモビルスーツを撃破している。この事からソロモンに棲む悪霊の仕業と思い「ソロモンの亡霊」と呼ばれ、恐れられるようになった。
その後、アムロ・レイのガンダムと交戦し、シャア・アズナブルの駆るゲルググを庇って撃墜された。
連邦軍では本機を「尖んがり帽子」[2]、ビットを「(尖がり帽子の)付録」というコードネームで呼んでいた。
登場作品と操縦者 編集
作品によっては飛行機体として地上でも出撃可能になっている。
旧シリーズ 編集
- 第2次スーパーロボット大戦
- ララァの搭乗機。説得で加入するが、途中で離脱してしまう。序盤にしてはビットの性能が高く、削り役として非常に優秀なだけに残念なところ。
- 第2次スーパーロボット大戦G
- 今作では宇宙専用に変更になった他、FC版の途中離脱がなくなり最後まで残るようになった。ただし脆い上に火力もさほど高くなく、使い勝手はイマイチ。
- 第3次スーパーロボット大戦
- 原作同様にララァが搭乗。回避力も高い強敵だが、クワトロ加入方面へ舵を切れば戦わずに済ますこともできる。以降はシャリアや一般兵が搭乗する。シャリアは早めの登場にもかかわらず2回行動をしてくるのでツラい。
- 戦闘アニメが若干凝っており、ビット射出前に原作同様のコーラス音のようなSEが流れる。また、オープニングデモで何故か陸に降りてダイターン3と戦っており、与えるダメージも驚くほど低い。
- 第4次スーパーロボット大戦(S)
- シナリオ「強襲!阻止限界点」で強化兵が乗る1機のみが出現。だが、名前に反して強化人間をまだ習得していないためビットが使えない。オープニングデモで使用する場面が見られるのだが……。
- スーパーロボット大戦F 完結編
- 中盤以降のDC宇宙軍の戦力として複数登場する。限界反応が低めなので当てる事自体は簡単だが、ビットの命中補正がかなり高く、場合によっては運動性を高めた一軍ニュータイプでも避け切れない事がある。ビットは射程・攻撃力も高く、しかも強化兵は2回行動可能なので手強い。HPはやや低めで装甲も薄いので、やられる前にやってしまおう。獲得資金がそこそこ高い4800なので、できればマップ兵器+幸運でまとめて倒したいところ。
- スーパーロボット大戦コンプリートボックス
- 『第2次』『第3次』に登場する。
- 『第3次』の性能は概ねSFC版と同じ。ララァの乗る個体とは、クワトロ未加入ルートへ進んだ場合に、SFC版と同じく第23話「魔装機神」で交戦するが、残念ながら特に強化パーツ等は得られない。以降はSFC版と同じくシャリアや一般兵が搭乗するようになるが、今作ではシャリアの2回行動可能レベルが変更されたため、中盤での危険性が若干低下した。
- 『第2次』では第3話「ダカールの制圧」で登場、装甲が50低下し、地形適応が空Bになった事以外は『第3次』と同じ性能を持つ。説得して加入させてもいいが、第7話「決闘!ラインX1」でララァ共々離脱する上、地形適応:空Bなので大して強くないもない。撃墜すればマグネットコーティングを落とすが、一方でこの時点ではララァが唯一幸運を習得しているため、どうするか悩むところである。
- DISC2の「バーチャルスタジアム」では「ロングレンジ部隊」「お姉様チーム」「第2次セレクトII」に登録されている。なお、何故か「第2次セレクトII」のエルメスも『第3次』仕様になっているため、地上マップで出撃不可能になっている。
COMPACTシリーズ 編集
- スーパーロボット大戦COMPACT
- 第22話「吹き荒れる風」クリア時にランダムで入手。ファンネル搭載機が出そろいつつある時期のため、無理に使う必要はない。
- スーパーロボット大戦COMPACT for WonderSwanColor
- 第22話クリア時の総ターン数が171以上だと5段階改造済みの状態で入手。攻撃力と射程は優秀なので、援護をからめた砲台として運用できる。
- スーパーロボット大戦COMPACT2 第3部:銀河決戦篇
- シーン5に登場。かなり改造されている上に強化人間が搭乗しているため厄介だが、接近されると攻撃不可能という分かりやすい弱点を持つ。
携帯機シリーズ 編集
- スーパーロボット大戦A
- 今回はデラーズ・フリート所属としてララァが搭乗。条件を満たせば入手できるが、本作では最後まで使える性能とは言いがたい。なお大気圏内でも使用可能。
- スーパーロボット大戦A PORTABLE
- 宇宙専用になった。他のMAにも言えることだがなぜか陸Aなので陸適応はそのままで陸移動が可能になるスクリューモジュールとは相性がいい。メガ粒子砲が移動後使用可能になった代わりに射程が3に下がった。敵として出るためかHPが大幅に上がっており無改造時のHPがUCガンダム機体で最も高い。しかし、味方・敵共に命中率が低い本作ではニュータイプ前提の本機では高いHPを活かしづらい。有能な機体が加入するとともに倉庫行きになるのは変わらず。
- 敵時のHPが10000超えしており、攻撃力不足の序盤戦では苦労すること間違い無し。おまけにジオングやガンダム試作2号機等の強敵も同時に相手にしないといけない。
単独作品 編集
- スーパーロボット大戦
- 初登場作品。2面「こはんのたたかい」のボスとして登場し、後半ではザコ敵としても出現。戦闘時にはビットと同射程で、より高火力なメガ粒子砲が使われがち。ビットの姿を確認するには工夫が必要。
- HDリメイク版では移動力が高く、ビットの長距離攻撃は厄介。精神コマンドにてかげんを所持しており、すばやさや空が飛べることを最大限に生かした戦いを行いたい。
- 台詞はララァに対応したもので、ガンダム、フルアーマーガンダム、ジオング、百式、νガンダム、サザビーらの面子には説得用の台詞がある。
- また、「靴をはいてなくても、動きは速いつもりよ」という変わった台詞もある[3]。
- スーパーロボット大戦GC
- 序盤はララァ機が登場。一連のイベントも再現され、中盤からはララァの加入とともに使える。また強化兵が搭乗することもあり、こちらは捕獲可能。捕獲機はパーツスロットが4になっている。今回も地上でも使えるが地形適応が低く、防塵装置を付けても着陸はできないため、貴重なミノフスキークラフトを回すかどうかは考え所。
- ただし、捕獲機の中で唯一のファンネル系武装搭載機であり、捕獲機版を確保しておけば次周の序盤からアムロにビットを撃たせる事ができる。ファンネル系のガンダム系機体の入手は中盤に入ってからなので、序盤からファンネル系の攻撃を使いたいなら1機は確保しておいてもいいかもしれない。
- ララァ機だけでなく強化兵搭乗時も戦闘BGMに「ララァ」が優先される。
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 第39話「新たなる宇宙」の中ボスとして登場。パイロットはララァ・スン。
関連作品 編集
- ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス
- ザコ敵。エルメスmk-2という上位種も登場する。
装備・機能 編集
武装・必殺武器 編集
- メガ粒子砲
- 本体に2門装備。
- PS版『第2次』PS版『第3次』では何故か全く同じ性能で2つ並んでいる。
- ビット
- 本機の主兵装で、本体の後部に10基(12基とする資料もある)搭載している。全長は8.4m。小型のジェネレーターが内蔵されており、主推進器となるバーニアと多数のアポジモーターが装備されている。また、モノアイも設置されている。これによって長距離攻撃やオールレンジ攻撃が可能となっている。しかし、長距離攻撃に関してはソロモンにおけるテストでパイロットに想定以上の負担と消耗を強いることが判明、以降はオールレンジ攻撃による前衛モビルスーツの援護を主眼に置いた運用が為されるようになった。
- サイコミュ兵器はエルメスに搭載された「ビット」をベースとして、後にファンネル・ビットへと発展していく事となった。SRWにおいてこの手のオールレンジ攻撃が長射程なのはエルメスのイメージが大きい。
その他 編集
合体攻撃 編集
- 光る宇宙
- 『XO』。アムロ・レイのG-3ガンダムとの合体攻撃。ビットの攻撃後にG-3がビームサーベルでトドメ。
- ララァの導き
- 『XO』。シャア・アズナブルのシャア専用ゲルググとの合体攻撃。ビットの攻撃後にゲルググがビームナギナタで斬りつける。
移動タイプ 編集
サイズ 編集
- L
- 全長、全高の通りかなりの大型機であり、劇中では小破したシャア専用ゲルググを本機で引っ張って退却する場面もあった。
カスタムボーナス 編集
- 全武器をP属性にする
- 『A PORTABLE』。同じボーナスを持つガンダムローズとは異なりマップ兵器を持たず、リメイクにあたる上述の変更点によりビットにしか変化がないボーナス。
機体BGM 編集
関連機体・人物 編集
余談 編集
- 『トミノメモ』に拠れば、本体は月面の地中に埋まっており、ビットだけを飛ばして攻撃する機体とされていた。
- このビットという名称も「ドク」という物が使われていた。
- 本機と同名のファッションブランド[5]がおもちゃ等の商標を幅広く登録しているため、本機が商品化される際は「ララァ・スン専用モビルアーマー」「NT専用モビルアーマー」の商品名で発売されている[6][7]。
- なお、ガンプラ発売当初は本機も機体名を商品名として発売されていたが、再販時に「ララァ・スン専用~」に変更されている。
- 『ガンダムビルドファイターズ』第16話ではこの件をネタにした場面がある[8]。
- 安室奈美恵氏の楽曲「Defend Love」のミュージックビデオ[9]は『機動戦士ガンダム』とのコラボレーションで製作されており、アニメーションで製作された映像の中で安室氏が搭乗するピンク色の本機とアムロのガンダムが戦闘を行う場面がある。
- 模型雑誌『電撃ホビーマガジン』の企画「ソロモンエクスプレス」では様々なオリジナル設定が登場したが、中でもエルメスに関しては「サイコミュの制御用として巨大な人工脳を内蔵していた」という衝撃の設定が与えられていた。無論オフィシャルではないのだが、ガンダム世界には本企画(1999年開始)より前に人工脳が登場する作品が存在している。
- 小説版『機動戦士ガンダム』では第一巻ラストでガンダムと相討ち。その後、クスコ・アル(SRW未登場)が乗る2号機が登場し、G-3ガンダムと戦っている。
- 『SDガンダムフォース』(SRW未参戦)では、本機をモデルとしたネズミ型メカ「エルメチュ」が登場。修理機能があり、一人ぼっちの相手に懐く習性がある。
脚注 編集
- ↑ 「ガンダム MS動画図鑑」より
- ↑ 他に「チューリップ」とも。
- ↑ 『ファイナルファンタジーシリーズ』のアイテム「エルメスの靴」を元ネタにしたと思われる。
- ↑ プラモデル 「MG AMX-004 キュベレイ」解説より。
- ↑ なお、ブランドの英語でのつづりは「HERMES」なので本機の表記とは異なる。
- ↑ カードゲームなどの一部の商品では「エルメス」が実質的に商品名として使用されることもある。
- ↑ これらの対応はあくまで商品名としての扱いであり、後年のアニメ・ゲームに登場する「兵器」としてはエルメス呼称で変わっていない。
- ↑ 「ララァ・スン専用モビルアーマー」の商品名に疑問を持つレイジにイオリ・タケシ(主人公イオリ・セイの父)が「それには、色々と事情があるんだ」と説明している。
- ↑ アルバム『PAST < FUTURE』に収録。
商品情報 編集