ガンダムF91は『ガンダムシリーズ』の登場メカであり、『機動戦士ガンダムF91』の主役メカ。
F91 | |
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登場作品 | |
デザイン | 大河原邦男 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦 |
SRWでの分類 | 機体 |
スペック | |
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正式名称 | フォーミュラ・ナインティンワン(F91) |
愛称 | ガンダムF91 |
分類 | 汎用モビルスーツ |
生産形態 | 試作機 |
型式番号 | F91 |
全高 | 15.2 m |
本体重量 | 7.8 t |
全備重量 | 19.9 t |
動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 4,250 kW |
スラスター推力 |
15,530 kg×4
|
アポジモーター数 | 51(8) |
装甲材質 | ガンダリウム合金セラミック複合材 |
開発 | サナリィ |
所属 | 地球連邦軍 |
主なパイロット | シーブック・アノー |
概要
サナリィが「フォーミュラー計画」によって開発した地球連邦軍の試作型モビルスーツ。
正式名称は「F91(フォーミュラ・ナインティンワン)」であり、「ガンダムF91」の名前はスペースアーク艦長代理レアリー・エドベリが名づけた部隊内での通称である。小説版下巻では「サナリィの開発チームでも『ガンダム』という愛称は出たが、正規の開発研究チームによって開発された機体には相応しくないという理由で却下された」と語られている。
F90 Vタイプを基にしており、「現時点でのモビルスーツの限界性能の達成」を目標に、あらゆる技術を盛り込んでいる。そのため、非常に高性能な機体として完成したが、過去にニュータイプと呼ばれた者でしか真価を発揮できない機体と言われた。
装甲にはサイコフレームで培われた「マルチプル・コントラクション・アーマー (MCA) 構造」と呼ばれる新技術が導入されている。これは外装やフレームなどモビルスーツの構造材自体に金属粒子サイズの電子回路機器を埋め込む事で、MSの構造材と電子機器の機能を併せ持たせる多機能構造材システムである。これにより、コンピューターなど電装機器を搭載するスペースを省き、MSの小型化に成功している。
さらに小型で高出力のジェネレーターを搭載したことで従来機を大きく上回る機動力を獲得した他、F90Vでは出力が不安定であったビームシールドやV.S.B.R.も安定稼動できるようになった。
頭部には主管制コンピューターであるバイオ・コンピュータが搭載され、MCAによって全身に分散配置された電子機器を統括している。また、バイオ・コンピュータはパイロットの腕前を監視しており、普段は機体出力や操縦系の敏感さを抑えることで機体を扱い易くしている。カタログスペックはこの状態のものであり、クロスボーン・バンガードのMSと同等レベルに収まっている。
最大稼働モード
コンピューターの判断で機体のリミッターが解除されることで最大稼働モードになる。これにより同年代のMSを凌駕する機動性を発揮するが、発熱が増大するため、フェイスカバーや各部に装備された放熱フィンを展開させ強制冷却が行われる。しかし、それだけでは排熱が間に合わず、熱を持った装甲表面が剥離する「M.E.P.E. (MEtal Peel-off Effect=金属剥離効果)」が発生する。
M.E.P.E.は金属や電子部品を含むため、敵機のセンサーを誤認させ、敵コクピットにはあたかもF91が複数存在するように映る[1]。対ラフレシア戦ではM.E.P.E.による撹乱によって多大な戦果を挙げたが、この現象そのものは排熱が間に合っていないという欠陥によって発生するものであり、ラフレシア戦後には機体各部の電子部品が故障する[2]という不具合が生じている。
この欠陥が見過ごされたのは開発中に最大稼動モードを発動できるパイロットがいなかったためであり、シーブックの運用データをフィードバックして生産された量産型では欠陥が解消され、最大稼動モードでもM.E.P.E.を起こさず、故障も発生しないようになっている。
劇中での様相
本機は第2次オールズモビル戦役 (『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122』) にてベルフ・スクレット少尉が乗り込んだ。この時点ではバイオコンピューター周りが未完成だったため、普通の学習型コンピューターを搭載している。
その後フロンティアIに搬入され、バイオ・コンピュータに換装された。
コスモ・バビロニア建国戦争ではスペースアークに搭載されており、シーブック・アノーが搭乗。クロスボーン・バンガードのモビルスーツ部隊を退け、カロッゾ・ロナのラフレシアを撃墜したが、本機も中破している。
『機動戦士クロスボーン・ガンダム』で歴史の教科書にシーブックとF91が載っていたことや、「ザビーネと何度も戦った」という場面で回想されるのがF91だったことを踏まえると、その後修復され、コスモ・バビロニア戦争終結まで活躍したものと思われる。
その後、連邦軍に正式採用され、量産型ガンダムF91が開発されている。それに伴ってデチューンが行われているが、配備数が少ないことから使いこなせるパイロットはごく少数であったようである。
登場作品と操縦者
ニュータイプ適性を必要とせず、質量のある残像が分身扱いなのも相まってオールドタイプ垂涎の機体の筆頭だが、大抵はシーブックがそのまま乗ることになる。『X』では特殊能力「リミッター解除」を発動するためNT技能を必要とするようになった。
『COMPACT2』より「分身ビームバズーカ」(後の「MEPE攻撃」)が実装され「必殺技」を持つMSの先駆けとなった。
正式名称がF91のため、「ガンダム」を付けず単に「F91」と表記している作品も多い。
旧シリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦
- シナリオ「ダカールの制圧」より参戦。後半ヴェスバーが追加されるが、以降のシリーズと違って射程1。しかし、移動力が高く間接攻撃を無効化するボスキラーとして活躍する。また、4分の1の確率で敵の攻撃を盾で防御してダメージを半減させるという特殊能力もある。FC版では最終的な攻撃力はガンダム系で最も低い。(初代は途中離脱するので対象外)
- PS版では以降のシリーズと同等の性能になった。改造効率の差でビームライフルとヴェスバーは最終的な攻撃力の差はほとんど無くなってしまう。とはいえ非ビーム兵器なのでバリア系能力に軽減されないのは利点。
- 第2次スーパーロボット大戦G
- ルートによって加入時期が違い、序盤に加入した場合はしばらくヴェスバーが故障中。但し第2次では同時修理だったΖΖガンダムよりも修理が前倒しされているため、早期から本領発揮できる上、中間武装としてビームランチャーも存在。序盤はかなり頼りになるはず。シーブックが必中を覚えないのでジュンコなどに持っていかれやすい。ヴェスバーの射程が7になったため、グランゾン相手だと無力。
- 第3次スーパーロボット大戦
- 中盤から使用可能。ヴェスバーはハイメガランチャーとほぼ同等の攻撃力だが、射程が短く燃費も悪く、移動力もΖガンダムより低い。Ζにも同じ事が言えるが、本作の終盤は命中率・射程・弾数・攻撃力の全てに優れるファンネルの使用が前提なので、終盤はΖ共々スタメン落ちするだろう。
- PS版では何故か非ビーム兵器になり、強化パーツで射程の補強も可能になった。とは言え射程を伸ばしたところでファンネルの長射程には文字通り遠く及ばず、敵味方共にファンネルが飛び交う本作ではどうしても使い辛い。激励x3・高性能レーダーx2・運動性フル改造で、集中を使えるクワトロを乗せて突っ込ませる戦法もできなくはないが、それをする資金があるなら他の機体を改造した方が、という現実が待っている。
- スーパーロボット大戦EX
- 間違いなくスパロボシリーズ最強のガンダムF91。
- ヴェスバーの性能がMS最強の攻撃力・ファンネルと同等の射程・何故か非ビーム兵器・消費EN30・クリティカル率+30%と恐ろしい事になっている。その上で装甲が自軍MS最高値・移動力はGP-01fbに次ぐ10・分身装備と文句の付けようがない。移動要塞やヴォルクルスといった厄介なボスの多い本作だが、これらを余裕で射程外から削り倒せるほど。また、このヴェスバーはアニメーションが滑らかで、当時としてはかなり出来がいい。しかし次回作でこの演出がカットされてしまう。
- 一方でPS版は、武器性能が『第3次』準拠であるため、SFC版と比較…するのも失礼なほどの凄まじい弱体化となった。しかし他に強力なMSがいないため、上手く戦略に組み込まねばならない。
- 第4次スーパーロボット大戦
- ヴェスバーがビーム兵器に戻り、さらに気力110と制限もついた。消費ENは90と燃費も悪い。その上陸適応もBなため、与えるダメージは陸適応AのΖガンダムとさほど変わらなかったりする。移動後の対空攻撃に困りがちな本作の仕様上、メガマシンキャノンがなまじ便利なだけに些か惜しまれるところ。
- 性能が気力に大きく依存してる機体にもかかわらずシーブックが「気合」を習得しないため、「気合」を持つパイロットにF91は譲り、彼自身はΖガンダム、ビギナ・ギナあたりに乗ったほうが効果的。だが、本作で「気合」「熱血」を両立したガンダム系パイロットは少なく、ハサウェイ、クェス、ガトー、そして副主人公と、ルート分岐や隠し要素に左右されるキャラばかり。基本的には参入条件が最も緩い副主人公を乗せ、他が参入できた場合は「ガトー>クェス>ハサウェイ」あたりの優先度で使ってみるのがいいだろう。
- 第4次スーパーロボット大戦S
- ヴェスバーの必要気力が100に変更された上、威力もアップ、消費ENは50になった。更にシーブックに気合が付いたので安心して彼を乗せられるようになった。
- 陸の地形適応がBからAに上がったほか、エネルギーが20、装甲値が40底上げされた。
- スーパーロボット大戦F完結編
- 開始早々にビギナ・ギナと共に加入。本作最強MSの一角である。登場話こそHPが減った状態で敵に囲まれているため苦戦を強いられるが、以後は終盤まで末長くエース機としてお世話になる。
- 必要気力がなくなったヴェスバーはMS系の中ではEN消費が重いが、魂や2回行動の仕様上、スーパー系の必殺技以上にダメージを叩き出す。さらにシーブックは、セシリーを隣接させることで強力な信頼補正を得ることが可能。ファンネルと違い切り払いされず、ヘビーメタル相手にはシールド防御を無効化する(ビームコートが優先される)ため、それらが厄介なボス戦に置いて重宝する。ヴェスバーのアニメーションが復活したが、上位ハードでの環境にも関わらずパラパラマンガのようになってしまった。(同じ環境下でリメイクされたPS版第2次~EXも同様)
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 中盤で参加。最後まで活躍できる性能で、ヴェスバーはファンネルと違ってニュータイプ補正で射程が延びない代わりに、距離補正が通常通り機能する点が大きい。弾数制のビームランチャーが追加された。ヴェスバーの気力が溜まるまではこちらで戦おう。
- スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- 全般的に武器の攻撃力がアップ。攻撃力以外の性能もビームライフルが移動後使用可能になり、ヴェスバーの必要気力も低下したためより実用的になった。追加されたガンダムF90Vとの合体攻撃、ダブルヴェスバーは強力だがENも相応に消費する。またヴェスバーを撃ったときに銃身の後部から放熱される演出が採用された。
- 第2次スーパーロボット大戦α
- 前々作の戦後、シーブックはF91を個人で所有していたらしく、アイビス編第1話ではクロスボーン・ガンダムX1受け取り前のキンケドゥが乗っている状態で登場する。他ルートではクロスボーン・バンガード合流時に自軍に加わるが、特に何の説明もされない為、見落とさないように要注意。
- 担当パイロットは特に指定されていないが、全体的に高性能で、飛行可能・分身・全体攻撃持ちなど、かなり便利な機体なので重宝するはず。
- 本作からMEPE攻撃がNT専用になったので、ニュータイプであること+分身との相性を考えると、パイロットは射撃が低めだが不屈&気合を覚えるトビアが良い。精神コマンド以外の相性の良さなら、νガンダム(あるいはHi-νガンダム)加入までが長いアムロ、小隊長能力とEセーブを噛み合わせて燃費を良くできるウモン爺さんがお勧め。また『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の設定に則って量産型ガンダムF91も登場する。
- ちなみに本人の能力とは相性が悪いが、キンケドゥ搭乗時の専用セリフも多いので、ロマン派はキンケドゥがお勧め。
COMPACTシリーズ
- スーパーロボット大戦COMPACT
- 後半から登場。ヴェスバーの攻撃力は高めだが、消費ENも大きい。BGMが映画のイメージソングである「君を見つめて」になった。
- スーパーロボット大戦COMPACT for WSC
- グラフィックが『COMPACT2』のものに変更。武装にも分身ビームバズーカが追加されたが、ヴェスバーよりも威力が低い。
- スーパーロボット大戦COMPACT2第2部
- 終盤に加入。必殺技として分身ビームバズーカ(後のMEPE攻撃)が追加(正しくは「分身ビームランチャー」だと思われるが…)。これを皮切りに、主人公MSにも必殺技が追加されるようになった。主力兵器であるヴェスバーは、攻撃力こそ落ちたものの燃費は改善しており、十分主力として戦える。難点は加入が非常に遅い点。『COMPACT』に引き続き、BGMは「君をみつめて」を採用。
- スーパーロボット大戦COMPACT2第3部
- 序盤と終盤に使用可能。シーブックの精神コマンド次第では他人に奪われる。なぜか第2部の頃より、運動性が下げられてしまった。
- スーパーロボット大戦IMPACT
- グラフィックは『α』の流用だが、ビームライフルとヴェスバーのグラフィックが強化され、MEPE攻撃も追加された。武器改造効率は悪い方だが、パーツスロットが3つあるのでV-UPユニットとの相性も良く十分補える。機体性能を活かした反撃戦法向き。シーブックの能力は戦闘向けになったが気合を覚えないので、速攻重視ならジュドーやプルツーを乗せるのも手。BGMは『COMPACT』で高評価だった「君をみつめて」を採用。しっかりとイントロから流れる。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦X
- 据え置き機では15年振りの参戦。グラフィックは『V』における量産型ガンダムF91に近いが、肩の放熱フィンが展開していない他、色合いや顔の書き込み、ビームライフルや足の向きなどが微妙に異なっており、アニメーションは完全新規の物になっている。また、正式名称が「F91」のみとなっている。
- 今回は飛行不可。流石に前作のカウンターが強かったためか、V.S.B.R.はカスタムボーナスでカウンター属性が付加されるようになっている。分身とリミッター解除が追加されるのは宇宙ルート34話という中盤からとなる。それまでは突撃やスキル先制攻撃でフォローしよう。
- 最強武器のリミッター解除は射程が長めのP武器でバリア貫通・サイズ差補正無視を備え優秀だが、消費ENも多めなので調子に乗っているとガス欠を起こす。
単独作品
- スーパーロボット大戦
- 発売時は最新のガンダムだったため、ガンダムチームでは群を抜いて高い性能を持つ。
- HDリメイク版では『クロスボーン・ガンダム』のキンケドゥの台詞や、コミックボンボン版の名台詞まで言い放つ。
- スーパーロボット大戦64(リンクバトラー)
- リンクバトラーと連動することで参戦するため、序盤から使用することが可能。性能は『F完結編』とほぼ同等で非常に高く、特に運動性はνガンダムよりも高い水準となるなど磨きがかかっている。
- 武装面ではビームランチャーが追加されたが、本作ではヴェスバー同様EN消費武器のため、あまり使い勝手は良くない。やはりヴェスバーが筆頭兵器で本作でも非常に強力だが、燃費の悪さは相変わらずでEN改造は必須。ただし、改造段階が7段階になったためにフル改造しても最大5発しか打てず、改造だけではリカバリーしきれない。別途EN回復手段は必ず用意すること。
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 2013年9月の参戦枠で登場。機体単独では『第2次α』以来10年ぶり、『F91』設定のシーブックとのセットでは『IMPACT』以来12年ぶりの参戦になる。立ち絵は新しく描き下ろされたものが使われている。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 2016年8月の復刻イベント「アクシズの攻防」より実装。大器型SSRシューター。必殺スキルはダッシュ乱舞型の「M.E.P.E攻撃」。
- 飛行可能で、攻撃を5回当てるごとにダメージが上昇する「バイオコンピューター」と敵を撃破するごとに攻撃力と移動力が上がる「MCA構造」により長期戦になるほどに能力が上がっていく。また、「質量を持った残像」は他の分身系アビリティと異なり常時発動のため、生存率も高い。総合的には雑魚を食わせて攻撃力を上げてボスに渾身の一撃を叩き込む形になる。
- 精神スキルが「熱血」止まりのため爆発力ではアムロやカミーユより劣るのが欠点。逆に手数を増やす「覚醒」はバイオコンピューターとの相性が良い。
- 後にレアリティ覚醒でSSRアタッカータイプ、2018年3月のイベント「復讐が覆う宇宙」にて大器型SSRディフェンダー、2019年3月のイベント「鋼の魂」にてΩスキル搭載大器型SSRブラスターがそれぞれ追加。
コンパチヒーローシリーズ
シリーズ開始時最新のガンダムだったこともあり、参戦率は高い。
- ヒーロー戦記
- シーブックが乗り、終盤に一時合流してすぐに離脱後、最後にまた仲間になる。隠しユニットであるサイバスター、グランゾンを仲間にしなければそのまま最終メンバーとなる。
- 最初の合流時には低レベルだが、再合流時には何があったのかレベルが大幅に上がっており(離脱時のイベントを考慮すると理由は分かるが…)、そのまま即戦力として使える。他の4人目同様装備は変更できないが、武器はガンダム系(アムロ)の最強装備、防具も最強1つ前の装備なので、実はサイバスターやグランゾンより装備は優秀である。仮にレベル99にすると、両者と遜色ない強さになるが殲滅力は他の二機に劣る(敵全体への攻撃がバルカンだけしかない)。何より、レベル40代もあればクリアできるこのゲームでレベル99まで育てるのかという大問題もある。
- シャッフルファイト
- 最終章スタート時に登場。グレートマジンガー&ゴッドシグマと共にア・バオア・クーの防衛任務に就いていたが、復活したガルシアスの奇襲に遭い惨敗。自らも負傷したもののカードメタルの力によって回復し、最終決戦に臨む。ゲッタードラゴンをも凌ぐ攻撃力の高さと、νガンダムに肉迫する程の素早さを併せ持った自軍最強候補の1人。
装備・機能
武装・必殺武器
武装
- バルカン砲
- 頭部に2門内蔵されている近接防御用の武装。
- 『X』では「頭部バルカン」名義だが、メガマシンキャノンとの同時攻撃になっている。
- メガマシンキャノン
- 胸部に2門内蔵されている。
- 強力な武器ではないが、旧シリーズではP属性・有射程武器として意外と使える。
- V.S.B.R. (ヴェスバー)
- バックパックに左右一対二基装備した新型ビーム射撃兵器。「Variable Speed Beam Rifle (可変速ビームライフル)」の頭文字を取ったもので、その名の通り、低速で高威力のビームから高速で高貫通力のビームまでを撃ち分けられる。不使用時はAMBAC肢としても機能する。
- 可変速ということから、メガ粒子ビームを弱から強まで調整できる兵器と勘違いされるケースがあるが、出力調整はそこまで変化に富むものではなく、主な用途はあくまでビームの射出速度や収束率を変えてビームの性質を変化させる事にある。例えば高速・高収束で貫通力の高いビーム、低速・低収束で破壊力を重視したビームといった具合[3]。最大出力時 (及び適切な調整が為された場合の威力) は戦艦の主砲すら凌駕する威力があり、貫徹重視モード発射時にはビーム兵器に対して高い防御力を誇るビームシールドさえ貫通してしまうほどである。宇宙世紀0130年代においても最強クラスのビーム兵器であった。だがラフレシア搭載の強力なIフィールド・バリアは貫通できなかった。
- 本体に固定されているために射角が限定されてしまうという欠点もあるが、分離して使う事も可能。これは大容量メガコンデンサ[4]を内蔵した恩恵である。また、バイオコンピュータの高管制力のおかげでマニピュレーターでトリガーを引かずとも射撃可能で、劇中ではシーブックは背後の敵に対して装着状態で手を添えないで射撃している。ただし分離脱着可能な仕様は接続部が機体の振動を拾う事に因る照準ブレや動力系統の接続不良、不用意な装備の脱落喪失の可能性を生み出し、実際劇中で右側ヴェスバーはビギナ・ギナ戦で接続不良を起こし発砲不能となったり、左側のヴェスバーはラフレシア戦の際ビギナ・ギナの接触によって脱落喪失してしまっている。
- 旧シリーズではカタカナ表記で登場する。気力が上がった後のメインウェポンであり、旧シリーズにおける最強武器である。古い攻略本では稀に「ヴェスパー」という表記をされていたが、表記ミスである。同じく旧シリーズではビームシールドを貫いた性能を再現するため、設定上ビーム兵装でありながらビーム属性を持っていなかったケースもある。貫通力の高さの表現か、『第2次α』では全体攻撃。
- SRWでは2門を同時に発射するが、原作では量産型共々1門だけを発射する場面が多い。
- ビーム・シールド
- シールドビームを展開する防御装備。左腕に発生器を装備。使用時にはアームが展開してせり上がる。F90Vの試作型ビームシールドの欠点を大容量メガコンデンサの内蔵で補った改修品。
- ビームシールド発生器の予備を右腰に収容しており、故障時には自力で付け替える事が想定されている。予備をシールドビームを発生状態にして投擲するという攻撃も行っていた(パイロットのシーブックは後年、同様の手段で量産型F91のヴェスバーを防御している)。
- SRWではシールド防御の際に使用するが、ダメージの軽減量は通常のシールドと同じなので、MSの性能上あまりお世話になることはない。
- ビーム・サーベル
- 左腰に2本格納。劇中ではビルギットの戦法を真似た手首ごと回転させる広範囲斬りが印象的。ラフレシア戦では大量にまとわりつくテンタクラーロッドを何本も切り捨てたが最後は手首ごとラフレシア本体のビーム砲撃によって撃ち落とされてしまった。
- 移動後に使える有射程武器のメガマシンキャノンがあるため、こちらの出番は少ない。
- 『X』ではメガマシンキャノンを撃ちながら接近→ビーム・シールドでシールドバッシュ→サーベルで斬りつけるという原作でのF91初戦闘シーンを元にした連続攻撃になっている。
- ビーム・ライフル
- 本機の基本携行兵装。通常の単射の他に、連射機能も持つ。
- 『IMPACT』や『第2次α』では移動後に使える。装弾数などの点で、気力が上がるまではメインウェポンになる武器。
- ビームランチャー
- 大型の携帯式ビーム発射機。不使用時は腰部にマウントされている。デザイン的に機体との親和性が高く、また他の機体が使用した描写が無い事などから、小説版で記述されている通り「F91専用装備」の可能性が極めて高い。一部資料ではビームバズーカ名義である場合もある。ラフレシア戦ではビームライフルやヴェスバーが次々破壊されていく中、最後まで残った火器であり決着の決め手となった。セシリー探索時には放棄されている。
- 比較的攻撃力が高く射程もそれなりにあるため、主に反撃で手数を出すときに重宝する武器。しかしむしろ下記のMEPE攻撃で使う武器として見る機会も多いと思われる。
必殺技
- 分身ビームバズーカ / MEPE攻撃 / リミッター解除
- ラフレシア戦の再現であり、本機の「必殺技」と呼ぶべき攻撃。M.E.P.E.により機体表面の剥離した装甲がある程度の質量を持つことで「質量を持った残像」になり、敵機のセンサーを撹乱し、あたかも分身して攻撃を仕掛けたかのように見せる。[5]
- 初出の『COMPACT2』では「分身ビームバズーカ」という名称だった。その後は長らくMEPE攻撃という名称だったが、『X』に参戦した際には「リミッター解除」と名前が改められた。MEPEは金属剥離現象であって攻撃ではないので、技の名前としてはこちらの方が正しい(MEPEを利用した攻撃=分身殺法的なニュアンスだったのであろうが)。
- 『IMPACT』では無数の分身が同時にビームランチャーを撃っているという、とある忍者ロボもかくやという演出であった。『第2次α』では最大稼働モードでライフルとランチャーを連射しながら接近・旋回、機体アップと共に零距離ビームランチャーという流れ。『X』では原作でのラフレシア戦を再現しており、トドメ演出では接近してビームランチャーを撃ち込む前に、フェイスオープンのリアルカットインが入る。やたら原作再現にこだわっており、ご丁寧に原作での最大稼働モードに移行し画面手前に寄った際に一度フェイスオープンし、画面が切り替わった次のカットでランチャーを連射している時には既にカバーが閉じているという部分まで再現している。
- 『X』ではHi-νガンダムのオールレンジ・アタックと同様にパイロット制限が無いため、ニュータイプ技能持ちであれば誰でも使用可能。余談だが『X』限定版において『ETERNAL WIND』をサビから再生に設定してこの技を使用した場合、イベント会話等が発生しなければ丁度ループ直前までで戦闘が終わるようになっている。
- ビーム・サーベル(回転斬り)
- 『X-Ω』での必殺スキル。
合体攻撃
特殊能力
- 剣装備、盾装備
- 切り払い、シールド防御を発動する。
- リミッター解除
- 『X』で採用。パイロットが気力130以上で、ニュータイプL5以上を持っている場合に発動。機体性能が向上し、武装が追加される。
- 運動性や照準値の強化の他、宇宙適応がSに上がるのがポイント。シーブックの側の養成を忘れないように。
- 分身 / M.E.P.E.
- M.E.P.E.によって「質量を持った残像」を発生させることで敵を撹乱し、攻撃を無効化する。最大稼動モードであることが条件だが、「パイロットが機体の最大稼動に対応可能である」とバイオ・コンピュータが判断する必要がある。気力130以上という条件はそれを再現したものと思われる。この能力の関係上、パイロットには気合など気力上昇系の能力があると望ましい。
- 『X』では能力名が「M.E.P.E.」となり、エフェクトが専用のものとなった。
- あくまで敵機のセンサーの誤作動で分身しているように見えているだけなので、センサーに頼らない機体、生身の相手には通用しないはずだがさすがにゲーム上ではそこまで区別されていない。あるいは超高速回避のようにリミッター解除時の機動性で回避しているのかもしれない。
移動タイプ
- 陸のみ / 空・陸
- 劇中では空中を飛行しているような描写がある。ファンの間では、「コロニーの特性を利用したものであり、重力下で飛行することはできない」、あるいは「この時代以降のMSは、軽量化や高出力化により、戦闘中に滞空するくらいならば特殊な装置がなくても可能である」など考察されているが、設定等では一切触れられてないので詳細は不明である。
- この解釈は作品によって様々で、『SDガンダム Gジェネレーションシリーズ』等のゲームでは適性は低いながらも飛行可能であるとしている作品もある。SRWでは基本的に飛行できないが、『第2次α』『X-Ω』では飛行可能で、地形適応もAとなっている。
サイズ
- M
- 小型化したMSではあるが、SRWでは分類の関係上18m級のMSとのサイズ差はない。
カスタムボーナス
- 超合金Z
- 『第2次G』で採用。
- 「V.S.B.R.」にC属性(カウンター)付与、攻撃力+200、射程+1
- 『X』で採用。『V』の量産型ガンダムF91と比べると射程延長がこの武器だけとなり、攻撃力増加も低く設定されているが、実際はそんなに気にする程ではない。
機体BGM
対決・名場面
- 新たなる物語へ(『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』より)
- オールズモビルとの戦いが終わり、フロンティアIへと向かう戦艦エイブラム。バイオ・コンピュータに換装されたF91はようやく完成し、ベルフは共に戦場を駆けたF90(1号機)とF91を「今までありがとよ」と見送った。
- その後、フロンティアIVにクロスボーン・バンガードのMS部隊が侵入し、物語はコスモ・バビロニア建国戦争へと繋がっていく…。
- シーブック、セシリーとの再会
- セシリーのビギナ・ギナと交戦。危うく撃墜しそうになったが、シーブックがセシリーの心の叫びを聞き、戦場で再会を果たす。
- 対バグ
- ビルギットが倒され、自らを囮に回転ビームサーベルとヴェスバーの背後に向けての発射で全滅させた。
- 対ラフレシア
- ビギナ・ギナとの共同戦線だが、無数のテンタクラーロッドとビームの波状攻撃に苦戦する。猛攻を捌ききれず損傷していく2機のMS。ビギナ・ギナは捕らえられ、セシリーも宇宙に放り出されてしまうが、その時F91の最大稼働モードが発動、質量を持った残像でラフレシアを翻弄する。最後は至近距離からのビームランチャーと、それを追ったラフレシア自身の攻撃により妖花は宇宙に散った。
- セシリーの花
- 宇宙に放り出されたセシリーを、シーブックは自身の力とF91のバイオ・コンピュータの力を使って見つけ出す。
主な関連機体
一覧に無い機体はガンダムWikiを参照。
強化型・バリエーション機
- 量産型ガンダムF91
- F91の量産モデル。
- 量産型ガンダムF91 (ハリソン専用)
- ハリソン専用機。
関連機
- ガンダムF90 V-TYPE
- 外付けオプションでヴェスバーとビームシールド、放熱フィンを装備した新型火器試験タイプ。F91の基となった。
- クロスボーン・ガンダムX1
クロスボーン・ガンダムX2
クロスボーン・ガンダムX3 - F97。
- Gキャノン
- F71。
- ユニコーンガンダム
- 機体フレームそのものにLSIクラスのコンピューターチップを金属粒子レベルで鋳込んだサイコフレームが採用されている。UCはフレームのみだが、F91はフレームと装甲そのものにも採用している。
- 作品発表順は『F91』が先で、『UC』は後(近年では初期の設定よりも高性能となり、サイコフレームそのものが搭載されているとされている)。
他作品の関連機体
- 灼熱騎士ガンダムF91
- SDガンダム外伝に登場した、F91がモチーフのキャラクター。
余談
- この機体の特徴として、フィンがむき出しになった胸部中央ブロックを持っている点がある。映画公開時に模型雑誌『ホビージャパン』誌上での設定資料公開の際、デザイナーの大河原は「デザインモチーフはバイクのラジエーター」「『(大河原自身が)元祖ガンダムのデザイナー』だから、やらせてもらえた冒険」と発言している。全身に放熱板がある点も含め、バイオ・コンピュータのために放熱対策が必要という設定から連想したのかもしれない。
- 一部の書籍(フィルムコミック)にて、試験型ミノフスキードライブを装備していたとするものもあるが、後に登場した「F99 レコードブレイカー」の設定との辻褄が合わないため詳細は不明である。一部では「ミノフスキーフライト」の誤記ではないかとも言われている。
- 第2次オールズモビル戦役を扱った『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122』の後半では、ゲームシステムとゲームバランスの都合上百機近いクロスボーン・バンガードのモビルスーツをF91一機で倒す必要がある(F91を使わずにF90に乗り換えて戦い続けることは可能)。このため一部のファンの間では「クリア後~建国戦争にかけてのクロスボーンは大量の戦力を失って相当弱体化していたのではないか」と拡大解釈される事もある。
- また、この時のF91が未完成だったため当時のパイロットであったベルフ・スクレットのフロンティアⅠへ搬入させる際の台詞「これで本当に完成したら一体どんな化け物になっちまうんだ?」という台詞も有名。
- 機体の開発自体はかなり早期に行われており、機体そのものは宇宙世紀0116年に出来上がっている。しかしバイオコンピュータの開発と調整に難航、その後『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122』を経過し『機動戦士ガンダムF91』本編である宇宙世紀0122年年末にやっと完成するという、実に6年と完成までに非常に時間がかかったMSという設定もある。
- ファンネルやハイメガキャノン同様、ヴェスバー使用時にその名を叫ぶキャラクターもいるが、原典でのパイロットであるシーブック及びキンケドゥ・ナウ役の辻谷耕史は「発音がし辛い」として戦闘台詞を没にしたという逸話を持ち、『X』まで武器名を叫ぶ台詞の実装がされなかった。なお、『第2次α』でエルピー・プルにこの武器を使わせると、「言いにくい」と愚痴をこぼす。
- ラフレシアの最終局面にてフェイスオープン時の口に当たる部分で廃熱をしているのだが、この際黄色いエフェクトが飛び出ていたので、F91が口からビームを放っていると勘違いしてしまう視聴者が多数いた。
- しかし後年のガンダムシリーズには実際に口からビームを出すガンダムも登場している。また、これを逆手にとって、『ガンダムビルドファイターズ』では本当に口からビームを発射できるガンダムF91イマジンという機体が登場した。
脚注
- ↑ カロッゾ・ロナはこれを「質量を持った残像」と評した。
- ↑ コクピットのモニターが所々映らなくなっていたり、レーダーの不調により敵機の接近・接触に気付けなかった。
- ↑ 実体弾火器で言うところの「徹甲弾」や「榴弾」等の同一口径の弾種変更のイメージに近い。砲の口径が変わるわけではないので、先述の「出力の弱強の変更」の様に「大砲を拳銃の威力で撃つ」的な事にはならない。
- ↑ メガ粒子を直接貯留する機構でE-CAPの上位機構と言える物。
- ↑ つまり、センサー等に頼らない (例えばキャノピーからの目視) 場合は、剥離した装甲が分身のように見えることがないので、金属剥離現象を起こしているだけの高速攻撃に見えるはずである。(とはいえ、それでも初見であれば剥離した装甲の金属片に目を奪われる可能性は大きい)
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