『スーパーロボット大戦α』は「スーパーロボット大戦シリーズ」のゲーム作品。「αシリーズ」の1つ。
スーパーロボット大戦α | |
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読み | スーパーロボットたいせんアルファ |
外国語表記 | Super Robot Wars Alpha |
シリーズ | αシリーズ |
移植版 | スーパーロボット大戦α for Dreamcast |
次作 | スーパーロボット大戦α外伝 |
開発元 | バンプレソフト |
発売元 | バンプレスト |
対応機種 | プレイステーション |
プロデューサー |
寺田貴信 じっぱひとからげ |
シナリオ | 寺田貴信 |
キャラクターデザイン | 河野さち子 |
メカニックデザイン |
カトキハジメ 宮武一貴 杉浦俊朗 他 |
発売日 | 2000年5月25日 |
価格 | 6,980円 |
概要
旧シリーズに次ぐ第2の王道シリーズである「αシリーズ」の第1作目であり、完全新作としては『第4次スーパーロボット大戦』以来約5年振りとなる王道シリーズ作品となる。寺田貴信プロデューサーが総指揮を執った初の作品でもある。
より進化したアニメーションによる戦闘デモやシステム・パラメータの大幅刷新によるゲームバランス面の緩和・ユーザーフレンドリー化により多くの新規プレイヤーを呼び込んだ。
本作が打ち出したセールス70万本超という記録は2019年現在でも破られていない(『F/F完結編』のような前後編連作は除外)。
またパイロットの画像が原作でヘルメットやパイロットスーツを着用していた者は徹底してそちらの画像に統一され、それとは別にインターミッションでの会話用に素顔のバストアップ画像が多数用意された(例外はある)。ロボットの立ち絵も、特にモビルスーツの多くが今までの手ぶらから、本来携行しているはずの盾や銃などを標準装備したものに変化した。敵味方両方で使われるロボットの場合味方バージョンの向きを前提にされている。
戦闘のフルアニメーション化、戦闘アニメのON/OFF機能、オールドタイプの能力の向上やビームライフルのP属性追加などのバランスの見直し、パイロット・ユニットのグラフィックの一新、熟練度の実装……など、現在のスパロボの基礎を築き上げた作品である。その反面、作品間の枠を超えた乗り換え、2回行動、防御の値の代わりに反応がある、主人公の顔グラフィックと声(=性格)と組み替えられる、カラオケモードがある、魂の効果が「ダメージを3倍にする」というもの……など、旧シリーズの影響が残っている部分もあり、旧シリーズと現在のスパロボの転換期の作品である事がよく分かる作品となっており、本作以前・以降のスパロボと見比べてみるのも一興である。
本作発表時のファミ通のコメント欄によれば、企画倒れした『第5次スーパーロボット大戦』と『新スーパーロボット大戦2』の流れを汲んだ作品だとの事である。その為か、両シリーズのオリジナルキャラクター、両シリーズでお馴染みの参戦作品が揃う形となった。
PS版は援護システムが採用されていない最後の作品でもある。
後にドリームキャスト版である『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』も発売された。
2011年12月21日より続編の『α外伝』と共にゲーム・アーカイブスで配信開始。
システム
新システム
- ユニット換装
- 専用の換装パーツが設定されたユニットは、インターミッションで換装することでユニットや武器の性能が変化する。
- 高低差・距離の概念
- 空中⇔地上などの高低差は命中率、ユニット間の距離は命中率、ダメージ、経験値に影響を与えるようになった。
- 防御攻撃
- 反撃時の行動の一つで、与ダメージは通常の50%、被ダメージは通常の75%、回避率は0%になる。確実に被弾するのが特徴。
- 採用されているのは本作のみとなっている。
- 戦闘アニメのカット
- 戦闘シーンに入らず、マップのアイコン上で戦闘内容を簡易的に表示することが可能となった。
- 熟練度
- 特定の行動で得られるポイントで、難易度や隠し要素に影響を与える。
- 本作は選択肢とマップ上の行動に判定箇所があり、加算だけではなく減算されることもある。また、判定箇所の無いマップや複数の判定箇所があるマップが存在し、一度の判定で大きく変動する場合もあるなど独自の仕様となっている。
- 変動時にメッセージなどの表示は無く、獲得値の合計は主人公のパイロットステータス画面に表示される。
- 技能ポイント
- 攻撃によって得られるポイントで、通常のレベルアップ以外でも格闘・射撃のパラメーターが成長していく。使用する武器属性と攻撃回数が影響するため、加入が早く主要武器の属性が偏っているほうが有利になる。理論上はどちらも999まで上げることが可能。
- なお、技能ポイントは隠しパラメータとなっているため、現在の数値を確認することはできない。
- ポケットステーションとの連動要素
- ポケットステーションを使用したミニゲーム「サイスロット」「サイシュート」によって得たポイントをゲーム本編に資金へと還元可能。ただし進行状況によって、還元率が異なる。
既存システムと変更点
- 分離
- コアファイターやホバーパイルダー、ゲットマシンなどといった小型戦闘機への分離が多くのユニットとして採用された。それらの機体は火力と耐久力は低いが、移動力と運動性は高めという設定になっていることが多い。なお、分離後の形態で強制襲撃するシナリオもある。
- 本作の経験値計算の仕様により、基本的に分離形態で戦闘したほうが獲得経験値は増加する。
- マップ表示の変更点
- 『魔装機神LOE』以来となるクォータービュー方式が採用された。以後の据え置き作品では一部を除いて基本仕様となっている。
- ダメージ表示の変更点
- 攻撃されるユニットの残HPに関係なく全ダメージが表示されるようになった。ただし、戦闘OFFにした場合は従来どおり攻撃されるユニットの残HPが上限となる。
- 獲得経験値の変更点
- 基礎経験値は従来の「ユニット・パイロットごとに設定された経験値の合算」ではなく、各ユニットに設定された「破壊難易度」によって計算される。そこに自軍攻撃ユニットとの「破壊難易度」の差や、ユニット間の距離などの要素も加えることで最終的な経験値が確定する[1]。
- 簡単に言えば「敵より弱いユニットなら近距離、敵より強いユニットなら遠距離から攻撃」としたほうが経験値が増加する。
- 補給装置による獲得経験値は補給量に応じて変動する仕様に変更された。
難易度
- 全体的な難易度は低めのバランスに調整されており、初心者でもとっつきやすい。
- ダメージが出やすい傾向にあり、序盤で1万以上のダメージをわりと簡単に叩き出せる。最終的にはラスボス一撃撃破だけでなく、本作のダメージ上限である99999も十分狙える。
- 例えばMSを中心としたリアル系は、ビームライフルが空陸Bでバズーカが宇宙B、機体の地形適応にも陸Bが少なからずいる等の弱体化が施されている。
- 逆にスーパー系には、機体や主要武器の地形適応が空Bのユニットが複数おり、使い分けを求められるようになっている。
- 一方で、『F/F完結編』で宇宙Bにされていたユニット・パイロットは、その殆どが宇宙Aに改善されており、宇宙を苦手が主役ユニット・パイロットはいなくなっている。
- 底力の補正がかなり強力になり、その上位互換のガッツも登場。どちらもHP25%以下で命中・回避・クリティカルに大きく補正がかかるため、マップ兵器などを故意に当てて発動させるのもかなり有効な手段となる。
- 2回行動は『F/F完結編』からかなりの調整が入った。
- ガンダム系パイロットは概ねLv58±2で2回行動が可能、これはゲーム進行面ではほぼ最終盤である。バルキリー系パイロットは本作で最も早くされているが、それでも48~49と、『F/F完結編』と比較すると非常に遅い。
- 2回行動を行う敵パイロットも、本作では数名しかおらず、可能になる時期もやはり最終盤と非常に遅い。
話題
- 本作よりガンダムタイプのユニットの目(カメラアイ)からSD特有の人間然とした「瞳」が無くなり、いかにも機械然としたリアルな雰囲気になった。ただし、開発中に制作されたPVとゲーム中のCGムービーには瞳が残っている。これも、旧シリーズの名残といえる。
- 初代PS版のスパロボシリーズは様々な挑戦が重なって終始制作が難航し、フルアニメーション化を目指した本作の制作当時に至っては、バンプレストが倒産しかけるほどの危機に直面したこともあったという。
- CMナレーションは神谷明と林原めぐみが担当。
登場作品
新規参戦は★の4作品。
- 機動戦士ガンダム
- 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
- 機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー
- 機動戦士Ζガンダム
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 機動戦士ガンダムF91
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- 機動戦士Vガンダム
- 新機動戦記ガンダムW
- 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
- ★超時空要塞マクロス
- ★超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
- ★マクロスプラス
- 聖戦士ダンバイン
- マジンガーZ
- グレートマジンガー
- ゲッターロボ
- ゲッターロボG
- 真ゲッターロボ (原作漫画版)
- 超獣機神ダンクーガ
- 無敵鋼人ダイターン3
- 勇者ライディーン
- 超電磁ロボ コン・バトラーV
- 超電磁マシーン ボルテスV
- トップをねらえ!
- 新世紀エヴァンゲリオン
- ★新世紀エヴァンゲリオン 劇場版
- ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日
他、「劇場版マジンガーシリーズ」、『真ゲッターロボ 世界最後の日』、『機動戦士ガンダムF90』の機体が登場する。
世界観
本作の背景にある出来事については「スーパーロボット大戦α/年表」や「新西暦#αシリーズ」を参照。
バンプレストオリジナル
本作ではオリジナル主人公と共に過去のバンプレスト作品に登場したオリジナルキャラが、本作独自の設定で多数登場している。
その後展開されることになるOGシリーズでは『魔装機神』のキャラや機体を除いて、本作での設定が基本となっている。
登場人物
主人公
『スーパーロボット大戦F』同様、8人の中から1人を選び、対応した1人が恋人となる設定(組合せは下記参照)。誰を選んだ場合でもストーリーに大きな影響を与えることはないが、後のOGシリーズでは各人に存在した裏設定(リオのマオ社重役の娘という設定や、レオナがライの従兄妹である等)を元に明確な特徴が付与されている。また、スーパー系・リアル系問わず恋人は必ずスーパー系のパラメータ設定となる。
『第2次α』以降の作品では、8人のうちクスハがスーパー系主人公、ブリットがその恋人として引き続き登場するシナリオが存在している。ちなみに、『第2次α』以降でクスハ以外の他の3人の主人公の場合は、本作の主人公について特に設定されていないので、クスハ及びブリットが公式主人公扱いで他の6人は無かったことにされた、というのは誤り。『第2次α』のアラド編では本作の主人公がリアル系であることが明かされているし、ヴィレッタはヒュッケバインMk-IIIに「本来の持ち主」がいる事を明かしているので、全員が主人公である事に違いはない(ただし、本来の持ち主のくだりはクスハ編でも存在する)。また、クスハ以外にスーパー系を選んだ主人公達にも、クスハの様な未来が(平行世界として)存在する可能性もある(ちなみにα世界の次にある世界がOG世界であるためか8人全員が存在する為、なかったことにするには少々無理がある)。
なお、ブリット、クスハ、リョウト、レオナの4人は本作が初出ではなく、『スーパーヒーロー作戦』においてセーブ時及びショップでのキャラクターとして先行登場している。
人物名 | 性格 | 組 | 声優 |
---|---|---|---|
ブルックリン・ラックフィールド | 真面目で正義感が強い | A | 杉田智和 |
クスハ・ミズハ | 内気で心優しい | 高橋美佳子 | |
ユウキ・ジェグナン | 冷静沈着で頭脳明晰 | B | 真殿光昭 |
リルカーラ・ボーグナイン | 陽気で楽天家 | 松本梨香 | |
リョウト・ヒカワ | 内気で心優しい | C | 小林由美子 |
リオ・メイロン | 真面目で正義感が強い | 夏樹リオ | |
タスク・シングウジ | 陽気で楽天家 | D | 山口勝平 |
レオナ・ガーシュタイン | 冷静沈着で頭脳明晰 | 雛野まよ(現:榊原ゆい) |
『F』と同様に性格と声優は一括りになっており、例えばクスハの顔を選択して「陽気で楽天家」を選択すれば、クスハの顔でカーラの声になる。恋人は記憶喪失になる関係で個性があまり目立たないため、キャラの性格を楽しみたければ主人公として選んだ方がよい。
担当声優については、全員が何らかの版権系キャラクターと兼任していた『F』の声優陣に対し、本作は山口氏と松本氏を除いて他の兼ね役を持たない主人公専任となっている。また杉田氏・高橋氏・小林氏の3名はバンプレストが当時運営していた声優プロダクション・ミューラスの所属声優である。
魔装機神
超機大戦SRX
その他(味方)
エアロゲイター
登場メカ
主人公機
- ヒュッケバインMk-II
- リアル系初期機。
- ヒュッケバインMk-III
- リアル系後継機。
- ヒュッケバインガンナー、ヒュッケバインボクサー
- ヒュッケバインMk-IIIの換装形態。
- グルンガスト弐式
- スーパー系初期機。
- Gホーク
- 龍虎王、虎龍王
- スーパー系後継機。
魔装機神
超機大戦SRX
その他(味方)
エアロゲイター
用語
関連記事
ゲーム中データ
分類 | 記事 |
---|---|
全話一覧 | 全話一覧/α |
隠し要素 | 隠し要素/α |
精神コマンド | 精神コマンド/α |
強化パーツ | 強化パーツ/α |
特殊能力 | 特殊能力/α |
特殊技能 | 特殊技能/α |
メカ&キャラクターリスト | メカ&キャラクターリスト/α |
中断メッセージ | 中断メッセージ/α |
バグ
余談
- 共通ルート第63話「終わりの始まり」は、シリーズでも唯一の戦闘マップ自体が存在しないシナリオである(戦闘を行わないシナリオならばいくつか例はある)。
- 説明書に「キャラクター事典でキャラクターのセリフが聴ける」とあるが、実際はその機能はなく『F/F完結編』で使われたテンプレートをそのまま転用してしまったものと推測される。後の廉価版ではその説明が削除された。
- 2017年3月10日配信の「生スパロボチャンネル」によると、シナリオは諸事情により元々考えられていたラストとは異なるとのこと。そのラストはDC版とも違うもので、ラスボスもユーゼス・ゴッツォとは異なるキャラクターだったが駄目になったため、中盤から話を書き直したとのこと。