魔装機
『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』および『真・魔装機神 PANZER WARFARE』に登場する機動兵器の総称。
『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』のラ・ギアス製魔装機
「ラングランを魔神が襲う」「魔神には魔神をもってしか対抗できない」という王室アカデミーの予言と進言を受け取った神聖ラングラン王国が、その対抗策として建造した人型機動兵器の総称。練金術と科学技術の結晶ともいえるもので、各機体は風・炎・水・大地いずれかの守護精霊と契約を結び、その恩恵を受ける。装甲にはオリハルコニウム、メイン動力にフルカネルリ式永久機関、動力変換機にプラーナコンバーターを採用。コンバーターの動力変換で、人間が搭乗した魔装機の外装部は常にバリアに酷似した力場で覆われるようになり、特に耐久力と防御力の2点が飛躍的に向上する。本編の戦闘アニメーションで攻撃を被弾した操者が「シールドレベル○○(30-70)%低下」と報告する場面、操者のPN数値によって機体HPや装甲値がアップする魔装機神シリーズのゲームシステムなどは、この設定を表現したもの。魔装機を操る上で、魔術の腕前だけではなく「プラーナ」を重要視するのはこれらに関連したもの。
プラーナは人間の感情の激しさでその流れを活発にし、魔装機の性能をフルに発揮させる。魔装機装者に地上出身者が多いのは、ラ・ギアス人よりも感情の激しさを持っているためである。他にも、パイロット(操者)の性格などが精霊に合わなければ操縦することができない。元ヴォルクルス教徒や戦闘好きのテロリストでさえ合う精霊もいるなど、相性は個々の精霊による。『POJ』において精霊との適正検査が存在し、大まかに風・炎・水・大地の4属性の操者適正を調べられる事が言及されている。 パイロットの適正以外にも機体自体と精霊との相性が存在する。例としては機体構造が人体に近い事で精霊との親和性が高まったディンフォース、逆に人型から遠ざかったために精霊との親和性が落ちてしまったフェンターがある。製作者が精霊への理解・信仰に乏しい事から精霊との契約による恩恵が小さい機体も存在する(典型例は精霊を碌に信じていないゼツ製の魔装機)。
ラングラン王国が開発を行い、精霊との契約に成功した16体の魔装機は「正魔装機」(あるいはオリジナル魔装機)と呼称され、16体のうち高位の精霊と契約した4体の正魔装機は「魔装機神」と呼称される。また正魔装機を元に開発された量産型魔装機を「準魔装機」と呼称される。
ノルスのように精霊と契約しながらも正魔装機として扱われない機体もあり、魔装機神IIでは予備機も数体登場している。これはラ・ギアスでは4の数字が重要な意味を持つため、4を2乗にした16体を正魔装機としたためであるという設定がラジオで明かされている(魔装機神が4体なのもそのため)。
その後、ラングランの魔装機計画を国家の脅威と感じた他国でも、同様の兵器が開発されている。いずれの国が開発した魔装機であっても脱出装置は非常に優秀という設定。これは魔装機を乗りこなせるほど高いプラーナを持ったパイロットの絶対数が限られていたためだという。ただ、新展開をみせた本編で、生粋のラ・ギアス人であっても簡単に魔装機を乗りこなせるようにするための研究(プラーナ補助技術)が進行中であるため、この前提がいつの日か崩れる可能性は存在する。激化しつつある各国の魔装機開発の前に、アンティラス隊もまた16という聖なる数字への拘りを捨てている。
なお、ラ・ギアスはその構造上「宇宙」自体が存在しないが、正(オリジナル)魔装機は宇宙での活動が問題なく可能なように作られている。性能を突き詰めた結果そうなったのか、あるいは最初から宇宙空間での運用を見越して造られたのかは不明だが、後者だとすれば、なぜ宇宙のないラ・ギアスでそのような仕様とされたのかは不明。あるいは、地上で魔装機が活動することを予測されていたと見る向きもあるが、単独で行き来可能なのはサイバスターのみであるため、これも未だ謎となっている。
操縦法に関しては明確な設定が語られないが、操者の剣術や魔術をトレースして使用する事が可能(どの程度再現できるかは機体自体の機能や性能に左右される面もあるため100%ではない)。ラングラン製魔装機のコクピットはシートの両脇に球体状のコンソールがあり、コンソール上に手を置いて機体を操作している。他の国の物も同様かは定かではないが、ロドニーなどの別の国のパイロットが乗り換えた際も特に不都合などは描写されていないため、基本的には同様の操縦法がとられているものと思われる。 また、魔術的機構を搭載しているためか、魔装機神シリーズにおいてパイロットによって固定武装をそのまま使用しない技や必殺技などが全く異なっている。
Aクラス魔装機
高位精霊降臨に成功した魔装機のことを指す。機体自身が明確な意思を持つに到り、機械とは言い切れない存在へと昇華したものたちである。ラングランが開発した4体のAクラスは特別視されており、魔装機神と呼称される。エリアル王国が新たなAクラス魔装機の開発(しかも複数)に成功しつつあるといわれているが…。
- グランヴェール / サイバスター / ザムジード / ガッデス
- ラ・ギアス最強と誉れの高い、炎・風・大地・水の魔装機神。世代としては第二世代に分類される。彼らがポゼッションしたときの力は既存の魔装機の常識を覆すという。
- ゼルヴォイド
- 无(無)の高位精霊「ゼルヴ」と契約を交わした最古の魔装機。千年以上前に開発された。操者のエラン・ゼノサキスはこの機体を真の魔装機神と定義しており、【魔装機帝】と呼ぶ。
第三世代魔装機
現在、エリアル王国のみが提唱している次世代の魔装機たち。冠詞にあたる『第三世代』は宣伝的な意味合いが強く、全てが特別高性能というわけではない。
- キョウメイ
- 独自のブースター(増幅器)で精霊の力を高めることで魔装機神に匹敵する出力を得た。
Bクラス魔装機
四大属性の低位精霊と契約した魔装機たち。降臨した精霊の知性と力を備える。エリアル側が第三世代の魔装機と定義するキョウメイもこのクラスに分類されるのかは不明。
- ラングラン正(オリジナル)魔装機
- ラングランが「魔装機計画」で開発した16体の魔装機から魔装機神を除いた12の魔装機。いずれもワンオフモデルで高性能。他国のBクラス魔装機と区別する意味も込めてこう呼ばれている。12のオリジナル魔装機には性能面で大きなばらつきがあり、計画の後期に開発されたラストールとガルガードの2体は別格。ガルガードに至っては魔装機神に迫る性能をもつと言われている。なお、「正魔装機が16体揃えば何かが起こる!」などという設定はない。
- 深刻な欠損が生じたときの備えとして予備機(後継機・兄弟機)が幾つかの機体に用意されており、何かしらの理由で運用不可能になった場合のみ交替される……はずだったのだが、前述の通り「アンティラス隊」ではその16機の縛りがなくなっており、「シュテドニアス南北戦争」ではBクラス魔装機を13機運用していた。
- ディンフレイル
- 炎系魔装機ディンフォースと同時期に開発された予備機。「シュテドニアス南北戦争」の最中、正魔装機に昇格。
- ガルガーディア
- 炎系魔装機ガルガードと同時期に開発された兄弟(姉弟)機。性能も同等。
- デルギラン
- 大地系魔装機フェンターの後継機。設計はウェンディ・ラスム・イクナートが担当、「シュテドニアス南北戦争」勃発時に正魔装機として採用された。
- レオゲイラ
- 炎系魔装機ジェイファーの後継(予備)機。前線で運用されてはいるものの、正魔装機としては採用されていない。設計はウェンディ・ラスム・イクナートが担当した。
- ギオリアス
- 戦闘用魔装機として開発された、風系魔装機ギオラストの後継機。
- ジャスティニア
- 最新の設計で開発された風系魔装機ジャオームの後継機。ジャオームが現役稼働中であるため、おそらく正魔装機としては扱われていない。
- バフォーム
- シュテドニアス製魔装機。量産機だが、優秀な出力の高さを見せたためCクラスではなくBクラスにカテゴライズされている。生産性に難を抱えているため主力機の選から漏れた。
- ギルドーラ
- 『練金学協会』シュテドニアス支部に所属する練金学士シエーナ・ルドランティスが開発したBクラス魔装機。諸処の問題(プラーナ補助技術・火力など)で主力機の選から漏れている。
- リブナニッカ+
- 新暦4956年頃から4959年末頃にかけて『バゴニア共和国』で運用されていた魔装機リブナニッカのアップデート機。設計はゼツ・ラアス・ブラギオ。ラングランのオリジナル魔装機(Bクラス)に匹敵する戦闘力と、練度の低い操者であっても運用できる安定した操縦性で現場から大きな人気を博したらしい。設計者が引き起こしたスキャンダルで現在の軍から残らず撤廃されてしまい、いまはテロ組織が運用している。
- ちなみに、オリジナル魔装機並といってもファルクと同等か、ラストールやガルガードと同等かで大きな開きが存在することは附記しておく。
Cクラス魔装機
量産モデル。ラングランにおいてこのタイプの魔装機は準魔装機と呼ばれている。
- ガディフォール
- ラングランの風系正魔装機ソルガディの簡易量産型。ブローウェルに次ぐ数が量産された。
- ブローウェル
- 大地系正魔装機ディアブロの簡易量産型。ラングラン軍の主力機。精霊の分類は大地系低位の「林」である。
- ギルドーラII
- シュテドニアスのBクラス魔装機ギルドーラの簡易量産型。次期主力機として扱われているようだが性能はあまり高くない。
- ゴリアテ
- シュテドニアス連合で開発されたCクラス魔装機。充実した火力を備えているが主力機としては扱われていない。精霊の相性面と総合力でガディフォールに若干見劣りするためだろうか?
超魔装機
命名はカークス・ザン・ヴァルハレヴィアが提案した「超魔装機計画」に由来する。当初は、精霊の加護を得ずにAクラス魔装機に匹敵する性能をもつ特殊な魔装機の開発とその量産化を目的としていた。現在は精霊と契約した魔装機であっても、大型かつ高出力であれば超魔装機に分類する傾向がある。世代としては2.5世代に区分される。
- デュラクシール / デュラクシールII
- 「疑似プラーナ発生装置」と「対消滅機関」の搭載で魔装機神に匹敵する性能を得た特機級の魔装機。開発者はセニア・グラニア・ビルセイアだが、後にテューディ・ラスム・イクナートが設計図に手を加えたことでポテンシャルの数値が飛躍的に上昇したようである。現在、1体をアンティラス隊が所有。セニアの調整を受けている。
- 大型機の特性として操者が取り回し(操縦)に苦労する。「調整すべき欠陥」とはそこなのだろう。50 m級で安定させるのか、30m 級にダウンサイジングさせるのかはまだ不明。
- デュラクシールII
- シュテドニアスの内戦に投入されたデュラクシールの改良機。量産も視野にした設計思想なためか、セニアからは嫌悪交じりに「劣化機」と酷評されている。
- エウリード / エウリードII
- ラングランのカークス将軍がラ・ギアスに送り出した超魔装機。魔装機神に匹敵するポテンシャルをもっていたが、紆余曲折の末、現在はシュテドニアス側がエウリードのデータを有効に活用している。将軍は熱烈なラングラン愛国者であったため、言葉に出来ない皮肉な結果を迎えたとしか言いようがない。
- エウリードII
- シュテドニアス連合に与する地上の軍人ロヨラ・ブラックバーンが戦術級兵器として完成させようとしたエウリードの改良型。連合の技術ではロヨラの目的を満たすだけの出力を用意できず、彼を「プラーナ増幅装置」の強奪に駆り立てることになってしまう。
- ガッツォーΣ
- 狂気の練金学士ゼツ・ラアス・ブラギオが設計した大地系魔装機を元弟子のセウラント・ペイ・ボラキスが再設計した超魔装機。
- ムック(電撃スパロボ魂2013年秋号)を再確認したところ、オリジナル機と+の解説欄に「超魔装機」という単語は記載されていない。ただ、IIIの用語録ではゼツのオリジナル機を超魔装機として扱っている。
- ペンタルコス
- ヴォルクルス教団の司教ワッシャーがセウラントに依頼して開発させた汎用機。精霊を強制的に機体内部に封印して閉じ込めるゲアスに似た力を持っている。
Dクラス魔装機
正確には魔装機ではない機体だが、このクラスに分類されている。
- ルジャノール改
- 土木作業用の機械を戦闘用に改造したもの。世代としては第一世代に分類される。
ラ・ギアス製魔装機の魔法陣
精霊の恩恵を受けるラ・ギアスの魔装機は、強力な攻撃を発動する際に魔法陣を展開する。魔法陣の陣形、展開される象徴は契約した精霊の属性ごとに異なるが、例外も存在する。象徴の数が属性ごとに異なる理由はまだ不明である。
- 風系魔装機
- 象徴は羽。色は緑。象徴の数はひとつで、魔法陣の中心に位置している。また、陣の円周に沿って「風の渦」を思わせる幾何学文様が六つ並んでいる。
- 水系魔装機
- 象徴は滴。色は青。象徴の数はふたつ。魔法陣の上下に配置されている。水の魔装機神ガッデスは炎の魔装機神グランヴェールと、火と水の魔法陣を融合して展開させた黒色の魔法陣から相反する属性による強力な複合攻撃を発動させることができる。
- 炎系魔装機
- 象徴は灯火。色は赤。時計回りに三つの象徴が配置された魔法陣を展開する。前述のとおり、炎の魔装機神グランヴェールは水の魔装機神ガッデスとの複合攻撃が可能。
- 大地系魔装機
- 象徴は3個の正三角形で構成された等脚台形(山を表している?)。色は黄色。象徴の数は四大属性最大の4で、陣の上下左右に時計回りに配置されていく。陣の中心にはふたつの正方形を組み合わせた八芒星(オクタグラム)が置かれており、陣形も菱形に近いなど他属の魔法陣と異にした形状をみせることが大きな特徴。
- 例外1:魔装機神サイバスター
- 描く魔法陣は上記のいずれにも属さない。時計回りに太陽・風・水・月・炎・大地と6個の各種元素の象徴を配置した六芒星魔法陣と、象徴の存在しない六芒星魔法陣を展開する。象徴を用いた六芒星魔法陣を必要とする攻撃は、「コスモノヴァ」と「乱舞の太刀」と「アカシックバスター」での突撃。象徴のない六芒星魔法陣を使用した攻撃は、魔法陣から火の鳥を射出する「アカシックバスター」と、精霊憑依(ポゼッション)状態で使用する「ハイファミリア」。
方陣の色も攻撃に応じて変動する。「乱舞の太刀」を仕掛ける際は風系の緑だが、「コスモノヴァ」と「アカシックバスター」での突撃や、精霊憑依状態での「ハイファミリア」の際の方陣は蒼みがかった白色に変わる。また、火の鳥を放つ「アカシックバスター」での方陣は赤く輝いている。
さらにサイバスターは攻撃時に展開する魔法陣の数が豊富で、精霊憑依状態で使用する「真伝・乱舞の太刀」ではふたつ、「コスモノヴァ」では四つも展開する。 - 例外2:邪神
- ヴォルクルス、ラスフィトートとそれらの眷属は、文章での説明が少々困難な魔法陣を展開する。大きな特徴をひとつ挙げるならば、大小ふたつの正円が中心となって魔法陣の幾何学文様を展開することだろうか。色は紫色。
『真・魔装機神 PANZER WARFARE』のア・ゼルス製魔装機
「ダウスの穴」より飛来する魔物の群れにより滅亡の危機に瀕していたア・ゼルスに突如として落下してきた「神の腕」と呼ばれるパーツを解析して得た技術によって開発された機動兵器の総称。「神の腕」がラ・ギアスの魔装機神サイバスターの物であると思わせる設定であり、そのためかア・ゼルスの魔装機の構造はラ・ギアスの魔装機とほぼ同じ物となっている。
ただし腕一つだけから技術を得たためか、動力源はフルカネルリ式機関と永久機関の域には達しておらず、量産型魔装機の精霊との契約は精霊石を用いた簡易的なものであり、リニアレールガンなどの武装が無い等の発展途上の面が多く見られる。また、ダウスの魔物と戦うことを想定していたためサイズもほとんどが20 m以下と小さめになっている。解析元であるサイバスターの影響か、全魔装機が飛行可能となっているのも特徴の一つである。
ラ・ギアス同様高位の精霊を宿した四機は「魔装機神」と呼ばれ、「神の腕」の機体その物を復元しようと試みていた影響からかその名称はラ・ギアスと同一、形状も酷似している。またラストに登場した闇の魔装機神イズラフェールは「神の腕」を装着することで真の魔装機神の力の一部を得るに至っている。
登場作品と操縦者
- スーパーロボット大戦EX
- サイバスター以外の魔装機神と魔装機が登場した記念すべきゲーム。
- 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
- 正魔装機16体全てが登場し、政治的な理由で存在しないことになっている17番目の魔装機イスマイルも登場した。
- 真・魔装機神 PANZER WARFARE
- ア・ゼルス版魔装機が唯一登場する作品。
- スーパーロボット大戦α
- 魔装機神サイバスターのみ参戦だが、赤い3騎士とマサキが戦闘した際、「ジャオームやザインなら落とされていた」とコメントしている。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 魔装機神4体とジャオーム、ディアブロ、ノルス・レイが登場。
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- 『EX』のストーリーを内包している。
- スーパーロボット大戦OG ダークプリズン
- 「シュウの章」のOGリメイク。ノルスがノルス・レイに改修される場面が存在する。
開発関係者
- ウェンディ・ラスム・イクナート
- ラングランの「魔装機計画」の中心者。また、真・魔装機神に登場する「神の腕」には彼女の名前と推測できる文字が刻まれていた。
- フェイルロード・グラン・ビルセイア
- ラングランの魔装機開発を推し進めた人物。
- ゼツ・ラアス・ブラギオ
- バゴニア共和国の魔装機開発者。出身はラングラン。自身を追放したラングランの魔装機を激しく敵視している。一切の倫理観を持たないエゴイスティックな狂人。
- シエーナ・ルドランティス
- ギルドーラシリーズを開発した天才練金学士。「練金学協会」シュテドニアス連合支部に所属する。「プラーナ増幅装置」も彼女の作品である。
- セウラント・ペイ・ボラキス
- ラーダット王国の技術顧問にして大富豪。ゼツの元弟子というだけあり、危険人物として「練金学協会」が放った刺客に追われ続けていた。