ロヨラ・ブラックバーン
ロヨラ・ブラックバーンは「魔装機神シリーズ」の登場人物。
ロヨラ・ブラックバーン | |
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登場作品 | |
声優 | 中田譲治 |
デザイン | 渡邉亘 |
初登場SRW | 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
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種族 | 地球人 |
性別 | 男 |
年齢 | 推定39歳以上 |
出身 | 欧州 |
所属 |
「シュテドニアス南北戦争」時は南部聯合軍に所属
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役職 |
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軍階級 | 大佐 |
概要編集
博学[1]だが、その性は狷介。ねじくれた人格面の発露がなせるのか、いきすぎた効率重視主義を軸にした人命軽視の作戦を好むため、味方にも多大な損害を与える「問題児」として有名だったという。そのため、地球連邦軍内で冷遇されていたらしい。また、DC戦争が始まる前から軍事評論家としても持論を展開していたらしいが、前述通りの効率主義から来る過激な論調は比較的安定していた当時の世論には受け入れられなかったという。
迷い込んだ先で評価される喜びを得たためか、地球連邦軍に見切りをつけシュテドニアス連合軍に所属する道を選択。シュテドニアス内戦時は南部聯合に与し、大統領補佐官オンガレッドの傍らで作戦立案に従事。バラン丘陵に設置させた「電離プラズマ砲」の砲撃で北部連邦と他国の人民を脅迫する醜悪な脅迫外交を南部聯合に展開させる結果となった。みせしめとして南部に敵対した北部のブレア市を民間人ごと焼き払わせている。
名声や評価を過剰に渇望する傾向があり、方々で自身が抱くシュテドニアスへの殉国の決意のほか、忠国の志や愛国の心を他者に語って聞かせている。しかし、「電離プラズマ砲作戦」の経緯をみてもわかるように、彼の「報国」には、どこか「自身を認めなかったものへの隔意」が生み出す欠陥がある。
「アンティラス隊」に対して激しい競争意識と敵意をもっており、例の作戦ではプラズマ砲を破壊されて完全敗北を喫した。このとき砲台の破壊に巻き込まれて瀕死の重傷を負ったのだが、「聯盟救命機構」に所属する治癒術士の手厚い看護を受けて生還。魔装機神操者達への復讐心を胸に再び連合軍に復帰したようだ。
以上はROEまででの動向であり、実際に登場したPOJでは軍需産業の利権を求める政治家達の後ろ盾を得、過去のラセツやオンガレッドを彷彿させる立場に立つ。世界同時テロ事件においては初動対応に成功[2]し大きな功績を上げている。高まった評価と後ろ盾を利用し、内乱後の復興を他所に、国防力強化の為のエウリードII開発を推し進め、かつての過ちを繰り返しかねない専横を始めた所でアンティラス隊に止められる事になる。
魔装機神FにおいてはPOJでの行動を問題視されたため、発言力や権限は大きく制限されていたものの、同時テロ事件時に見せた有能さから、干されることなくネミベア市駐留の南部方面軍の司令補佐として赴任。 マグゥーキ出没によりラ・ギアス各国が大混乱に陥る中、彼の呼びかけによってシュテドニアス軍の残存戦力を集められた事が後々の反攻作戦、ひいてはヨーテンナイ並びに巨人討伐に繋がった(とはいえ、戦力をかき集めるために一部地域を切り捨てるという事と同義であったため反発を覚える者もいたが)。なお、前述の通りこの時点の彼は大した権限を有しておらず、出来たのはあくまで呼びかけだけ。そのため、南部に留まる事を選択した兵士も少なからずいたという。この模様はキャンペーンマップ「七人の操者」で一端が明らかになる。また南部軍には盗賊まがいの行動に出るものすらいた。
その後ベイレン要塞に残存兵力を集結、司令のレッフェンの指揮下に入り、占領された首都アーセルラインの奪回作戦を立案。レッフェンを補佐する作戦参謀として参加、仮設司令部ヴィーラから全軍を指揮し第一段階を成功させたものの、首都中心部においてアディーナム率いるマグゥーキの攻撃で瀕死の重傷を追い、サンドリーブ姉妹に回収されて後退。しかし、半身を吹き飛ばされるという致命傷であった上、エウリードのハッチが溶融して救助できない、という最悪の状況であり、居合わせたレミアに看取られる形で死亡した。
だが、その意志は霊子となって彷徨っており、アディーナムに対峙したサキトへと力を貸すことになった。
登場作品と役柄編集
魔装機神シリーズ編集
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
- 直接登場しないが、電離プラズマ砲にまつわる作戦は地上人の立案であることがオンガレッドから語られる場面があり、設定は既に固まっていたのだと思われる。
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
- 顔見せは序盤から。主な活躍はシュテドニアスルートのみに集中しており、テュッティが指揮したS艦分隊に敗北して後の登場機会はない。特に厄介なスキルもないため、与し易い部類の敵操者。
- 余談だが、彼の体の大部分はラ・ギアスの再生治療で置き換えらえた代替品。自業自得とはいえ、今もその後遺症に苦しんでいる。
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END
- 今作では一貫して味方として登場する。シュテドニアス首都奪回戦において、サンドリーブ姉妹を庇って致命傷を負い、ハッチが溶融したエウリードIIのコクピットの中で息を引き取るが、彼の魂はレッフェン同様、霊子の一つとなってグラギオスと戦うサキトに力を貸した。なお、スポット参戦時はトロフィーの条件に関わるので、アクレイドに1機も撃墜させなかった場合は、ロヨラかレッフェンでちゃんと1機撃墜させること。
パイロットステータス編集
能力値編集
- 魔装機神シリーズ
- 攻撃力は悪くないが、命中と回避は並。
精神コマンド編集
パイロットBGM編集
- 「終わりなき戦い」
- 汎用戦闘曲。
人間関係編集
- マサキ・アンドー
- 彼とは本編ゲーム内では『POJ』の1話で一度会っただけで終わっている。交戦機会はキャンペーンマップ「誇り高き者達」のみ。そこでのやり取りから「地上人召喚事件」の前、連邦軍時代から嫌っていた様子。
- シュウ・シラカワ
- 『魔装機神F』にて接触する。直接首都奪回作戦には参加しなかったが、シュウが所有するヴィーラを整備基地兼仮設司令部として提供を受けた。
アンティラス隊編集
- テュッティ・ノールバック
- 『POJ』では「プラーナ増幅装置」の処遇をめぐって交戦。『魔装機神F』では共闘し、首都奪回作戦で戦力の一部を預け一翼を任せている。
- レミア・ザニア・ヴァルハレヴィア
- 瀕死の重傷に倒れたロヨラを救った命の恩人だが、仲は非常に険悪。
- 『魔装機神F』でも再会早々険悪な雰囲気になるが、最終的には彼女に最期を看取られることになった。
- ホワン・ヤンロン
- テュッティ同様、鉾を交える。ヤンロンの故事成語を理解した上で切りかえす場面が2度ほどあり、博学さが伺える。
- ゲンナジー・I・コズイレフ
- 彼からラスコーリニコフ[3]に例えられ、その意味を正しく理解して切りかえしている。
シュテドニアス連合国編集
- オンガレッド・キレシナ
- 彼のものとで数々の作戦を提案し実行してきた。
- シエーナ・ルドランティス
- 彼女の作ったプラーナ増幅装置を狙う。
- マッキンナー
- 彼の後ろ盾で活動している。
- ラセツ・ノバステ
- 彼に似ていると言われる。どちらかと言えば立場や処世に関する部分についてであり、世界征服の野心を隠さないラセツと、軍人としての分と名声を重視するところのあるロヨラは、行動理念についてかなり差がある。
- ロドニー・ジェスハ
- 軍内でも政界でもよどみなく泳ぎわたる彼に羨望に近い念をもっており、DLCキャンペーンマップ「誇り高き者達」エンドデモにおいて、思わず嫉妬を爆発させてしまっている。
- ニコ・サンドリーブ、リコ・サンドリーブ
- 上述の通り、オンガレッドの元で非道な作戦を立案してきたこと、友好関係にあるアンティラス隊にけしかけられそうになったこと、また辛辣な言動から双方ともから嫌悪されているが、『魔装機神F』では首都奪回作戦時に彼女達を庇い致命傷を負う。
- レッフェン・ダスドレーシュ
- 『POJ』ではロヨラの横暴を止めるために再起した彼と戦う。『魔装機神F』では国家の危機を前に共闘。率いる残存軍ごとベイレン要塞司令の彼の指揮下に入る。影響される部分もあったのか、最期はこれまでのロヨラらしくなく、部下を庇っての戦死だった。二人の遺志は後にサンドリーブ姉妹を守るためにサキトに同時に同調したことから、報国の理念には通ずる部分もあったのかもしれない。
アルメラ共和国編集
- エリシア・ゼフィール
- 『魔装機神F』にてアンティラス隊ともども共闘関係となる。彼女を始めとするアルメラ共和国関係者を全軍を援護する予備戦力として配置・指揮した。
- サキト・アサギ
- 個人的に会話する機会はなかったが、サンドリーブ姉妹を守り、シュテドニアスを救わんとするロヨラの遺志は、レッフェンとともに霊子となってサキトと同調する。
- ライオネル・ニールセン
- 場所は違うが「地上人召喚事件」でラ・ギアスに来た連邦軍所属のパイロット同士。地上でのロヨラの風評を知っていた。
名台詞編集
魔装機神III PRIDE OF JUSTICE編集
- 「シュテドニアスの国益第一というのが私の行動理念ですから。そう簡単に信条を曲げ、迎合するなど……国を捨てておきながらのこのこ出戻り、議員になって他国と通じる誰かのような、柔軟な処世はできかねますな」
- ロドニーから敵を減らすようと言われ逆に彼を皮肉って。
- 「武力によって国内を統一し、そして世界をも統一して自国を護る……これはカークス将軍の目論んだ戦略だ。君の事は調べさせてもらったよ。武力と野心の赴くまま、ラングラン王国を簒奪しようとした反逆者カ-クスの娘。アンティラス隊同様、危険因子としてラングランから厄介払いされたというところか」
「カークス将軍には助けられたものだ。先の戦争では、彼の遺したエウリードが、北部の人間をどれだけ葬ったやら」
「しかし野蛮とはよく言ったものだ。なるほど、あの親から生まれた貴様は、確かに野蛮極まりないな」 - レミアへの挑発。狙い通り彼女は怒りのあまり単独で飛び出してしまう。
- 「そんなものとは心外だな……この機体は私の理論を実践し、そして、私の復讐を遂げる為の力だ!」
- ブレア市でアンティラス隊を迎えて。エウリードIIの力をもって復讐を成し遂げようとする。
- 「逃がさん!」
- 哨戒でブレア市にやってきたシュテドニアス兵をハイパーメガビームキャノンで吹き飛ばした。パイロットは脱出したがロヨラはその脱出ポッドも破壊した。
- 「……私は復讐を遂げ、国に報いる!それを怨霊などに阻まれはせん!」
- ブレア市の犠牲者から生まれたデモンタイプを見て他の兵士が戦意を無くす中、1人戦意を高める。
- 「ふ、ふざけるな!私が一体、何の為に死の淵から黄泉返ったと……こんなところで、死んでたまるか!!」
「撃つというのか……!アンティラス隊が、脱出ポッドを!!そんな事をすれば、世論は……」
「くっ……くそおおおおおおっ!!!」 - レミアにエウリードIIを撃墜されて。脱出装置が働くが彼女から自分がしたように脱出ポッドを破壊すると言われてしまう。焦った彼だったがそれは彼に撃たれる側の気持ちを分からせるためのブラフだった。これで敗北を認めたのか何も言わずに撤退し以降本編には姿を見せなくなってしまう。
- 「分かるはずがありませんな。特に、ジェスハ議員のように、お幸せな方には……!」
- DLC「誇り高き者達」でロドニーに対して。彼に嫉妬の感情を見せ、彼から同情されてしまう。
- ヤンロン「テロが落ち着いた途端これとは……小人閑居して不善をなす、か」
- ロヨラ「フッ、休暇ならば貴様らを倒してから取らせてもらおう」
- 小人閑居して不善をなすとは、《「礼記」大学》より、「つまらない人間が暇でいると、ろくなことをしない。」の意。 対するロヨラは「今は忙しく立ち回っており、暇などではない」と返しているわけである。
- ヤンロン「狗猛しければ則ち酒酸にして售れず……ロヨラ、貴様の行いは、国に報いるものではない!」
- ロヨラ「ふん、中国古典の言葉か。ならば私も言わせてもらおう。貴様らの行いは、影を畏れ、迹を悪むだ。他国の政治に関わるのはやめてもらおう」
- ヤンロンのものは《「韓非子」》より、「酒屋の番犬があまりにも獰猛であるため、酒が売れず酸化して飲めなくなってしまった」転じて「国で姦臣が重用されると、賢臣は寄り集まらず、その国はいずれ衰亡する」ことの喩え。
- 対するロヨラは《「荘子」》より「影から逃れようとして走りつづけたり、足跡をつけまいとして足を上げ下げしつづけたりしていた人が、ついに死んでしまったという漁父の故事」から「自分で悩みごとを作り、心の平静を得られない」ことの喩えで返している。
- 実際のところロヨラが錬金学協会に手を出したために対応することとなったものの、アンティラス隊があらゆる国家の事情に武力で逐一介入しているのは一面の事実ではある。
- ゲンナジー「貴様の所業……まるでラスコーリニコフだな」
- ロヨラ「戯言を……貴様もまとめて消し炭にしてやる!」
- ロシア文学「罪と罰」より。ラスコーリニコフは「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ」という論理で行動する主人公である。的を射ている部分は大きいが、ロヨラはラセツとは違いあくまで軍人としての論理と(目的のためあえて偏った解釈をするが)順法意識はあるため、本人としては心外なのだろう。
魔装機神F COFFIN OF THE END編集
- ロヨラ「この門をくぐる者、一切の希望を捨てよ……」
レッフェン「……何かの警句か?」
ロヨラ「地上の叙事詩からの引用ですよ。地獄の門に刻まれている言葉だとか。……ヤツらへの手向けです」
レッフェン「良い言葉だと言っておこう。では、行くぞ!」 - 不退転の覚悟を胸に、かつての政敵と共に基地を防衛する。ちなみここで引用した地上の叙事詩とは、ドイツの作家ダンテの叙事詩「神曲」のこと。
- 「構わん……ここ……私の……終着の地……だった……のだ……しかし、最期が……貴様に……か……皮肉な……結果……だ……な……」
- 25話「その先に待つものは」エンドデモにて、死亡する間際にレミアに対して。最期の最期に捨て台詞を遺した辺り、実にロヨラらしいとも言える。
搭乗機体・関連機体編集
余談編集
- 『魔装機神F』は「魔装機神シリーズの最終作」「新主人公が主役となる」点を意識してか、『LOE』の魔装機神隊の様々なエピソードのセルフオマージュと捉えられる話が種々展開されるが、ロヨラの本作での立ち位置は一部カークスを意識していると推測できる。
- 元々エウリードの生みの親であるカークスと発展機であるエウリードIIの開発を主導したロヨラはレミアを通じて共通点があるが、「壊滅し敵に占拠された首都を解放するため、行動方式は異なるが同じ志を持つ上役と呉越同舟で共闘する」というのは、まさにフェイルロードとカークスのそれである。最期が超魔装機に乗ったままでの戦死というのも4人とも共通する