タイムトラベルとは、通常の時間の流れから独立して過去や未来へ移動する要素全般を指すSF用語。直訳は「時間旅行」。「タイムスリップ」「タイムリープ」などと表現されることもある。
概要
SF分野においてはポピュラーな題材であり、基本的に「過去や未来へ移動する」か「過去や未来から誰か(何か)が来た」かのどちらかのパターンでストーリーが展開される。タイムトラベルを題材にしたSF映画としては、未来のアンドロイドとの戦いを描いた『ターミネーター』シリーズや、過去と未来を行き来する『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズが有名。
明確に定義されているわけではないが、「タイムトラベル」は意図的な時間移動、「タイムスリップ」は予期せぬ時間移動、「タイムリープ」は意識のみの時間移動、自身の能力による時間移動といったような使い分けをされることが多い。
また、時間の遅れによって結果的に未来へたどり着く「ウラシマ効果」や「コールドスリープ」、特定の期間を繰り返す「タイムループ」など、タイムトラベル要素は含まれているものの、タイムトラベル物として扱われることはあまりないものもある。
なお、作品の中にはタイムトラベル要素自体が重大なネタバレになるものもあるため[1]、公の場でタイムトラベル要素を含む作品を取り上げる場合には注意する必要がある。
タイムトラベル要素を持つSRW作品
旧シリーズ
- スーパーロボット大戦F完結編
- 『伝説巨神イデオン』の登場人物/機体がイデの力によって未来から現代、現代から未来へとタイムスリップを行っている。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α外伝
- ネオ・グランゾンを撃墜した衝撃によって未来の地球へ[2]、アウルゲルミルの開けたゲートによって未来から現代、現代から未来へと、計3回のタイムトラベル(スリップ)が行われる[3]。
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- ハードルートではイデの力によって1万2千年後の未来から現代へタイムスリップが行われる。
- なお、『伝説巨神イデオン』『マクロス7』一行は未来の人物/機体として登場しているが、これは作中で発生している時空の歪みの影響によって生じた異なる時間の流れを過ごした結果によるものである。また、ハードルートで1万2千年後の未来へたどり着いてしまったのも同じような理由である。
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 『宇宙戦士バルディオス』のマリン・レイガン並びにアルデバロン軍、『宇宙大帝ゴッドシグマ』のエルダー軍が原作同様に未来から現代に転移してくる。
- 第3次スーパーロボット大戦Z
- 『トップをねらえ!』のタカヤノリコ、アマノカズミ[4]、ガンバスターが12000年前の世界から転移してくるほか、『天獄篇』のルート次第では過去の世界に跳ばされる展開になる[5]。
- また、主人公のヒビキ・カミシロはスフィアの力で時間を僅かにさかのぼり、西条涼音が死亡するのを回避している。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦R
- ラー・カイラムあるいはナデシコCの爆発とエクサランスの時流エンジンにより、主人公達は5年前にタイムスリップしてしまう。
- タイムトラベルによる歴史改変を主軸にした現時点で唯一のSRW作品。
- スーパーロボット大戦J
- ル・カインがボソンジャンプで過去に飛ばされたのち、現代に戻ってくる。
- スーパーロボット大戦W
- 『デトネイター・オーガン』のイバリューダーは過去へタイムスリップした後に、長い時をかけて現代に再びやってきたという設定。また、ブレスフィールド・アーディガンはボソンジャンプで150億年前に、超竜神はESウィンドウを通り6500万年前の火星にタイムスリップしている。
- スーパーロボット大戦L
- プロローグにてマクロス・フロンティア船団の前にボルテスチームが60年前の世界からタイムスリップしてくる。
- スーパーロボット大戦UX
- 本作は『機神咆吼デモンベイン』並びに『鉄のラインバレル』を世界観トリックの基本とする関係上、タイムトラベルの要素が物語の根本に深く関わっている。『聖戦士ダンバイン』『SDガンダム三国伝』『マクロスF』の面々、『忍者戦士飛影』のシェーマ星系組と飛影・零影、『ラインバレル』の加藤久嵩、中島宗美、城崎絵美、城崎天児とヒトマキナ達が前の宇宙からこの世界、この時代に来ている。
- 詳しくは世界観/UXを参照。
- スーパーロボット大戦BX
- ザ・パワーの力で転移した超竜神が6500万年前のオウストラル島に落下し、永い眠りにつく。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦X
- 渡瀬青葉、弓原雛、ビゾン・ジェラフィルの三名が、エンブリヲの介入によって西暦2014年と2088年との間で幾度もタイムスリップを繰り返し、無限とも思われるタイムループとタイムパラドックスを発生させていた。
- 作中ではヒイロ・ユイの活躍によって正しい時間の流れに修復されているが、タイムスリップから生還した(取り残された)ビゾンは「エフゲニー・ケダール」として新たな復讐の炎を燃やし始めることとなる。
単独作品
- スーパーロボット大戦NEO
- イオニアの一行が安倍晴明によってアースティアへと飛ばされた際にゲッターチーム及びゲッターロボだけに時間軸の移動が起こり、アースティアへの到着に時差が生じていた。この際にゲッター線が活性化しており、その影響でゲッターチーム及びゲッターロボだけ時間軸にずれが生じたものと思われる。
- なお、このタイムスリップという結果自体は原作の再現である。
- スーパーロボット大戦DD
- 序章ワールド2において重陽子ミサイルが防いだ際に流竜馬とディーダリオンが15年後にタイムスリップしている。
- スーパーロボット大戦30
- キーミッション「ゼロ再臨」ではシャムナのギアスで時間改変が行われ続けるため、一種の全滅プレイじみた挙動となる。
タイムトラベルを行った人物
スーパー系
- 流竜馬 (OVA)
- なお、原作漫画版ではゲッターエンペラーの存在する未来に僅かな時間ながら飛ばされた(『新ゲッターロボ』でも同様の話がある)。
- 神隼人 (OVA)、武蔵坊弁慶
- 新ゲッターロボでは竜馬同様に平安時代に飛んでいる。
- 流拓馬、カムイ・ショウ、山岸獏、恐竜帝国のゲッターザウルスパイロット達
- 21世紀の地球から、ゲッターロボ軍団とアンドロメダ流国が宇宙戦争を繰り広げる超未来へとタイムスリップし、後に帰還している。
- 漫画版とアニメ版で帰還時の経緯・描写がやや異なり、アニメ版ではめぼしいキャラは全員帰還しているが、漫画版ではカムイ以外の恐竜帝国兵たちが帰還できたかは不明。
- 兜甲児、ミネルバX、マジンガーZERO / 闇の帝王
- 『真マジンガーZERO』シリーズ版。途方もない回数の差異次元を繰り返している設定だが、それを明確に記憶・操作可能なのは前者3名だけであった。
- 闇の帝王だけはやや毛色が異なり、見方によっては純粋なタイムスリップ事故を被った立場である。
- マリン・レイガン、アルデバロン軍
- S-1星の人間たち。しかし原作後半にて自分たちは未来の地球人であり、さらにS-1星の荒廃した環境を生み出した元凶でもある事を知ってしまう。
- エルダー軍
- エルダー星が地球に侵略されているため、歴史を改変するため時間を遡り過去の地球を攻撃する。
- 壇闘志也
- 原作最終話において未来へと向かった。
- ザウラーズ全員、中島辰男
- 第1話では峯崎拳一・立花浩美・朝岡しのぶが、エルドランによって6400万年前の恐竜時代へ導かれる。また、第40話~第43話ではザウラーズ全員と中島先生が時空の裂け目から6400万年前の地球へと遡り、過去の改変によって機械化帝国の手に落ちた地球を元に戻すべく奮闘した。
- 超竜神
- 人ではなくロボだが、人格があるので記載。
- 頭脳原種が最後に放った巨大隕石をESウインドウの向こう側にある木星へと押し戻した際に、ザ・パワーの力で巨大隕石もろとも6500万年前の地球へと飛ばされてしまう。その後、現代にて6500万年前の地層から劣化した状態で発掘されたが、核となるAIとGSライドはザ・パワーによって保護されていたために復活することができた。
- GGGメンバーの大半、戒道幾巳、ソルダートJ
- 小説版では次元ゲートを通って150億年前の三重連太陽系に向かい、そこでソール11遊星主と戦闘している。
- 金田正太郎
- 第41話「鉄人が消えた!」にて450年前に飛ぶ。
- 城崎絵美、中島宗美
- 原作漫画版では660年前からマキナと共に転送によって渡っている。ただし、絵美は意識がない状態で、宗美に至っては赤子の状態のため第三者によるものである。
- 早瀬浩一
- 原作漫画版ではデウスエクスマキナとの圧縮転送フィールドのぶつかり合いで3年後に飛んでいる。
- 速杉ホクトらシンカリオン運転士たち
- ヴァルハランの光の粒子によって、時空を超えて別々の時代へ飛ばされてしまう。ホクトはどこへ飛ばされたか本編中では描かれなかったが、入れ替わりに9歳当時のホクトが現代に飛ばされて来てしまう。
- 余談だが、1960年代のシーンで東京タワーに地デジアンテナが描かれている作画ミスがあったという。
リアル系
- ナデシコクルーほぼ全員
- TVシリーズ中でナデシコごとチューリップに飛び込み、ボソンジャンプによって火星から「数ヶ月先の地球」へタイムスリップしている。そのため、クルーは法律上の年齢と肉体年齢に若干の差がある。
- なお、アカツキ・ナガレ、エリナ・キンジョウ・ウォン、ムネタケ・サダアキ、イツキ・カザマ(SRW未参戦)の4名は、この時に乗っていなかったため含まれない。
- テンカワ・アキト
- 上記とは別件でタイムスリップを経験している。
- イネス・フレサンジュ / アイちゃん
- アキトが守れなかった“少女”。2度のタイムスリップを経て20数年前に移動した。
- 渡瀬青葉
- 第1話にて、クラスメイトの弓原雛に導かれる形で西暦2014年から西暦2088年の未来にタイムスリップする。
- 隼鷹・ディオ・ウェインバーグ
- 最終決戦にてある種のタイムパラドックスにより、青葉と共に1ナノ秒の連続タイムスリップを行った。
- 弓原雛 / ヒナ・リャザン
- カップリングシステムの事故で2088年へタイムスリップし、そこでの戦闘中に再び過去へタイムスリップ、さらに再び未来へタイムスリップして幼児化し、成長して再び過去へ…という時のループに囚われていた。
- ビゾン・ジェラフィル
- 戦闘中に発生した特異点に巻き込まれ2014年へとタイムスリップした。
- レントン・サーストン / エウレカ・サーストン / フカイ・アオ
- 『エウレカセブンAO』にて、全員が歴史改変のためのタイムスリップを行っている。
- 四代目頑駄無大将軍、三代目頑駄無大将軍
- SD戦国伝『風林火山』編のラストで武者荒烈駆主(四代目大将軍)が過去の世界へ飛び、絶望の未来を変えるべくタイムトラベルを繰り返す事となる。最後のタイムスリップの際は三代目大将軍も四代目と共に過去の世界へ向かっている。
- 3代目勇者ラムネス
- 超未来のドキドキスペースに意識のみ転移後、帰還している。
- ちなみに、主要舞台の1つであるキラキラ神霊界も超未来の地球である。
- シャムナ
- 「自分が死んだ時、自分の知識を6時間前の自分に送る」というタイムリープ能力のギアスで枢木スザクやルルーシュ達を圧倒した[6]。
その他
- 『海賊戦隊ゴーカイジャー』のメンバー
- 映画『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕』[7]に登場したメンバーは、タイムトラベルでやってきた『ゴーカイジャー』第40話の時点のメンバーという設定になっている。
- クレヨンしんちゃんの野原一家
- 劇場版第三作目と第十作目で戦国時代にタイムスリップしている。他にも、未来のタイムパトロールなど現代にタイムスリップしてくるキャラクターも存在。
バンプレストオリジナル
- イングラム・プリスケン / ヴィレッタ・プリスケン
- 『スーパーヒーロー作戦』でタイムスリップした。
- また、イングラムは『α外伝』でアストラナガンを使ってイージス計画発動時刻へ時タイムトラベルを行おうとしていた形跡がある。
- メイガス(ソフィア・ネート)
- 『α外伝』でメイガスがアウルゲルミルのブラックボックスに登録されていた日時へタイムトラベルを行い、一時的に再生されたソフィアの人格によって新西暦から未来世界へ再びタイムトラベルを行っている[8]。
- ラウル・グレーデン / フィオナ・グレーデン、ミズホ・サイキ、ラージ・モントーヤ
- 『R』の主人公たち。序盤でタイムスリップし、過去を変えていく。
- なお、最初の2人は選択した一方しか登場しない。
- ブレスフィールド・アーディガン
- 『W』の登場人物。第1部終盤の乱戦の余波で150億年の昔に飛ばされる。
- ディーダリオン
- 『DD』ワールド2では竜馬と共に、15年未来に飛ばされている。
関連用語
- タイムマシン
- 時間移動のための乗り物。完全オリジナルから現実にある乗り物をモチーフにしているものまで、その姿形は豊富。
- タイムパラドックス
- タイムトラベルと同様にその定義は様々だが、「別の時代に干渉することで引き起こされる矛盾」というのが大体近い。内容の説明としては「親殺しのパラドックス」が有名[9]。
- 作品によっては「未来に影響を及ぼしてしまう現象」といったような解釈に取られることもある。
- 並行世界(パラレルワールド)
- タイムトラベル物では「過去に干渉したことで分岐(誕生)した別の未来」といった内容で、上記タイムパラドックスとセットで扱われることも多い。また、時間移動を並行世界への移動と見なす作品もある。
- ボソンジャンプ
- 作中では瞬間移動のような描写だが、その実体はタイムスリップであり、「時間移動できるから位置も移動できる」とされている。
- 時流エンジン
- 時粒子(時の流れ)を動力源として稼動する永久機関だが、臨界点を超えるとタイムスリップを引き起こす。『スーパーロボット大戦R』の物語はここから始まる。
- カップリングシステム
- 原理は不明だが、カップラー2人の思考をタイムラグなしで同期するため、素粒子レベルで信号を1ナノ秒未来へ送っている。物語の重要な鍵を握る。
- クロスゲート・パラダイム・システム
- バンプレストオリジナルのタイムマシンの一類。「αシリーズ」で特にピックアップされ、その設定を引き継いだ作品群にも登場する。
余談
- 過去に行く作品では「未来(現代)に影響が出ないような行動」を、未来が関係する作品では「未来を変えるための行動」を求められることが多い傾向にある。
脚注
- ↑ 映画『猿の惑星』はその事実が判明する「衝撃的な結末」があまりに有名になりすぎたためか、ある時期から結末のシーンを映像ソフトのパッケージに使用するというネタバレを公式が行っている。
- ↑ タイムスリップの直接の原因はネオグランゾンの撃墜によるものだが、惑星ゾラの時代に到着した理由はアンセスターが回収したブラックボックス(アストラナガン)による影響も大きいことが作中で語られている。
- ↑ 3回行われるのは「αシリーズ」の正史とされる難易度『難』ルートのみ。『普』『易』では3回目のタイムトラベルは行われず、2回目のタイムトラベルの失敗によって、最終的にそれぞれ本来の時代に戻される。
- ↑ なお、転移の際に肉体が若返っている。
- ↑ Z-BLUEが跳んだ時点で並行世界が発生しているため、元の時代に影響はない。
- ↑ 敗北する度に自殺して過去に戻り、対抗策を予め準備してから再戦を行うことを繰り返していた。
- ↑ 『ゴーカイジャー』放送前に公開された映画作品。同作に『ゴーカイジャー』のメンバーが先行登場している。
- ↑ 難易度『難』ルートのみ。『普』『易』ではメイガスのタイムトラベルは失敗に終わり、ソフィアの人格によるタイムトラベルも行われない。
- ↑ 「過去(自分が生まれる前)の親を殺害する」→「親が死亡しているため、自分(親殺しの実行者)が生まれる未来が誕生しない」→「自分が生まれてこないため、過去の親殺しが成立しない」→「親が生存しているため、自分が生まれる未来が誕生する」→「自分が生まれてくるため、過去の親殺しが成立してしまう」…といったループ。