アンドリュー・バルトフェルド
アンドリュー・バルトフェルドは『機動戦士ガンダムSEED』および『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の登場人物。
アンドリュー・バルトフェルド | |
---|---|
外国語表記 | Andrew Waldfeld |
登場作品 | |
声優 | 置鮎龍太郎 |
デザイン | 平井久司 |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ |
SRWでの分類 |
パイロット サブパイロット |
プロフィール | |
---|---|
異名 | 砂漠の虎 |
種族 | 地球人(コーディネイター) |
性別 | 男 |
生年月日 | C.E.41年7月20日 |
星座 | 蟹座 |
年齢 |
30歳 32歳(SEED DESTINY) |
身長 | 181 cm |
体重 | 74 kg |
血液型 | B型 |
職業 | 広告心理学者 |
所属組織 | ザフト → ザフト・クライン派(『SEED』)→ オーブ(『DESTINY』) |
所属部隊 | バルトフェルド隊 → エターナル隊 (『SEED』)→ アークエンジェル隊(『DESTINY』) |
役職 | ザフト北アフリカ駐留軍司令官(『SEED』ザフト所属時代) → エターナル艦長(クライン派時代) |
趣味 | コーヒーのブレンド |
好きな食べ物 | ヨーグルトソースをかけたドネルケバブ |
概要
機動戦士ガンダムSEED
「砂漠の虎」の異名を持ち、ザフトでは知らぬ者がいないほどの英雄。
地球・北アフリカエリアに降下したアークエンジェルに、旗艦レセップスと四足獣型MS・バクゥ部隊を率いて攻撃を仕掛ける。バクゥに搭乗して挑んだ最初の交戦で、キラの特異な戦闘能力を看破し興味を持つ。この戦闘においてバクゥの連携攻撃はキラのストライクを追い詰めた。
キラとは後に偶然に出会い、カガリとの間に起きたドネル・ケバブにかけるソースを巡ったトラブルに彼を巻き込む事になる。それがきっかけでバルトフェルドはキラとカガリを客人として招待する。その時のキラとの会話をきっかけに、キラは守りたい者の為に敵とただ戦い続ける事に疑問を抱くようになり、精神的な成長に大きく関わった。また、カガリと出会った際には「ドレス姿も実に板についている」「真っ直ぐで実にいい眼だ」と身分を隠していた彼女の素性を感じ取っていた。
アークエンジェルとの最終決戦に臨んだ際には、恋人のアイシャと共に複座式の専用機・ラゴゥで出撃し、キラのストライクガンダムと死闘を繰り広げる。死闘の果てにストライクはフェイズシフトダウンを引き起こすも、キラがSEEDを発動させ敗れる。射撃手として同乗していた恋人のアイシャと共に戦死したと思われたが、左眼・左腕・左足を失いながらも副官のマーチン・ダコスタに救助され、奇跡的に生還を果たした[1]。
その後、ダコスタがクライン派に通じている事を見抜いたバルトフェルドは自らもこれに加わり、密かに決起の時を伺っていた。一方でパトリック・ザラにその戦歴を買われ、新造艦エターナルの艦長に抜擢される。
クライン派の同志達と共にエターナルを奪取後は、ラクス・クラインと共にプラントを脱出する。途中ヤキン・ドゥーエ防衛軍に追撃されるが、キラのフリーダムの救援を得て突破し、志を同じくするアークエンジェル、クサナギと合流を果たす。その後も三隻同盟の中心人物の一人として第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を戦い抜き、停戦を迎えている。
「街は焼いても戦う意思を持たぬ非戦闘員は殺さない」という軍人としてのモラルを持つ。
独特のセンスと拘りを持ち、本来の指揮官服とは異なる黄色の指揮官服を着用したり、奇抜な模様のシャツを私服にしていたり、虎をモチーフにした特注のパイロットスーツを着用する……と、徹底した派手好き。更に、コーヒーのブレンドを趣味にするも、レセップスの艦内に匂いが充満する事をダコスタにたしなめられている上、その味は劇中ではあまり評判が良くない[2]。また、ドネル・ケバブにはヨーグルトソースと決めており、それをかけない事は冒涜であるとさえ主張している。
本業は広告心理学者で、振動工学の権威でもある。また、人間の愛憎や戦争の仕組みについて独特の問いかけをするなど、単なる軍人以上の厚みのある人柄を持ち、恋人の仇であるキラに対しても遺恨を持たない等、平時の軽妙な語り口からは想像できぬ程、懐が深い人物である。
機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY
物語後半にて、叢雲劾を審判役にしてロウにドレッドノートガンダムの更なる力となるデータを託している。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
戦後はマリューらと共にオーブへと亡命していた。左腕の義手に隠し武器の銃を仕込んでいる。ユニウスセブン落下テロ後、オーブに寄港したミネルバに対して、通信で密かに世界の情報や情勢を伝え忠告をした。
地球・プラント間で戦争が勃発した当初はプラントに移住する予定であったが、コーディネイター部隊によるラクス暗殺未遂に遭遇・これを義手に仕込んだ銃で返り討ちにした。プラントの不穏な空気を察知したバルトフェルドは、第三勢力としてアークエンジェルに乗艦する。隻眼・義手に義足というハンディキャップを物ともせず、ムラサメのパイロットを務め、主力の一人として貢献した。
ラクスが宇宙へと上がる際には、ラクスがミーア・キャンベルに成りすましたのに合わせてバルトフェルドもミーアのマネージャーである「キングT@KED@」に成りすまし、シャトルを強奪する。余談だが、このキングT@KED@は、関西弁で話す陽気な男……と、本来のバルトフェルドとは随分と性格の異なる風変わりな人物である。
その後エターナルの艦長として指揮を執りながらも、ザフト軍のエターナル追撃部隊を振り切る為、自ら専用カラーのガイアガンダムで出撃する。ストライクフリーダムガンダムやインフィニットジャスティスガンダム、ドムトルーパー隊の参戦後は、戦力も充実した為エターナルの艦長職に専念、最終決戦のメサイア攻防戦を戦い抜き生還した。
なお、前作でのラゴゥ搭乗がきっかけで本作からオレンジがパーソナルカラーとなったが、ラゴゥのカラーリングはあれが正式な色であり彼の専用カラーというわけではない(他で登場したラゴゥの色もバルトフェルド搭乗機と一緒)ので、ある意味誤植が公式になった形である。
登場作品と役柄
基本的に当初は敵(或いは第三陣営)として登場。味方になるのは中盤以降だが、多くの場合エターナルのサブパイロットに収まり、モビルスーツに乗る機会は敵やスポット参戦であることが多い。
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 初登場作品。地球降下ルートでのみ敵として登場する。同ルートでは、味方としてスポット参戦もしており、ラゴゥを入手する条件に関わっている。その後はエターナルに乗艦して再登場するが、メインパイロットは戦闘能力の低いラクスに据えられており、バルトフェルドは艦長にも関わらずサブパイロットに収まっている。加入後はサブパイロット専任であるため、折角入手したラゴゥに乗れないのは残念。
- キラ、カガリは勿論、コウ・ウラキやサウス・バニングなどとの絡みがある他、シナリオ面ではバトル7を接収するエピソードがあるが、良くも悪くも彼らしい言動をしてしまい部下に呆れられるシーンが印象的。
- 中断メッセージではダコスタとコーヒーのブレンドを巡るやり取りがあり、声付きの会話イベントではドネル・ケバブにかけるソースを巡るカガリとの口論……と、戦闘台詞以外の声付きの台詞のチョイスが面白い。
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 基本はエターナルのサブパイロットだが、専用カラーのムラサメやガイアガンダムが登場し、スポット参戦で運用可能。
- 第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇
- ラクスとエターナルの復帰に伴いサブパイロットとして登場。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- 敵としては序盤のアークエンジェルルートで登場。今回のみラクスとメインパイロットを交代することができ、エターナルのメインパイロットとして運用できる。ラクスは性格が「冷静」であり、被弾で気力が下がる都合上、バルトフェルドをメインパイロットにした方が戦力的にも安定する。
- スーパーロボット大戦W
- 第二部前半でほぼイベント扱いでキラと対決(ニコル・アマルフィ生存フラグの条件が存在する)。その後はエターナルのサブパイロットで、スポット参戦を経て正式加入する。
- 本作では加入後はサブパイロット固定であり、エターナルの使い勝手にも響いてしまっている。
- スーパーロボット大戦K
- 乗機と似た特徴を持つゾイドとの記念すべき初共演作品。
- 登場当初からモビルスーツパイロット専任で、エターナルのサブパイロットにならない珍しい作品。専用カラーのムラサメが登場する他、ガイアガンダムに乗ると自動的にバルトフェルド仕様になる。
- スーパーロボット大戦L
- 『K』同様、モビルスーツパイロットとして加入。ステラがいない場合はずっとガイアガンダムに乗せておいても良いだろう。
Scramble Commanderシリーズ
- スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
- 基本的に原作と同じ流れで登場してそのまま味方陣営になる。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦V
- エターナルのサブパイロット。台詞も新規収録されている。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- イベント「帝国の野望」ではラゴウに反応するシーンがある。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- ムラサメ、ガイアガンダムのパイロット。
- 2019年6月のイベント「間暮れに消えゆく王の器」では戦艦アクション搭載型SSRエターナルが登場。ラクスとの掛け合い演出でボイスが入った。
- スーパーロボット大戦DD
- 2章Part1から登場。1章では登場しなかったがアークエンジェルが単独行動中に交戦していた事が語られる。
- 3章Part8からは『DESTINY』設定。
パイロットステータス
精神コマンド
- 第3次α
- 集中、不屈、必中、熱血、加速、直撃
- Z
- 加速、集中、必中、不屈、熱血
- 第2次Z 再世篇
- 加速、集中、必中、不屈、気迫、熱血
- J
- 不屈、直撃、必中、熱血、気合、激励
- W
- 不屈、加速、必中、熱血、鉄壁、激励
- K
- 不屈、集中、必中、熱血、直撃、激励
- L
- 不屈、集中、必中、直撃、熱血
- V
- 加速、先見、必中、不屈、気合、熱血
- X-Ω
- 加速、必中、熱血
特殊スキル
小隊長能力(隊長効果)
- 命中率+20%
- 第3次αで採用。
人間関係
機動戦士ガンダムSEED
ザフト
バルトフェルド隊
- アイシャ
- 恋人。アークエンジェル隊との最終決戦の際、ラゴゥの射撃手として同乗するも、キラに機体を撃破され、死亡する。
- バルトフェルドの事を「アンディ」と呼んでいた。媒体によっては死亡方法が異なっている。
- マーチン・ダコスタ
- 副官。地味ながらも優秀な人物で、バルトフェルドをサポートしている。気苦労は絶えないものの、彼を深く信頼している。
- また、バルトフェルドも彼の事を「ダコスタ君」と気さくに呼んでいる事からも、信頼のほどが窺える。後にクライン派になり、バルトフェルドを引き入れる。
- なお、劇中では彼からはコーヒー趣味を窘められているが、『ASTRAY R』での描写を見るにバルトフェルドのコーヒー趣味にはすっかり影響されてしまったようである。
- イザーク・ジュール
- 地球に降下し、バルトフェルドの指揮下に入るも、慣れない砂漠での戦闘に苦戦していた。バルトフェルドは彼の顔の傷を見て、その傷を消さない理由を看破した。
- ディアッカ・エルスマン
- イザークと共にバルトフェルドの指揮下に入るも、同様に砂漠での戦闘に苦戦していた。もっとも、バスターガンダムの機体特性ゆえにレセップスの艦上から射撃をしていた分、イザークよりはマシだったかもしれない……が、この戦闘では彼の攻撃で工場地帯跡地に挟まって動けなかったアークエンジェルを自由にさせてしまうなど、完全に足を引っ張った。彼の引き際を見たバルトフェルドは「彼は長生きできる」と評した。
その他
アークエンジェル隊
- キラ・ヤマト
- 彼との死闘の末、バルトフェルドは恋人と自らの身体の一部を失ってしまうが、戦争であると割り切っており、遺恨は無い。悲しいかな、後にエターナル艦長として現れた彼と再会した時には、会話らしい会話はほとんどなかった。
- マガジンZ版ではバルトフェルドのコーヒーを飲んだ際に「おいしい」と高く評価したため危うく、淹れる際に使用されたコーヒー豆が入ったパック(それもかなりの量)をプレゼントされそうになったが、きちんと断っている。
- マリュー・ラミアス
- 第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の後、共にオーブに亡命・同居していた。2年の月日を経ても彼女との間に何も無かった所から、いかに互いの恋人の存在が大きいかが分かる。
オーブ連合首長国
- カガリ・ユラ・アスハ
- カガリが一方的に敵視していたが、後に三隻同盟として共闘する事に。また、ドネル・ケバブにかけるソースを巡って口論になった事も。
クライン派
- ラクス・クライン
- エターナルの歌姫。バルトフェルドはエターナルに乗艦したラクスを平和の象徴として認めているようで、キラ達がエターナルに乗艦した際、艦長は自分であるにも拘らず「ようこそ、歌姫の艦へ!」と言っている。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- ミーア・キャンベル
- バルトフェルドはキングT@KED@に成りすまし、ラクスが扮するミーアのマネージャーを務めた。また、実はバルトフェルドはミーアのファンである。
機動戦士ガンダムSEED ASTRAY
他作品との人間関係
- コウ・ウラキ
- 『第3次α』において、バルトフェルドに対し、アナベル・ガトーのようなスケールの大きさを感じ、武人としての姿を重ねていた。
- サウス・バニング
- 『第3次α』において、指揮官として互いを高く評価していた。
- 熱気バサラ
- 『第3次α』で競演。意気投合して一時期客人として迎え入れていた。
- アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ
- 『J』で競演。キラと共に邂逅し、彼と同様に戦いの意味を問い、その後対峙した際はバルトフェルドを討つのに躊躇する彼を否定することになる。
- 本田
- 『J』において、コーヒーの趣味で意気投合した。
- 紫雲統夜
- キラやエイジと共に邸に招く。ナデシコのクルーとして戦ってきた統夜に対して「どこまで戦い続ける気でいる?」と問いを投げかけた。
- ホランド・ノヴァク
- 『Z』では彼等ゲッコーステイトに、カガリとユウナの結婚式を妨害するよう協力要請を送った。
名(迷)台詞
機動戦士ガンダムSEED
- 「むっ!」
- ダコスタ「な、何か!?」
- 「いや、今回はモカマタリを5%減らしてみたんだがね……こりゃ良いな」
- 第16話「燃える砂塵」にて、初登場シーンでのダコスタとの会話。二人は砂漠に降りた直後にアークエンジェルを偵察しており、突然顔をしかめたバルトフェルドにダコスタはAAに何か動きがあったのかと慌てて双眼鏡を覗き込むが、バルトフェルドは単に新調合のコーヒーの出来に満足しただけだった。彼が飄々とした態度の指揮官である事と、コーヒー好きな人物である事を端的に示したシーン。
- 「ん~…コーヒーが美味いと気分がいい。さ!戦争をしに行くぞ!」
- 上記の続き。まるでどこかに遊びに行くようなノリで戦闘開始命令を出す。
- 「あ~ららぁ、パイロットに優しくない指揮官だなぁ。それとも、信頼しているのか?」
- 上記と同じく16話にて。ナタルがトノムラの反対を押し切り「PS装甲があるから平気だ」と、ストライクごとバクゥをAAのミサイルで攻撃させた事に対して。結局軽快な運動性を持つバクゥには避けられ、砂に足を取られて満足に動けないストライクだけが被弾、結果的にはただのフレンドリーファイアになってしまった。実際ナタルはお世辞にも「優しい指揮官」とは言い難い。
- 「ではこれより、レジスタンス拠点に対する攻撃を行う。昨夜はおいたが過ぎた。悪い子にはきっちりとお仕置きをせんとな」
- 第17話「カガリ再び」より。前話にて、バルトフェルド隊に対抗するレジスタンス組織「明けの砂漠」の妨害により、あと一歩まで追い詰めたストライクを取り逃したばかりかバクゥ3機を撃墜された事への報復攻撃として、明けの砂漠が拠点とする町への焼き討ち作戦を実行する際の部下への訓示。
- 「おいた」とは勿論明けの砂漠の仕掛けた工作を指す。小説版では地の分で「この男は余計な一言を挟まずにはいられないのだろうか」とツッコまれている。
- ダコスタ「もう寝静まる時間ですね」
- 「そのまま永久に眠りについてもらおう……なんてことは言わないよ、僕は」
- ダコスタ「はぁ……」
- 同じく、報復攻撃開始直前のダコスタとの会話。やはり余計な一言を付け加えるバルトフェルドにダコスタは呆れるばかりであったが、その直後には真面目に命令を下しており、それに対してはダコスタも「はっ!」としっかりした返事を返している。
- 彼の「民間人や非戦闘員までは無暗に傷付けない」という信条が伺える台詞……とも取れる。
- 「では、引き上げる。グズグズしてると、旦那方が帰ってくるぞ?」
- ダコスタ「それを待って討つんじゃないんですか?」
- 「おいおいそりゃ卑怯だろ。誘き出そうと思って街を焼いわけじゃないぞ」
- 第18話「ペイバック」より。報復攻撃終了後、ダコスタからの報告を聞いて。あくまで彼の目的はレジスタンス行為をできなくする事であり、明けの砂漠の戦闘員すらなるべく殺さない様にしていた。
- しかしその行動方針は、ムゥは理解を示すものの当の明けの砂漠からは侮辱・挑発行為と受け取られてしまう事になる。
- 「運命の分かれ道だな」
- 「自走砲とバクゥじゃ喧嘩にもならん。死んだ方がマシというセリフはけっこうよく聞くが、本当にそうなのかねぇ?」
- 報復攻撃からのんびりと帰艦する途中、ダコスタから早く帰投しないと明けの砂漠に追撃される可能性を指摘されて。
- 明けの砂漠の、文字通りの死ぬ気の戦いぶりに対する彼の評価。この直後、本当に明けの砂漠の戦闘車輌が追撃して来た事を受け、「やはり死んだ方がマシなのかねぇ……」と呆れたようにこぼす。
- 「バクゥを私と替われ!」
- 「撃ち合ってみないと分からないこともあるんでね……」
- 上記の戦闘にて明けの砂漠の増援にストライクが現れた直後、乗機が小破し擱座した所をようやく持ち直した部下のパイロットに対して。
- 当のパイロットとダコスタは「はぁ!?」と彼の突然の行動に驚きを隠せなかったが、バルトフェルドはストライクのパイロットに対する興味で一杯であった。
- 「通常弾頭でも76発でフェイズシフトはその効力を失う! その時同時にライフルのパワーも尽きる! さぁこれをどうするかね? 奇妙なパイロット君!」
- 部下と共にバクゥでストライクに攻撃を仕掛けながら。
- それまでの戦闘で収集したデータから、バルトフェルドはストライクがエネルギー切れを起こすまでに必要な攻撃回数を割り出していた。
- これまで指揮官に徹していたバルトフェルドが初めてMSで戦闘を行ったシーンでもあり、乗機が破損していたにも関わらず部下2機との連携攻撃でキラを圧倒した。
- 総じて、彼の観察力、指揮能力、MS操縦技能の高さを一度に示したシーンと言える。またこの時以降、バルトフェルドはキラを「奇妙なパイロット君」と呼ぶ。
- 「あいや待った!ちょっと待った! ケバブにチリソースなんて何を言ってるんだ!? このヨーグルトソースをかけるのが常識だろうが!! いや、常識というよりも、もっと、こう…そう! ヨーグルトソースをかけないなんて、この料理に対する冒涜だよ!!」
- 第19話「宿敵の牙」より。ドネル・ケバブにかけるソースを巡って、カガリと口論になった際に発した名言。
- その後、口論の末にキラの分のケバブはチリ&ヨーグルトソースまみれに…。どんな味だったかは、食べた直後にキラが見せた苦悶の表情から推して知るべし[3]。
- コミカルなシーンではあるのだが、「互いの主張がぶつかり合い混ざっても巻き込まれた第三者が必ずしも幸せになるとは限らない」という『SEED』という物語の本質を表しているシーン。
- 『第3次α』では何故かDVEになっている。なお、身も蓋も無い指摘になるが、本場のケバブはソースをかけないとの事。
- 「戦争には制限時間も得点もない。スポーツの試合のようなね。ならどうやって勝ち負けを決める?……敵である者を全て滅ぼして、かね?」
- 「言ったはずだぞ! 戦争には明確な終わりのルールなどないと! 戦うしかなかろう……互いに敵であるかぎり! どちらかが滅びるまでな!!」
- 一行目は第19話「宿敵の牙」、二行目は第21話「砂塵の果て」より。キラに対して、戦争の仕組みを独特の言葉で問いかけた言葉。
- 「ルールは無い」と言っているように、コズミック・イラ世界で起きている戦争が既に外交の一部分ではなく、ナチュラルとコーディネイターとの種族間の殲滅戦争に入っている事を示唆している。
- また、SEEDの作風に大きな影響を与えた同時多発テロなどの中東問題をはじめ、各国の戦争や紛争が様々な原因が絡み合って複雑化し数百年、時には千年単位で争い続け「ルールが存在しない」「明確な終わり」がないというのは劇中の争いの話だけでなく現実の戦争紛争問題を象徴する台詞でもある。
- 事実、20年以上経過した現在では世界情勢を揺るがす事態が立て続けに起きたためにこの説得力が増しており、共感する視聴者も増えることになった。
- 「よう、初めまして! ようこそ歌姫の船へ。アンドリュー・バルトフェルドだ」
- 第42話「ラクス出撃」より。一度は逮捕され、ダコスタらクライン派によって救出されたアスランがエターナルのブリッジでバルトフェルドと対面して。『第3次α』ではDVE。
- 実は劇中ではバルトフェルドとアスランが顔を合わせるのはこのシーンが初めてである。
- 「よぉ少年、助かったぞ。」
- キラ「バルトフェルド、さん……?」
- (アイキャッチ)
- 「初めまして、と言うのは変かな? アンドリュー・バルトフェルドだ」
- マリュー「マリュー・ラミアスです。しかし驚きましたわ」
- 「お互い様さ。な、少年?」
- キラ「貴方には……僕を討つ理由がある……」
- 「戦争の中だ。誰にでもそんなもんあるし、誰にだって無い」
- キラ「……ありがとう……」
- フリーダムの援護によりエターナルが窮地を脱した後、AAと合流した際のキラ・マリューとの会話。砂漠では敵として出会い、しかもAA側としてはバルトフェルドは死んだものとばかり思っていたため、味方として現れたバルトフェルドに驚きが隠せなかった。
- 特にキラはアイシャを殺害した事を気に病んでおり、彼が報復を望むならそれは甘んじて受けるという姿勢でいたが、当のバルトフェルドは「敵同士で出会った以上は仕方のない事」と、キラを責めるつもりは最初から無かった。
- SEED系を通して重要な「復讐の連鎖を断ち切る事に成功したシーン」の一つでもある。
- マリュー「撃ってくると思いますか? 地球を……」
- 「……強力な遠距離大量破壊兵器保持の、本来の目的は……抑止だろ。だがもう、撃たれちまったからな。核も、あれも……どちらももう躊躇わんだろうよ」
- 「戦場で、始めて人を撃った時……俺は震えたよ。だが、直ぐ慣れると言われて……確かに直ぐ慣れた」
- マリュー「あれのボタンも、核のボタンも、同じと……?」
- 「……違うか?人はすぐ慣れるもんだ。戦い…殺し合いにも」
- 第48話「怒りの日」にて。
- ザフトの最終兵器ジェネシスが地球軍艦隊を焼き払った後、エリカ・シモンズからジェネシスが如何なる兵器か、そしてもし地球が撃たれれば地球上の生物は全滅間違いなしと説明されて。
- バルトフェルドの言う通り、核兵器の様な大量破壊兵器は「相互確証破壊」の原理で互いに手が出せない状況を作るためにあるものである。しかし最早、その原理は崩れ去ってしまっていた。事実、彼の言う通り大量破壊兵器の報復合戦により、世界は滅亡寸前にまで至ってしまう。
- SEEDの世界(の国・軍上層部)に蔓延する敵性「種族」は全て滅ぼし尽くすべしという狂気の一端を示した会話である。
- またこのシーンのバルトフェルドは一人称が「俺」になっている(普段は「僕」)他、かなり苛立った口調になっている。平素の飄々とした態度を装う事無く、本心を剥き出しにしているのだろう。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- 「…アンドリュー・バルトフェルドって奴を知ってるかい? これはそいつからの伝言だ」
- 第11話、ミネルバへ匿名で通信を送り、地球軍の攻撃が迫りつつある事を伝える。言うまでもなく自演であり、傍にいたマリューは吹き出していた。本作はオマージュの多い作品なので、Zにおけるクワトロ(シャア)の台詞のオマージュとも取れる。
- マリュー「あの……バルトフェルド隊長?」
- 「んー?」
- マリュー「やっぱり、こちらの席にお座りになりません?」
- 「いやいや、元より人手不足のこの艦だ。状況によっては僕は出ちゃうしね。そこはやっぱり貴女の席でしょう、ラミアス艦長」
- 第14話「明日への出航」より。
- AA出航準備の際、操縦士席に座るバルトフェルドにマリューは艦長席を譲ろうとするが、バルトフェルドは辞退する。実際、確かに艦長としての能力を鑑みればバルトフェルドが艦長であるべきかもしれないが、AAを知り尽くし、またバルトフェルドはパイロットとして出撃せねばならないかもしれない(事実彼がMSで出撃するシーンもある)事を考えれば、この中で最も艦長に相応しいのはマリューとも言える。他のメンバーも同様に考えていた様で、バルトフェルドの意見に口を挟む者は一人も居なかった。
- 「了解! でも俺、キラ程の腕はないからねぇ。そちらもフォロー頼みますよ、ラミアス艦長」
- 「俺はキラ程上手くないと言ったろうが! 落としちゃうぞ!」
- 第23話「戦火の蔭」より。
- 専用のムラサメで出撃する彼は、操縦テクニックはともかく片目片腕片足のハンデまで背負っている。
- しかしそれでもなお未だにエースパイロットとして通用する事を考えれば、これでもまだ謙遜している方と言える。実際、後者のニュアンスは「キラの様に手加減できずに撃墜してしまう」という意味での発言である。
- 「はいはいはいはい、どうもどうもどうも、あんじょうたのむでぇ~」
- 第26話「約束」より。シャトルを強奪するべく、本物のラクスと共にミーアのマネージャー・キングT@KED@に扮して、ディオキア基地に登場した第一声。
- 任務の為とはいえ、奇妙な関西弁を駆使しキングT@KED@になりきるバルトフェルドの姿が笑いを誘う。
スパロボシリーズの名台詞
スパロボシリーズの迷台詞
- バルドフェルド「我々ザフトはシティ7の引渡しを諸君らに要求する」
ガムリン「何だと!?」
バルドフェルド「勿論ザフトは移民船団の権利を認め、相応の待遇で彼らを迎え入れるつもりである。ここでシティ7を渡してくれれば、諸君らの通行を黙認しても良いと上層部も言っている」
ミリア「こちらはシティ7の市長、ミリア・ファリーナ・ジーナスです。貴官は自分がどれだけ恥知らずなことを言っているかおわかりか…!?」
バルドフェルド「これは手厳しい」
ミリア「我々超長距離移民船団は自治体としての権利を有している。それを接収することや引渡しを要求することなど、内政干渉…いえ、侵略行為といえます」
バルドフェルド「そりゃ、ごもっとも」 - 『第3次α』22話「砂塵の果て」におけるシティ7の引渡しの通達の際の舌戦なのだが、敵対組織に非難された内容を司令官でありながら呆気なく認めてしまっている。当然ながら部下からは「認めてどうするんですか!」と呆れられてしまうが、良くも悪くもバルドフェルド自身の性格が出ており「無血で任務遂行をしたかった」とも述べている上、作戦開始時は「敵であるものを殲滅させて任務を達しよう」と仕方なさそうに発している。
搭乗機体
モビルスーツ
- バクゥ
- 『SEED』で搭乗。
- ラゴゥ
- 『SEED』で搭乗。アークエンジェル隊との最終決戦においてアイシャと共に搭乗した。
- ムラサメ
- 『DESTINY』にて搭乗。黄色の専用カラーリングが施されている。
- ガイアガンダム
- 『DESTINY』にて搭乗。プラント本国に移送中だった筈の機体をクライン派が奪いバルトフェルド用に調整したもので、VPS装甲の色がラゴゥ同様のカラーリングとなっている。
戦艦
余談
- バルトフェルド(Waldfeld)という姓は、『機動戦士ガンダムSEED』の脚本および特殊設定を担当した森田繁氏の姓をドイツ語に置き換えたものである。
- すなわち、「森→バルト(Wald)」「田→フェルド(Feld)」である。
- 愛人の存在や戦場が砂漠であることに加え、主人公キラを諭す場面もあることから『機動戦士ガンダム』におけるランバ・ラルをオマージュしたキャラクターとなっている。ちなみにランバ・ラル役の広瀬正志氏は同エピソードにて反ザフト組織「明けの砂漠」のリーダーサイーブ・アシュマン役として出演している。
- バルトフェルドの異名「砂漠の虎」は、砂漠戦を得意とした第二次世界大戦期のドイツ軍の名将エルヴィン・ヨハネス・オイゲン・ロンメル(1891~1944)の異名「砂漠の狐」に由来するものと思われる。