オリジナル設定

2016年12月15日 (木) 07:54時点におけるCobalt (トーク | 投稿記録)による版 (→‎ダイナミック系)

スーパーロボット大戦シリーズ(以下、スパロボ)に参戦している版権作品において、原作には存在せず、スパロボにおいて生まれた独自の設定。ただし、他版権作品やバンプレストオリジナルとのクロスオーバー等によって生まれた設定は除く。

メディアへの初出はスパロボではあるが、シナリオライター等が設定した正にオリジナルの設定であるものと、設定そのものを版権元に依頼したり、作品の設定として存在していたが本編に使用されなかった設定をスパロボ参戦にあたり再利用したりといった半公式のオリジナル設定の二種類がある。

場合によってはスパロボで生まれた設定がその版権作品の続編やリメイクに反映されることもある。

スパロボ補正も参照。

分類と具体例

設定のみ存在した機体
超獣機神ダンクーガ』のファイナルダンクーガ、『重戦機エルガイム』のブラッドテンプル、『蒼き流星SPTレイズナー』のレイズナーMk-II、『冥王計画ゼオライマー』のグレートゼオライマーなど、原作に設定のみに存在して本編には未登場の機体がスパロボ参戦にあたり武装などがオリジナル設定として追加され参加している。グレートゼオライマーはオリジナルデザイナーの森木靖泰氏によって新たな設定画が描き起こされている。
原作で未設定であった事項の確立
スパロボに登場するにあたり原作で名称などが決まっていなかった場合に名前が付けられるなどがある。『大空魔竜ガイキング』のブラックモンスター、『ブレンパワード』のハイパーバロンズゥなど。
作品内のある設定を別のキャラ・メカに当てはめる
原作に元々あった「○○形態」「○○Ver.」といった設定を、作品内の他のキャラやユニットへ適用する事がある。
メガボーグ・コロス(原作ではコロスメガボーグ形態にはなっていない)、九条美海のスーツ姿(原作ではスーツは着ていないが『UX』では設定されている)、ハイパーズワウス(原作ではズワウスハイパー化しない)など。
ゲームシステムに合わせた設定変更
ゲームプレイ時の利便性等に配慮して設定が見直されることがある。『Z』ではゴッドグラヴィオンの重力子臨界が3分(3ターン)となっているが、原作では不明瞭なままであった。『第3次α』では小隊システムの都合からか、EVA零号機およびEVA弐号機にもS2機関が搭載されEVA初号機同様にアンビリカルケーブルなしで稼動することが可能となっている。
オリジナルの強化パーツ
上の「ゲームシステムに合わせた設定変更や独自解釈」に近い事例。『機動戦士ガンダム00』の補助GNドライヴ、『勇者王ガオガイガー』の補助GSライドなどは、原作には存在しないオリジナルの強化パーツである。
作品の枠を飛び越えた乗り換えの概念
ガンダムシリーズマクロスシリーズなどのような繋がりのない作品間で、乗り換えが可能なケースがスパロボには存在する。
後述のガルガンチュワパンタグリュエルに加え、ブルーガーガルバーFXIIには双方の作品のパイロットが相互に乗り換え可能(一応いずれも長浜監督作品という繋がりはある)。
更に変り種では、DC版『α』ガーディアルガルストーム(『機甲武装Gブレイカー』に登場する機体)にUCガンダムや『聖戦士ダンバイン』のパイロットが乗り換えられたり(これに関しては元々『サンライズ英雄譚』で可能だったもの)、逆に一部のバンプレストオリジナルのパイロットがMSモビルアーマーメタルアーマーに乗り換えられたりする場合がある。第1話や強制出撃の際に乗り込んでいる場合も。
敵の場合、『F完結編』のヴァルシオン、『』のデビルガンダム、『α』のアンティノラなど、主にボスクラスの機体が作品の枠を飛び越えた乗り換えに使用されていたが、その後はあまり見受けられない傾向にある。『BX』ではボスクラスではないものの、『真マジンガー 衝撃! Z編』のケドラが『マジンカイザーSKL』の機体であるアイアンカイザーを操るという、相当久々な作品を跳び越えた乗り換えを見せた(これに関しては下記のダイナミックプロの寛容さもあると思われる)。
オリジナルの必殺技や合体技
そもそも原作で行われた攻撃に全て最初から名前がついている訳ではなく、スパロボに参戦の際に技として使用するために名前をつけた物が多い。なので原作でパイロットなどが必殺技名を叫ばなかったり設定資料に載っていなかったりするものは、広義で言えばオリジナルと言える。また、『聖戦士ダンバイン』のオーラ斬りをパワーアップさせた「ハイパーオーラ斬り」やゴッドマーズのファイナルゴッドマーズをパワーアップさせた「スーパーファイナルゴッドマーズ」、ドラグナーの原作での「恐怖のトリプル子泣き爺」をアレンジした「恐怖のトリプルアタック」などはオリジナル要素が強い。
ゴッドガンダムマスターガンダムの「石破究極天驚拳」などの原作で敵対し共闘しなかったもの同士や、ダンクーガダンクーガノヴァの「断空双牙剣」など作品の枠を超えた合体技も用意されている。後述する「ダイナミックプロ作品の新必殺技等の名称」も同様。
なお、作品の枠を超えた合体技は同じシリーズの別作品のロボット同士によるもののみであり、シリーズを超えた合体技は今のところ実現していない。
原作で声がついていないキャラクターへの声優の割り当て
原作が小説・漫画・誌上企画のみの作品であり関連作品でも声がついていないキャラは、スパロボ参戦に当たりオリジナルの声優が当てられる。『鉄のラインバレル (原作漫画版)』のデウスエクスマキナ、『完全勝利ダイテイオー』の大桃タロウ大地カケル大空マイ月城ヒリュウなど。また、『真マジンガー』版暗黒大将軍のように他作品(『死闘!暗黒大将軍』)から転用という形で声優を当てられた例もある。
原作とは異なる結末
スパロボ補正と呼ばれることも。原作では悲惨な結末に終わった作品が一転した作品が多い。例として『伝説巨神イデオン』、『宇宙戦士バルディオス』が存在する(これらの本来の結末はバッドエンドとして再現されている)。
また、原作では戦死した人物が生存する事も多く中には開始時点で原作終了後設定なのに生存している人物もいる

主なオリジナル設定

ダイナミック系

この手の事例はダイナミックプロ作品に多く見られ、作品数では他を圧倒する『ガンダムシリーズ』をも凌ぐ。いずれも同プロの寛容さが窺い知れるエピソードばかりである。

兜甲児剣鉄也への呼称
剣鉄也の項も参照。スパロボにおいて甲児は鉄也を「鉄也さん」と呼んでいるが、原作では「鉄也君」あるいは「鉄也」と呼んでいる。
ただし、団龍彦の小説『スーパーロボット大戦』にて「甲児は年上に敬語ぐらい使える」と、ダイナミックプロ側が甲児の「鉄也さん」呼びを肯定し(同作でも甲児は一貫して「鉄也さん」と呼んでいる)、OVAでも「鉄也さん」と呼んでいる。また、TV版の放送当時に連載していた桜多吾作の漫画版でも「鉄也さん」呼称が確認されている。
マジンカイザー
マジンカイザーの項も参照。設定そのものはダイナミックプロによって作られたものだが、初出は『F完結編』であり、当初はスパロボオリジナルの機体だった。誕生の過程も「マジンガーZゲッター線を浴びせて進化させる」というクロスオーバー作品らしいもの。
好評を得たため後にアニメ化、原作が存在する版権作品の一作として名を連ねることになる。
マジンエンペラーG
マジンエンペラーGの項も参照。Vにて、剣鉄也が登場するオリジナルマジンガーが作られた。
真ゲッター2の下半身と真ゲッター3の書き下ろし
真ゲッターロボ』の原作者である石川賢氏が、スパロボのためにデザインを描き下ろした。
この他にも、『』への参戦にあたって車弁慶のデザインが書き下ろされた(ちなみにこのデザインはモヒカン)。
メカギルギルガン
ギルギルガンメカギルギルガンの項も参照。ギルギルガン自体は『グレートマジンガー対ゲッターロボ』が出典だが、スパロボでは原作に登場しない第4の形態としてメカギルギルガンが登場する。
ボスボロット補給装置
能力的に戦闘での活躍が難しいユニットには原作で搭載していなくても修理装置あるいは補給装置を装備していることは『第2次』の頃からの通例ではあるが、ボスボロットは『EX』のストーリー上においてラ・ギアス人に補給装置を搭載してもらったという描写(ボスの台詞でのみだが)がされている珍しい例である。この設定の後は補給ユニットとしての地位を得る。『第2次G』ではラ・ギアスに行く前のはずなのになぜか搭載されている。
旧シリーズ以外では『XO』の追加サブシナリオにおいて、ボスボロットが補給ユニットとなった経緯が描かれている。
スーパーボスボロット
』においてボスボロットが宇宙に上がるために改修されたオリジナルのバージョンアップ機。詳しくはスーパーボスボロットの項を参照。
ダイナミックプロ作品の新必殺技等の名称
ファイナルダイナミックスペシャルをはじめとする原作アニメでは登場しなかった必殺技の名称。『MX』の攻略本にて「ダイナミックプロから参戦しているスーパーロボットのスパロボで明かされた必殺技の名称は全てダイナミックプロ側が考えている」と明かされた。恐らく『K』の磁偉倶もこの範疇に入ると思われる。
ジャック・キングの口調
ジャック・キングの項も参照。『第2次』からエセアメリカ人のような口調が定着してしまい、『第4次』にて原作同様に普通の口調で喋れることも明かしたが、以後も独特の口調は変わらず。遂にはOVA版において逆輸入される事態になった。
後輩に受け継がれる大雪山おろし
ゲッター3系ユニットは必殺技として「大雪山おろし」を使えるのが恒例だが、本来巴武蔵の得意技というだけで、原作の車弁慶は使用していない。

ガンダム系

バーニィのザクオタク
バーニィは『F完結編』など、旧シリーズではやたらザク好きを強調した台詞が多い。原作では特にそのような描写はなく、ザク改NT-1アレックスを(相討ちとはいえ)討ち取ったことから、バーニィといえばザク……という印象がついたのかもしれない。『COMPACT2』やαシリーズ以降はそういった描写はなくなったが、『IMPACT』では少し再発していた。シャア専用ザクの入手にバーニィが関わることもある。
デビル○○
』に登場する『蒼き流星SPTレイズナー』のゴステロが生体コアになったデビルガンダムOG、『64』に登場する『機動戦士Ζガンダム』のアクシズに取り憑いたデビルアクシズ、『A』に登場するデビル機動要塞、『MX』に登場する『機甲戦記ドラグナー』の設定と混ざったDGギガノス本部・DGマスドライバー、『NEO』に登場するオリジナルの施設ウルタリアに取り憑いたデビルウルタリア……と、他作品のロボットや要塞などの類がDG細胞に取り込まれて様々なデビル○○が誕生している。デビルアクシズとデビルウルタリアはユニットとして登場する。
宇宙から来たマスター・アジア
』におけるマスター・アジアは、宇宙から来たダグ星人という設定となっている。
リアルPGガンダム
原作ではPG(パーフェクトグレード)ではなくMG(マスターグレード)となっている。違いはPGが1/60スケールに対し、MGは1/100スケールとサイズ(縮尺)が異なる点。

その他

破嵐財閥
第4次』が初出。『無敵鋼人ダイターン3』の主人公である破嵐万丈火星から持ち出した金塊を元手に起業し、作品ごとにやや設定が異なるが地球の政治・経済に大きな影響を及ぼせる社会勢力の1つとなっている。基本的にプレイヤー部隊をフォローするために、資金援助してくれたり政治家に口利きをしてくれるなどストーリー上重要な役割が多い。
原作ではあくまでも火星から大量の金塊を持ち出した金持ちというだけであり、財閥を運営しているという設定はない。
パンタグリュエル
ガルガンチュワの後継機として開発された実質スパロボオリジナルメカだが、ガルガンチュワと同様に操縦系統が改造されているという設定。搭乗できるパイロットは『勇者ライディーン』のコープランダー隊の面々で、ブルーガーから乗り換えることが可能。オリジナル設定にクロスオーバーが為されているため、原作を知らないプレイヤーは『勇者ライディーン』に登場する機体だと思うかもしれない。
超獣機神ダンクーガ』の設定の追加など
原作では名前が判明していなかったシャピロの専用機がデザイアと命名された、原作では設定のみの存在であったファイナルダンクーガが正式に参戦など、スパロボが切っ掛けで幾つかの要素が追加された。『獣装機攻ダンクーガノヴァ』のレギュラスαなどもこの範疇に入ると思われる。
EVA3号機鈴原トウジ
原作では、前者は第13使徒(第9の使徒)に寄生された挙げ句破壊され一度もEVAとして活躍せずに終わっており、後者はそれに伴う負傷が原因で物語からのフェードアウトとなったのだが、『α』と『MX』での自軍参入に関しては原作にないオリジナル展開である。
ちなみにセガサターン版『F』・『F完結編』ではトウジ役の関智一氏が『機動武闘伝Gガンダム』のドモン・カッシュとして出演している為か、おまけ程度に誕生日イベントでのみトウジにセリフが付いていたが、『α』では他の参戦作品での出演を兼ねてではなく、ほぼ隠し要素である3号機とトウジ参戦の為だけに出演している。
チーフフェイ・イェン
電脳戦機バーチャロンシリーズ』の主役機・テムジン 747Jの搭乗者は本来ゲームプレイヤー=ユーザーであり設定上搭乗者のキャラクターは存在していないが、スパロボ参戦に当たり「チーフ」というキャラクターが一から設定された。
フェイ・イェン・ザ・ナイトフェイ・イェン with VH 「ビビッドハート」は原作では「ファイユーヴ」という自我を持つバーチャロイドのレプリカであり、明確に「フェイ・イェン」という名前の搭乗者は存在しないため、半オリジナルである(ファイユ-ヴのレプリカの自我を便宜上フェイ・イェンと呼んでいるだけの可能性もあるが詳細は不明)。
XAN-斬- / フェイ・イェンHD
2機とも誌上の企画(前者は電撃ホビーマガジン、後者はニュータイプ)から生まれた。機体自体はオリジナルではないが、元ネタの『オーバーマン キングゲイナー』『電脳戦機バーチャロンシリーズ』には未登場の機体でありストーリーや装備の詳細などは存在しないため、スパロボ参戦時に原作者から設定が用意された。どちらも参戦した先のスパロボの世界観に深く関わっているのも相まって、あらゆる面から異例の待遇を受けている。
ダイゴウジ・ガイ専用機
機動戦艦ナデシコ』と『劇場版 機動戦艦ナデシコ-The prince of darkness-』が同時参戦する『R』と『W』ではダイゴウジ・ガイが死亡せず、それぞれスーパーエステバリスエステバリスカスタムが彼専用機としてオリジナルで登場する。更に『W』にはオリジナルで劇場版風の顔グラフィックも用意されている。
アンチ・グレンラガン
天元突破グレンラガン』はスパロボ参戦に当たり「最終局面での途轍もないバトルスケール(舞台は認識空間、ロボットは宇宙より巨大、攻撃で全宇宙が消滅→再生)をどう再現するのか、それ以前にできるのか」という点が話題となっていたが、『第2次Z再世篇』では原作を最後まで消化せず「最終決戦の組み合わせをシモンがグレンラガンに乗っているタイミングに持ってくる」形で収まる事になり、グランゼボーマ戦の前哨戦として戦闘を行うためにアンチ・グレンラガンがデザインされた。
鉄のラインバレル (原作漫画版)』のデウスエクスマキナ
UX』では独自のキャラが設定されている。
八卦ロボの攻撃演出
八卦ロボの必殺技は使用時、称号に対応する文字が赤く浮かび上がる演出があるが、これは実は原作OVAにはないスパロボ独自の演出。ファンからはかなり好評であり、後に発売されたアクションフィギュア「スーパーロボット超合金 天のゼオライマー」には「天」のエフェクトパーツが付属されている。
ただし全くのオリジナルではなく、オープニングアニメで八卦ロボが映るときに「無地の背景に漢字が浮かぶ」という演出があり、それをアレンジしたもの。