『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』は「スーパーロボット大戦シリーズ」のゲーム作品。
スーパーロボット大戦 コンプリートボックス | |
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シリーズ | 旧シリーズ |
原作 |
第2次スーパーロボット大戦 第3次スーパーロボット大戦 スーパーロボット大戦EX |
開発元 | ウィンキーソフト |
発売元 | バンプレスト |
対応機種 | プレイステーション |
プロデューサー |
寺田貴信 森住惣一郎 |
シナリオ | 阪田雅彦 |
キャラクターデザイン | 河野さち子 |
メカニックデザイン |
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発売日 | 1999年6月10日 |
価格 | 6800円 |
概要
『第2次スーパーロボット大戦』『第3次スーパーロボット大戦』『スーパーロボット大戦EX』を『スーパーロボット大戦F』のシステムでリメイクした作品。キャッチコピーは「伝説の3部作が最新システムで蘇る」。
システム
基本システムは『スーパーロボット大戦F/完結編』に概ね準拠。ただし『完結編』で採用していたシナリオクリア時の精神ポイントの経験値還元はオミットされている。
難易度
- 先述の通り旧シリーズ3部作を当時の最新システムでリメイクした作品だが、『第3次』のパラメータに『F』のシステムを無理矢理落とし込んだ状態のため、結果として『F』以上に破綻したゲームバランスに仕上がってしまっている。
- SFC版『第3次』は、簡潔に言えば「パイロット攻撃力+武器攻撃力-敵装甲」という計算式であり、ダメージの基準としてはパイロットの能力が主・武器の威力が従という形になっている。そのためパイロットの攻撃力が高ければ、バルカン・ビームサーベル・ロックファイターといった低威力・高命中の武器は、各ユニットの最強武器と並ぶ有用な攻撃手段として多用されたが、本作は計算式が『F』準拠で「武器攻撃力×パイロット攻撃力-敵装甲」に変化。SFC版と異なり武器攻撃力の方がダメージ基準の主となり、またパイロット攻撃力も『F』より全体的に大きく下方修正されたため敵味方共に与ダメージが大幅に低下、上記の低威力・高命中の武器は殆ど役に立たなくなった。
- MAP兵器の範囲も『F』準拠なので、百式のメガ・バズーカ・ランチャーや、削り武器として猛威を振るったGP-03のマイクロミサイル等も大幅に弱体化。特に後者はダメージのデフレも相まり、よほど資金を投入して威力を上げないと使い物にならなくなった。
- 本作のΖΖガンダムは、『第3次』では初期ENが220から200(ハイメガキャノンの消費ENぴったり)に減らされており、変形して空中、あるいは宇宙で一歩でも動くとハイメガキャノンを撃てなくなるという不可解な調整が施されている。『EX』は更に酷く、機体性能はSFC版『EX』で武器性能はSFC版『第3次』という雑すぎる調整により、最大ENが足りず無改造ではハイメガキャノンを撃てないというおかしな事になっている。また、他機体の武器性能は概ねSFC版『第3次』準拠なのに対し、ΖΖのハイメガは攻撃力が500も弱体化されるという、GP-03に次ぐ冷遇に晒されている。
- SFC版と比べてP兵器がやや増えたが、これによる恩恵は少なく、逆にドライセンのトライブレードが恐ろしい脅威となって襲い掛かる。
- 精神コマンドも『第3次』準拠であるため、リアル系パイロットが使用機会の少ない根性・ド根性・気合ばかりを持っている一方で、集中・ひらめき・魂・てかげんといったほぼ必須の精神コマンドを殆ど持たない[1]。
- 特に全体版挑発とも言える激怒の削除は大きく、激怒で削りつつ敵全体をおびき寄せてMAP兵器で殲滅、という戦法が不可能になった。
- SFC版『第3次』より精神コマンドが変更されたキャラもいなくはないが、ほぼ全ての幸運持ちキャラが努力に差し替えられる等、そのやり方には疑問も残る。また、パイロットの精神ポイントが『F』より少なく、それでいて消費ポイント自体は『F』と同じ、かつ幸運持ちが大幅に減ったため、後述する資金不足に大きな拍車を掛けている。
- 『F』の性格システムが導入され、ボスの気力が上がりやすくなってしまったが、例によって脱力を使用できるキャラは一切ないし殆ど存在せず、敵にだけ有利な仕様変更になっている。この点一つ見ても本作のバランス調整の破綻が理解できるだろう。
- 『F』準拠なのでニュータイプ・切り払い・シールド防御等の特殊技能が導入されたが、これがリアル系の格差を決定的なものにしている。
- SFC版『第3次』はファンネル系を誰でも使用でき、また機体よりパイロットの攻撃力が重要という仕様であった。従って「命中・回避は低いが攻撃力が高い」というタイプのキャラは、長射程・高命中のファンネル系を使用させればニュータイプエースに勝るとも劣らない活躍ができた。しかし本作は、よりにもよってそのファンネル系に技能制限が掛かったため、ファンネルが前提の本作では、これがニュータイプとオールドタイプの決定的な格差へと繋がってしまった。『F』よりは低いとは言え命中・回避にボーナスもあるため、ファンネルを使えず命中・回避も低いオールドタイプは、修理ユニットでもない限り二軍行き確実。総括するとシステムと共にニュータイプとオールドタイプの格差も『F』より逆輸入される形となった。
- その一方で、SFC版『第3次』でゲーマルクに乗っていたラカン・ダカランにファンネルを使わせるため、ラカンにニュータイプ技能を付与するという原作を無視した調整も存在する。そのくせ『第2次』のあるマップでヤクト・ドーガに乗っていたガイアやランバ・ラルは該当マップから削除されており、調整が一貫していない[2]。
- 切り払い・シールド防御技能も導入された。本作はネームドだけでなく雑魚パイロットすら序盤から防御技能を持っており、バランスの悪化を助長している。
- 獲得資金も基本的にSFC版『第3次』であるため、ボス・戦艦系以外から得られる資金が非常に少なく、満足に改造も行えない[3]。これは戦艦系が殆ど出現しない『第2次』や、『第3次』の序盤~中盤が特に顕著で、1ステージあたり1~2回分の改造費しか獲得できない等はザラである。
- 一応『EX』は獲得資金がSFC版準拠(同じではない)になっており、獲得資金の少なさだけはある程度解消されている。しかし相変わらず武器性能はSFC版『第3次』準拠であるため、ゲームバランスはやはりSFC版より悪化している。
- 改造による機体性能の上昇値は、本作の機体性能に合わせたものになっているが、調整ミスかフル改造ボーナスは『F/F完結編』から据え置きとなっている。一例として装甲値は10段改造して+500だが、フル改造ボーナスで装甲を選んだ場合も+500。言い換えればフル改造から更に同量の改造を重ねた程の能力向上となり、ボーナスの効果は相対的に非常に大きいものとなっている。
- 武器改造による攻撃力上昇値は一律ではなく、MAP兵器・ファンネル系・スーパーロボットの最強武器等は他武器より上昇値が小さい。これらの武器は改造費用も高いので非常に強化効率が悪いのだが、リアル系ユニットは『第3次』終盤はSFC版同様にファンネル必須のバランスであり、スーパー系も全体的な攻撃力のデフレにより必殺技を多用する事になるため、結果としてこれらの武器の強化が必須となっている。
- リアル系の場合、フル改造時の攻撃力だけで見ればファンネルよりもビームライフルの方が高くなったりするのだが、大半のパイロットが必中を覚えないため結局命中補正の高いファンネルに頼らざるを得ない。この点もまたニュータイプとオールドタイプの格差を助長していると言える。
- ちなみにこの点において大きく割を食っているのがガンダムF91。必殺武器のヴェスバーは上記の「改造効率の悪い武器」に含まれながらファンネルのような命中補正も射程の長さもなく、かといってスーパー系の必殺技ほどの威力はないという何とも中途半端な武器になってしまった。一応本作のヴェスバーは何故かビーム兵器扱いされていない(SFC版はビーム兵器)ためビーム吸収やIフィールドを無視できるという長所もあるが、両軍ともファンネルが前提のバランスで射程5ではどうしようもない(ついでに言えばファンネルも非ビーム兵器扱いである)。『EX』でもこのSFC版『第3次』準拠の武器性能のままであるため、SFC版と比較すると信じ難いほどの弱体化となってしまった。
- Iフィールドやオーラバリア等の各ビームバリアにはダメージ上限が追加されてるため、ビーム兵器に対して完全無敵ではなくなった。
- 難易度は作品によってバラ付きこそあるが、3作いずれもオリジナル版より大幅に悪化している。その中でも『第3次』の難易度は飛び抜けて高く、シリーズ最高峰との声もあるほど。
- 『第2次』『EX』は本作の中では比較的易しめではあるが、それでもシリーズ全体で見れば相当な高難度である事に変わりはない。
- 特に『EX』は、SFC版のサクサク進められる難易度とは完全に異なるゲームバランスへと変貌している。SFC版にて3800もの攻撃力を持っていたマジンガーZのブレストファイヤーが、本作では『第3次』準拠の僅か1100しかない点等は、本作のゲームバランスの破綻を象徴していると言えよう。更に、全体的な攻撃力が抑えられたにも関わらずギルドーラやバフォームなどの敵魔装機のHPや装甲はほとんどSFC版のままのため撃墜まで余計な手間が増え、調整不足感が否めない。一方で、SFC版では強敵だったグラトニオスやラインX1などのスーパー系雑魚は性能が下げられているものが多く、総合的な手強さは逆転している。
- 一応評価点もなくはなく、エネミーフェイズ時の戦闘で「マニュアル」選択が可能となったため、プレイアビリティ自体は向上している。
話題
- 『F』準拠のフルボイス戦闘となったため、『EX』のみ登場の『魔装機神』関連のキャラに新たにキャラクターボイスが設定された。ただし『OGシリーズ』編入後は本作で設定されたキャストの多くが変更されている。
- 中にはスレンダーのように本編での戦闘機会が全く無いのに戦闘台詞が収録されたキャラもいる。こういったキャラのボイスを聞きたいなら、DISC2のボイス編集やバーチャルスタジアムで堪能しよう。
- グラフィックも『F』水準にブラッシュアップされているのはもちろんだが、原作FC・SFCの旧シリーズではアムロ・レイの顔グラフィックが『EX』まで「1st」準拠で最後の『第4次』(『F』)でいきなり「CCA」相当のグラフィックになったためゲーム中でも「老けた」とネタにされていたのだが、複数のタイトルをまとめて1本にリメイクした本作では第2次→1st・第3次→Z・EX→CCAと作品を経るごとに徐々に変化するようになった。これでも急速に老けているのは間違いないが、特に「Zガンダム」時代を再現した顔グラフィックはSRWでは他にはZシリーズ(ただしこちらは当時なかった劇場版基準)くらいであり貴重と言える。
- 2枚組でDISC1がゲーム本編で、DISC2はファンディスク的なデータ集である。また、バーチャルスタジアムで対戦が可能。バーチャルスタジアムでは本編で敵のキャラクターも使用できる。
- また、お遊び要素として収録されているセリフ音声を単独再生できる他に、繋げて聞く事ができるモードもある。膨大なデータ量のためか大半の新録キャラ及び既存キャラの新録のセリフはトーンが低くなっている。
- ストーリーとサブタイトルにナレーターによる音声収録が行われている。
- 後に『第2次』『第3次』『EX』はそれぞれ単品で発売されたが、セーブデータにコンプリートボックス版との互換性は無いので注意。
- 単品版ではバランス調整としてセット(CB)版から獲得資金が1.5倍されている。…が、残念ながらこれだけでは本作の破綻したゲームバランスを大きく改善するには至らなかった(それでもないよりは遥かにマシではあるが)。
- なお、後にゲームアーカイブスで配信された物はこちらの単品分売版がベースである。
- ディスク2のスタッフロールは旧シリーズのEDのパロディとなっており、寺田氏を始めとしたバンプレスタッフメンバーのデフォルメされた似顔絵グラフィックが収録されている。
- ハロが強化パーツとして採用された初の作品である。
- CMナレーションは檜山修之氏が担当している。
- 後に発売された『α』では、リュウセイが「『α』を中断してる間に息抜きとして『コンプリートボックス』をプレイする」という内容の中断メッセージが存在する。……本作のゲームバランスについては上記の通りであり、『α』は逆にシリーズでも易しい方であるため、「それのどこが息抜きだ」「むしろリュウセイの精神状態が心配」と多くのプレイヤーからネタにされた。
登場作品・バンプレストオリジナル
『第2次スーパーロボット大戦』『第3次スーパーロボット大戦』『スーパーロボット大戦EX』をそれぞれ参照。
世界観
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ゲーム中データ
関連用語
脚注
- ↑ 根性・ド根性を持ったパイロットが多いのは、下記にもあるがオリジナル版では敵フェイズの行動がマニュアルで選択できず、ある程度の被弾が前提のバランスだったため。しかしそのシステムについては改善しておきながら、それに合わせた精神コマンドの調整はしていないのが問題なのである。
- ↑ オリジナルの『第2次』は『F』と全く異なるシステムなので、まず始めに『F』をベースにしたCB版『第3次』を制作し、更にそれを流用する形でCB版の『第2次』→『EX』を制作したためと思われる。
- ↑ SFC版『第3次』では資金の使い道がユニット改造と修理費のみであったためこの獲得資金でもそれほど問題なかったのだが、本作ではここに武器改造を追加しながら獲得資金がほぼ据え置きのままであるため、慢性的な資金不足に陥っている。
- ↑ ΖΖは上記の有り様、GP-01Fbは陸適正B、GP-02は運動性がザク改並……等々。唯一の例外は武器の地形適正が改善されたギラ・ドーガ。
- ↑ ただしサイバスターやビルバインは肝心のパイロットが微妙というまた別の欠点を抱えている(前者は熱血も幸運もない、後者は格闘も[[射撃]|もやけに低くダメージが伸びない)。ビルバインについては他の聖戦士を乗せればいいが、サイバスターは改善しようがないため地味な性能のまま使わざるを得ない。
商品情報
ゲーム本体
攻略本
その他