ガイオウ

破界の王ガイオウから転送)

ガイオウは『第2次スーパーロボット大戦Z』の登場人物。

ガイオウ
登場作品

バンプレストオリジナル

声優 小山力也
デザイン Chiyoko
杉浦俊郎(次元将形態)
SRWでの分類 機体
パイロット
ラストボス
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プロフィール
本名 次元将ヴァイシュラバ[1]
異名 破界の王
種族 次元将
性別
所属 次元将 → 新帝国インペリウム→無所属(ルート次第では聖インサラウム王国
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スペック
(次元将形態)
全高 154.0 m
重量 980.0 t
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概要編集

リモネシア共和国で発生した「カラミティ・バース」において出現した謎の男で、一人称は「俺」。獅子の鬣の様な紅い髪、顔に描かれた紋章の様な模様が特徴的で、大きな数珠に似た首飾りを身に着けている。

全ての記憶を無くしており、ただ本能のままに戦いを求める。外見は荒々しい屈強な体付きだが、その能力は常識を超越しており、生身で機動兵器の攻撃を受けて無傷、最上級の次元獣を馬代わりに使役する、素手で機動兵器を粉砕するなど、「超人」を絵に描いたような力を持つ。国連本部では堂々と現れては存在感を示している。また、それだけの力を持ちつつも人間味に溢れており、巷を歩きながらホットドッグを頬張っている。

別の多元世界においてはマルグリット達の祖国である聖インサラウム王国での次元力の実験にも現れ、同国を壊滅させ騎士たちを次元獣にヴァイオレイションさせている。螺旋王ロージェノムからは「客人」として迎えられており、その際スパイラルネメシスとそれと関連のある「反螺旋族」と何らかの関わりを持っていることが示唆されている。

小賢しい策など一切弄さず、ただひたすらに闘争を求め、正面きっての真っ向勝負を好む。また戦いに対して「遊び」という概念はなく、やり合う以上は常に本気である。

再世篇』で明らかになったその正体は、「根源の災厄」に立ち向かい、同時にバアルと戦う4人の「次元将」の1人であり、『天獄篇』で判明した次元将としての本来の名は「次元将ヴァイシュラバ」。ロージェノムやアポロニアスもバアルと戦う同志だったらしい。そのため黒の英知にも触れており、Zにおける戦いを知っていたのはこれが理由。

かつてガイオウの生まれた次元はバアルの襲来と根源的な災厄により滅亡の危機に瀕し、その打開策として「ヴァイオレイション・システム」で次元獣軍団を生み出し、並行世界を渡り戦う戦士「次元の将」が作られた。彼を含む4人の戦士達は様々な世界の戦力を次元獣として取り込み、バアルに立ち向かう戦力としたが、ガイオウ自身はバアルとの戦いに敗れ別次元へ逃走。

その中でアンゲロイ・アルカの集団におびき寄せられ、聖インサラウム王国のある多元世界へと流れ着いたが、そこで待ち構えていたイドムとの戦いで記憶を失ってしまう。しかし、その中でも「戦う事」と「戦力を増やす使命」だけは覚えており、その記憶の導くままインサラウムを滅ぼし次元獣軍団を生み出していった。

『再世篇』では記憶を取り戻し、本来の使命のために行動していると思われていたが、余りにも永い絶望的な戦いの中でいつしか戦いそのものを楽しむようになっていったとZEXISの戦士達に明かす。人々を強制的に次元獣に変える非人道的な力を使い、己の享楽に使命を忘れた自分の轍を踏まないよう忠告し、人を思いやる優しさを常に失わない事、ただ一度の敗北も許されない事、という「守護者」の資格と責任の重さを言い遺し散っていった。

戦闘義体はヴィシュラカーラに座している時は筋骨隆々のの様な姿をしており、次元将形態ではヴィシュラカーラを鎧や翼として纏っており銀色と虹色をベースとした配色となる。

登場作品と役柄編集

Zシリーズ編集

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
初登場作品。担当声優小山力也氏は、本作でスパロボ初出演。ラスボスとして登場するが、それ以前に一度戦う機会がある。
ゲールティランには他の次元獣と違いD・フォルトが無いため、ダメージ自体は通りやすい。最期はZEXISとの真っ向勝負に敗北、往生際の悪い歴代のラスボスとは違い素直に負けを認め、機体の爆発と共に姿を消す(撃墜時のアニメーションで堂々と脱出している)。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
大方の予想通り再登場。地上ルート第35話「昨日への決別」ではサングラス姿を披露。記憶を取り戻した事により、『破界篇』で見られた「バトルマニア」的な性格が殆ど鳴りを潜め、物静かで思慮深い本来の性格へと変貌した。一方第49話では、覚醒した聖王機ジ・インサーに一撃で倒されるという衝撃の場面があったが、しぶとく再登場。次元将としての姿を明らかにし、本作でもラスボスとして立ちはだかる。ちなみに、ゼロレクイエムルートに進んだ場合、何と初代以降の歴代ボスの中で、BGM優先がない(戦闘するとユニットごとに設定した曲がかかる)。
HPは40万と歴代の中では低いほうであるが、HP回復(中)の効果により、エネミーフェイズ開始時にはなんと約8万も回復されてしまう。ダークブレイン同様に早期撃破が望ましい。また、ルートによってはガイオウの一言をクロウが二度「肯定」するとレベル99のガイオウと対峙できる。
素性が素性ゆえか、祖国を滅ぼされたインサラウム勢と、『破界篇』で戦ったZEXIS以外からは敵として認識されていない(すべての組織に敵視されていた御使いとは対照的に、災厄に立ち向かう存在として一目置かれている。)。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
今回はNPC。クロウルート第43話「永遠の聖王国」で「次元将ヴァイシュラバ」名義で登場。ガイオウがやってくる前のインサラウムに跳ばされ、その際再び登場。待ち構えていたアンゲロイをクロウの意志に引きずられて飛ばされてきたZ-BLUEが殲滅したため記憶を失わず、彼らの戦いを見て「次元獣にして成長を止めるより、無限に強くなる戦士の軍団を造り上げた方が良い」と考えを改めてインサラウムから去っていった。過去の世界のためか次元将としての記憶は失っておらず、自軍を「根源的災厄」に立ち向かう同志として見ている。

パイロットステータス編集

能力値編集

ラストボスなだけあって全ての能力が圧倒的。特に格闘射撃ユーサーをも軽く凌ぐ。まさに「破界の王」と呼ぶにふさわしい暴力的な強さでZEXISに襲いかかる。

精神コマンド編集

第2次Z
信頼直感友情気迫勇気
信頼、友情、勇気などガイオウの過去に何があったのかを想像させるものが多い。XANと違って消費SPが全て10ではないが、それでも味方のものより遥かに燃費が良い。

特殊スキル編集

第2次Z破界篇
2回行動精神耐性戦意高揚気力限界突破底力L7
極+2回行動による猛攻、底力の強力な装甲値補正によるガード無しのハンデを感じさせない打たれ強さ。脱力をかけなければ、限界突破した気力最大170がこれらに大きく拍車をかける。精神耐性は死にスキルで、戦意高揚も大した効果ではないが、残り4つだけでもこれまでのボス達を大きく凌ぐ強さを発揮する。
第2次Z再世篇
2回行動精神耐性戦意高揚気力限界突破底力L8、ガード指揮官L4
ガードの追加・底力のレベル上昇・精神耐性への脱力耐性付与により、まさに心ゆくまで闘争を楽しもうと言わんばかりにタフさに磨きをかけて帰ってきた。無茶苦茶な破壊力も健在で、本作も最強クラスのボスとして立ちふさがる。ガイオウ同様に破界事変の頃より強くなったZEXISの総力を以て、挑むべし。

エースボーナス編集

気力130以上で、自軍フェイズ開始時に精神コマンド必中が掛かる
第2次Z』で採用。一見、2回行動や機体側の凶悪な武装も相まって破壊力抜群の効果だが、元々圧倒的に命中率が高い上に、どのみちひらめき不屈や脱力を駆使していかないと厳しい相手なので、実際にはさして脅威的なボーナスとは言い難い。被ダメージ軽減や気力増減、行動回数増加等でないだけまだ有情な内容である。

次元将形態編集

ヴィシュラカーラを展開して戦闘形態になった際のものである。

武装・必殺武器編集

相克・絶
全身から次元力と闘気を放って周囲を薙ぎ払うマップ兵器。移動後攻撃はできないので、距離を取ろう。
ゼロ・レイ
を殺す破界の光」。腕部を展開して黒い光弾を連射する。長射程武器だが、ゲールティランのアーレフ・ゼロと違って移動後攻撃できないのが救い。
太極・斬
次元を破壊して並行世界の狭間に引きずり込み、瞬間移動を交えたラッシュから叩き落し、最後に手刀で「一闘両断」する。
その演出はダイゼンガーの単独最強技である「斬艦刀・雲燿の太刀(第3次α・ジ・インスペクター版)」を想起させる。

特殊能力編集

HP回復(小~中)
次元将の時は(中)。
EN回復(中)
オールキャンセラー
あらゆる特殊効果を無力化。

移動タイプ編集

飛行可能。

サイズ編集

2L
ガイオウが同化した人間体でのサイズ。本人はSSサイズ(いわゆる生身)。

パイロットBGM編集

「破界の王」
デフォルトテーマ。
「多界侵食警報」
登場時にこの曲が流れる。
「無窮の闘神」
次元将としてのテーマ。

人間関係編集

カルロス・アクシオン・Jr.
「プロジェクト・ウズメ」で現れた破界の王と対面し、その力で世界を破壊するよう策動する。そして「スポンサーの意地」として、「ガイオウ」、「ゲールティラン」と命名。記憶を失っていた自身にとっての名付け親となった。
再世篇』では友人として行動を共にする。
アイム・ライアード
ガイオウの手駒となり、その力を奮う。アイム自身の真の目的は不明。だが、ガイオウ自身が記憶を取り戻した暁には、真っ先に喰ったであろうことがガイオウ自身の口から語られている。
それ以前にも、小賢しく立ちまわるアイムに対し「俺の邪魔をしたときは容赦無く潰す」と攻撃を加えつつ宣言しており、ガイオウも彼をあまり信用はしていないことがうかがえる。
シオニー・レジス
「プロジェクト・ウズメ」によりガイオウに祖国を滅ぼされ、自分でも判断つかないうちにガイオウらアイムの意向に従うしかできなかった。
破界事変での決着後、陰月から脱出する際に彼女を連れ出し、いつか地球にやって来るだろう別の次元将へのメッセンジャーを頼んでいたことが後に発覚する。
シュバル・レプテール
ガイオウに従う忠実な部下。
マルグリット・ピステール
ガイオウに従っていたが、彼女から見ればガイオウは祖国を滅ぼした怨敵。
クロウ・ブルースト
特に接点はないが、クロウと戦うことを喜びとしていた。
ユーサー・インサラウム
かつて滅ぼした国の後継者。真意を見抜いた上で生かしていた。
アサキム・ドーウィン
『再世篇』で手を組んでおり、スフィアを危険視するガイオウとスフィアを集める彼では目的が合わないように思われるが、真相は不明。あえて言えば互いに討つべき「」が同じことか。
次元将ヴィルダーク、次元将ウィルパーシャ、次元将ドゥリタラー
次元将として戦っていた時の仲間。それぞれ仏教の四天王の名前が由来。
御使い
「根源的災厄」の正体である次元将の本来の敵。次元将は彼らを倒すべく生み出された存在である。

版権作品との人間関係編集

ズール皇帝
ガイオウの事を指す「次元の将」という発言をしている。ガイオウもズールのことを知っているが、この世界のズールそのものではなく別名を持つ別世界の同一存在を知っていたということらしい。
早乙女博士ロージェノムムーンWILL
自身の記憶を取り戻すべく、彼らの許へと訪れ対話する。
流竜馬 (OVA)
どういうわけかガイオウ本人が名乗る前にガイオウの名を口に出している。恐らく脚本のミスであろうが、ガイオウの来歴を考慮すれば過去にどこかの世界で出会った虚憶によるものかもしれない。
あしゅら男爵
再世篇にて、ミケーネ時代の記憶を二人に与えた。
アネモネ
ジ・エンド

名台詞編集

戦闘台詞編集

破界篇編集

「上等な戦いにハチミツをぶちまけやがるとはな…!」
戦闘アニメにて弱程度のダメージを与えた際に喋る台詞。
元ネタは格闘漫画作品『グラップラー刃牙』に登場する本作の最強の漢である「範馬勇次郎」と思われる。ガイオウの姿や性格等は彼に似ているのでモデルの一部である事は間違いないだろう。
「喰って喰って喰いまくる! 欲望のままに!」
戦闘アニメにて攻撃を仕掛ける際に喋る台詞。元ネタはパニックホラー映画『ザ・グリード』(1998年・米)だと思われる。
また、上述の範馬勇次郎ではないかという見方もある(勇次郎は闘争を食事になぞらえる事が多く、自分の闘争欲をそそられた相手と戦って叩き潰すことを「喰う」とよく表現するため)。
「新たな戦士が生まれる…」
第49話の戦闘イベントでシュバルにトドメを刺した時の戦闘台詞。
「マルグリット! やっとお前を喰らう日が来たぜ!」
対マルグリット戦の台詞。マルグリットやシュバルらを次元獣化しないのは、反旗前にガイオウが求める「闘志」に欠けるのが理由の一つ。
「皮肉なもんだぜ。奴の生まれ変わりに出会うとはな!」
「見せてみろよ、光の神の力をよ!」
「その闘気と光の力、奴を思い出すぜ!」
甲児との特殊戦闘台詞ゼウスを知っているらしい。
「俺が勝ったら無敵の名はもらうぞ!」
シリーズとの特殊戦闘台詞。ガイオウの実力を考えると、名乗っても全く違和感がなさそうだ。
「そうだ、特異点! 俺達は強くなきゃいけねえんだ!!」
との特殊戦闘台詞。
「お前の異能の力、俺が食らう!」
キリコとの特殊戦闘台詞。「歩く死亡フラグ」とも言えるキリコ相手では、さすがの破界の王も分が悪いような気がするが。
「12の鍵、ソルの記憶…全て俺が喰らう!」
「12の欠片は俺の血肉とする!」
クロウとの特殊戦闘台詞。ダークブレインも言及した「12の鍵」とはスフィアのことで間違いないようだ。
「俺の使命…俺の生命…全てはここから始まる!」
『破界篇』での撃墜台詞。

再世篇編集

「分かり合っても戦いは起きる! だから俺がいる!」
ニュータイプ。誤解なき相互理解の実現は必ずしも平和とイコールではなく、むしろ分かり合ったことで相容れないことを知り、なお戦うことさえある。
後に、『天獄篇』で登場する御使いは、まさにその典型である。
「勝負だ! 御使いの記憶を宿す者よ!」
ランドとの戦闘台詞。ガンレオンに宿る魂の正体に言及している。
「12の鍵、ソルの記憶……それが集まることは許されない!」
「スフィアよ、砕け散れ!」
スフィア・リアクターとの戦闘台詞(後者は太極・斬)。
太極たる至高神ソルを崇めしモノ共、その望みを破界するために、次元将が欠片を持つ者へ無窮の牙を剥く。
「俺は打ち砕く! クロノエイチに記された未来を!」
「お前達の歪められた運命、この俺が終わらせる!!」
対スフィア・リアクター。太極の欠片を持つ者は運命を歪められ、無窮の戦いへと飲み込まれる。

インターミッション編集

破界篇編集

「政治だ、外交だ、なんていう面倒な事はやめようって話だ」
「俺は闘うために、この世界に来た。つまらん懐柔策なんざ考えるな」
「俺は気の向くままに闘う。俺を止めたきゃ、奇襲でも暗殺でも好きにやりゃあいい」
「そっちの女みたいなやり方はしねえ。向かってきた奴は、その場で殺って終わりだ。その背後の連中にお礼参りなんてのは無しでな」
エルガンシオニーの会談に乱入した時の台詞。エルガンに対して、至極単純な要求を述べた。
「俺の記憶…俺の過去…俺の使命…」
「父の名…母の優しさ…友との思い出…。なすべき事…倒すべき敵…」
最終話「破界の世紀」にて。彼等も次元将となる以前、人間としての過去があったことを実感させる一言。
トリニティエネルギーか。厄介なものを持っていやがるぜ」
闘志也との戦闘前会話。異世界のエネルギーについても知っている様子。
「まあな。俺の知っている奴はズールという名前じゃなかったが」
タケルとの戦闘前会話。『ゴッドマーズ』後半のエピソードを示唆する台詞。
「来いよ、光の力…! お前と俺の力のどちらがを殺すか、試してみようじゃねえか!」
甲児との戦闘前会話。ガイオウの目的は「神殺し」と呼べるようだ。
アイムの野郎が、お前にご執心だったわけがやっとわかったぜ」
「俺のリハビリに付き合ってもらうぜ、黒いメガデウス!」
ロジャーとの戦闘前会話。Zシリーズにおいて次元力と関わりを持つメガデウスのことも、やはり既知の様子。
「そうだ! お前達の魂は俺の血肉になる! そして、神を倒す力になる!」
ジロンとの戦闘前会話。
「そうだ、来い! 俺を抜けなきゃ、天元に挑むなんてのは無理な話だ!」
「俺とお前のどちらが奴らに挑むか、ここで決めるぞ!」
シモンとの戦闘前会話。「グレンラガン」後半エピソードの鍵「反螺旋族」について言及している。ガイオウもやはりかつてそれに挑んだのだろう。ちなみに「天元」とは実在の単語で、「宇宙の中心」を意味する。そして、かつては「太極」と呼ばれていた…。
実際に、Z宇宙の中心には天柱があり、そこに次元将の敵たる御使いがいる。
「ほう…俺の事を覚えているのか?」
「だろうな、機械天使。お前も元は天翅だったしな」
アポロとの戦闘前会話。次元将として肩を並べただけに、アポロニアスのことも知っている様子。
「迷いを捨てれば、お前は最強の戦士のはずだぜ」
クワトロに対して。機動戦士ガンダムΖΖ放映開始当時のアニメ誌のインタビューでの富野監督の「もしシャアが"悩む"ということから脱したら、ΖΖ及び以後のガンダムシリーズの作劇が困難になるほど強くなる」という発言が元ネタと思われる。[2]
ちなみに『再世篇』ではアムロに対して銀河の戦いにふさわしい戦士と評している。
「いや…いい戦いだったぜ」
散り際の台詞。往生際の悪い歴代ボスと違い、この一言と共にあっさりと舞台から退場した。

再世篇編集

「外すと通りすがりの子供に泣かれんだよ…とりあえず、お前もホットドッグ、食えよ」
子供に気を使ったという理由で、サングラスを掛けるという世俗的な行為を取っていた事をカルロスへと語る。『破界篇』とのキャラクターの変貌振りを象徴する台詞。
なんの偶然か、モデルの一人であると思しきバキシリーズの範馬勇次郎も、後に市街に出るにあたりサングラスをかけた。ビジュアル的にはそっくりであろう。
「幸せの味がするからな」
「子供や若者が笑いながら食うもの…言うなれば、平和の味だ」
上述の台詞でカルロスにファストフード好きの理由を告げる。「子供」や「若者」を喩えに挙げているのは、若い世代に期待を寄せているのだろうか?
「そうやって、みんな…俺の前から去っていっちまうんだな…」
「あばよ、カルロス…お前は俺にとって大事な友だ」
「永遠にな…」
寂寥感に囚われながら、人込みの中へと消えていったカルロスに送る別れの言葉。
「いつの日か…か」
「悪いな、あしゅら…。そんな日は、もう来ねぇかもしれねえぜ…」
47話にて、あしゅら男爵を見送った後に。この時点では「真マジンガー」の続編が出る予定が無い=二度と甲児やあしゅら達の戦いの先が描かれる事はない、とも取れる台詞だったが、『第3次Z』ではスパロボ独自にミケーネとの戦いが描かれたため、ガイオウ自身が死へと向かう決意をしている、という意味合いであったようだ。
「アサキム…お前の願いは俺が叶えてやる」
「解き放て、ヴィシュラカーラ! 今ここに、真の姿を!」
最終決戦でアサキムが封印されて。主の命に従い、破界の王の玉座がその姿を現す…。
「我が名は次元の将…」
「遙か過去…遠い次元…人類は最悪の敵に遭遇した」
「星は砕け、は墜ち、太陽も消えた…」
「聖人は言った。黙示録の時が来たと」
「賢人は言った。人類は禁忌を侵したと」
「そして、宇宙は滅びの時を迎えようとした」
「俺は…俺たちは人類の希望…」
「人類を守るため、俺達は全てを捨てて次元の将の使命を受け入れた」
「そして、戦いの力を集めるため銀河に旅立った」
「4人の次元の将は、力を集め、絶望と闘うための軍団を作り上げた」
「だが、俺は敗れた。俺は…逃げた…そして、次元を超えて辿りついたのが奴らの国…インサラウムだ」
「俺は多くのものを失った…友も、家族も、仲間も、記憶も、そして希望も…だが、俺にも残されていたものがあった。戦うための力を集めろという意識の底に残った使命の欠片だ」
真の姿を明らかにして後。ついに明かされた、ガイオウの過去とその使命。
そして『天獄篇』では、ガイオウの言う「最悪の敵」が遂に出現する。
「甘いな…」
「甘いって言ったんだよ! このボンクラ共が!!」
上記の流れからZEXISの面々に戦う必要がないことを問われると、この反応。全てを捨ててまで無限の戦いに身を投じたガイオウからすれば、感に障るものがあっただろう。そして…。
「……ハハハハハハ! ハハハハハハハ! アハハハハハ!!」
「笑わせてくれるぜ! この甘ちゃんのロマンチストどもが!!」
「道理でおかしいと思ったぜ! 俺が目をつけたお前達の力がこんなもんのはずねぇものなぁ!!」
「倫理や道徳は捨てろ! 事を成すのに手段を選ぶな!」
ZEXISの攻撃を気迫で押し返して叫ぶ。先ほどまでとは全く違う様子に面食らう一同だったが…。
「勝手に俺の戦いを美談にすんじゃねぇよ!! 俺の戦いは俺だけのものだ!!」
「使命だ…? そんなカビの生えた話に俺がいつまでも従ってると思うか?」
「俺は俺のためだけに戦う! 次元獣は、その戦利品みたいなものだ!!」
返しがこれ。根はやっぱり戦闘狂らしい。さらりと次元獣を生み出すとんでもない理由についても語っている。まさか戦利品とは…。もっとも、ZEXISに本気を出させるための方便の可能性もある(事実、セツコはガイオウの言動から悲しみを感知していた事が戦闘前会話で示唆されている)。
「俺の力は無限だ! 神を殺すために俺は全てを捨てた!」
ゴッドシグマとの戦闘前会話にて。さらりと「根源の災厄」、次元将の敵に言及している。『破界篇』でも口にした「神」がZシリーズの最終的な敵らしい。
「所詮、俺は戦いに溺れた堕ちた勇者だ。ヴァイオレイション・システム…リヴァイヴ・セルなんてのを使うような俺が未来への希望なんてのは筋が通らねぇ」
「そして、何より俺は戦い自体を楽しむようになっちまった」
「守護者を名乗っていいのは、他人の想いを背負い、その痛みをわかってやれるような奴だけだろうさ」
「銀河はお前たちの想像もつかないような戦いに満ちている…いつか必ず災厄は来る。平和な時代のあとに戦いの時代が来るのは世の必然だ」
「それが外敵なのか、戦争なのかは知ったことじゃねぇ」
「だが、覚えて置け。永遠の平和なんてものは誰にだって約束できるもんじゃねえのさ」
「何が来ようが、それに負けなきゃいいだけだ。俺に勝ったんだから、それぐらいやってみせろ」
「いいか…敵に情けをかけるな。悪を否定するのなら、迷いを超えて自分の中の正義を貫け」
「忘れるなよ。背負ってるものがある奴は、たった一度の負けも許されないってことを。そして、守って見せろ。この醜くも美しい世界を」
「うるせえよ…長い旅路の終わりくらいは、静かな気持ちで迎えさせろや」
「俺の戦いの始まりである次元将の名前……そして、その戦いの終わりに友にもらったガイオウの名前……俺は次元将ガイオウ。その生涯は戦いと共に在った」
最終決戦で敗北して。来るべき災厄にZEXISが打ち勝つことを確信し、発破をかける。そして…。
「負けるなよ、お前達…お前達こそが未来への希望だ」
「…もう一度…ホットドッグが…食いたかった…ぜ…」
ほんのわずかな日常への未練だけを残し、次元の将「ガイオウ」は火星に消えた…。

天獄篇編集

「お前らみたいのを見ちまったら、さすがの俺も考えが変わる」
「次元獣にして、そこで強さを打ち止めにするより、無限に成長する戦士達を集めた方が奴らとも戦えるだろうさ」
「あばよ、兄弟。天の獄で会うことがあったら、その時は共に戦うとしようぜ」
クロウルート第43話「永遠の聖王国」にて。異世界の戦士達とその強さを垣間見、彼らのような強者を求めて次元将ヴァイシュラバはインサラウムを去った。永遠の聖王国に、無窮の牙を剥くこともなく……。

搭乗機体・関連機体編集

ゲールティラン
玉座として着座している次元獣。本格的な戦闘の際には変形し、鎧となる。
次元将ガイオウ
玉座であるゲールティランを鎧とした戦闘形態。
次元獣
インサラウムの騎士達をヴァイオレイションした姿。

余談編集

  • 本名の由来は仏教における仏神で、四天王の一尊である「多聞天」のインド名「ヴァイシュラヴァナ」(音訳して「毘沙門天」とも言う)だと思われる。
  • ユーザー間ではそのキャラクター性が人気を呼び、「ガイオウ様」の愛称で呼ばれている。
  • また、彼の顔つきや言動、桁外れな強さを有する点などから、人気格闘漫画「グラップラー刃牙」シリーズの範馬勇次郎や、格闘ゲーム「サムライスピリッツ」シリーズの壬無月斬紅郎等といったキャラクターとの類似がたびたび指摘されている。
    • 巨大な軍閥を率いており、敗れた時の引き際の良さといった点ではアニメ映画『真救世主伝説 北斗の拳ZERO ケンシロウ伝』に登場したジュガイや姉妹作の『蒼天の拳 REGENESIS』に登場する霞拳心に近く、声優も同じ小山力也氏である。

脚注編集

  1. その他に人間としての本名も存在するが、こちらは明かされずじまいであった。
  2. このインタビューの中で監督はこの状態のシャアの強さを「狡猾な手段を使わないでもやれてしまう位、強い」「アムロなんかは何も知る前に殺されてしまう。それ程、強い」「それだけ強いとシャアに勝てるニュータイプを出さない限りドラマがあっという間に終わってしまう」と説明している。