スーパーロボット大戦Z

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スーパーロボット大戦Z』は「スーパーロボット大戦シリーズ」のゲーム作品。「Zシリーズ」の1つ。

スーパーロボット大戦Z
読み スーパーロボットたいせんゼット
外国語表記 Super Robot Wars Z
シリーズ Zシリーズ
次作 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
スペシャルディスク スーパーロボット大戦Zスペシャルディスク
開発元 バンプレソフト
発売元 バンダイナムコゲームス
対応機種 プレイステーション2
プロデューサー 寺田貴信
じっぱひとからげ
ディレクター 名倉正博
シナリオ 名倉正博
キャラクターデザイン 河野さち子
メカニックデザイン Mがんぢー
明貴美加
大張正己
主題歌 「Crest of "Z's"」
発売日 2008年9月25日
Best版
2011年3月3日
PS2アーカイブス
2014年2月19日
価格 8,379円
Best版
3,800円
PS2アーカイブス
1500円
CERO区分 B(12歳以上対象)
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概要

PS2用タイトルとしては、前作『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』から約3年振りに発売された作品。開発も『第3次α』開発終了後にスタートしており、製作期間に3年が費やされている。

本作のみで話そのものは完結しているが、ゲーム中はおろかクリア後にも何の説明もされないキャラクターや設定もあり、また広告展開では「新シリーズ始動」と紹介されている[1]ことから、明らかに続編を匂わせる形になっていた。2011年初頭に続編となる『第2次スーパーロボット大戦Z破界篇』が発表、これにより晴れて第3の王道シリーズ「Zシリーズ」が本格始動し本作も正式にその第1作目となったため、それに併せてthe Best(廉価版)が2011年3月3日に発売された。

PS2アーカイブス版が2014年2月19日から2020年9月29日まで配信された。

システム

新システム

トライバトルシステム
『第3次α』までの小隊戦闘システムをブラッシュアップさせた新システム。1小隊の編成メンバーが3機までとなり、替わってコスト制が廃止。フォーメーションの要素が新たに導入され、任意で「トライ」「センター」「ワイド」の3種のフォーメーションを選択できる。また、トライフォーメーション時は小隊全機による一斉攻撃「トライチャージ」が使用可能。
照準値
ユニットの改造可能な能力として新たに登場。命中率への補正値であり、かつては運動性の改造で賄われていたものが実質復活する形となった。以降の作品でも機体パラメータとして標準化している。
プレースメント補正
本作より採用。敵軍ユニットの周囲を自軍ユニットで囲むことで与ダメージにプラス補正がかかる。
地形待機時のEN消費
飛行ユニットが空中で待機した際、毎ターンの最初にENが自動的に10消費されるようになった。EN回復などがない限り空中に居続けるだけでENが減っていくため、従来作より地上ユニットが有利なバランスとなっている。

主な既存システムと変更点

SRポイント
熟練度システムが名称変更。発売前は隠しキャラや隠し機体には一切関与しないものとアナウンスされていたが、実際は複数の隠し要素に絡んでいる。
特殊技能パイロット養成
本作より名称が「特殊スキル」に変更。
再攻撃」が実質的な新技能として登場。「切り払い」「シールド防御」が「ブロッキング」にひと纏めにされた。
本作のみの調整として、獲得および養成の際の要パイロットポイント数が他作品より非常に高くなっている。
精神コマンド
習得数が1人あたり5種(戦艦サブは3種)に変更。「熱血」「」習得レベルが引き上げられ、また消費SPも高めとなっている。
新規精神コマンドとして「分析」「迅速」「希望」が登場。
地形適応
機体とパイロット両方の適応をSにしないとSにならない仕様に変更された(A以下も同様)。

難易度

発売前からのアナウンスの通り、精神コマンドや地形適応の調整や連続ターゲット補正により全体的な難易度は『第3次α』から引き上げられており、HARDで進んだ場合歴代でもかなりの難易度を誇る。

『第3次α』同様に1周クリアで「武器・機体改造不可」「パイロット育成不可」「敵改造済み」「難易度HARD固定」のEX-HARDモードを選択が可能。ただし『第3次α』とは異なりスペシャルモードの出現条件が「ランド・セツコの両方でクリア」に変更された(EX-HARDをクリアする必要が無くなった)為、かなりコアなプレイヤーでなければプレイする事は無いと思われる。『第2次Z破界篇』以降に実装されておらず、B.B.スタジオ製スパロボでEXハードが導入されたのは今作までとなった。

演出面

PS2の最高解像度であるVGAを採用した事により、ユニットグラフィックやカットインがより鮮明かつきめ細やかに表現されている。攻撃のアクションは同じ武器でも地対空・空対地とそれぞれ別のアニメーションが描き起こされている。一方、敵方可変モビルスーツモビルアーマー)は一括りで纏められている(攻撃の際にモビルスーツモビルアーマーの両形態に変形して攻撃する等)。また、撃墜時の演出もユニットごとに個別の物となっており、以降のB.B.スタジオ製作品にも受け継がれている。

話題

  • 元々は「スーパーロボット大戦Ω(オメガ)」というタイトルになる予定だったが諸事情で使えず、寺田貴信Pが個人的に温存していた「V」にしようとしたところそれも駄目となり、「最終兵器」の「Z」になった[2]。「Z」というタイトルは、過去に寺田プロデューサーがシリーズ最終作につけることを想定していた名称だった[3]
    • Zシリーズ最終作の『第3次Z天獄篇』においては、「Ω」というタイトルになるはずだった件をネタにした発言をラスボスが行っている。
  • 今回オリジナルキャラクターを担当した声優の何人かはスーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」のブログを書いている声優の方々である。タイトルコールもCMとゲーム開始画面の「ゼェェェット!!」も水木一郎氏である。
  • 本作のオリジナル敵キャラクター「カイメラ」はその個性的(過ぎる)な言動と行動の数々で歴代シリーズでも屈指の異彩を放つ存在となっている。
  • 本作では主人公が対照的になるように作られている。男主人公(ランド)を選んだ場合には明るく熱血な感じ、女主人公(セツコ)を選んだ場合にはその逆となる。話の雰囲気も主人公ごとにどこまで変えられるかがポイントになっており、顕著な例はアサキム・ドーウィンで、どちらの主人公を選ぶかで彼の印象が異なるようになっている[4]。このため、どちらかの主人公で遊んだかによって本作への印象は大きく変わり、ユーザー間での本作の感想の関する話題などで会話が噛み合わないことさえある。なお主人公選択方式の再採用は本作を最後に『スーパーロボット大戦V』まで8年半もの年月が開いている。
  • これまでの据え置き機作品の中でも驚異的にロードが早く、PS2の性能を限界まで発揮させていると言われている。
  • シナリオが終盤に行くほどシナリオ間の会話が長くなっていき、終盤には1時間越えのシナリオも散見するほど。以降の作品にはそれらの反省を踏まえ、シナリオ間の会話を短くしている。
  • キャラクター事典ロボット大図鑑がウィンキーソフト開発時代の毒が入ったものに戻っており、ファンならずともニヤリとする事が多い。なお1周クリアすると追記されているキャラやロボも多数存在する。
    • 本作の事典・図鑑の文章は以降のB.B.スタジオ製スパロボにおいても流用されているが、毒の入った部分については削除されている。
  • 一部の人物の音声が少し、あるいはとても低く再生されるバグが複数発見されている。代表は子安氏の担当キャラ(新録分)と『宇宙大帝ゴッドシグマ』のジュリィ。さらに『超時空世紀オーガス』の特殊トライチャージはリーアの声が異常に遅く再生され、およそまともな声には聞こえない。これらのバグは『スーパーロボット大戦Zスペシャルディスク』およびベスト版では修正されている(アーカイブスはベスト版準拠)。
  • 本作では久々に終盤における分岐ルート、通称ifルート(ザフトルート)がある。詳しい分岐内容は隠し要素/Zを参照。
    • 以降のB.B.スタジオ製スパロボにおいても『第2次Z破界篇』を除いて同様の分岐が存在し、恒例のパターンとして定着していった。
  • 新スーパーロボット大戦』以来久々のスペシャルディスク『スーパーロボット大戦Zスペシャルディスク』が製作されている。
  • 『週刊ファミ通』のクロスレビューにおいて、スパロボシリーズでは初めてとなるプラチナ殿堂入りを果たしている。
  • 完全新作において旧御三家(東映版マジンガーシリーズ宇宙世紀ガンダムシリーズ・東映版ゲッターロボシリーズ)が出揃い、更に今までシリーズでは欠かせない存在であった神谷明氏が出演した最後のスパロボである。逆に本作を機に『SEED DESTINY』は以降の常連となり、グラフィックなども本作を基準にするようになっていったため、一種の世代交代を印象付ける作品ともなっている。

参戦作品

★は初参戦。

『機動戦士Ζガンダム』はグラフィック等が劇場版基準となっている。

『THE ビッグオー』や『超重神グラヴィオン』は第二期も合わせて参戦するのに対して、『Ζガンダム』や『逆襲のシャア』、『SEED DESTINY』は参戦するが『ガンダムΖΖ』や『SEED』は参戦しないなど、構成に興味深い点が多い。特に『SEED DESTINY』は『SEED』の主要キャラが多いので、そのあたりがどのように描かれるかが注目された。

参戦作品の発表は順次行われ、最後に発表されたのは『宇宙大帝ゴッドシグマ』であった。

SC2nd』(リメイクを含めば『A PORTABLE』)までスパロボオリジナルの要素は「バンプレストオリジナル」と表記されていたが、バンプレストがバンダイナムコゲームスの完全子会社となったためか、本作以降は「オリジナル」と表記されるようになった。

世界観

世界観/Zシリーズを参照。

バンプレストオリジナル

オリジナル要素/Zを参照。

主人公

主人公はセツコ、ランドの2択。選択されなかった方は脇役として登場。

主人公 乗機
セツコ・オハラ
トビー・ワトソン
デンゼル・ハマー
バルゴラシリーズ
ランド・トラビス
メール・ビーター
ガンレオン

カイメラ

レーベン・ゲネラール
シュラン・オペル
ジエー・ベイベル
エーデル・ベルナル

その他

アサキム・ドーウィン
ツィーネ・エスピオ
シエロ・ビーター
黒のカリスマ
ジ・エーデル・ベルナル

用語

多元世界
あらゆる平行世界が入り混じり、融合した新たな世界。物語の根幹をなす設定で、『超時空世紀オーガス』の時空振動弾が引き金となった。
ZEUTH
今回のスーパーロボット軍団の組織名。いろいろと個人主義が影響して結束力に乏しく、一時は敵味方に分かれるなど今までのスパロボではありえなかった展開まで発展した。
新地球連邦
様々な世界の最大勢力が結集し成立した組織。軍閥政治の害が様々に出ている。
UN
多元世界で普及している通信ネットワーク。所謂インターネットと同じだが長距離通信が制限されている世界観の都合上依存度は大きくなっている、テレビや新聞もUNに依存している。エーデル准将によって敷設された。
セカンド・ブレイク
カイメラ
地球連邦軍エーデル・ベルナル准将の直轄部隊。
コペルニクス会談
の女王ディアナの呼びかけにより開催された会議。命名は開催場所である、月面の自由都市コペルニクスより。スパロボのクロスオーバーを最大限にまで引き出したイベント。
オペレーション・クルセイダー
第一次多元戦争

ゲーム中データ

分類 記事
全話一覧 全話一覧/Z
隠し要素 隠し要素/Z
精神コマンド 精神コマンド/Z
強化パーツ 強化パーツ/Z
特殊能力 特殊能力/Z
特殊技能
(特殊スキル)
特殊技能/Z
メカ&キャラクターリスト メカ&キャラクターリスト/Z
その他オプション オプション/Z

商品情報

ゲーム本体

スーパーロボット大戦Zスペシャルディスク

攻略本

サントラ

話題まとめ

http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write-ex1/2008/05/20080508.html#190000
参戦作品一覧に、スクリーンショットが乗っていたので、ちらちらと見ていたら
http://computer.cre.jp/irc/game/2008/06/20080630.html#030000
トップに来ているキャッチコピーは「多元世紀元年 僕らの世界は崩壊した…」
http://computer.cre.jp/irc/game/2008/08/20080809.html#070000
公式サイトでオリジナルキャラクターの公開が始まってた。

脚注

  1. アスキー・メディアワークス『電撃スパロボ!』Vol.9、104頁。
  2. エンターブレイン『スーパーロボット大戦Z パーフェクトバイブル』588頁。
  3. アニキの魂が注入された「スーパーロボット大戦感謝祭2008」は真っ赤に燃えた (1/2) 2020年12月20日閲覧。
  4. エンターブレイン『スーパーロボット大戦Z パーフェクトバイブル』589頁。

資料リンク

スーパーロボット大戦Z
公式