シュラン・オペル
シュラン・オペルは『スーパーロボット大戦Z』の登場人物。
シュラン・オペル | |
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登場作品 | |
声優 | 松本吉朗(現:松本ヨシロウ) |
初登場SRW | スーパーロボット大戦Z |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
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種族 | 地球人 |
性別 | 男 |
年齢 | 20歳代 |
所属組織 | 新地球連邦軍 |
所属部隊 |
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役職 | 隊長 |
軍階級 | 大尉 |
趣味 | 情報戦 |
概要編集
カイメラ隊の二番隊隊長。情報工作を主な仕事とし、UNの情報を操作してZEUTHの同士討ちを起こさせた張本人。戦闘においては蛇を模した機体カオス・アングイスに搭乗して戦う。
眼鏡をかけた外観からも分かるとおり冷静沈着な性格で、感情に流される事を嫌う。情報戦を趣味として、相手がもがき苦しむ面を楽しんでいる。乗機の特徴と合わせて同僚のツィーネ・エスピオからは「露悪趣味」の烙印を押されている(口には出さないが)。
同僚であるレーベンの直情的な性格を軽蔑するような発言が見られたが、心の底ではそのレーベンの人柄に惹かれており、ZEUTHとの決戦において彼の死をきっかけにその想いを爆発させ、そして同時に今までの冷静さが自分の中の諦めを隠すためのポーズだというのも暴露する。
自らの住む世界が不安定な多元世界と化したことで、自身が生きていることも含めた何もかもが信じられなくなったらしく、未来への希望を持たず、自らの趣味に耽り、戦いに身をさらすことで生きる実感を求める、刹那的な人間となってしまったらしい(そのため、エーデルが世界の支配者になることについてさほど関心を抱いていない)。同時に、感情のままに生きる人間を「知性が無い」と見下す一方で羨んでもいた。そんな彼にとってエーデルを愚直なまでに信じるレーベンの存在は、バカにすべきものであると同時に唯一つの希望であったようである。普段は冷静沈着を装いながらも、本当は繊細な弱い心の持ち主であったのかもしれない。
最期は、レーベンへの想いを口にしながら散っていったが、シュランが先に倒された場合はレーベンを愚弄していた部分も爆発させてしまう。また、レーベンが先に死亡した場合は、心の支えとなっていた彼を失ったショックからか、殆ど死に場所を求めるかのような有様となっている。
敵として出てきた当初は、レーベンに比べると普通の悪役といった感じで印象にも残らないのだが、前述のイベントによって一気にプレイヤー(とZEUTH)を唖然とさせた。しかし、実はシュランやレーベルは、元から狂的な言動を見せるような人物では無かったらしく、元は真っ当な人物であった所、ジ・エーデル・ベルナルが身につけている隊員証等に施した「細工」が原因で、内側に抑圧された「感情」が暴走するよう仕向けられていたとされている。レーベンの死を目の当たりにした直後の唐突過ぎるとも言える「変貌」も、おそらくこれによるものと思われ、その点を踏まえると、シュランやレーベンもまた、ジ・エーデルの悪意に振り回されて命を落とした哀れな犠牲者であったのかもしれない。
登場作品と役柄編集
Zシリーズ編集
- スーパーロボット大戦Z
- 初登場作品。担当声優の松本氏はスパロボ初出演。
- 最初の頃は各地平定に力を注いでいた。レーベンと共にZEUTHに戦線布告し、遂に敵対関係となる。乗機のカオス・アングイスと隊長効果に「射撃武器の攻撃力+10%」を持ち、カイメラでは一番手ごわい相手。最終決戦時にレーベンから倒すと悲しみの精神コマンドを使用してくる。
- スーパーロボット大戦Zスペシャルディスク
- レーベンと共に013特命部隊に配備され、シュロウガと対峙する。レーベンと共に行動できることが嬉しいらしく、事の黒幕である黒のカリスマに感謝していた。
パイロットステータス編集
能力値編集
突出して高い能力も、低い能力もない、「可もなく不可も無く」と言った無難なバランスに収まっているが、カオス・アングイスの凶悪過ぎるMAP兵器がそれを補って余りある。ZSPDではその「ナノ・ポイズン・ブレイク」が使えないため、遠距離からの全体攻撃が仕事となる。
精神コマンド編集
特殊スキル編集
- Z
- 援護攻撃L4、カウンターL9、Eセーブ、見切り、集束攻撃、精神耐性→気力限界突破
- 気力限界突破は人格崩壊後に差し替えられる。SPDでは援護攻撃・カウンター・見切りのみとなっている。ALL攻撃が主力らしい取り揃えだが、防御技能がほとんど無く脆い。
- なお、搭乗機がオールキャンセラー(難易度が低い場合は対精神攻撃)を持つので、どの道P系特殊効果は通用しない。
隊長効果編集
- 射撃攻撃のダメージ+10%、クリティカル率+10%
- 『Z』で採用。射撃系のパイロットとしてはわりとメジャーなタイプの能力。順当に強い。
人間関係編集
- レーベン・ゲネラール
- カイメラ隊一番隊隊長。同僚で親友と思われているが、彼はそれを嫌っていた。しかし、その一方で彼の生き方に強く惹かれていた。
- ツィーネ・エスピオ
- カイメラ隊三番隊隊長。彼の趣味を嫌っていた。なお、黒のカリスマと共に連れ添っていた。
- エーデル・ベルナル
- 上司。実力を発揮できる場を与えられていたため、彼女には感謝していた。
- ジエー・ベイベル
- カイメラ隊の技術顧問。
- 黒のカリスマ
- 彼の情報戦を支えた人物。しかし、その正体は……。
- アサキム・ドーウィン
- 目的を同じくする協力者であり、少なからずカイメラの戦力や技術を引き渡した様子である。一方、対主人公の戦闘セリフではアサキムがスフィアを手にすることを危惧している節がある。
- ランド・トラビス
- 彼の暑苦しさには流されている様子。
- セツコ・オハラ
- アサキムから事を聞かされたようで、興味を持っている様子。
版権作品との人間関係編集
- ティファ・アディール
- レーベンの死によって爆発したシュランの感情を、真っ先に感受する。
- シン・アスカ
- レーベンの死によって感情を爆発させ、「何かに縋らないと生きていけない」自身の弱い本性を露にしたシュランの姿にかつての自分の姿を重ねた。
- 神勝平
- シュランの本性にドン引きしまくっており、シュランの戦死時には「最期まで気持ち悪い奴だったな…」とコメント。
- クワトロ・バジーナ
- シュランの戦死時にドン引きしていた周囲と異なり、シュランが内に抱えていた苦悩等について、少なからず理解を示していた。
名(迷)台詞編集
戦闘台詞編集
- 「蛇蝎の如く……それが私だ」
- 戦闘開始台詞。蛇蝎は嫌われ者の代名詞なので、自信持って言う台詞ではないだろうが。
- 「私はレーベンと違う…感情に溺れる事はない…」
「レーベン……君なら、こういう時は何と言うのだろうな……」 - 戦闘時の台詞。しかし、裏表問わずとにかくレーベンの名を出してくる事が多い。
- 「苦しみは、なるべく与えないでやろう」
「葬送の旋律を奏でよう」 - ギガ・ヴァイパー・アブソープ使用時の台詞。
- 「悲しみか…。そういった感情に溺れてみたいものだ」
- セツコと対峙した際の台詞。しかし、レーベンを失うことで悲しみから彼の感情が爆発することとなるが。
- 「目障りな男だ。見れば見るほど、暑苦しい」
- ランドとの戦闘台詞。カイメラにとっても暑苦しいらしい。
- 「レーベン…ああ…レーベン!!」
「レーベン、僕は戦うよ! 僕は君になるんだ!」
「レーベン…君はまぶし過ぎたよ!」
「レーベン…僕は…僕は…君だよ!」
「レーベン…! 僕は…ずっとずっと…君になりたかった!」
「待っていて、レーベン! すぐに君の側に行くよ!」 - たった1話の短い間で、レーベンに負けるとも劣らないインパクトをプレイヤーに残した。なおこのバージョンでは以上の台詞しか喋らない。字面だけでもすさまじいが、ゲーム上では更にこの状態専用の顔グラフィックと松本ヨシロウ氏の怪演も合わさり、なんとも言えない混沌とした雰囲気を醸し出している。
- 「ああ…レーベン…。これで君にまた会える…」
- 上記の状態で撃墜された時の台詞。どこぞの少年パイロットの断末魔にどことなく似ている。
シナリオ・インターミッション編集
- 「ジエー博士は見てくれと性格と行動と思考様式と生まれと育ちと話法は奇天烈だが、腕は確かだ」
- 第31話セツコ編「絆が生むもの」クリア後デモで、ジエー博士がバルゴラの強化改造を申し出た際、あまりにも変態性の強いジエーに不安を覚えたZEUTHの仲間達はセツコに断るよう口々に勧めるのだが、それに対するシュランのフォローがこの台詞。問題要素ばかりなのでシンでなくても、「心配になりますよ、それじゃ!」と言いたくなる。言った本人は至って冷静な表情と口調なのが妙に笑える。
- 「スカンジナビア王国の反乱の鎮圧、ファンスィの独立戦争への介入、サイド1の反政府運動の弾圧…彼らが異星人やザフトを相手にしている間、我々は退屈な任務をこなしてきた」
- 第59話セツコ編「黒の世界」orランド編「塗りつぶされる明日」より、カイメラが裏で何をしてきたかをレーベンと共に語る。ZEUTHのような強敵がいなかったからだろうが、仮にも軍人という立場でありながらこれらを「退屈な任務」と言い切る辺り、カイメラが民衆をどう思っているかが伺い知れる。
- なお、スカンジナビア王国は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』、ファンスィは『超時空世紀オーガス』に登場する国家である。サイド1は30バンチ、もしくはZシリーズでは登場作品の参戦が実現しなかったもののシャングリラ関連だったのであろうか。
- 「愚者に自由を与えても、その重さに潰されるだけだ。人間は自由であるように呪われている…。高名な哲学者も言っている」
- 59話より。真実を世界に伝えようとするZEUTHに対して、かつてのスパロボでも使われたJ・P・サルトルの言葉で反論した。
- もっとも、この格言はサンドマンの指摘通り「人間は自由に生きるしかない」事を示した実存主義に基づいたものであり、サルトルは決して自由を否定しているわけではない。確かに「自身の意思による行動に重責は伴う」という意味はあるが、シュランの場合は「呪い」と表現した事に着目して曲解しているに過ぎない。
- レーベン「脱出しろ、シュラン! 後は俺がやる!」
シュラン「…そうやって君は私を見下すのか!?」
レーベン「何を言っている、シュラン!?」
シュラン「私はシュラン・オペルだ! 君ごときの指図は受けない!」
レーベン「どうしたんだ、シュラン! 俺はレーベンだぞ! お前の親友のレーベンだ!」
シュラン「そう思っているのは君だけだ」 - 59話より、最終決戦でシュランが先に倒されたときの会話。レーベンが先に倒された場合と違い、レーベンを愚弄していた部分も爆発させており、手を差し伸べてきた彼を突っぱねた。当然、その直後に自身を親友と信じていたレーベンの激怒を招いてしまう。
- 「そうだよ、レーベン…。そうやって君は感情のままに生きてくれ」
「今、わかったよ…。君の愚直さを軽蔑しながら、どうして君から離れられなかったか…」
「僕は君になりたかった…。君の事を軽蔑しながら、僕は君に憧れていた…」 - 上の会話の後にレーベンが激怒した直後の台詞。一度はレーベンを否定したものの、内心では彼を軽蔑しながらも直情的な性格に惹かれていたことを死の間際にレーベンに暴露して戦場に散ってしまう。上述でシュランに激怒したレーベンも本心を打ち明けた彼の死を悲しんでいた。
- 「あんなものは自分の中の諦めを隠すためのポーズだよ」
「だって、仕方ないだろう?こんな滅茶苦茶な世界で何を信じて生きていけばいい?」
「だから、僕は何も信じなかった。いや、信じる事が怖かった…。いつかは全てが壊れてしまいそうで…」
「そして、レーベンに心惹かれた…。彼の真っ直ぐな想いに…」 - 59話で本性を表したシュランに対して「冷徹な顔は見せかけだったのか」と驚く主人公に答え、多元世界への諦めを暴露する。
- 「こんな世界に正義も悪もない。信じた事が正しい事なんだよ」
「だから、レーベン…。僕は君になるよ」
「こいつらを倒して、僕は君になるんだ!!」 - レーベンが先に倒されていた場合はさらにこう言い切り、レーベンの後を追わんとしてZEUTHに襲い掛かる。ここからシュランの顔グラフィックも何故か恍惚な表情に変化する。
- この後に精神コマンドが発動するが、よりにもよって覚醒が発動するので色々な意味でプレイヤーは度肝を抜かれた事だろう。一応レーベンの場合も同じ精神コマンドが発動するが。
- 「フフフ…アハハハハハハハ! レーベン! 僕は…僕はね! 君になりたかったんだよっ!!」
- 最期の台詞。どこぞの生体CPUの断末魔にどことなく似ている。
- 「精鋭部隊と言えば聞こえはいいが、所詮は上の都合で動く駒だ…だが、この任務には感謝する。フフ…楽しませてもらおう」
- 『ZSPD』アナザーサイドレコード第1話「発令」に於ける初戦闘時に発生する戦闘前会話。後々、二転三転する上層部からの命令に翻弄される事となる「013特命部隊」の苦闘振りを予見しつつ、討伐任務をゲーム感覚で悦しむ。
- (エーデル准将の理想のために君は命を差し出す覚悟がある…レーベン…君のその純粋さは僕にとって甘い毒だよ…)
- 『ZSPD』アナザーサイドレコード第3話「迷走」に於ける初戦闘時に発生する戦闘前会話。都合レーベンと小隊を組む可能性が高い訳だが、いつも一人悶々としているのだろうか…。
- シュラン「我々は軍人です。与えられた命令を遂行する際にその意味を問う必要はありません」
ネオ「そうは言うがな、大尉…軍人といえど人間だ。自分の行為の意味ぐらい知りたくなる」
シュラン「そうでしょうか?このような先も見えない混沌の世界で意味を求める事こそ無意味です。それは果てのない苦行のようなものです。私はそのようなものは否定します」 - 『ZSPD』アナザーサイドレコード第4話「意味」より。自分達の行動の意義を問うネオとの返答。軍人としては全く正しい考え方なのだが、後半の台詞を噛み砕くと「己で考えることを放棄した」ということになる。シュランもまた、フランやカイ言う所の「ロスト・シンドローム」に罹患していたのだろうか…。