ドラグーン
ドラグーン | |
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外国語表記 | Dragoon[1] |
登場作品 | 機甲戦記ドラグナー |
初登場SRW | スーパーロボット大戦A |
SRWでの分類 | 機体 |
スペック | |
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分類 | メタルアーマー |
生産形態 | 量産機 |
型式番号 | MBD-1A |
頭頂高 | 17.3 m |
運行自重 | 79.2 t |
最大発進重量 | 116.8 t |
動力 | IHI-301型 超小型核融合炉 |
出力 |
28万ポンド(ドライ) 34万ポンド(CMP) ※アフターバーナー使用時8万ポンドをプラス |
最大戦闘出力維持時間 | 46秒(MAX)【回復時間 CMP≦5 2秒~CMP=46 12秒】 |
出力・重量比 |
1.199(ドライ) 1.798(CMP) |
メインノズル数 | 3 |
アポジモーター数 | 17 |
最高速度 |
M0.98/SL(海面速度) M1.47(32,000フィート) |
航続距離 |
2,920ノーチカルマイル (5,408 km) |
装甲 | トリプルハードニス型ヘビーコーティング |
装甲厚 | MAX250 mm |
探知装置 | イメージセンサー TAS14型 |
ハードポイント数 |
2 (ハイペロード総量:17.5 t) |
開発者 | ラング・プラート |
所属 | 地球連合軍 |
乗員人数 | 1名 |
主なパイロット | ジェームス・C・ダグラス |
概要
モビルスーツでいうところの「ジム」的存在であるが、地球連合軍とギガノス帝国の戦争の中盤以降にて地球各地の戦線へ投入され、その形勢を大きく覆す役目を果たす事になる。
機体概要
ギガノス帝国から地球連合へ亡命したラング・プラート博士の協力によって、彼が亡命と共に持ち込んだドラグナー1型・ドラグナー2型・ドラグナー3型(所謂『D兵器』)を元に開発された。近~中距離戦闘を得意とする1型、中~遠距離戦闘を得意とする2型、電子線を得意とする3型それぞれの性能を統合・発展させた設計となっており、外見上の類似点からも、3機の中でも特に汎用性が高いと言える1型の影響が強く反映している。また、過去には1型に設計思想を同じくする外付け装備キャバリアー0型が存在したが、本機はキャバリアーに依存することなく単独で設計思想を実現した。
設計開始時は、まだD兵器の実戦データがロクに取れていない状態であった為、やはり開発は難航する事になっていた様だが、D兵器が様々な戦いを経験していった事で刻々ともたらされる事になる実戦データを可能な限り反映させる形で改良を重ねていき、量産試作機である『YMBD-1』が完成。一ヶ月のテスト運用を経て最終仕様を確定させ、中国の重慶基地で量産が開始される事になった。開発から実戦配備まで、実に半年という異例な短期間で成功させているが、それだけ地球連合軍がメタルアーマーの配備を切望していた事に加え、メタルアーマーの生みの親であるプラート博士の開発協力も大きな理由となっていると言える。なお、本機の製造において利用されている機器類等に関しては、性能や設計上に関して問題の無い物以外ではギガノス製のメタルアーマーと共通化しており、これによって地球上のギガノスの生産拠点を地球連合軍が制圧した後、拠点に余計な費用や時間の掛かる「手入れ」をせず、即座に本機に転用可能なパーツが生産出来るようにしている。更に本機のパーツの大半は、試作機であるD兵器とも共通化しており、これによって本機のパーツはD兵器の修復等にも容易に利用出来る様になっており、D兵器の改修時においても本機に使用されている新規設計部品が採用されている[2]。
1~3型のデータを基に良い所取りした機体であるが故に試作機よりも強い量産機という、珍しく現実的な演出がなされた機体である。ただし、実際は搭載コンピュータの差からか、砲撃戦や電子戦も出来る1型というポジションといった所で、作中ではその1型も、ドラグーン登場後にすぐドラグナー1型カスタムに大改修された為、結果としてこの点は実感しにくい。本機はあくまでも多目的性を重視して開発が行われており、2型を想起させる武装である460mmレールキャノンは、あくまでも「火力強化の為のオプション装備の一つ」という立ち位置で、標準装備として扱われてはおらず、作戦内容によって邪魔にしかならない場合は容易に取り外しを行う事も可能。こういった設計には、「本機のみで機動性重視、砲撃戦重視への仕様を容易に可能とする事で、余計な派生機の設計や開発によって生産ラインへ無駄な負荷を掛けてしまうというリスクを最小限に抑える」という狙いがあった。ちなみに、搭載コンピュータは未熟なパイロットでも性能を生かせるようサポート方面に手厚い物となっている。
なお、本機の開発完了後、地球連合軍では「先進戦略メタルアーマー開発計画」…通称「ATMA(Advanced Tactical Metal Armor)計画」という次世代メタルアーマーの開発プランが立ち上げられており、これによって試作機である3機の「D兵器」の設計思想へと回帰・反映させた機体が開発されている。本編にこそ登場していないものの、ATMA計画によって開発された機体として、1型に反映した「ドラグーン戦闘型」、2型に反映した「ドラグーン攻撃型」、3型に反映した「ドラグーン偵察型」といった機体が確認されている。
名称の「ドラグーン」は英語で『竜騎兵』を指し、試作機の「ドラグナー」の方はドイツ語で『竜騎兵』を指しているため、語源を同じくしている。
劇中の様相
重慶基地にて初めてその存在が確認され、模擬戦でも原型となったD兵器以上のスペックを発揮。主人公達の乗るD兵器を苦戦させたものの、先述のD兵器の強化、主人公たちや敵パイロットとの経験の差、そして何よりメタ的に言ってしまえば脇役機体であった為、(TV画面上では)お約束通りの味方側のやられメカとなってしまった。特にヤム少佐(SRW未登場)率いるドラグーン部隊がグン・ジェム隊(というよりもグン・ジェム一人)と交戦した際は部下は全滅。ヤム少佐の搭乗機も大破するという有様であった。しかし、先述のような状況はグン・ジェム隊という熟練パイロット達で構成された部隊と、相手が悪すぎたのもあり、中にはドラグナー用の光子バズーカ輸送時、グン・ジェム隊の襲撃から同武装を守りきって意地を見せた部隊もある。また、グン・ジェム隊との戦いでタップ・オセアノとライト・ニューマンが一時使用し、グン・ジェム隊への反撃の嚆矢として十分な活躍を見せた(対決・名場面の項目を参照)。
その後、本格的に実戦投入が行われてからは、中米戦線、エジプト戦線、ソロモン戦線、北米戦線、マジノ戦線、奥アジア戦線、南太平洋戦線といった世界各地のギガノスとの戦いで多大な戦果を挙げていき、ストーリー全体で見るとケーン・ワカバらドラグナー遊撃隊の活躍の影で、各地でギガノス軍を駆逐して地球上のミリタリーバランスを覆し、連合軍を勝利に導いた立役者的機体でもある。
終盤ではジェームス・C・ダグラス大尉とベン・ルーニー軍曹が搭乗、最終回では開発者であるラング・プラート博士がマイヨ・プラートの元へ向かう為に搭乗した。
登場作品と操縦者
基本的に連合兵(多くは連邦兵表記)がパイロットのNPCとして登場する。味方として登場しても敵として登場しても原作通りやられメカの域を出ないが、原作を反映してか機体性能がそれなりに良いことが多く、一般兵搭乗機でもジムなどに比べると多少は強いことが多い。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A
- 初登場作品。量産型ゲシュペンストMk-IIと連邦の主力機として競合関係になり、「こちら側」では採用されているがシャドウミラーのいた世界では不採用になっている。
- 地上ルート11話「恐怖!無限機動砲」or「シークレット・ウェポン」で初登場するが、解説が入った直後に無限機動砲で全機消滅するという、ある意味派手なデビューを飾る。その後、共通ルートではケーラ初登場時の僚機(NPC)として登場。その後もシャドウミラー等に鹵獲されたであろう機体が敵として少数登場する他、ガイゾックによってパイロットが人間爆弾に改造された機体が自爆させられたりと、各種イベントや会話等でも度々登場するので出番は多いが、味方ユニットとしては一機も入手出来ない。
- 「あちら側」では連邦軍の正規兵が搭乗したドラグナーの試作機が十分なデータを取れないまま撃墜されたため、求められたスペックに到達せず、「人型機動兵器として理想の形」に到ったゲシュペンストとの生産競争に敗北した経緯がある。「こちら側」ではシャドウミラーの裏工作で生産ラインを操作された事によって量産化されたが、彼ら最大の誤算として「こちら側」の試作パイロットとなった民間兵のケーン・タップ・ライトが予想外の戦果を立てた事で「あちら側」を上回る完成度になってしまい裏目に出てしまう。
- ユニット能力は作中で言及される通りドラグナー3機より全て上、飛行も可能でEWAC(大)とジャマーも常備、そして距離を選ばない各種武装を備えており、もしもMSパイロットが乗れる機体として味方登録でもされていれば、充分主力運用出来るスペックを秘めているが、NPC時に乗っている連邦兵(今回に限りガンダム世界の連邦兵が使用)の能力があまりに低い為に碌にダメージが与えられない上にすぐに撃墜される、敵として出てきた時には周囲のユニットに比べて耐久力が低いのですぐに落とせてしまう、あげくは各種イベントにてやられ役としてまとめて破壊される事が多く、どうにも弱いという印象しか持たれない悲運の機体(原作通り、と言われればそれまでだが……)。一方で位置取りが良かった場合、ガルンロールなどのミサイルをジャマーで無効化し、しぶとく生き残るなど健闘を見せてくれることも。
- 味方NPC時はそれなりに資金泥棒、敵に回したときもなかなか当てづらく厄介なので必中を使った攻撃で手早く蹴散らしてしまいたい。
- スーパーロボット大戦A PORTABLE
- 命中の全体的な低さに加え、AIがEWACをしっかり利用するように位置取りするため、かなり避けて当てるようになっている。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX
- 途中から地球連邦軍の主力機となる。基本的にはかませ犬扱いであり、終盤ではネルフ攻撃のシナリオで敵として登場するが、アスカのほどよい経験値稼ぎにしか過ぎない弱さ。一部シナリオでは原作未搭乗だったケーンも含めたDチームが搭乗し専用台詞もあり。さらに数機が味方NPCとして戦ってくれる。基本的にはお約束のヤラレ役となるが、機体バランスの良さ故か(多少の運にも左右されるが)ザコへのほどよい削り役~数機落とす程度には活躍してくれる。
- レーザーソードがあるのでタップとライトに切り払いをさせることが出来るが、ドラグナーでは不可・搭乗期間の短さ(僅か数ターン)・対応した攻撃の少なさ、などから余程周回を積んだ場合のお遊びにしかならない。
- スーパーロボット大戦MX PORTABLE
- 追加シナリオ内でアクア用にDFCシステム[3]を搭載した機体が送られ、同仕様機にアクアが一時的に搭乗。残念ながら追加シナリオ限定で乗り換え不可。彼女は最初からガンファイトorインファイトを持っているためそこそこ強い。
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- ジム、ドールと共に中盤より地球連邦軍の主力機体となる。一般兵操縦でもそこそこの強さを発揮し、最終話でもサラミス改との連携でギルガザムネ一機くらいは片付けてくれる。
- NPCでの登場以外にも、中盤の34話サブシナリオを2回クリアすると、SRWでは初めて入手できる。3機いっぺんに入手できるが、なにぶん直前にドラグナーもカスタム化しているのでケーン達が乗り換えるのは趣味の範囲かも。とはいえEWACは便利なので細かく部隊分けする場合にはいいかもしれない。また、タップとライトのドラグナーや捕獲運用可能なギガノス製MAはまともな格闘武器がないので格闘エースを取得したい場合にも役に立つ。後でプラクティーズを乗せかえるのもアリだが、『XO』ではゲルフ3機に合体攻撃があるのでややこちらの立場が弱い。
装備・機能
武装・必殺武器
- 10連デュアルミサイルポッド
- 両翼に装備されたミサイルランチャー。
- 460mmレールキャノン KGX-9型
- 右肩に装備された1門のキャノン砲。発射速度毎分240発、携行弾数120発。徹甲弾・爆裂弾・プラズマ化弾を装填可能。追加オプションであり取り外す事もできる。
- 当機の武装では最長射程かつ最高威力のため、NPC時は主にこの武装が使われることが多い。
- 55.6mmハンドレールガン LPS22型
- 基本武装となる手持ち式レールガン。発射速度毎分2200発、携行弾数810発。徹甲弾・爆裂弾を装填可能。
- 迫兵戦用レーザーソード
- 接近戦用の非実体剣。左腰に1本のみ装備。互換性があるのか他機体でも使用はでき、撃破されたドラグーンからドラグナー2型カスタムおよびドラグナー3型が本武装を拾って使用したこともある。
- D-1のレーザーソードと異なり連結してツインソード形態にならないからか、SRWでは他の多くの斬撃武器と同様の射程1。
特殊能力
- 剣装備
- 切り払いを発動する。
- EWAC
- 全てのドラグーンがこの特殊能力を持つため、固まると補正により命中・回避が大幅に補正される。
- ジャマー
- ミサイルを無力化する。これにより生存能力が高く、NPCでも意外と生き残ることも。
移動タイプ
サイズ
- M
対決・名場面
- 連合軍、反撃開始
- 第28話より。本編中ではやられ役としての出番ばかり目立つドラグーンだが、この回ではダインやゲバイなど多数の敵MAを撃破し、各地の戦線で目覚ましい戦果を挙げているという姿が描かれている。進軍する多数の本機が敵を掃討する姿は、まるで悪役の機体を思わせる威圧感を発していた。
- 見たか、我らの必殺技!
- 第29話より。ドラグナー遊撃隊が総出のグン・ジェム隊にこっぴどく敗退、リンダまでもが誘拐されドラグナーも全機修理中という窮地に、一人無鉄砲に飛び出すケーンを見たタップとライトは、ドラグーンを無断拝借してケーンの救援に向かった。
- ガナンの第2中隊との戦闘に突入するも、ガンドーラ隊の機動力の前に苦戦させられるが、そのガンドーラのうち1機をケーンが生身で強奪するという荒業で形勢逆転。その勢いのまま、分離したドーラとの3機がかりでスタークドーラを拘束したまま空高く運んで地面に叩き落とすというこれまた無茶苦茶な戦法で勝利をもぎ取り、ドラグナーチームは前話での大敗の雪辱を晴らすことに成功する。ドラグーンが本編中の戦闘で目覚ましい活躍を見せつけた数少ない場面。
- なお、この攻撃はSRWではドラグナー3機での合体攻撃「恐怖のトリプルアタック」の元ネタとなっている。
関連機体
- ドラグナー1型カスタム、ドラグナー2型カスタム
- ドラグーン開発において使い切れなかった新技術を使い切る目的で、1型・2型を母体に大改修した機体。