リック・ディアス | |
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外国語表記 | Rick Dias[1] |
登場作品 | |
デザイン | 永野護 |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦 |
SRWでの分類 | 機体 |
スペック | |
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分類 | 攻撃用モビルスーツ |
生産形態 | 量産機 |
型式番号 | RMS-099 |
頭頂高 | 18.7m |
本体重量 | 32.2t |
全備重量 | 54.7t |
動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 1,833 kW |
スラスター推力 | 37,400 kg×2(後腰部) |
装甲材質 | ガンダリウムγ |
センサー有効半径 | 11,500m |
開発 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
所属 | エゥーゴ |
主なパイロット |
クワトロ・バジーナ アポリー・ベイ ロベルト アムロ・レイ |
概要
アナハイム・エレクトロニクス社が開発したエゥーゴ初のオリジナルモビルスーツ。
主に士官及びエースパイロットクラス用のモビルスーツとして運用される事になり、当初はクワトロ・バジーナ搭乗の機体のみが赤で、他の機体は黒を基調とした機体であったのだが、後に全ての機体が赤系統のカラーリングで統一される事になった。
機体概要
第2世代モビルスーツの代表的な存在の機体。本来の型式番号はMSA-099だが、地球連邦軍やティターンズの目からエゥーゴの動向を誤魔化す為に「RMS-099」とされている。開発に旧ジオン系の技術者が中心となっており、機体の設計ベースには一年戦争でジオン側の戦力として活躍したドム系統の最終生産型で、クワトロ・バジーナ大尉からアナハイム・エレクトロニクス社にもたらされたアクシズ製のモビルスーツ「ドワス改」を採用。それに当時星の屑作戦の為に歴史から抹消されてしまったアナハイム製ガンダム試作機のデータも反映した物となっている[2]。装甲材にはこれもまたアクシズで開発され、クワトロによりサンプルが提供された新素材「ガンダリウムγ(ガンマ)」を使用し、これとアクシズのガザ系機体のブロック構造から発展させた機体構造である「ブロックビルドアップ構造」によって、既存の装甲材と同程度の強度が数分の1の厚さで得られる事で大幅な軽量化に成功。また、プロペラント積載量の飛躍的な増加も実現させ、ドム系と同じくジオン製モビルスーツであるゲルググ系等で採用されていたスカート部等にメインスラスターを配するスタイルを採用している。更に背部にはアナハイム製ガンダム試作機のデータを基にしたプロペラントタンク兼AMBAC作動肢である「ランダム・バインダー」、武装を積み込んだ上に行使できるライドレーザーラックが装備されており、本機の運動性を向上させつつ重装備の両立を可能としている。このバインダーは取り外す事でシールドや投擲武装として使う事も出来、高い機動性を誇る。特徴的なガザ系のスタイルを踏襲した頭部モノアイは機体前面の状況を把握しつつ、広角・魚眼レンズ的な視覚補正を行って全天周囲モニターに投影できる高性能さを有し、更にモノアイをレールで動かす必要が無い為に整備性にも優れる。コクピットブロックが胴体ではなく首の位置にあるのも特徴で、胴体に直撃してもコクピットが射出され、従来のMSと比べ生存率が高い…と思いきや、少なくともアニメ本編では実際に脱出できた描写はエマ・シーンだけ。他のリックディアスは全て胴体を撃ち抜かれ、脱出が間に合わずその爆発にコクピットブロックごと巻き込まれパイロットは戦死してしまっている為、結局は他のモビルスーツと生存性は変わらない物と言える。
グリプス戦役の本格的な開戦前より、当時の最新鋭機であるガンダムMk-IIと比べても互角と言われる程の優れた性能を有しており、Mk-II開発を行った技術者であるフランクリン・ビダン大尉本人でさえも、本機の方を高く評価している程[3]で、グリプス戦役の終盤時においてもティターンズの新鋭モビルスーツとも対等に渡り合っている。しかし、この様に高性能な機体でありながらも生産コストが高めである為か、後に新規開発されたネモの方が優先的に量産され、本機はあくまでも士官及びエースパイロット用の機体として少数のみが量産されるに止まっている。また、劇中当初は赤い機体と一般の黒い機体が存在しており、赤い機体である先行量産型は、クワトロ・バジーナ専用機として多少の仕様の変更とチューンナップが施されており、若干程度だが性能は高めとされている。当初のエゥーゴはゲリラ的な活動をメインに行っていた為、その性質上から目立たない黒色に塗っていたが、グリーンノアの一件以降、ティターンズとの正面衝突に移行した為、機体を隠匿する必要が無くなり、クワトロ機の赤いカラーリングが兵士に好評だった事もあって、後に大半の機体がカラーリングを黒から赤に変更しているが[4]黒のままの機体も有った。なお、後に地上に残されたリック・ディアスの一機は、地上戦に特化したカスタマイズが行われ、ディジェとして生まれ変わる事になっている。
グリプス戦役終結後となる第1次ネオ・ジオン抗争時は、多数のエースパイロットが戦死及び戦線離脱してしまった事も重なってか、その姿が確認される事は無くなったのだが、後に本機の正当発展型としてシュツルム・ディアスが開発されている。ただし、この機体の一部は、開発を行ったアナハイム側の諸事情によって、エゥーゴと敵対するネオ・ジオンに、壊滅したティターンズで運用されていたモビルスーツと共に裏取引で渡ってしまっている。
機体名については、旧ジオン軍で宇宙用の機体を意味する「リック」と、南アフリカの喜望峰を発見した15世紀のポルトガルの航海者「バーソロミュー・ディアス」にちなんだ[5]もの。装甲材にガンダリウムγを採用した事から開発時はブレックス・フォーラ准将から「ガンマガンダム」のコードネームを与えられていたが、クワトロがドムの正常進化的な外見の機体には「ガンダム」呼称が相応しくないと感じ、改めて提案した機体名に刷新されたという設定である。
劇中での様相
劇中序盤より活躍し、赤い機体にクワトロが、黒い機体にはアポリー・ベイ、ロベルトの二人が搭乗する。グリーンノアの一件後、クワトロ機は後にカミーユ・ビダンの身勝手な行動が原因でエゥーゴに身を寄せていたフランクリンが強奪。アレキサンドリアに持ち帰ろうとした際に流れ弾に当たってしまう形で大破した。劇場版では艦砲射撃に巻き込まれて撃墜されている。
クワトロが新たに百式を乗機にした後は、黒いカラーリングであったアポリーとロベルトの機体もクワトロ機と同じ赤いカラーリングで再塗装された上で、地球のジャブロー攻略戦に参加しており、宇宙に残ったエマもまた本機に搭乗する形で戦闘に参加している。ジャブロー自爆後のケネディ宇宙港における戦いでは、シャトルによる宇宙への脱出を阻止すべく現れた地球連邦軍のブラン・ブルターク少佐率いる部隊を相手にロベルト機が奮戦するも、ブランのアッシマーの機動性に翻弄された末に撃破され、ロベルトも戦死した。その後、ヒッコリーにおける二度目のシャトルによる宇宙への脱出作戦時は、アポリーが地球へ残していた機体にカラバに参加する形で再起したアムロ・レイが搭乗。カツ・コバヤシをクワトロの乗るシャトルに送り届けた後、カミーユの搭乗するMk-IIの窮地を救うべく、ブランの搭乗するアッシマーを相手に奮戦し、最終的に撃破する形でその復活劇を大きく飾った。その後も元・アポリー機はそのままアムロの搭乗機として運用されており、後に地上戦に特化した彼の専用機としてのカスタマイズが行われてディジェとして生まれ変わり、運用され続けていく事になる。
グリプス戦役の終盤時は、アーガマに多数の同型機が新規に配備されており、アポリーが隊長として率いるリック・ディアス隊が結成されている。しかし、激化していく戦いの中でリック・ディアス隊の機体は次々と失われていく事になり、アポリーの搭乗する機体もまた、ゼダンの門を巡る戦いの中で、ジェリド・メサの搭乗するバイアランの攻撃からファ・ユイリィの搭乗するメタスを庇う形で撃破され、アポリーも戦死する事になっている。
その後、リック・ディアス隊が全滅したか否かは明らかになっていないが、第1次ネオ・ジオン抗争の序盤において、アーガマの格納庫で1カット機体が登場した点からも、僅かに生き残りがいた事が推察出来る。しかし、エゥーゴの戦力が壊滅状態となり、その後のネオ・ジオンとの戦いではジュドー・アーシタのΖΖガンダムを中心とするガンダム・チームが主力になった事もあってか、戦闘では登場しなかった[6]。
リギルド・センチュリー(『Gのレコンギスタ』)の時代においては「クラシックコレクション」として博物館にレプリカが保管されている。
登場作品と操縦者
赤い機体は『第3次』から登場していたが、黒い機体は遅れての参戦となった。
SRWでは赤い機体は通常機よりも性能が高くなっている事が多い。
旧シリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦
- 初登場作品。アポリーとロベルトが赤い機体に乗っている。実は彼らを仲間にしなくても1機手に入る。参入は序盤の終わり頃だが性能的にはネモ以上ジェガン未満といった所。もう少し入手が早ければ活躍の機会は増えたかもしれないが、正直なところ中途半端なタイミングでの加入である。黒い機体は旧シリーズ自体に登場しない。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- リアル系第1話からクワトロ機の赤とアポリー・ロベルト機の黒が登場。赤の方がバルカンの威力が僅かに高い以外に性能差は無い。元々の能力がパッとしない上に宇宙ではバズーカが宇宙Bのためあまり火力が出ず、地上では機体が陸Bのため全体的にパワーダウンとかなり微妙な性能。早い段階から2軍落ちは免れないが、バイストン・ウェルルートを通る際にはバズーカのおかげで他のMSより少しは優位に立てるかもしれない。
- スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- 赤は黒よりも武器の命中補正が高く、精神コマンドを気軽に使えない序盤では重宝する。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 黒のみバザーで流通する。他の量産型と同様に武器改造の効率が非常に良く、僅かの差ではあるが火力は他の量産型を上回る。だが、同時期に同価格で出回るガンイージ共々、少し遅れて出回るほぼ同価格のガンブラスターに総合的に見て負けているため今一つ影が薄いか。
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 原作通りにアポリーやロベルトが黒に乗っている。単機での全体攻撃がないために標準以下の性能になっている上、射程のあるP武器がトライチャージを除き、バルカンしかないため小隊長には果てしなく不向き(赤はサーベルに射程がある)。クレイバズーカが結構攻撃力があるので小隊員としては使いやすいが、VPS装甲には注意。赤いリック・ディアスと比べると性能は劣る。
- 赤はセツコ編でクワトロが最初に乗っている機体(ランドの場合、初登場の時点で既にエマ機になっている)。また、アムロが仲間になる時に黒Mk-IIのフラグが立ってない場合に乗ってくる機体でもある。黒い方と同様に単機での全体攻撃が無い為に標準以下の性能になっており、アムロがこれに乗ってきた場合、撃墜数が関わるディジェの入手にも手間がかかる。
- ただ、黒い方と比較して若干性能が高く、何よりP武器のビーム・サーベルが射程1~2(黒い方は1)なので強化パーツで補強すれば小隊長も何とかやれるのが救い。また、トライチャージにP属性があるのも長所。黒い方にも言えるがクレイバズーカが結構攻撃力があるので小隊員としては使いやすい。しかし、VPS装甲を持つコズミック・イラ製GUNDAMには注意すること。何気にクワトロ機とアムロ機でビーム・ピストルの弾数が異なる(クワトロ機の方が一発多い)。黒いMk-IIの条件が満たせず、ディジェが欲しい場合はガリアルートを通った場合はアムロをクワトロ機に乗せかえると良い(太平洋ルートだと、アムロ機は2段階改造されているので、こっちの方が使いやすい)。
- 第2次スーパーロボット大戦Z(破界篇 / 再世篇)
- 赤が百式の「モビルスーツ隊連携攻撃」で登場。アポリーとロベルトが乗っている。
COMPACTシリーズ
- スーパーロボット大戦IMPACT
- 赤はエマ機として第2部最初から、黒は隠しとして登場。基本性能は低めだが改造可能段階は高い。が、将来性の高いガンダム試作1号機FbやMAP兵器のある百式と比べるとイマイチ中途半端。シールドが無いため耐久面にも不安がある。
Scramble Commanderシリーズ
単独作品
- スーパーロボット大戦X-Ω
- C・Rのディフェンダー。アポリー搭乗機が登場する。
関連作品
装備・機能
武装・必殺武器
基本装備
- 2連装バルカン・ファランクス
- 頭頂部に内蔵されている近接防御兵装。使用時はカバーを開く。
- ランダム・バインダー
- 背部のライドレーザーラックに二つ搭載している推進器とAMBAC可動肢を兼ねる部品。取り外して質量武器やシールドとして使用可能[7]。
- ロベルトがこれを片方投げつけ、ライドレーザーラックに固定されたビームピストルで起爆させハイザックを撃墜するという離れ業を見せている。
- SRWでは武装としても盾としても未実装。
- 多目的ランチャー
- 指の付け根にあるマルチプルディスチャージャー。トリモチやダミーバルーン等を発射可能。SRW未実装。
- ビームサーベル
- 背部ライドレーザーラック下部に1本マウントしている。
- 『X-Ω』ではディフェンダータイプの通常攻撃に採用。
- BP-L-86ビームピストル
- 背部ライドレーザーラックに2つマウントされている小型のビームライフル。手に持たずに背部マウント状態のまま発射する事もできるため、後方迎撃用にも使用される。
- 『Z』ではトライチャージ用武器。二丁拳銃で乱射する。『X-Ω』ではシュータータイプの通常攻撃に採用。
- AE/ZIM.C-BAZ-531 300mmクレイバズーカ
- 本機の主兵装。敵の内部メカの破壊を想定し、粘着榴弾の使用を前提としたバズーカ。弾数は7+1発。バックパックにマウント可能。
- 『Z』では同高度の地形では単発だが空対地や地対空など違う高度には連発するという演出の違いがある。単発版では発射寸前に肩のバーニアで姿勢制御するなど芸が細かい。
- 『X-Ω』では必殺スキルに採用。
オプション装備
- ビームライフル
- 元々はガルバルディβの武装であるが、当時の一部設定資料で本機の標準ビーム火器として設定されており劇中でも携行シーンが見られる。SRWではビームピストルとの差異がほとんど無い事も有って未実装。
- ミサイルポッド
- 肩の上部にマウントする。打ち尽くした後はパージを行う。『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』で使用。
SRWでの武装
- ハンドグレネード
- 『CB』版の『第3次』で装備。P属性で有射程だが、そもそも本機を一軍で起用する機会が皆無であるため使用機会は非常に少ないと思われる。
- 実装意図は不明だが、上記のランダム・バインダーの投擲攻撃の代用、という見方も出来る。映像作品では上記のミサイルポッドと共に『UCE』で使用され、サイドスカート内に格納されている様子が描かれている。
特殊能力
- 剣装備
- 切り払いを発動。
移動タイプ
サイズ
- M
対決・名場面
関連機体
強化型・バリエーション機
- シュツルム・ディアス
- 背部バインダーを大型のものに換装した強襲用強化型。
- ディジェ
- リック・ディアスを改修した陸戦型。
- リック・ディアスII(SRW未登場)
- エース専用機として開発された発展型。
- スーパーディアス(SRW未登場)
- 追加装備のDディフェンサーを装備した試作機。
関連機
余談
脚注
- ↑ Mobile Suit、機動戦士Ζガンダム、2022年2月4日閲覧。
- ↑ アナハイム製ガンダムであるガンダム試作2号機もまた、ドムの設計思想を参考に開発された機体である為、機体のコンセプトが十分に噛み合った物となっている
- ↑ ガンダムMk-IIは「連邦系の技術のみで開発する」という条件を無理矢理付けさせられて開発したと言う裏があり、連邦側の虚栄心に付き合わされてジオニックの技術を一切利用出来ない自由度の無さから開発担当を行ったフランクリンにしてみれば、駄作以外の何物でも無かったと言える。事実、グリプス戦役の終盤期には、モビルスーツ性能向上・発展の急激なインフレ化が進んだ結果、Mk-IIの方は技術系統を問わずに開発されたリック・ディアスと異なって一年も満たずに旧式化してしまっている。
- ↑ これは当時、日本サンライズ内に赤インクの在庫が多かった為でもある。
- ↑ 劇中でクワトロがディアスの名前を出した理由は「エゥーゴの活動も折り返し点まで到達したことを象徴する機体という意味でディアスの名にあやかった」「単に言葉のゴロがいいから」と、メディアによって理由は違う。
- ↑ メタ的には「モノアイのMSは敵側だけにした方が視聴者には判り易い」という事情からであり、メタスの出番が序盤だけだったり、シュツルム・ディアスがネオ・ジオンに譲渡されたのも同様である。『Ζガンダム』の前期OPでは敵機であるはずのハイザックやガルバルディβと並んで巡航するカットがあるなど、製作サイドの混乱も伺わせる。
- ↑ ほんの一瞬だが、本編でもシールドとして使っている場面がある。
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