シュバルツ・バルト

2014年12月14日 (日) 01:18時点における210.169.126.178 (トーク)による版

シュバルツ・バルト(Schwaltz Walt)

本名は「マイクル・ゼーバッハ」と言い、元々はパラダイム社の新聞記者であったが、その仕事に対する使命感が彼を暴走させ、真実を求める男「シュバルツ・バルト」へと変貌させてしまった。

真実を追い求め、「40年前のパラダイムシティに何が起きたのか」を独自に調査し、数多のメモリーを得ることに成功するが、逆に狂気に取り付かれる。その際にマイクル・ゼーバッハの名を捨てる。地下に秘密を求め、ビッグ・シリーズのアーキタイプ(原型)を発掘。その時負った火傷を隠すため、全身を包帯で覆っている。その後、真実を追い求めた末にザ・ビッグの一体、ビッグ・デュオを発見する。短期間でビッグ・デュオを乗りこなし、ロジャーの乗るビッグ・オーを圧倒するだけの操縦技量を持つ。40年前の真実を知らしめるべく、度重なる破壊活動を展開。ロジャーと対峙することとなる。

Act:12で再登場した時、マイクル・ゼーバッハは既に死んでいるとAct:17にてエンジェルの口から語られているが、その後も亡霊のように幾度となく作中に姿を見せる。
漫画版では死ぬ前からビッグ・オーを通じて幾度か心に語りかける。それどころかビッグ・オー無しでも何故かお互いに感知できる。

登場作品と役柄

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
ナカグロなしの「シュバルツバルト」名義。黒歴史の真実を追い求め、幾度となくロジャーの前に姿を現す。技能は優秀な物が占めており、少し苦戦する。『D』同様、原作の枠を超えた活躍を見せている。最期はヘブンズベースに出現し、ZEUTHと交戦して撃墜され、自らの役割は果たしたとして散る。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
まさかの再登場。相変わらず世界の真実を垣間見る立ち位置にいるらしく、32話ではメモリーを失ったロジャーに失望する様が見られる。
カットインが新たに書き下ろされた。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦D
ルイーナメリオルエッセと共に登場する。本作では南極調査隊のメンバーであったことがエンジェルの口から語られる。原作未見のプレイヤーからはオリジナルキャラと間違えられそうな程、ルイーナと雰囲気が溶け込んでいる。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

『D』では回避が異様に低い以外はそこそこの高水準に纏まっている。真価はビッグ・デュオに乗り換えてからだが、いかんせん出番が少なく、2度目の登場は「クライシス・ポイント」となり、そこで退場するため今一つ強さが感じられない。

『Z』でも概ね似たような能力だが、出番が多い分能力も高く、特に技量の高さと「見切り」の効果でクリティカルを連発して来る。

精神コマンド

Z
祝福直感鉄壁かく乱

特殊技能(特殊スキル)

スーパーロボット大戦D
援護攻撃L2、底力L8
シュバルツに限らず、本作では大ボス以外は技能が平凡で、固有以外だと「底力」「援護攻撃・防御」以外には防御技能くらいしか持っていない(例外はドゥカー・イクグラキエース)。
Z
底力L8、カウンターL5、見切りSP回復精神耐性気力限界突破
中々豪勢なラインナップだがビッグ・デュオとは微妙にかみ合わない。SP回復を持っているのは真実に踏み込んだがゆえか?
時獄篇
底力L7、気力+(ダメージ)、ガード戦意高揚精神耐性気力限界突破
Zとは打って変わって防御型。

小隊長能力(隊長効果)

Z
命中率+20%

エースボーナス

HP50%以下で、自軍フェイズ開始時に「かく乱」を使用

人間関係

ロジャー・スミス
シュバルツは真実、すなわち過去と現在を繋げようとする者であるのに対し、ロジャーは現在と未来を繋げようとする者であると、根本的な考えが真逆である。
アラン・ゲイブリエル
幻影となって彼に死を宣告した。

他作品との人間関係

ルイーナメリオルエッセ
前述の通り『D』では彼らと行動を共にしており、常に彼らと共に出現する(最初に接触したのはコンターギオ)。
ランド・トラビスセツコ・オハラ
Z』の序盤から遭遇し、彼らにも意味深な言葉を問いかける。
ロラン・セアックゲイナー・サンガアポロ
『Z』においてロジャーと同じく黒歴史に纏わる機体を駆る者達。彼らにも非常に意味深な言葉を投げかける。
メダイユ公
『Z』では彼の許も訪れていた。
独眼鬼
『Z』では彼の正体を暴くのに一役買った。
破嵐万丈
ZSPDでは彼を「日輪の子」と独自の表現で呼称し、「闇」に固執した持論の数々を展開する。

名台詞

THE ビッグオー

「たとえ、40年前に起きた何かがなくとも、人というものは闇を恐れる存在である事に変わりは無いはずだ」
「人は、その恐れから目を背け、自らの歴史の記憶すらも、その存在が無かったことのように振舞っている…」
「人は、過去の記憶を断ち切って生きていけるものだろうか?」
「自己の立つ場所が、いったいいつから、どこから繋がっているのかも知らずに…」
Act:04、マイクル・ゼーバッハがシュバルツ・バルトに変貌する前の記述の一部。
この独白と共に映し出される廃墟の様子、特に冒頭部の台詞で壊れた線路の影にズームした後、静かに響く水滴の音が印象的。
「私は、新聞記者として生きてきた。真実を掘り出して記事を書く…しかし、この街では、真実など新聞記者ごときが触れられるものではない事がよくわかった。それに、本当に知らなければならない真実は、この街の誰も知ろうとしていない。私は知りたい! 知らなければならない事を…!」
同じくAct:04より、ゼーバッハの記述。
パラダイム社の依頼でかつてゼーバッハのいたアパートに向かうロジャー。彼の姿と共に、シティの地下深くに向かうゼーバッハの姿が映し出された後、数多くの煙草の吸殻がある灰皿、紙コップ、資料、万年筆の多く置かれた書斎の場面に移る。
だが、ロジャーが彼のこの原稿を読み上げた後、ガソリンが撒かれ、彼の書斎も、記事も、何もかもが炎に包まれてしまう……
シュバルツ「この街に飼われた、腐った犬よ!」
ロジャー「マイクル・ゼーバッハか!?」
シュバルツ「マイクル・ゼーバッハはもうこの世から消えた。飼い主にはそう伝えたまえ!」
ロジャー「では、君の名前は何だ…?」
シュバルツ「シュバルツ・バルト、とでもしておこうか!」
ロジャー「黒い森…」
シュバルツ「飼い主に報告するがいい。もう心配せずとも、哀れな新聞記者は二度とこの街に現れないとな! フハハハハ…フハーッハッハッハッハ…!!」
Act:04より、マイクル・ゼーバッハの名を捨て、シュバルツ・バルトとしてロジャーと初対面した時の掛け合い。
「フフフ…見えるぞ、ロジャー・スミス。お前の驚く顔が…だが本当の衝撃は、メインステージまでお預けだ!」
Act:12より。キャノン・パーティを受けた後、包帯が焼かれたマミー真の姿を曝け出し、空へと消える。シュバルツのこの台詞の通り、ビッグ・オーに酷似したその姿にロジャーはただ驚愕するのだった。
「これがお前の守ろうとしている、この腐った街の現実だ」
ビッグ・デュオと共に消えたシュバルツはパラダイムの仮面舞踏会サークルに潜んでいた。
彼はマミーの正体=ビッグ・デュオの顔パーツを意識した白と黒の左右非対称の仮面を着け、酒と肉をむさぼり、欲望の赴くまま踊り狂うメンバーをこれ見よがしに突きつける。その挑発に構わず、ロジャーは自身の目的である交渉を行う。
「ドームという偽りの空など、この世界には不要なのだ。40年前、この世界に起こった真実を、全ての人間は知らねばならない。それを、これからこの私が行うのだ! ビッグ・デュオを使って!!」
アレックスからの退職金を燃やした後、シュバルツは自身の目的をロジャーに告げる。この台詞を言い終えた後、仮面をつけたメンバー全員が苦しみだし、発火現象を引き起こした仮面が舞踏会を炎に包みこんだ。
「フッ、現れたな。もう一つのザ・ビッグ!」
「私の力…ビッグ・デュオの力を思い知らせてやる! ザ・ビッグは二つはいらない!!」
「ディッヒ・デュオ! エスギプト・ショウ・ツァイト!!」
ビッグ・デュオでビッグ・オーと対峙した時に。
3行目の台詞はドイツ語で、英語に直すと「ビッグ・デュオ! イッツ・ショータイム!!」
「同じだ…あの時と…!」
「お前達は…主を必要としないのか? それとも、主を選ぶのか? ロジャー・スミス…」
頭部、右腕部、胸部を失ったビッグ・デュオ。ビッグ・オーが止めを刺そうとした瞬間、コックピットの計器が光りビッグ・デュオはシュバルツ・バルトの手を離れて暴走。やがて、アレックスのいるパラダイム社に手を伸ばし停止する。その光景にシュバルツはただ言葉を失うのだった…。

THE ビッグオー 2nd SEASON

「40年前の記憶を失ったのは、この街の人間ばかりではなかったのだ。地下に眠るメモリーの断片を求めて来る、異国の者達もまた…」
Act:14冒頭、地下深くの水路と思わしき場所で顔を覆う包帯を取り去り、タイプを打つ時に。
「真実を知ろうとする事は罪悪だろうか?」
「目覚めよ! そして知ることを恐れるな!」
TV版のAct:17にてパラダイムシティにばら撒かれたビラの文面より。彼は「私は知るためにこの世界に在る。そして私はその探求によって得たものを、遍くこの世界に還元するべき存在だ」と称し、パラダイムシティに暮らす人々にも真実を追い求めるよう呼びかけた。彼を突き動かす信念が読み取れる。
「思考する事を止めた人間は、存在する価値のない生き物だ。考えよ! 二つの世界に分けられた人々よ! 今のような人同士の隔たりが、これからも永遠に続く事を望むのでないならば…!!」
――署名 『シュバルツ・バルト』
Act:17より、東の砂漠と共に被さるビラの文面。そこにはかつて遊園地だったと思わしき廃墟があった。この独白と共に、それを目の当たりにしたシュバルツに謎の怪物が襲い掛かる…。
(真実を追い求める者…それがこの街にただ一人しかいないなど、おかしな事だとは思わないか…?)
Act:17より、ドーム外の砂漠にかぶさる独白。この独白と共に、砂漠に記されたシュバルツの足跡が砂塵と共に消えてゆく。
(真実…それを探求する者は、この世界、この小さな世界を支配しうるという錯覚に、いつしか取り憑かれる)
(若き日のゴードン・ローズウォーターが表した、未完の小説に描かれている、人類終末の日々…)
(神の力を操る愚かな人間…)
Act:24より、ゴードンが記録したという40年前のメモリーについて。
(メガデウスはドミュナスを選ぶ…)
(人の愚かさと、機械の愚かさを共に持つ者よ…)
(人が創りし神の力……御するに足る資格、真実の一つに到達しうる者…)
(お前はそうではない!!)
Act:24、狂気の赴くままビッグデュオ・インフェルノを操るアラン・ゲイブリエルの前に現れたシュバルツの幻影。
そして4行目の台詞と共に"YE GUILTY"(汝、罪人なり)の文字がディスプレイに浮かび、コックピットから露出したいくつものコードがアランの肉体を飲み込んでいった…。
Z』ではアラン撃墜後に幻影として現れた際に2行目以降の台詞をそのまま採用。その後コックピット内部の表現を行わず、シュバルツの幻影自らが(汝、罪あり…)と締めている。
(この世界を構成し、感覚的存在と化した巨人達は、現在、鎖に繋がれて、この世界の中に生きているように思われるが、実はこの世界の生命の原因、全ての活動の源である)
(しかし、鎖とは勢力を制する力しかない。虚弱にして凡俗な心の英知である)
Act:25、シュバルツのこの独白と共に偽りの主であるアランを取り込んだビッグデュオ・インフェルノは、ただ空高く飛んでいく。
(私は、捜し求めていた真実のメモリーを直に手にする事ができる。私は見当違いをしていたのだ。真実のメモリーとは…)
Act:25より。真実を求めるシュバルツの意志は、ビッグデュオ・インフェルノをパラダイムシティ上空へと進ませていく。その果てに見たものとは……
(パラダイムシティ…大いなる虚飾の舞台…その上にあって、愚かな人間の過ちを見つめていたのは、神ではなく、この打ち捨てられた装置でしかなかった!)
(ハハハ…これは、喜劇だ。私が求めていたのは、真実のメモリーとは…!!)
Act:25、ビッグデュオ・インフェルノに宿るシュバルツの意志が見たもの……それは「パラダイムシティそのものが、何者かによって造られた演劇の舞台である」という衝撃的かつ喜劇的なまでの真実だった(この直後、ビッグデュオ・インフェルノはパラダイムシティに設置された舞台照明に激突、機体もろとも爆発四散した)。

漫画版

「知りたいだろ? ロジャー・スミス、お前も私も同じだ、失ったモノを知りたがっている」
漫画版にて。ロジャーがメモリーの中の女性を思い出せずに居た時、彼の心の中で語る。

スパロボシリーズの名台詞

「”破滅”こそが私がかいまみることができた、真実だからだよ」
「そう、それこそが、人という愚かな生き物が行き着く先なのだ」
『D』でルイーナと共に登場した時の台詞。
「ドームという偽りの空など、この世界には不要なのだ。全ての人間は真実を知らねばならない。それを、これからこの私が行うのだ」
「このビッグデュオを使って!」
「ビッグデュオ! エスギプト・ショウ・ツァイト!」
『Z』の共通ルート11話「パラダイム・シフト」より。1stの名台詞の再現だが、なぜかコールが『ディッヒ・デュオ』ではなく「ビッグデュオ」になっている。
「そして、人は知る。若き日のゴードン・ローズウォーターが著した小説に描かれた人類終末の日々……」
「そして、全てをやり直すために執行者が目覚める」
『Z』「キープ・オン・ムービン」での去り際。黒歴史に取りつかれただけあってエグゼクターのことも掴んでいたようだ。
「闇…人が原初より恐れる存在。全てを飲み込む始原…」
「人はその恐れから目を背け、自らの歴史の記憶すらも、その存在が無かった事のように振る舞っている」
「だが、そこに真実がある!いや…闇そのものが真実」
ZSPDで、万丈からの糾弾をはぐらかすかのように展開した「闇」についての持論だが、もとよりシュバルツの話に耳を傾けるつもりなど無い彼からは冷たく一蹴される事に。
「よかろう、日輪の子よ!君が光で闇を照らせると思うのならやってみせるがいい!」
「私は君を討つ事によって、その思い上がりを正してやろう!このビッグデュオでな!」
ダイターン3を召喚し、自身の主張を「妄言」と斬り捨てた万丈からの挑戦を受けて立つ。
「日輪の子よ!何をも恐れぬ不遜さこそが、君の最も唾棄すべき点だ!」
「では、私が君に教えよう!この世界の真実…永劫の闇の恐ろしさを!」
ダイターンとの戦闘前会話。闇への扇動者たるシュバルツからの怨嗟の声も、日輪の輝きを放つ万丈のポリシーを揺るがせるまでには至らなかった。
「炎に包まれる世界……そしてザ・ビッグ……」
「残念だよ。まさか君が、真実から目を背けるとはな……」
「だが、偽りの平穏はまもなく終わる! 真実は暴かれ、そして再び炎が世界を覆うのだ!」
『時獄篇』第32話「忘却の霧の中」にて、メモリーを失ったロジャーを前にしての独白。黒歴史に踏み込み、世界の真実を知ったシュバルツは、果たしてその目に何を映しているのだろうか? なんにしても、それが「真実」であることだけは疑いようがないが。
「そう。スタートである君が目覚めることで歯車は回り始め、それはやがて真実へと至る……」
時獄篇33話「Roger the Negotiator」にて葵に対して。シンカへと至る封印は解除する順番があり、それが例の終末予言の順番らしい(「獣の血」⇒「水の交わり」⇒「風の行き先」⇒「火の文明」⇒「太陽の輝き」)。
「ほう、欠片を持つ者もいるか」
「君は恐怖を乗り越えられるとでもいうつもりかね」
時獄篇33話にてヒビキに対して。この時点でのヒビキはリアクターではなかったが、にもかかわらず「欠片を持つ者」と呼ばれる理由は不明。
「その二つの質問に一言で答えよう」
シャア・アズナブル
「おっと…言葉は正確に使おう。この核の冬は、シャア・アズナブルの一人がやったのだよ」
「君達はその答えを知っているはずだ。そう…月の記録者から、彼の本来の行いを知らされただろう?」
「The Show Must GO On」において。ここでいう二つの質問とはがドームの外にいる理由と、そこに広がる光景のこと。
「フン…新聞記者に明日の記事は書けんよ。ここから先の真実は、君が自分の目で確かめてくれ」
「さらばだ、ロジャー・スミス! 君のネゴシエイションで未来を築くのだな!」
『時獄篇』第53話「永遠という幻想」におけるシュバルツ撃破後の台詞。自分が見た真実は「過去」のものであると認めた新聞記者は、未来の真実がどうなるかネゴシエイターに委ねて光の中へ消えた…。

余談

  • シュバルツバルトとはドイツ語で「黒い森」を意味する。漫画版の対談で内容を知ることが出来るが、片山一良氏によると「ヨーロッパ人の心の中にあるトラウマのようなもので、森を征服したい欲求と森に対する恐怖の葛藤のこと」だそうである。
  • 誤解され易いが、シュバルツのモデルはミイラ男ではなく透明人間。
  • 最後の登場回となるAct:25ではギャグ補正など一切無しで、物語の登場人物のまま「製作者や視聴者側からしか見れないもの(パラダイムシティ上空に設置された舞台照明)を見る行為を行う」という希有な立場に付いている。