D.O.M.E.は『機動新世紀ガンダムX』の登場人物。

D.O.M.E.
読み ドーム
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 光岡湧太郎
初登場SRW スーパーロボット大戦α外伝
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プロフィール
種族 地球人(意識体)
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概要編集

Depths Of Mind Elevating」の略称。マイクロウェーブ送信施設の中枢。そして、その中枢であるD.O.M.E.に組み込まれた(『ガンダムX』の世界における)人類初のニュータイプでもある。序盤から何度かティファ・アディールと交信し、終盤ではその存在が語られている。登場時は既に意識体になっている。

人類初のニュータイプであったD.O.M.E.は、その存在を宇宙革命軍に利用される事を恐れた旧連邦により、遺伝子レベルまで分解され、その情報をD.O.M.E.建設の際にシステムに組み込んだ。それによりビットモビルスーツによる迎撃システムやサテライトシステムの制御等を行った物と思われるが、それを設計した連邦はD.O.M.E.そのものは死んだと思っていたようである。

幾度にも渡る宇宙革命軍の接触を全てビットMSで撃退したが、ティファに呼びかけてD.O.M.E.へと導き、ティファの意思により関係者を「真実を知るべき者」として召集し、ニュータイプにこだわった各人を説き伏せた。

最終的には月面施設上空で起こったサテライトキャノンとサテライトランチャーの撃ち合いの末に、フロスト兄弟とその機体と共に施設が全壊したため、D.O.M.E.も消滅したものと思われる。

登場作品と役柄編集

αシリーズ編集

スーパーロボット大戦α外伝
初登場作品。黒歴史の眠る場所にもなっている。進入には月の女王ニュータイプが必要。目覚める際にティファの他、シャクティと感応するイベントもある。目覚めた際には、「サイキッカーサイコドライバーも幻想でしかない」との台詞もある。護衛にD.O.M.E.Gビットの他に、量産型ヒュッケバインMk-II量産型グルンガスト弐式も出現するが、彼が操っているかは不明。

Zシリーズ編集

スーパーロボット大戦Z
『α外伝』同様、黒歴史の眠る場所にもなっている。何故か自分を「僕達」と複数形で呼び、複数のニュータイプの意思が交じり合ったかのような描写がなされているが、詳細は不明(『天獄篇』では「ワイズマンに似ている」とキリコが評しており、疑似的な真化を目指したものと推察される)。
なお、『α外伝』や『R』では宇宙世紀ニュータイプに配慮しているのか、NTに関する結論を割と濁したものにしていたのに対し、今回はニュータイプ論提唱者の息子の目の前でバッサリと切り捨てている(この時、アムロが慌てて「自分たちの世界の事ではない」とクワトロをなだめている)。一応、「大切なのは信じる事」と後に言っている。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
直接の登場はないが、今作において『Z』世界のD.O.M.E.の建造に平行世界ジ・エーデル・ベルナルの誰かが関わっていたのではないかとエルガンが推測している。ただし関わっていたのは『Z』に登場したジ・エーデルではないと思われる。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
『ガンダムX』自体が参戦していないため、「月の記録者」とぼかした表現をされている。終盤、『Z』において語られたシャアが本来行っていたはずの最悪の未来フロンタルによって引き起こされそうになる。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
『Z』において語られた黒歴史の更なる奥底を知るために再び訪れる事になる。ヒディアーズ誕生の経緯やガルガンティア船団の本来の目的が説明された。また、ヴェーダにアクセスして世界の情報を収集していた事や、ヴェーダが同様の目的で作られたシステムであったが故にADWでもサテライトキャノンが使用できた事も明かされた。
しかし、月光蝶により文明が衰退せざるを得なかった理由やラプラスの箱の真実等を語ろうとした矢先、ミカゲの襲撃により施設が破壊され、D.O.M.E.の意志は消滅してしまった。
今作ではキャラクター事典に登録される。

携帯機シリーズ編集

スーパーロボット大戦R
デュミナスとの接触があり、彼の依頼を受けてビットMSでコロニーレーザーを破壊。また、月面施設はデビルガンダムの巣窟となっている。

人間関係編集

ティファ・アディール
何度かの交信を経て、最終的に力と真実とを求めたティファに応えて、月面の施設へと導いた。人々にニュータイプと呼ばれ自らの力に戸惑うティファに対し、ニュータイプという言葉を捨てろと助言した。
フィクス・ブラッドマン
ティファの希望により、真実を知るべき者としてビットMSを操り月面の施設へと誘導した。「ニュータイプを利用しようとした者」として、その意見を否定した。
ザイデル・ラッソ
ティファの希望により、真実を知るべき者としてビットMSを操り月面の施設へと誘導した。「ニュータイプを神と崇める者」として、それは幻想であると否定した。
ジャミル・ニート
ティファの希望により、真実を知るべき者としてビットMSを操り月面の施設へと誘導した。「先の大戦で自分がニュータイプとして見た刻と未来は何だったのか」と問われ、「どんな未来もそれを現実にする意思と行動が無ければ無意味」と答え、ジャミルの心の枷を取り払った。
ガロード・ラン
ティファの予見した未来を悉く変えてきた彼を「新しい時代を作る力」の例として挙げた。

他作品との人間関係編集

ガンダムシリーズ編集

ディアナ・ソレル
α外伝』や『Z』では、彼女によって封印を解かれる事になる。
アムロ・レイ
クワトロ・バジーナら他のニュータイプ共々彼と接触、彼の語るニュータイプ論を受け入れることになる。

スーパー系編集

トワノ・ミカゲ
天獄篇』では、彼の襲撃により施設が破壊されてしまい、D.O.M.E.の意志が消滅してしまう。

リアル系編集

レドエイミーピニオンラケージ
『第3次Z天獄篇』では、彼らにガルガンティア船団誕生の経緯と、ヒディアーズの正体を教える。
ワイズマン
『第3次Z天獄篇』では、機械に精神を移し、永遠を得た者として同質の存在とされている。

バンプレストオリジナル編集

デュミナス
『R』では彼の依頼でダリア作戦用のコロニーレーザーを破壊する。本人はデュミナスを「善悪がない純粋な存在」「悪意はないのだが、創造主に自分の存在を否定された事がきっかけでおかしくなってしまった」と評している。
ジ・エーデル・ベルナル
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇』では、どこかの世界のジ・エーデルがD.O.M.E.建設に携わっていたのだろうと、エルガンは推測していた。

名台詞編集

「私はD.O.M.E.…かつてニュータイプと呼ばれた者」
第38話タイトル。ティファの呼びかけに応じてD.O.M.E.が集めた、真実を知るべき者たちに向けて発した言葉。
「戦争か、よくも飽きずに続けるものだ。ニュータイプを神と等しく崇拝する者。封印し、力を利用しようとする者。かつて力を持っていた者。みんなそれぞれにニュータイプという言葉を捉えている。そしてそれがまた、次の戦争の引き金となろうとしている。でもそれは、ある意味では仕方がない事かもしれない。僕らはニュータイプという幻想で繋がった世代なのだから」
「人を超えた力と、人の革新とは別の事なんだ」
「かつて、僕らは全ての価値観を失っていた。道を示すべき大人達は沈黙し、平和と豊かさの中で、僕たちは何かを求め続けていた。そんな時代に戦争が起こり、やがて僕が生まれた。僕になぜ力があったのか? それは僕自身にもわからない。人が言うように、時代が生んだ突然変異だったのかもしれない。だが僕は道を見失った人たちにとって、新しい価値観となってしまった。それが、ニュータイプという言葉だった。僕の終わりと共に、ニュータイプという言葉も消えるべきだった。けれどもそれに囚われてしまった人々は、その次を求めてしまった」
D.O.M.Eが語る、ニュータイプについての真相。特に「道を示すべき大人達は沈黙し~」という部分が、今にも通じることのような気がするのは気のせいだろうか?
「その心の強さが君に未来を変える力を与えたんだ。そして、それは戦争を知らない世代に共通した希望の光だ。古い時代に左右されず、新しい時代を生きる力がある」
ティファの予言を覆し続けてきたガロードに対して。
「そう、全ては幻だ。たとえどんな未来が見えたとしても、それを現実にしようとしない限り、それは手には入らないのだから…」
「『ニュータイプ』を求めて旅をする時代は、もう終わったんだよ。そして君たちは新しい未来を作っていかなければならない」
ジャミルの、「自分が見た未来は幻だったのか?」という問いに対する答え。ガンダムXの主題である。

スパロボシリーズの名台詞編集

「私はD.O.M.E.…黒歴史を封印する者」
α外伝』における上記の言葉のアレンジ。
「私はD.O.M.E.…。かつてニュータイプと呼ばれた者達。そして、黒歴史を記録し、人類の行き先を観測する者…」
Z』における上記の言葉のアレンジ。
「純粋な心は、時として残酷なものだよ」
R』にてデュミナスを評して。
「シャア・アズナブル…僕の語ったニュータイプの意味は僕の主観に過ぎない」
「ニュータイプ主義者がそれを否定出来ないでいたのは彼らが呪縛に囚われていたためだ」
「それでいい。呪縛に囚われる事なく自分の信じた道を行く者こそ真のニュータイプなのだろう」
『Z』にて、自身のニュータイプ論に関してのクワトロへのフォロー。
「既に知ってのとおり、黒歴史と呼ばれる時代はシャア・アズナブルのアクシズ落としに端を発している」
「それにより地球は核の冬を迎えた。だが、それでも人類は戦争を止めなかった。それは人類同士の戦いだけではない。異星人を含む様々な外敵と人類は戦い続けた」
「そうだ。だが、そこに至るまでに人類は様々な方法で地球の環境回復を試みた。その一つがナノマシンによる海洋汚染の除去、通称、翠星蟲計画だ」
レド「それが残されの海のナノマシンか…」
「そうだ。そして、海洋環境の改善と調査のために造られた船の一つがガルガンティア号だ。彼らの使命は海洋で生活し、生命の母である海の環境を回復させることだった」
第3次Z天獄篇』第33話「黒歴史の闇」より、残されの海の真相について。
「そうせざるを得なかったと言うべきかも知れない」
「だが、月光蝶が発動する前に汚染された地球を捨て、銀河に新天地を求めた一団がいた。彼らはイボルバーを名乗り、環境に適応するために人為的に進化しようとした」
(中略)
「こうしてイボルバー…後にヒディアーズと呼ばれる人類は銀河へと旅立った。残った人類は環境が回復するまで、コロニーへ移住することを決めた」
「だが、その後も人類の意見は割れ、一部は強引に地球に降り、環境を調整されたドーム内での生活を選び…またある者は環境が回復するまで、比較的、汚染の少なかった高緯度などで生活することを選んだ」
同上。UCWにおける月光蝶発動後の顛末。
「月光蝶は当時の戦いを集結させるため、無差別とも言えるナノマシンの散布で文明を葬ろうとしたとされている」
「その側面があったのは事実だ。だが、隠された意図として人類は一度文明を捨てなければならなかったのだ」
「それこそがクロノの意思だ」
「その通りだ。それだけでなく、彼等は進化の萌芽としてニュータイプを恐れた。馬鹿げた話だが、彼らはその意味を知らず、ただ能力を持つ人間を進化の形だとしたのだろう」
「真実を知らない彼らは、図らずも私に、進化の形の一つである永遠を与えることになった」
月光蝶発動の目的。この後ラプラスの箱と月にあったものについて述べようとするが、ミカゲの介入により阻止され失敗。この真相は、後にイオリア・エルガン・サイアムの三者が用意していた計画によって暴かれることになる。
「悲しむ事はない、ティファ…。永遠に生き続ける事から、これで私も解放されるんだ…」
「死す事…それも生物に与えられた権利なんだよ」
「限りあるから生命は美しい…」
「私は自らの為すべき事を果たして…生命を終わらせる事が…出来る…。これは…幸せな…事…だ…よ……」
消滅する直前、ティファに対して。

余談編集

  • D.O.M.E.役の声優は、劇中ナレーションを務めている光岡湧太郎氏である。光岡氏はガンダムXのブルーレイボックスに収録されたインタビューで「『この作品は最初のニュータイプであるD.O.M.Eの目線で語られていて、その神様みたいな存在が最後に登場してガロードたちと会話をする』という展開であると意識して演技した」と回想している。
  • 当初、「D.O.M.E.は(『ガンダムX』の世界における)ファースト・ニュータイプである」事から、宇宙世紀作品におけるニュータイプの代表格であるアムロ・レイの声優である古谷徹氏を起用する案も有った。
    • しかし、「D.O.M.E.の声を古谷氏にすると、『ガンダムX』劇中の『ニュータイプ』という言葉に込めた意味が誤って伝わってしまう」という高松信司監督の意向により、光岡氏が担当する事になった。高松監督と脚本の川崎ヒロユキ氏は後年、光岡氏に決めたのは制作も中盤に差し掛かってからだったことを明らかにし「演出的にもつじつまが合っていたし、うまい落としどころだったと思う」と述べている。

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