トビア・アロナクス

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トビア・アロナクス(Tovia Alonax)

機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズの主人公

宇宙海賊クロスボーン・バンガードMSパイロット。活発で行動力に溢れた少年であり、高いニュータイプ素質を備えている。

交換留学生として木星圏を訪れていたが、そこで新生クロスボーン・バンガードと遭遇。木星帝国の存在とその危険性を知り、新生クロスボーン・バンガードに身を投じた。

参加当初は留学生としての身分を利用し、帝国への潜入工作に加わっているが、やがて適正を認められてモビルスーツパイロットとなった。木星帝国本拠地の急襲、地球近海での攻防、地球に降下してからの戦闘などで着実にパイロットしての技量を上げてゆく。木星戦役の終盤、ジュピトリス9への強襲やディビニダドによる地球破壊阻止などに活躍している。 木星戦役の後、キンケドゥ・ナウからX1を譲り受け、宇宙海賊クロスボーン・バンガードの活動を受け継ぎ、名実ともにキンケドゥに代わるクロスボーン・バンガードのエースパイロットとなる。

後年、ザンスカール戦争を舞台とした『ゴースト』(SRW未参戦)ではある事情から「カーティス・ロスコ」という偽名を用いている。

機械工学科の学生で元々作業用MSの免許を持っており、クロスボーン・バンガードに入る前、X1を相手にした初出撃時には「砲台代わりにはなる」といって出撃したが、X1のザンバスターの斬撃に諸共に切られたとはいえ咄嗟にビームサーベルを防御用に構えたりと、砲台どころかMSに対しての適性は高い。本来エースパイロット用と考えられていたX3を短期間で使いこなしていることや、地上に降下したあと、互いに不慣れな地上での戦いとはいえ数の上で不利なデスゲイルズを相手取った3対1の戦闘で互角に持ち込み、キンケドゥ・ナウが到着するまで持ち堪える等、ともかく適応力が抜群に高く「戦う度に強くなる」を地でいく主人公であった。また、『第2次α』のキャラ辞典における「追い詰められてからが強い」という解説はかなり的確である。ただし、本編最終話にてディビニダドに乗ったドゥガチが戦闘は素人であることから「おれでも……勝てるかもしれない!」と発言するなど、本人は自分の操縦技術はそこまで高くないと考えていたようだ。戦闘では、師匠にあたるキンケドゥ譲りの、正攻法に拘らないその場の状況を上手く利用した戦法を好んで使う(これは自分の操縦技術に自信を持っていないという点もある)。

優秀なニュータイプだが、本人は自身のニュータイプ能力をそこまで深く考えてはおらず、ニュータイプを集めようとするシェリンドン・ロナに対しては強く批判するなど、ニュータイプを至上とする主義には嫌悪を見せており、最終的には地球での体験から「ニュータイプは宇宙という環境に適応しただけのただの人間」「ニュータイプにならなければ人類が分かり合えないとは思わない」という結論を出している。

後のガンダム作品『機動戦士ガンダムSEED』のキラ同様、極力人を殺めないことを心がけているが「無理な場合は諦める」といった心の強さも持っている。また、『鋼鉄の7人』で理由を語るかなり以前の『機動戦士クロスボーン・ガンダム』本編序盤では、不殺を推奨するベラ・ロナに対して「それは偽善じゃないだろうか」と疑問視する場面がある。

ガンダムシリーズの主役級キャラには案外珍しく、搭乗するモビルスーツが何度も変わっており、成り行きや諸事情からバタラペズ・バタラなど、敵側のモビルスーツにも多数搭乗している。また、他のガンダム主人公と違い(あるいは兄貴分であるキンケドゥ同様)、家族と不仲でなかったことも特徴である(トビア自身の両親はトビアの幼い頃に事故で既に死亡しているが、コロニーの開発事業に従事していた両親をトビアが誇りに思っている節が見受けられ、両親を失ったトビアを引き取った親戚についても「自分を実の子と分け隔てなく、公平に接してくれた」と発言している)。

シェリンドンに何度も自分の元に来るようにと言われたり、番外編でトゥインクに懐かれたりと割と同年代の少女と縁があるのだが、トビア自身はベルナデット・ブリエット一筋の上、そういう状況になるとベルナデットは大抵不在なので特に修羅場になったりはしていない。

登場作品と役柄

αシリーズ

第2次スーパーロボット大戦α
ほぼ原作通りで、EDでも再び宇宙に上がることを決意している。ただし、初登場時の立場は木星への留学生ではなく火星への移植者である。X3が手に入るまでかなり間があり、その間に乗せる機体が本人の能力と合わせるとやや微妙なものが多いのが難点(リアル系はX2かペズ・バタラが無難か)。X3が原作とは違って壊れなかったために、EDでもX3をそのまま貰っている。他作品とはルートによるが、比較的ジュドーシャングリラ組と絡むシナリオが多く、またシャアと対決したときもニュータイプの素質を認められている。

単独作品

スーパーロボット大戦V
久々の参戦。カットインでのノーマルスーツが『スカルハート』及び『鋼鉄の7人』仕様で登場し、声も山口氏によって新録されている。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

X3に乗るための成長タイプ。格闘、防御、回避が高く、キンケドゥとは命中重視と回避重視の成長タイプで住み分けされている。
技量の低さだけはどうしようもないので、優秀な援護技能を活かすためにも連携攻撃を養成するといいだろう。

精神コマンド

第2次α
集中必中不屈気合熱血

特殊技能(特殊スキル)

第2次α
ニュータイプL8、援護攻撃L2、シールド防御L6

小隊長能力(隊長効果)

獲得経験値+20%、回避率+10%
第2次αでの能力。

パイロットBGM

「クロスボーン・ガンダム」

人間関係

ベルナデット・ブリエット
お互い大切な存在になる。当初はキンケドゥに惚れている様な描写もあった。
キンケドゥ・ナウ
兄貴分的な存在。トビアが最も尊敬している人物の1人と思われ、その生き様はトビアにしっかりと受け継がれる。
カラス
指導教官であったが、カラスが木星帝国のスパイであったため敵対することに。トビアの戦い方の中にはカラスが用いたものもある辺り、もう一人のトビアの師匠とも言える。
バーンズ・ガーンズバック
木星帝国の水素採集基地において顔を合わせ、彼から木星の惨状を聞かされる。後に死の旋風隊として敵対する。
『鋼鉄の7人』では協力を要請し、快く引き受けてもらえた。
ギリ・ガデューカ・アスピス
ベルナデットに失礼を働いた彼にブチギレる。
『鋼鉄の7人』では協力を要請し、口は悪いながらもなんだかんだで引き受けられた。また、トビアはコックになった彼の料理を褒めていた。
ローズマリー・ラズベリー
死の旋風隊の中では唯一特別な関わりがないが、『ゴースト』ではある場面でトビアの名前を出そうとして止められていた。
クラックス・ドゥガチ
最終決戦において、地球で激突する。
ハリソン・マディン
本編中では関わりがないが、『スカルハート』より腐れ縁的な関係となる。
シェリンドン・ロナ
ニュータイプとしての素質を見出し、トビアを保護しようとしたが、トビアは彼女の選民的な思想を拒んだ。
グレイ・ストーク
『スカルハート』に登場。木星と地球を往復するヘリウム船団のリーダー。第一次ネオ・ジオン抗争時代の旧型MSを改修した作業用MS「ガンプ」を使用する。
短編「最終兵士」において、トビアに木星帝国に奪われた過去のエースパイロットのデータの奪取を依頼する。その際、そのエースパイロットと過去に会ったことがあるかような様子を見せていたが、当人は否定している。
『鋼鉄の7人』時点では航路の途上に居たため「神の雷」計画に手出しができず、トビアの手助けが出来ない事を悔やんでいた。
彼についてはこちらの項目も参照のこと。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

ジュドー・アーシタ
共にシェリンドンに一時拘束される。なお、クロスボーンの後日談である『スカルハート』では彼らしき人物と遭遇している。
カツ・コバヤシ
彼からベラの焼いた「セシリーのパン」を勧められ、その美味さに驚嘆する。
シャア・アズナブル
第2次α』では敵同士。かつてのカミーユやジュドーと同様にニュータイプとしての素質を認められたが、トビア自身はシャアの暴挙を許せず否定した。

スーパー系

ギャリソン時田
第2次α』でカラスに襲われた際、サウザンスジュピターに潜入していた彼に窮地を救われた。

名台詞

「この戦いが宇宙に住む者スペースノイド地球に住む者アースノイドのどうしても避けることのできない戦いだと言うのなら…ぼくは――そんなこと認めないっ!」
「ぼくは――両親が信じた未来を信じます!」
「ぼくがこの手で!この戦いを終結させてそれを証明してみせるっ!」
イオ戦に臨むトビアの心中の台詞。
「俺は人間だ!人間でたくさんだっ!」
ニュータイプ至上主義者のシェリンドンに対して。この後、トビアはナイフで自分の腕を切りつけ、ニュータイプも人間であることを示す。
「ならば海賊らしく…頂いていく!」
エレゴレラに乗せられていたベルナデッドを救い出す際の台詞。
「神よ――もし、本当におられるのでしたら…」
「決着は“人間”の手でつけます。どうか手を――お貸しにならないで――」
最終決戦直前の台詞。
「あなたは、一日に10kmの山道を歩くことができますか?」
最終決戦前にシェリンドンに宛てた手紙の冒頭文。この後には、「宇宙育ちの自分たちから見れば一日でそれだけの距離を歩けるというのはとんでもない能力であり、「高い空間認識力」などのようなニュータイプ能力も「宇宙という環境に適応したことで得た能力」であって「人間」としては何も変わっていないのではないか」というトビアの考えが述べられている。
「ふ、ざ……けるなあああっ!」
「ふざけんじゃねえぞおっ! そんなわけのわからねえごたくで、これ以上人殺しなんかされて」
た・ま・る・かーっ!!
かつての恩師であったカラスの「人類の宇宙進出が敵対者を生み増やす」という暴論にぶち切れて。
「・」を多用する辺りが長谷川節である。
「安心したよっ!ドゥガチっ!あんた……まだ人間だっ」
「ニュータイプでも新しい人類でも…異星からの侵略者でもない!心の歪んだだけのただの人間だっ!」
本物のドゥガチが乗るディビニダドに対して。

迷台詞

「目にもの見せるは必殺奥義!加減なんかきかねえぞおー!!」
ゲーム「SDガンダム G GENERATION」シリーズでシャイニングガンダムに乗せ、シャイニングフィンガーを使わせた時の台詞。担当声優の山口勝平氏がサイ・サイシーを演じていることからくる声優ネタ
「決着は…神の手でつける!」
こちらはゴッドフィンガーを使わせた時。原作での感慨が色々と台無しである。

スパロボシリーズの名台詞

「こんな事して何になるんです! コロニーの人達が待っていた赤い彗星はただの人殺しなんですか!」
第2次α』第38話「星の屑、再び」に於けるシャアとの戦闘前会話。コロニー育ちのトビアにとってはシャアは待望した英雄であった筈で、シャアからもカミーユやジュドー同様にニュータイプの素質を認められるが、トビアの方はネオ・ジオンの総帥となったシャアのやり口を認める事は無く激怒する。
「イルイ、僕達には神の手助けなんて必要ないんだ!!」
「君が人類を…未来を地球に縛り付けると言うのなら、僕はそれを認める訳にはいかない!」
『第2次α』最終話に於けるイルイ説得時の台詞。手を貸すどころか管理しようとする『神』。トビアが認めるはずも無かった。

搭乗機体

劇中X2改を除くクロスボーン・ガンダムに搭乗した唯一の人物となっている。

バタラ
初遭遇のクロスボーンとの戦いで、X1と戦う。その後、鹵獲機による操縦の習熟や、水素採集基地からの脱出でも搭乗。
クロスボーン・ガンダムX1
一度だけキンケドゥに頼まれて操縦している。その後危機に陥った際にキンケドゥのコアファイターと自分のコアファイターを交換する形で入れ替わる。
クロスボーン・ガンダムX1改
破壊されたX3に代わり、キンケドゥから譲り受ける。
クロスボーン・ガンダムX1改・改
ゾンド・ゲー
木星帝国の本拠を探る作戦で、水素採集基地に向かう際、ブースターがついた物に乗っている。
クロスボーン・ガンダムX2
カラスによって、木星帝国に囚われた後余興として生身で戦わされる。その際に機転を利かせ奪還し、マザーバンガードに戻る際にコアファイターにブースターや酸素等を詰め込んで脱出する。第2次αでは本体とコアファイター同時に機体ごと奪還した(アラド編のみ無条件。ゼンガー・アイビス編は条件付き。クスハ編では手に入らない)。
ペズ・バタラ
クロスボーン入隊後は鹵獲されたこの機体を使っていた。バタラ同様敵である木星帝国製の機体ながらトビア搭乗機は彼の高い資質もあって出番・活躍共にそれなりに多く、実質的に前半の主人公機とも言えなくもない。
クロスボーン・ガンダムX3
ベルナデットを救うため無断で持ち出し、暫く愛機として使う。

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