能力
能力とは、スーパーロボット大戦シリーズのゲーム作品において、機体およびパイロットに設定される属性の組である。
概要
能力は「機体能力」と「パイロット能力」に分けられる。前者は各機体に設定されるもので、機体の性能や特徴を表す。構成要素にはHPや運動性、特殊能力、武器といったものがある。後者は各パイロットに設定されるもので、パイロットの戦闘能力や特徴を表す。構成要素には格闘や技量、精神コマンド、特殊技能といったものがある。作品によっては、特定の参戦作品(バンプレストオリジナルを含む)の世界観を表現するため、独自の属性が導入される場合もある。
機体能力とパイロット能力を合わせたものは「ユニット能力」と呼ばれる。ユニット能力は、機体とパイロットの対であるユニットの総合的な戦闘能力を表す。ゲーム中の戦闘ではユニット同士が戦うため、各ユニットのユニット能力が戦闘の趨勢を左右する。
能力の確認
各ユニットの能力は、インターミッションではコマンド「機体一覧」および「パイロット一覧」から[1]、戦闘中は全体コマンド「部隊表」および個別コマンド「能力」から確認することができる。インターミッションでは出撃前または出撃時の能力が、戦闘中はその時点でのユニットの状態が反映された能力が表示される。ただし、インターミッションでは、戦闘中の特定の状況で発生するユニットの変化を確認することはできない。なお、能力確認画面では、戦闘デモで表示される機体の絵やパイロットの顔絵を確認することもできる。
敵および第三勢力、一部のNPCのユニットの能力は、原則としてそのユニットとの戦闘が発生するまでは確認することができない[2]。確認するには、そのユニットと1回交戦するか、精神コマンドの「偵察」を使う。
機体能力
主な機体能力
- HP
- 機体の耐久力。0になると撃墜される。機体により数値の幅が非常に大きい。
- 『GC』や『XO』では、4つの部位にHPが分けられる。
-
- BODY:他作品における通常のHP。
- HEAD(CONTROL):命中率・回避率に影響。
- ARMS(WEAPON):武器攻撃力に影響。
- LEGS(ENGINE):移動力に影響。
- EN
- 空・宇宙・地上ホバー移動時や、特定の武器・バリアで消費するリソース。
- 大半の作品では900が上限の目安となっており、1000以上の数値も持った機体は今の所存在しない(例外はイデオン)。
- 運動性/回避
- 命中率と回避率に関わる。機体の運動性にパイロット能力が加算されたものがユニットの命中率・回避率となる。
- 『α外伝』以降の作品では命中率に対する補正が廃止。『Z』以降は後述の照準値が命中率に補正を与えている(『NEO』『OE』など不採用のシリーズもある)。
- 『NEO』『OE』では「回避」となっており、パイロットの回避パラメータがそのまま加算される。
- 照準値
- 初出は『Z』。命中率に関わる。
- 装甲/装甲値/防御
- 受けるダメージの減少に関わる。
- 旧シリーズ~初代『α』までは1000から10000と数値の幅が大きかったが、『α』外伝以降の作品では3000程度が上限になっている。また、底力やガッツの補正を考慮に入れるとおよそ5000程になる。
- 『NEO』『OE』では「防御」となっており、パイロットの防御パラメータがそのまま加算される。
- 限界反応
- パイロットの命中・回避値の上限。低いとパイロットの能力を引き出せない。作品により仕様が異なる。現時点における最後の採用作品は『COMPACT3』。
- 『α』:最終的な命中率と回避率の制限。設定された限界値以上の能力は発揮できない(例:パイロットの命中・回避{能力値+運動性}が400の場合、限界が300の時、301以上の数値は除外される)。
- 『α外伝』:最終的な回避率のみの制限。運動性の仕様変更により、『α外伝』の限界反応は命中に影響しなくなった(例:パイロットの命中が300の場合、限界が250でも命中は300で計算される)。
その他
- 移動力/移動
- 機体がマップ上で移動可能な最大距離。地形や自機の地形適応によっては、1マスの移動に2以上消費する場合がある。
- 特殊能力
- 機体の戦闘能力を補助するアビリティ。
- 多くは変形・修理装置などアイコンで表記されているものと、特殊能力欄に記載されるものとに大別される。
- 『第3次α』では一部の機体が特殊能力を所持数の上限を超えて所持している。ステータス画面にも表示されない為、隠しパラメータと化している。
- サイズ
- 機体の大きさ。攻撃を受けた時の命中率補正や、ダメージ補正率に影響。作品により仕様が異なる。
- 基本的に自分より大きいサイズの相手に対しては自分の攻撃力低下・自分の回避率増加。小さいサイズには自分の攻撃力増加・自分の命中率低下と考えてよい。サイズ差が大きいほど補正値は増加する。
- 特殊技能「サイズ差補正無視」でサイズ差による与ダメージ減少を無視する事ができる。
- 地形適応
- 各地形においてどれだけ能力を発揮できるかを表す。ほぼ全てのユニット能力に影響する。
- 移動タイプ/移動適応
- シリーズによっては地形適応と同様の移動適応となっている。
- 強化パーツスロット
- 強化パーツを装備可能な数。
- 修理費
- ユニットを撃墜された時、マップクリア後に支払わなければならない資金。現行の作品で最も修理費用が高い機体は『α』のヘルモーズの70000(ゲーム中では桁あふれの為、表示上の数値は4464)。2位は『OG外伝』のネオ・グランゾン(65535)。3位は『α』のアストラナガン(65000)。
- 近年では『A PORTABLE』や『K』など修理費自体が設定されていないシリーズも登場しており、またZシリーズでも修理費の支払いを無視する特殊スキルが存在する。
- シールド(『A(GBA版)』『IMPACT』『MX』)
- GBA版『A』では盾のHPに相当するSH値、『IMPACT』や『MX』では盾の使用回数に近いパラメータの耐久力を表す。シールド防御#シールドが改造可能な作品参照。
- コスト(『第2次α』『第3次α』)
- 小隊を組む際に関わる。コストの合計値が5を超えると、その小隊を出撃させる事はできない。
- 強化パーツ「コストダウン」でコストの基本数値を下げる事ができる(最小値は0.5)。
- Wゲージ(OGシリーズのみ)
- 換装武器を装備可能な上限ゲージ。
- 機体特性(『XO』『OGs』『OG外伝』)
- ボーナス(『L』以降の任天堂携帯機シリーズ)
- 自ユニットとPUのパートナーの双方が受けられる追加のボーナス。
- 機体価格(『α外伝』『Z』)
- 隠しパラメータ。バザーで機体を購入or売却する時の金額。全ての機体に設定されており、最も高いユニットはネオ・グランゾン。
- なお『GC』『XO』で捕獲機を売却する場合は「修理費+改造に投入した資金」が金額となる為、個別に金額の設定はない。
原作再現
パイロット能力
主なパイロット能力
レベルの上昇に伴って伸びるが、一部シリーズではパイロット養成やスキルパーツ(アイテム)で成長させる事も可能。
初代『α』は999まで成長させる事が可能で、『α外伝』までの作品では能力値の限界が999に設定されていた。
パイロット養成システムが採用されている作品では、400が上限となっており、レベルアップ・養成ではこの数値までしか成長させる事ができない。ただし、特殊能力等の補正に限り、401以上の数値を出す事は可能となっている。
- 攻撃
- 全般的に武器の攻撃力に関わる。SFC版『第3次』ではこのパラメータを使用していたが、続く『EX』では消滅、その次の『第4次』から「近攻撃(後の格闘)」と「遠攻撃(後の射撃)」とに振り分けられ以後長らくこのスタイルが続いていたが、『NEO』『OE』で復活している。
- 格闘
- 格闘武器の攻撃力に関わる。『第4次』『新』では「近攻撃」という表記で、射程1の武器の攻撃力にのみ関わる。
- 射撃
- 射撃武器の攻撃力に関わる。『第4次』『新』では「遠攻撃」という表記で、射程が2以上の武器全般の攻撃力に関わる。
- 技量
- クリティカルや、特定の特殊技能・特殊能力の発生率などに関わる。
- 防御
- 初出は『α外伝』。それまでの反応や直感の廃止と共に採用。受けた攻撃のダメージ減少に関わる。
- 命中
- 攻撃の命中率に関わる。
- 照準値にあたるパラメータが機体側に存在しない『NEO』・『OE』では回避・防御より多めに数値が設定されている(これ以外のシリーズでは全ユニットで固定の数値を命中率計算時に加算)。
- 回避
- 相手の攻撃の回避率に関わる。
- 直感/反応
- 命中率及び回避率に関わり、作品によっては一定値に達すると2回行動が可能。『α外伝』にて新パラメータの防御に取って代わられる形で廃止。
その他
- 性格
- 気力に関係する。
- 成長タイプ
- 『α外伝』より採用。レベルに応じて基本能力値が上昇する。旧シリーズでは全パイロットがレベルアップ毎に格闘・射撃・反応・技量+1、回避・命中・SP+2と成長した。
- 気力
- 『新』のみ戦意という名称になっている。
- 精神ポイント(SP)
- 精神コマンド使用の際に消費するリソース。
- 精神コマンド
- 特殊技能(特殊スキル)
- パイロットが習得しているスキル。
- レベル
- パイロットのレベル。レベルアップする事で、能力値が上昇・新たな特殊技能を習得したり・特殊技能のレベルも上がる。
- パイロット養成システムが採用されている作品では、レベルアップにより新たな特殊技能を習得する事はほぼ無くなった(現時点での唯一の例外はメール・ビーター)。
- レベルアップに必要な経験値は一律500である事が多い。一部シリーズでは特殊技能「天才」でレベルアップに必要な経験値が減少する。
- 多くのスパロボではレベル上限が99である事が多いのだが、内部的には100以上に成長する事が可能であり、各成長タイプの数値も設定されている。
- 経験値
- 獲得した経験値の累計。
- パイロットポイント(PP)
- パイロット養成に必要なリソース。
- ボーナスポイント(BP)
- 『D』『J』『W』で採用されたパイロット育成用リソース。レベルアップ時に+1取得でき、パイロットのパラメータに振り分けられる。
- 撃墜数
- パイロットが今までに撃墜したユニットの数値。作品により多少変動するが、規定値以上の敵を撃墜すると「エースパイロット」となり、様々な恩恵を受けられる。
- 小隊長能力/隊長効果/艦長効果(『第2次α』『第3次α』『Z』)
- パイロット毎に設定された固有の能力。小隊長がこの能力を所持している場合、小隊全員(隊長含む)に効果を齎す。『Z』では「隊長効果」(艦長は艦長効果)と名称変更された。
- 特に補足が無い限り、命中率・回避率・クリティカル率等の補正は全て最終補正となっており、『Z』のマニュアルでは「最終補正」と明言されるようになった。
- 地形適応
- パイロットの地形適応。機体とパイロットの地形適応の合計でユニットの地形適応が決まる。
- 旧シリーズではA・B・C・D・E・-の6段階。現行の作品ではS・A・B・C・D・-の6段階になっている。この内、-は旧シリーズの名残か、内部データに残されるのみになっている。
- 携帯機シリーズや『MX』など、パイロット側の地形適応が存在しない作品もある(ただし、GBA版『A』のみ例外的に隠しパラメータとして設定されている)。
- スキルパーツスロット(『D』『J』『GC』『XO』)
- スキルパーツを装備可能な上限数。『W』以後のスキルパーツ採用作品では、消費型へ変更された為に廃止。
原作再現
武器性能
- 攻撃力
- 武器の攻撃力。改造により増加させる事ができる。基本的に相手の装甲値より攻撃力が高ければそれなりのダメージが見込める。
- 武器タイプ
- 格闘・射撃・格射・歌。格闘系と格射系はパイロットの格闘値、射撃系はパイロットの射撃値、歌はプロトデビルンや次元獣など一部の敵ユニットに対し歌魂値を反映してダメージを上昇させる。
- 武器属性/特性
- P(移動後使用可能)、B(ビーム兵器)、ALL(全体攻撃)など武器の持つ性質。
- 射程
- 武器の射程。長ければ長いほど有利になる。
- 地形適応
- 武器の地形適応。地形適応が悪いと与ダメージが激減する。
- 命中補正
- 命中率に影響する。最終補正には影響しない。
- クリティカル補正
- クリティカル率に影響する。
- 必要気力
- 武器を使用するのに必要な気力。設定された数値以上の気力が無ければ武器は使用できない。
- 消費EN
- 武器を使用するのに必要なEN量。武器によって変動が最も大きい。特殊技能のEセーブで軽減が可能。
- 稀に一つの武器に消費ENと弾数が両方とも設定されている場合があるが、この場合はどちらか一方が不足している場合使用不可能になる。
- 弾数
- その武器の残弾数。当然0になると使用不可能になる。特殊技能のBセーブで弾数を増やせる。
- 特殊効果
- 攻撃命中時に与える事のできる追加効果。
- 武器系統
- 装備位置(『GC』『XO』のみ)
- 武器攻撃を行うのに必要な自機の部位。BODY以外に設定された場合、対応部位が大破すると使用不可能になる。
- 使用可能サイズ(『GC』『XO』のみ)
- 攻撃可能な敵機のサイズ。Lサイズ以上の機体は、武器の一部が二段階以上サイズの小さい敵(S・M)に使用できない場合がある。
- 消費Wゲージ(OGシリーズのみ)
- 換装武器の装備時に占有するWゲージ。
脚注
- ↑ 『スーパーロボット大戦V PS4版 解説書』p. 27より。『スーパーロボット大戦α』等、以前の作品では「機体能力」や「パイロット能力」のように異なる表現だった。
- ↑ 作品によっては、自軍以外のユニットの能力も戦闘前から確認することができる。例えば『スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』等。