ファクター

ファクターとは、鉄のラインバレルに登場する用語。

概要編集

マキナパイロットを現す。特徴は、マキナ固有のナノマシン(アニメ版では「ドレクスラー・ソイル(Dソイル)」と呼ばれる)を移植されていることにより、自分のマキナと命を共有していること。そして、超人的な身体能力と治癒能力を得、マキナの能力によって事実上不死となることが挙げられる。

また、マキナ召喚時及び搭乗時にナノマシンが活性化することにより、眼球に「ファクターアイ」と呼ばれる赤い紋章が浮き上がる。これは、ラインバレルの目と同じ形をしている。原作漫画版ではさらに、口元にマキナの顔と同じヒビのような文様が浮かぶことがある。

ナノマシンに生命維持を依存するため、マキナのナノマシン循環が不全になるとファクターにも危険が及ぶ。

なお、通常は一体のマキナにつき一人しか存在しないが、ラインバレルだけは別で、浩一絵美の二名が該当する。アニメ版ではこの理由は最後まで説明されないが、原作漫画版では判明している。

詳細は本wikiラインバレル及びラインバレル・アマガツの項に詳しいが、原作のラインバレルにはマキナの脳である電脳がなく、代わりに一人目のファクターである城崎天児の脳髄を収めたユニットが接続されている。無論、ラインバレルは基本的に彼の意志によって動くため、原則を無視してファクターを複数生み出すことが可能なのである。この、ラインバレルの頭脳そのものであるファクターを特に「真のファクター」と呼称する。この資格は天児の死の直前に浩一へと再設定されている。

原作漫画版ではJUDAがナノマシンの制御の研究を行なっているが、成果が実ったのは言及された後(少なくとも4年以上経過している)となっており早瀬と絵美(完全版では沢渡も含まれると思われる)以外の生存した全員がファクターから解放されている。また生命維持機能は常軌を逸した精度を誇り、電脳さえ破壊されなければ頭部だけになろうが脳だけになろうが問題なく生存可能

特殊技能編集

スーパーロボット大戦L
特殊スキル覧に固定技能として「ファクター」があるパイロットは、ステータス画面に「Dソイル値」が追加される。これはパイロットごとに決まった初期値を持って出撃し、戦闘行動によって上下する。上限はラインバレル mode-C時の浩一を除いて140で、下限は0。Dソイルが40以下になると計算式の都合上HP回復がストップし、逆に140に達すると1ターンでHPが5割も回復する化け物になるが、MAPの敵機を全て1機で撃墜して無双、なんて真似をしない限りはこんなに上下する事はまず無い。
ファクター技能による回復はパイロットの特殊技能によって機体HPを回復するので、修理装置などのHP回復系特殊能力とは別扱いになり効果が重複する。
なお後半のイベントで、ペインキラーのDソイルが「パイロットの生命維持に支障をきたすほどの不調」に陥るシーンがあり、この時実際にDソイル値が20まで低下するが、このイベント以外で20以下までDソイルが低下したとしても、パイロットが危険な状態に陥る事は無い。
スーパーロボット大戦UX
ダメージを受けた時、ステータス画面の「活性率」に応じた割合で即座にHPが回復する。回復する割合は活性率の半分。活性率の範囲は20~150%(アマガツおよびオーバーライド習得後の浩一は最大160%)。実質的に被ダメージを割合軽減するようなものだが、ダメージでHPが0になった場合は回復せずそのまま撃墜となってしまうので、過信すると痛い目を見る。
また、当たり前だがこの効果は敵のファクターでも同様に発動するため、生半可な攻撃では思うようにHPが削れず、ディスィーブを使わないと長期戦になりやすいので注意。

主な習得パイロット編集

早瀬浩一
ラインバレルのファクター。ラインバレルが高いDソイルの性能を持つため、最初から高めのDソイル値で戦闘が始まる上、mode-C発動時(原作漫画版設定の『UX』ではラインバレルの真のファクターとなって以降)にはDソイル値が他のファクター勢の最大値を超えた値まで上昇するなど、回復能力に関しては原作通りずば抜けている。ただし『L』ではそもそもラインバレルが脆く、回避能力もそこまで高くないため、集中攻撃を食らうと回復の恩恵を受ける間もなく墜とされがち。一方『UX』では回復のタイミングが変わったことでかなり落とされにくくなり、乱戦に強くなった。
城崎絵美
ラインバレルの本来のファクター。ラインバレルの行動原理が「絵美を守る」であり、絵美を乗せて戦わせる事を拒否するため、ファクターでありながら原則として彼女はラインバレルを操縦できない。ただし状況によっては彼女による操縦で動く事も無い訳ではなく、彼女の認証が無いと起動できないモードもある。
『L』、『UX』作中ではスポット参戦なのでお世話になる機会はほぼ無いのだが、浩一より明らかに精神コマンドがラインバレルの性能に合致しているため、浩一より彼女に戦ってくれと思うプレイヤーは少なくない。顔は怖い。
森次玲二
ヴァーダントのファクター。能力が高く集中持ちで、シールド防御切り払い撃ち落としと防御技能が充実しており、マキナ勢で一番リアル系な戦い方をしているため、世話になることは少ない。活性率はファクターの中でも高い方なので、アンラッキーヒットをもらった際の保険としてはそれなりに機能する。
九条美海
ペインキラーのファクター。『L』では機体が修理装置を持つため(先述の通り、『L』ではシステム上Dソイルの回復と重複する)、回復量ならラインバレルに匹敵する。機体の装甲HPは並だがバリア持ちなので恩恵は受けやすいほう。
ラインバレル以外で、イベントによりDソイルが上下することがある唯一の人物。『L』地上ルート31話「鬼を喰らうモノ」にてDソイル不調→意図的に暴走→ペインキラーフルパワーの一連の流れが再現され、Dソイル値が下限近くと上限を行ったり来たりする。
ちなみに美海とイズナのみ、Dソイル初期値がファイナルフェイズ発動に必要な値ギリギリしか無い。両者は機体が足が速くなく、かつサポート向けの性能であるため、戦闘中盤まで後方にいて戦闘をしない→不意に接近した敵機と戦闘→攻撃を回避されてDソイル低下、なんて事をすると思わぬところでファイナルフェイズの発動に失敗するので注意。
『UX』では逆に攻撃特化であるため、活性率が低いことも手伝って再生が間に合わずに撃墜されやすい。
山下サトル
ハインド・カインドのファクター。機体が重装甲タイプなので相性はいいが、Lではアウトレンジ射撃が主な仕事なので世話になる機会は少なめ。『UX』ではハインドの性能が変わってやや接近戦向きになったため、自己修復を活かしての壁役・雑魚狩りなども任せやすくなった。
遠藤イズナ
ディスィーブのファクター。ファクターではあるがメインパイロットではなく、ディスィーブのメインパイロットはファクターではない人間。
本来ならばファクターであるイズナがディスィーブのパイロットも務めるはずであり、ディスィーブのコクピットもそういう構造になっていたのだが、イズナ一人でディスィーブを制御するのは負担が大きい(できない訳ではない)と言う事で、複座式に改造された。ただしこれはメインパイロットを務める方が双子である遠藤シズナだから出来る芸当である。装備がナーブクラック(並びにそれを使ったアルマコントロール)のみで更に射程が短いので運動性の低さも相まって全マキナの中で一番お世話になるだろう。
矢島英明
アパレシオンのファクター。電磁迷彩やサトル同様の理由で世話になる事は少ない。
なお、矢島がアパレシオンのファクターとして復活した経緯についての話で「アパレシオンのDソイルの性能のせいで復活に時間がかかってしまった」と、アパレシオンのDソイルの性能が低いかのような事を言うが、原作での性能はともかく『L』ゲーム中では、矢島のDソイル初期値は浩一・森次に次いでファクター勢中3位である。
中島宗美
タリスマンのファクター。高い装甲・バリア・回復・鉄壁を併せ持つ最強の援護防御役候補。護符の名は伊達ではない。
なお、マキナ人間化後の彼と桐山、菅原マサキの3人は「マキナ人間」かつ「ファクター」である人物なのだが、『L』ゲーム中では両方の技能を持つ事は無く、全て「マキナ人間」の方のみになる。
もっとも、マキナ人間の技能を持つパイロットがマキナでない機体に乗っている事は無いため、ファクターの能力を内包した技能と言う事なのだろう。
桐山英治
プリテンダーのファクター。そんなに強くはないがプリテンダーが怖い。
『UX』では味方としても使用可能。高い回避能力と自己修復が合わさり強気に出やすく、機動力を活かした支援・切り込み役として優秀。
菅原マサキ
グラン・ネイドル及びネイキッドのファクター。『UX』では敵としても味方としてもずば抜けた耐久力を持つ。
ネイキッドは完全無消費武器のエリミネーターを持つため、うまくやれば生存性の高さを活かしての反撃無双プレイも可能。
石神邦生
原作漫画版のみジュダのファクター。森次同様、初期活性率が少しだけ高い。
ジュダが近接格闘特化型であるため多数を相手取る場合は頼りになるだろう。

その他編集

加藤久嵩
シャングリラのファクター。戦闘にはアルマであるツクヨミで参戦するため、実質死に技能。
城崎天児
原作漫画版ではラインバレル真のファクター…なのだがなぜか『UX』ではこの技能を持っておらず、にもかかわらずラインバレル・アマガツは驚異的な再生能力を発揮する。
沢渡拓郎
原作ではロストバレルのファクター。『UX』ではファクターになった後に戦闘する機会がない。

余談編集

健全ロボ ダイミダラー』におけるHi-ERo粒子の因子保有者も「ファクター」と呼ばれている。