ザフト

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ザフト(Z.A.F.T)

機動戦士ガンダムSEED』シリーズを通して登場する、プラントが保持する軍隊。

ザフトとはZodiac Alliance of Freedom Treaty(=自由条約黄道同盟)の略称。パトリック・ザラら議会委員から地球連合軍への武力衝突に備えて決起した。

前身は「黄道同盟」と呼ばれる政治結社であり、パトリック・ザラ、シーゲル・クラインをはじめとするプラントのL5コロニー建設従事者が、有志として自分達の諸権利獲得を目的に結成した。この組織の成り立ちからザフトはあくまでも義勇軍であり、軍人の中には職業軍人ではなく、別に本業を持っている者もいる。例えば、イザーク・ジュールは最高評議会の議員(ザフト復帰後は不明)であり、アンドリュー・バルトフェルドは広告心理学者である。

『SEED』時代であるC.E.71年より、パトリック・ザラによる強行的な独裁政治が行われるようになり、シーゲル・クラインの暗殺や強引な穏健派の失脚が決定的な原因となって、ザフトから離れた組織としてラクス・クライン率いる「クライン派」を生み出した。ヤキン・ドゥーエ戦役終盤には中立勢力である三隻同盟に参加してナチュラルコーディネイターの戦いを止めるべく奮闘した。

その一方、先述の戦役後に地球側との融和政策に反発して軍を脱走しただけでなく、パトリック・ザラを妄信して過激派テログループに身を投じる者まで現われている。ユニウスセブンを地球に向けて落とした組織が代表的で、後に「ブレイク・ザ・ワールド」と呼ばれる事件によって地球側は甚大な被害を受け、ナチュラル側のコーディネイター側への反発を再燃させてしまっている。

やたらモビルスーツ、それも高性能な最新鋭機GUNDAMを強奪されることが多い。フリーダムを始め、ドレットノート・テスタメント・アビスカオスガイア(一度奪還するが、クライン派の工作で今度は彼らに奪われる)・プロトセイバー等々。更には研究用とはいえテスタメントの予備機(後のアストレイアウトフレーム)をほったらかしにする始末である。
開発した核エンジン搭載機の中で唯一強奪されなかったのは、十数機存在する内のプロヴィデンスデスティニーレジェンドの3機のみであるが、全て撃墜されたという悲哀。また、同時期に開発していたフリーダムの量産機(後のSフリーダム)も密かに強奪され、クライン派の大幅な戦力増強に貢献している。結局ザフトは自分達の開発した機体で自らの敗北を招いたとしか言いようがない事になってしまったのだ。

物語の演出故か、もしくは本来の国軍としての組織ではないのか、戦争とはいえ敵側兵士に対するモラル面に著しく欠けている部分がある(これは対立している地球連合側も同様)。
特にC.E.71年時は、最もナチュラルとコーディネイターが対立している時期であったこともあって、制圧した基地に残された捕虜達に私刑行為を行ったり、パナマ攻防戦では電子兵器である「グングニール」発動後、無力化した生身の連合兵士にモビルスーツの機関銃で虐殺する等、明らかな条約無視を行う者がいた。この時の作中描写は特に凄惨なもので、ザフトの兵士達になぶり殺しにされたと思われる連合兵士達の無残な姿が描かれており、これには同じザフト所属であるイザーク・ジュールも激しい嫌悪感を見せている。
DESTINY』の時も、地球連合軍に制圧されたガルナハンが解放された際、取り残された連邦兵達が一方的に住民達にリンチされたり私刑で殺されていくのを、平然と放置している(しかも、主人公格であるアスラン・ザラまでもが、目撃しながら見て見ぬフリをしている)。
このような側面から、視聴者の中にはザフトそのものに嫌悪感を示す者が多いようである(ザフト所属の名有りキャラはともかく)。

ちなみに、国家の名称がプラントなので「ザフト=プラント軍」なのだが、劇中で「ザフト軍」という呼称が使われたり、「ザフトのために!」という台詞があったりと扱いが安定しない。前者はアメリカ軍をアメリカ軍と呼ぶようなもので、後者についてもアメリカ(国)のためではなくアメリカ軍(軍隊)のために戦うと比喩していい台詞である。設定と脚本に齟齬があったと思われる。

階級

階級は存在しない。「コーディネイターは能力が高いため、階級がなくても軍隊としてやっていける」という考えに基づくという設定らしいが、国軍ではなく義勇軍であるということの表れとも判断できる。もちろん役職による最低限の上下関係は存在し、それは服装の色で区別される。軍服はもちろん、パイロットスーツも一部には例外があるものの基本的に当該役職の色になっている。
この組織制度は階級章などと違って遠目からも非常にその人物の役職がわかりやすいが、非常時における指揮委譲等(例えば戦争時に白服、赤服が全滅して緑服だけになった時、誰が指揮するのかという事) の問題もはらんでいる。

白服
艦隊旗艦の艦長、軍基地司令、部隊司令官、特別部隊指揮官が該当する。
黒服
部隊の副官クラス。
赤服
士官学校を10位以内で卒業した者。所謂エリートで、通称「アカ」「ザフトレッド」。特別任務には単独行動が許される。
緑服
士官学校の卒業成績10位以下。主に一般兵が該当するが、司令官クラスもたまにいる。所謂雑兵。
紫服
国防委員のうち軍全体の直接指揮権を有する。
青服
国防委員の中でも軍に直接指揮権を持たない(文官・技官など)。

登場作品

参戦作品時における時代によって立場は多少変わる。時間軸が『SEED』の場合は、ほぼ完全に敵として扱われるが、『SEED DESTINY』の時間軸の場合だと、味方の軍として扱われる事もある。ただし、それぞれの時期の最高責任者にあたるパトリック・ザラギルバート・デュランダルの双方の思想は、最終目標の形態こそ違うものといえど、プレイヤー部隊からは受け入れ難いものであり(デュランダルに関しては一定の理解を示す事もある)、更には人類同士の戦いにばかり拘っている(特にパトリック)為に、いずれにせよ最終的には敵対する事になる。

一応コーディネイターで構成されていると言うことで一般兵同士で比べると地球軍より多少強いものの、異星人や地下勢力、STMCといった人外の脅威が多数出現するスパロボの世界においては、原作後半のようにただの的でしかない。しかし、その事実を受け入れられている者は少ない上に、人外の敵を軽視し過ぎており、人類同士の争いに拘っているため原作以上に『空気の読めない』勢力となっている。

αシリーズ

第3次スーパーロボット大戦α
αシリーズではプラントコーディネイター自体が隠蔽された存在となっていたため、最初は謎の軍隊という扱い。ユニウスセブン核ミサイルを打ち込まれた事は同情出来るが、地球圏全体が危機的状態に陥っているにも拘わらず、星間連合と密約を結んで共に地球へ宣戦布告して開戦状態になる。
後にパトリック・ザラが新議長に就任してからは、暴走に更なる拍車を掛けていく事になる。次々と強大な勢力が現れても、パトリックの軽視し過ぎている姿勢から、一向に侵攻をやめようとせず、組織が壊滅的被害を受けるまで停戦しようとしない等、完全に空気が読めない状態であった。
ちなみにコロニーを守ろうとしているトロワ五飛、世界情勢について調査していたセレーナ(リアル系女主人公)は、序盤に所属する。

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
指導者であるギルバート・デュランダルの卓越した政治的手腕によって、柔軟な動きを見せており、序盤では時空転移で跳ばされたエゥーゴと同盟を結び、それが加盟したZEUTHとも同盟を結んだ事で、事実上、地球圏全体でも最大規模の武装勢力にまで拡大化していく。
その一方で、デュランダルの謀略によって、故意にザフトの投入戦力を少なくしたり、対応を遅らせたりする事で、地球での戦局を意図的に苛烈化するよう仕向けており、戦争を仕向けた諸悪の根源として賢人会議の存在を暴露する事によって、民衆の殆どがザフトを支持するようになった。
しかし、物語後半に入ってからは、軍事面・政治面の双方において圧倒的有利となったデュランダルは、次第にZEUTHを扱い辛い存在と見なす事になり、スカルムーン連合から地球連邦本部を防衛したのを機に、それを利敵行為として糾弾する。以降はデュランダルとZEUTHの間に不信感が芽生え始めるが、デュランダルの手腕を認めざるを得なかった為、ZEUTHはザフトの指揮下に入り、ヘブンズベースの攻略に成功する。その後、エゥーゴ、アクシズ宇宙革命軍アプリリウス同盟軍を結成しているが、オーブ戦にてザフトが強硬手段に出た上に、そのタイミングでブレックス・フォーラが謎の死を遂げた結果、彼の死をデュランダルの差し金であると

睨んだZEUTHとは決定的な対立となり、エゥーゴはもとより、ルートによってはアクシズの離反も招く。

その後もザフトは自分達の側が有利になる政策を採り続け、D.O.M.E.で宇宙革命軍の指導者であったザイデル・ラッソが死亡した後は、その戦力をザフトの指揮下として取り込んでいる。更にスカルムーン連合が地球に総攻撃を加えようとしていた際には、むしろ激戦後の処理の方を優先して傍観に徹する等、地球そのものを見捨てるも同然の姿勢に出ており、これにはタリアやシンの不信を招いている。更にその影で、ラクス・クラインの2度目の暗殺を計画していたが、それを庇ったミーア・キャンベルの命懸けの報道を機に、ミネルバをはじめとする一部の部隊は、命令を無視してスカルムーン連合に攻撃する事態を招いた。しかもこの際、同じく上層部の意向を無視した新地球連邦軍と連携をとってまでいる。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
SEEDがメインの世界観の為、ザフトが敵として登場するシナリオも多い。ブルーコスモスが欲しているデビルガンダムを同じく手に入れようとしているが、毎回失敗してしまっている模様。
スーパーロボット大戦W
『ASTRAY』シリーズが話の中心になるためにルートによってはあまり深くは関わってこない場合も。第1部では木連を裏から支援しており、第2部にて地球連合軍に宣戦布告。火星の後継者と同盟して共同戦線を張る。
スーパーロボット大戦K
中盤でデュランダルが戦死し原作再現パートが終わり、その後は自軍部隊がもう一つの地球に行っている間にも侵略者と戦っており、終盤の蒼穹作戦邪馬大王国との決戦でも協力してくれる。
スーパーロボット大戦L
基本的には味方。殆どの期間でLOTUSを支援しているが、終盤に1シナリオだけ敵対。この時、ミネルバ隊はザフトを離脱していた。デュランダルの扱いも含めて、歴代スパロボにおいて最も良心的な描写が多い作品。

Scramble Commanderシリーズ

スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
概ね原作通りの扱い。終盤まで敵であり、対ロゴス戦においてAフォースが挙げた多大な戦果を情報操作によって奪ってしまうなど、原作以上に悪どい印象を受ける。

人物

ガンダムシリーズお約束の内部対立や思想の差違は避けられなかったとはいえ、全体的に優秀な人材が揃っている。

ラウ・ル・クルーゼ
白服。実は、ザフトでは希少な存在であるナチュラル(秘密にしている)。
アスラン・ザラ
赤服。二度離反する形になり、最終的にはオーブへ移る。
イザーク・ジュール
SEEDでは赤服。DESTINYでは白服。
ディアッカ・エルスマン
SEEDでは赤服。捕虜→三隻同盟協力後に復帰するが、除隊→再入隊扱いなのでDESTINYでは緑服に(ただし、立ち位置的には黒服)。
ニコル・アマルフィ
赤服。
ラスティ・マッケンジー
『SEED』に登場。クルーゼ隊所属の赤服MSパイロットで、アスラン達の同期生でもあり、仲が良かった。明るい性格で、クルーゼ隊のムードメーカー的存在だった。強奪作戦がすんなりと進んでいれば彼がストライクを強奪する予定だったが、作戦は失敗して彼もヘリオポリスにて戦死してしまう。TVシリーズでは顔は明かされなかったが、スペシャルエディションにて初めて顔と声が明らかになった。
スパロボシリーズにおいては第3次αにて名前のみ登場し、最終話では霊体となってαナンバーズに力を貸した模様。Jでも名前のみ登場した。
ミゲル・アイマン
フレデリック・アデス
アンドリュー・バルトフェルド
マーチン・ダコスタ
アイシャ
マルコ・モラシム
フレイ・アルスター
一時的ではあるが、ザフトに属した形となる。
シホ・ハーネンフース
ミハイル・コースト
アッシュ・グレイ
タリア・グラディス
アーサー・トライン
シン・アスカ
機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主人公。ミネルバ隊所属の赤服の一人であるが、ザフトの中ではプラント出身者でない。
レイ・ザ・バレル
シンと同期の赤服でミネルバ隊所属。
ルナマリア・ホーク
メイリン・ホーク
ハイネ・ヴェステンフルス
ヴィーノ・デュプレ
ヨウラン・ケント
サトー
本編登場時はテロリストのリーダー。
キラ・ヤマト
スペシャルエディションのエンディングで白服を着ているが…?
ザフト兵
所謂一般兵

他作品の関連人物

張五飛トロワ・バートンセレーナ・レシタール
第3次αにてザフトに潜入調査していた。

開発したモビルスーツ、艦船(スパロボ登場機体のみ)

機動戦士ガンダムSEEDASTRAY/X ASTRAY

モビルスーツ

ジン
バリエーションにミゲル専用ジンイライジャ専用ジン劾専用ジンなどがあり、傭兵やテロリストが使用する事も多い。
ジン・ハイマニューバ
シグー
シグー・ディープアームズ
ディン
バクゥ
ラゴゥ
グーン
ゾノ
ゲイツ
バリエーションにクルーゼ専用機が存在。
ドレッドノートガンダム (Xアストレイ
フリーダムガンダム
ジャスティスガンダム
リジェネレイトガンダム
プロヴィデンスガンダム

艦船

ナスカ級
ローラシア級
レセップス級
ボズゴロフ級
エターナル

機動戦士ガンダムSEED DESTINY

正規軍モビルスーツ

ゲイツR
ザクウォーリア
ザクファントム
グフイグナイテッド
バビ
アッシュ
インパルスガンダム
セイバーガンダム
カオスガンダム
アビスガンダム
ガイアガンダム
デスティニーガンダム
レジェンドガンダム

艦船

ミネルバ
ゴンドワナ級

クライン派モビルスーツ

ストライクフリーダムガンダム
インフィニットジャスティスガンダム
ドムトルーパー

脱走兵が使用した機体

ジン・ハイマニューバ2型
ゲイツR
ジン

戦略・戦術兵器施設

ヤキン・ドゥーエ
ボアズ
グングニール
ジェネシス
アモーリーワン
メサイア
ネオ・ジェネシス
レクイエム