裏切りイベント(Betrayal Event)
大きく分けて四つのパターンが存在し、更に幾つかの要因に別れる。
敵から味方への裏切り
説得イベントを中心にスパロボでは最も多い展開。序盤ならともかく、終盤で味方参入だといまいち使いようがない事も。
- 1.敵組織のやり方に疑問・失望する
- 当初は敵サイドに所属しているが、敵組織のやり方に疑問を持ったり失望して味方側に身を投じるケース。エマ・シーン中尉が代表的なキャラ。『蒼き流星SPTレイズナー』のエイジのように最初から敵組織を裏切ってきた場合もある。
- 3.主人公を初めとした味方側の影響で裏切る
- 主人公や味方サイドと恋愛関係になったり、思想信条に惹かれたりなど、何かしらの理由で味方側に魅力を感じて味方側に就くケース。代表的なものではマクロスシリーズのゼントラーディなど。恋愛の場合は『ガンダムシリーズ』の強化人間等を始め女性キャラクターに多いが、原作だと大抵は死亡するなど悲劇的な結末を迎える。敵対勢力の種類によっては、「人間(地球人)の『他者を思いやる心』」に惹かれる場合も。所謂説得可能なキャラは、このケースに分類されることが多い。
- 4.味方サイドの捕虜になった後に裏切る
- 1や3のケースに近いが、味方サイドの捕虜となった事により味方サイドのキャラクターに情が移ったり、今まで属していた敵組織のやり方を知って裏切る事を決意するケース。『機動戦士ガンダムSEED』のディアッカ・エルスマンが代表格。
- 5.元々、味方側に通じていた
- 味方側に送り込まれていたスパイ、あるいは味方を裏切ったと思われていたが、実は敵組織を欺く為だったというケース。『蒼き流星SPTレイズナー』第2部のロアン・デミトリッヒが代表格。
- 6.本来は主人公側に出自を持つが敵対勢力に育てられる
- 幼少期に敵対勢力によって拉致されるなどし、本来戦うべき敵方に取り込まれ、敵対勢力の一員として現れるケース。『獣神ライガー』のリュウ・ドルクなどが該当。事実を知ってすぐに味方サイドへ下るよりは、上記1~4あたりのパターンを経ることが多い。
味方から敵への裏切り
敵から味方へ裏切る展開よりは少ないのだが、パイロットであると基本的に戻って来ることは少ないため、無駄に経験値を与えない為に育てない事も。
- 9.洗脳される
- 敵組織の捕虜となり、洗脳された状態で味方サイドと相まみえるケース。基本的には、いずれ何らかの形で洗脳から解放されて味方へと復帰する。『戦闘メカ ザブングル』のエルチ・カーゴが代表格。
- 11.当初から敵のスパイ
- 最初から敵のスパイとして送り込まれていたケース。『バンプレストオリジナル』のイングラム・プリスケンやレーベン・ゲネラールなどが代表格。ただしイングラムのケースは「敵のスパイ」と断言できるかどうかは微妙(詳しくは後述及びイングラムの項目を参照)。
- 12.敵に魅力を感じる
- 敵組織全体もしくは敵組織の特定のキャラに魅力を感じて寝返るケースで、7や10と連動しやすい。レコア・ロンドが代表格。
敵内部限定での裏切り
- 13.下克上をする
- 最も多いタイプで、大抵は敵組織の幹部クラスがトップを殺す、あるいは独立する展開で、結果的にどちらも主人公側に付かない展開。『重戦機エルガイム』のギワザ・ロワウや『機動戦士ガンダムΖΖ』のグレミー・トトが代表格。
- 14.他の敵組織に寝返る
- 今まで所属していた敵組織を裏切るが、味方サイドにはつかず、他の組織につくケース。原作では未遂だがシーマ・ガラハウが代表格か。
- 15.特定の行為で反逆者扱いされる
- 当人は別段裏切ったつもりは無くても、武人として敵対相手との真っ向勝負を挑む、もしくは何らかの恩義を感じ借りを返すなど、特定の行為が組織の規律に反すると見做され、「裏切り者」扱いされるケース。2に近い事例とも言えるが、共闘する事は無いのが決定的な違いか。『ゲッターロボシリーズ』のキャプテン・ラドラや鉄甲鬼が代表格。
味方内限定での裏切り
- 16.主人公や主要味方キャラ所属の組織が上部組織に反逆する
- 14の味方バージョン。何らかの形で、所属組織の上部組織と決定的な対立をして袂を分かつケース。7に近い事例とも言えるが、反逆者はそのまま味方。エゥーゴが代表的。スパロボでは第4次やJ等がこれに近い。
- 17.主人公や主要キャラの信頼を裏切る
- 主人公や主要な味方キャラが信頼していた特定の味方キャラに味方関係である事は変わらないもの、何らかの形で裏切られて深い溝が出来るケース。関係の修復が行われなかった場合、最悪7や12へ発展する事も。
関連人物
版権作品
- あしゅら男爵
- 桜多吾作の漫画版限定で13に該当。『真マジンガー 衝撃! Z編』での裏切りは真意を考えるに14に近いか。
- ズリル長官
- 同じく桜多吾作の漫画版のみ13に該当。
- レコア・ロンド
- 7と12に該当。クワトロに女として扱われなかった事が一番の原因か。
- エルピー・プル
- 4のパターン。
- アンナマリー・ブルージュ
- 恋慕していたザビーネ・シャルの興味がベラ・ロナに移りつつあることを知り、感情的になり投降し、ザビーネと敵対するので1。
- セシリー・フェアチャイルド(ベラ・ロナ)
- 3に該当。ただ、元々クロスボーン・バンガードに祭り上げられただけで、本人も戦争をする気はなかったので1もある。
- ザビーネ・シャル
- 7と12。裏切った後の豹変っぷりはカテジナと良い勝負。
- カテジナ・ルース
- 12に該当。7も間接的に影響している。裏切った後の行動が最も凄い人物。
- 張五飛
- 『Endless Waltz』では敢えてマリーメイア軍につくことで正義の如何を確かめようとしていた。8が近いか。
また、『スーパーロボット大戦64』では9に該当。ズール皇帝に洗脳され、「ズール皇帝が正義だ!」という前代未聞の迷言を発した。
- グエン・サード・ラインフォード
- 月の優れた科学技術を手に入れるため、ギム・ギンガナムと手を組むので、12が近い。野心という意味では10も影響している。
- ギム・ギンガナム
- 闘争心を満たすため、ディアナ・カウンターに反逆するので13(ディアナ・カウンターはミリシャと和解、共闘するが)。『∀ガンダム』では他にもアグリッパ・メンテナー、フィル・アッカマンらがディアナから離反している(後に和解している者も多い)。
- クライン派
- 16に該当。しかも裏切り実行前にザフトの機体、技術を盗用などは5(または11)に近く。
- アスラン・ザラ
- 恐らく歴代参戦作品の原作において最も裏切りを重ねたキャラクター。SEEDは1に3の要素を加えた形で、DESTINYだとザフト復帰は8に近く、その後のザフト脱走はアークエンジェル側を味方と捉えるならば1と2にあたる。
- ハッシャ・モッシャ
- リーリン一家で頭領だったリーリンを暗殺し逃亡→アムの誘いで反乱軍に参加するも、苦戦しているダバ達に愛想を尽かし、正規軍へ→ギャブレーがポセイダルに反旗を翻したときは一緒に裏切り、アントンを捕虜にした。裏切りイベントに事欠かない敵キャラ。
- ギジェ・ザラル
- 度重なる失敗により組織にいられなくなり、やむなく飛び出してきたので1。また、大元に「イデの何たるかを知りたい」という真意があり、後にフォルモッサ・シェリルと恋仲になるなど3もある。
- 風見博士
- エルダー側の技術に惹かれた側面が強いため、12に近い。ただ、自分こそが最高の科学者である事を立証する為という目的もあったり、トリニティシティとの面々との確執もかなりのものがあった為、7や10の側面もある。
Zでは原作と異なり地球を完全に見限り、ガガーンに加担して全宇宙に自身の科学を知らしめようとするなど、原作以上に悪どい裏切りとなっている(しかも裏切り実行前に敵勢力に自軍のデータを横流しにする始末)。
どちらにせよ、味方の中心人物の博士が、演技ではなく本気で裏切るという事態は、ロボットアニメ史上異例の事態である事は間違いない。
- シャピロ・キーツ
- 間違いなく10。スパロボでも毎回裏切って様々な敵組織に加わる。
- バルザック・アシモフ
- 序盤の立ち位置は10と11の複合に該当。スペースナイツと対立関係にある連合防衛軍のスパイとして暗躍する。後に民間人として再登場した際には、3に近い動機でスペースナイツに協力。
- オーガン (イバリューダー)
- 1に該当。ただし「裏切り者」と言うよりは「脱走者」というべきであろうか。
- シリウス・ド・アリシア
- 7に近い。人間が己の目的のために堕天翅族を殺すという醜悪な様を目の当たりにし、人類に失望してしまう。ベクターマーズを手土産に、頭翅の誘いに乗って堕天翅族側へと寝返ってしまい、天翅・詩翅と名乗る。しかし、それは頭翅の謀略で復讐のために踊らされていたのを知って、アポロの元へ帰った。
- ヤミノリウスIII世
- 1に該当。上司である魔王ゴクアークに用済みとして切り捨てられた後、三大魔王の目的が「地球の大魔界化」から「地球の破壊」に変わった事に反発、さらに亜衣子の気持ちを知った事で、遂に大魔界を裏切りガンバーチームに協力する。
- ブリタイ7018
- エキセドル4970も同様。TV版は2と3、劇場版は3に該当。TV版はマクロスとの接触などにより影響を受け、なおかつボドルザーより文化に汚染されたとして消去対象となった為、離反することを決意。劇場版はリン・ミンメイの「愛・おぼえていますか」を聞き文化に目覚め離反。なお劇場版の離反シーンは裏切りシーンではあるが名シーンである。
- カムジン03350
- TV版のみ。立場的にはブリタイと同じ2と3の状況ではあるが、マクロスとの共闘を拒否。戦争には加わらないつもりでいたが、戦争が始まりミンメイの歌を聴き影響を受け味方になる。戦争終結後は、文化になじめず反乱を起こす。戦争終結後に関しては7が該当すると思われる。
- 森次玲二
- 11に該当。加藤機関がまるごと味方になる際には勿論味方に復帰する。
- 加藤久嵩
- 5に該当。元々セントラルに対抗できるように地球側の戦力を鍛え上げるのが目的だった。
- キリコ・キュービィー
- 8と5に該当。ワイズマンの継承者になると宣言したキリコはフィアナをはじめとする仲間達を裏切ってでも彼に元に辿り着き、己の運命を弄んだ神を裏切って破壊した。
- 扇要
- ゼロのやり方や自分達を駒のように扱っていたことに怒りを覚えて黒の騎士団のメンバー達を煽り追放同然にゼロを裏切ったので7に該当する。ただしこの裏切りは扇自身の私情も確実に含まれている。
- ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
- ゼロの正体。上記の通り、扇たち黒の騎士団のメンバーに裏切られ追放された後、神聖ブリタニア帝国の皇帝シャルルを抹殺し、ギアスを使って帝国を乗っ取る形で皇帝の地位に就くので近いのは7と13か。スパロボではそのまま敵になるが原作再現が終わるとZEXISに復帰するのでさらに8に該当。
バンプレストオリジナル
- ギリアム・イェーガー
- 一応は7に当たる。が、彼の場合元々善人過ぎたので裏切ってもかつての仲間に手心を加えてしまい、身の破滅を呼ぶので8も当てはまる。スパロボでも裏切らないか心配されるが、『ヒーロー戦記』後ということもあって裏切らない事がほぼ確定している。
- シュウ・シラカワ
- 契約を結んだヴォルクルスの本能と、彼自身に独自の目的があったため、スパイと呼べるのか怪しいが、9と11の複合だろうか。復活後、13をやらかしてルオゾールとヴォルクルスを打倒。以後は2の状態になっている。
- サフィーネ・ゼオラ・ヴォルクルス
- 9に該当。ただし、回避可能。回避した場合は3に該当する。
- イングラム・プリスケン
- 彼もまた背後要因が複雑なため11と9の複合あたりか。『スーパーヒーロー作戦』のファンには衝撃を与えた。
- エクセレン・ブロウニング
- 9に該当。エクセレン=洗脳なイメージは強い。
- フェイルロード・グラン・ビルセイア
- 10に該当。…というよりは、彼が指揮する軍全てが敵に回るので裏切りキャラというには規模がでかすぎるが。味方側が2の状況に追い込まれるといった方がいいか。
- シモーヌ・キュリアン
- 12に該当。レコアと似たようなパターンだが、味方に失望していたわけではないので説得もしくは選択次第で味方に戻ってくる。
- エリス・ラディウス
- 「悲しみのエリス」を通るルートでは2と9の複合、「復讐のエリス」を通るルートでは7に近いだろう。
- ファング・ザン・ビシアス
- 7に該当。マサキがフェイルを殺した事を知り、バゴニアに寝返るが、マサキも魔装機神操者の宿命に従ってやむを得ずフェイルを殺した事を知って、和解する。
- リョウト・ヒカワ
- 一応4に該当。
- ゼオラ・シュバイツァー
- 第2次αは2と3の複合といった感じで、OG2は9に該当。
- リー・リンジュン
- 7と12の複合といったところ。ハガネ・ヒリュウ隊の面々とは色々と反りが合わず、連邦軍上層部にも不信感があった上、過去のトラウマの影響もあってかシャドウミラーの思想に感じ入り、裏切る事に。
- フェリオ・ラドクリフ
- ペルフェクティオにされるため9に該当。
- セレーナ・レシタール
- バンプレストオリジナルの主人公としては稀有な、3度に渡る裏切りをした主人公。最初はαナンバーズからザフトへ、2度目はザフトからαナンバーズへ。3度目はαナンバーズからゼ・バルマリィ帝国へと裏切り、更には後に脱出している。1度目と2度目は7に、3度目は8に該当する。1度目と2度目の裏切りは、己の目的の為である。3度目の裏切りは、スペクトラとの戦いで追い詰められ、生きる為に止むを得ずであった。彼女はスレイの駆るベガリオンを撃墜し、ゼ・バルマリィ帝国に下った(素振りをして欺いた)。この時、重要な機関を避けて派手な爆発をさせるという卓越した技量で、スレイとベガリオンに対する配慮を見せているが、この件によりαナンバーズ内での信頼を完全に失う。
最後の件は目的は違えど同様の事を第2次Z再世篇でキリコが(上記の原作再現で)やっており、それによりZEXISからの信頼を一時的に失っているのだが、キリコは直後にワイズマンに反旗を翻し、事情を察したZEXISは即座にキリコの行動を支持している。ここまで味方側の対応に差が出てくるのは互いの日頃の行動の違いのためだろうか。
- ホリス・ホライアン
- 11と3の複合といったところ。そもそも裏切るべき組織が開始時点で既に消滅しており、あくまでも意外な過去という扱いである。
- アリア・アドヴァンス
- 決定的な理由としては2に該当するが、3の要素も含まれる。
- クリティック
- 13に該当。ルートによって成功するか失敗するかは異なる。
- ツィーネ・エスピオ
- 3と4の複合あたりか。
- レーベン・ゲネラール
- 11に該当。元々ZEUTHを陥れる為の工作員だった。ランドは薄々勘付いていた。
- シャーリィ・ルノイエ
- 1及び9に該当。物語冒頭時点でエルンスト機関を離脱。その後、イドロに洗脳されて手駒にされる。
- マルグリット・ピステール
- 破界篇では1と3に該当。再世篇では8→1、2、3、5の複合と言ったところ。
- エスター・エルハス
- パレス・インサラウムから発射された人造リヴァイブ・セルを受け次元獣化してしまいインサラウムの戦力として運用されてしまうことに。近いのは9のケースだろうか。
スパロボシリーズ独自の裏切り
- シン・アスカ、ルナマリア・ホーク
- Zのifルートにてデュランダル議長からザフトへの帰還命令がミネルバに出されるが、シンとルナマリアはザフトには戻らず、これまで一緒に戦ってきたZEUTHで戦うことを選んだ。ケースとしては3に該当するだろう。Lではデスティニープランに対し異を唱えザフトと敵対するのでケースとしては1に近い。第2次Zでは破界篇のEDにてOZの所属となるが、再世篇の序盤にてOZのやり方に不信感を抱き、トレーズからガンダムを返還されOZを脱走した後ソレスタルビーイングに合流するのでこちらも1に該当するだろう。
- タリア・グラディス
- Lにてデュランダル議長の強行的なやり方に反発し、ザフトと敵対する。ケースとしては1に該当。
- レイ・ザ・バレル
- Lにおいてデスティニープランに対しての是非を巡ってLOTUSメンバーと対立し、抗戦することに。ケースとしては7に該当するが条件次第でLOTUSに復帰する。
- カミーユ・ビダン、ファ・ユイリィ
- 破界篇のEDにてOZの所属となるが、シン達と同様、OZのやり方に疑問を抱きトレーズから愛機を返還された後OZを脱走しソレスタルビーイングに合流するので1に該当。
- 枢木スザク
- 再世篇黒の騎士団ルートでは一時ZEXISの捕虜になった後に仲間入りするので3と4の複合に該当。