鳴海荘吉
鳴海荘吉は『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』の登場人物。
| 鳴海荘吉 | |
|---|---|
| 読み | なるみ そうきち |
| 登場作品 | 風都探偵 仮面ライダースカルの肖像 |
| 声優 | 津田健次郎 |
| デザイン |
早瀬マサト、PLEX(原典『仮面ライダーW』) 佐藤まさき(原作) 蛯名秀和(アニメ版) |
| 初登場SRW | スーパーロボット大戦Y |
| プロフィール | |
|---|---|
| 愛称 | おやっさん |
| 種族 | 地球人 |
| 性別 | 男 |
| 所属 | 鳴海探偵事務所 |
| 役職 | 私立探偵 |
| 変身形態 | 仮面ライダースカル |
概要
鳴海亜樹子の父親にして、左翔太郎の師匠でもある私立探偵。鳴海探偵事務所の初代所長。
フェルト帽をトレードマークとし、レイモンド・チャンドラーの探偵小説を愛読するなど、「ハードボイルド」を絵に描いたような人物。「帽子は一人前の証」と語るなど、フェルト帽については特に強いこだわりがあり、半人前である翔太郎には帽子を被ることを禁じていた。
仕事でガイアメモリを使わないことをポリシーとしているが、必要に迫られた場合においてのみ仮面ライダースカルへと変身する。
かつてコンビを組んでいたマツ(松井誠一郎)がドーパントとして罪を犯したため、彼を止めるために戦い、その生命を奪ってしまった過去を持つ。その際の自責の念から探偵業を休業していた所、幼かった頃の翔太郎と出会い、彼が高校を卒業したのを機に弟子として迎え入れ、探偵としてのイロハを叩き込んだ。
その後、旧友であるシュラウドの依頼で「運命の子」と呼ばれる少年を救出するべくミュージアムの施設へ潜入し、少年に「フィリップ」の名前を与え自らの決断で生きるよう促したが、直後組織の戦闘員の放った凶弾に倒れた。
以上のエピソードは原典たる特撮実写ドラマ『仮面ライダーW』の前日譚にあたるもので、『仮面ライダーW』本編時点で既に故人。登場は過去を描いたエピソードに限られるが、『スカルの肖像』のように仮面ライダーW誕生以前を描いた前日譚では実質上の主人公として扱われる。
登場作品と役柄
単独作品
- スーパーロボット大戦Y
- 初登場作品。DLC①で追加参戦。出撃時のパイロット名義は「仮面ライダースカル」。
- 原作通り本来は故人であるが、平行世界からの来訪者として在りし日の姿で登場している[1]。
人間関係
- 鳴海亜樹子
- 娘。大阪の家に預けており、自身は単身風都で探偵業を営んでいた。しかし、荘吉はスパイダー・ドーパントとなったマツとの闘いで愛する者に触れると起爆する蜘蛛爆弾を仕込まれており、以降二度と彼女の前に現れない覚悟と共に連絡を絶っていた。
- 翔太郎も当初は彼女に荘吉の死を伏せており、真相を知った際にはショックを受けていた。
- 左翔太郎
- 弟子。彼からは「おやっさん」の愛称で呼ばれ、師匠として敬愛されている。当初は事あるごとに弟子入りを懇願する彼を鬱陶しがっていたが、ある日不良に絡まれた学生を守るために自分が代わりに殴られ続け、その間一切手を出さなかった姿勢に感心し、弟子入りを許可した。しかし、まだまだ半人前で危なっかしい彼の身を案じて自身がスカルに変身してドーパントと戦う「裏の仕事」については徹底的に秘匿していた為、時々何も言わずに姿を消す壮吉への不満や不信感から早く認められたいと功を焦った結果、「勝手な決断」で行動してしまい、皮肉にもこれが荘吉の命を奪う遠因となった。
- フィリップ
- シュラウドに救出を依頼された「運命の子」。スカルメモリの力で彼の脳内にある地球の本棚にアクセスし、自ら決断して生きることの大切さと「フィリップ」という名前を与え、彼の人生に大きな指標を立てた。スカルの変身が不可能になりWへの変身を決意するが、フィリップを戦いに巻き込んではミュージアムと何ら変わらないのではないかという迷いが生まれ、その一瞬の隙によって命を失うことになる。
- 照井竜
- 亜樹子の夫。彼が風都を訪れる以前に壮吉は既に他界しているため原作で面識を持つことはないが、形式上は義理の息子ということになる。
- シュラウド
- 荘吉にスカルメモリとロストドライバーを提供した女性。古くからの付き合いで、彼女からフィリップをミュージアムから救出する依頼を受けた。
- マツ(松井誠一郎)
- 元相棒。図書館で手がかりを集め、事件関係者の相関図をボードにまとめる役割を担っていた頭脳派。しかし、その裏では荘吉に対するコンプレックスを抱えており、スパイダー・ドーパントとして事件を起こしてしまう。メモリの暴走によって甚大な被害をもたらしたが、彼の命を奪う形で事件の幕を引いた。彼の死は荘吉の心にも大きな傷を残すことになり、翔太郎と出会うまでそれを引きずることになった。
- なお、翔太郎とフィリップに受け継がれる荘吉の決め台詞の「お前の罪を数えろ」の誕生は、彼の「たまには泣かした人間の数を数えたらどうだ」という言葉が切っ掛けとなったものである。
- メリッサ
- 風都の歌姫と称されるオペラ歌手。スパイダー・ドーパントに狙われたため、荘吉に身辺警護を依頼した。荘吉やマツとは親しい間柄で、特に荘吉に対して特別な感情を抱いていた。事件解決後、二度と娘に会えないことを覚悟した荘吉から「娘の結婚式で歌って欲しい」と依頼を受けており、荘吉の死後、照井竜と亜樹子の結婚式でその約束は果たされることになった。
- ストーン
- 風都で活躍していた情報屋で建築物オタク。その名の通り石ころのように目立たない影の薄い人物。サムの紹介でスパイダー・ドーパントを追う荘吉に協力したが、その途中で命を落とした。
- サム(尾藤勇)
- 10年前に荘吉の世話になった三人組の兄貴分。荘吉いわく「愛すべき街の問題児」。弟分のマルが起こした事件の罪を被るために自ら警察に自首。その際、荘吉に出所の際に「出所祝い」を受け取る約束をしていた。
他作品との人間関係
- ロジャー・スミス
- 『Y』にて、彼に「シルクハットの老紳士」に気をつけろと忠告し、窮地の際には駆け付け救った。また、同じくAアデンのコーヒーを好んでいる。
- ちなみにロジャーは黒基調のスーツだが荘吉は白基調のスーツなど、色に関しては対照的となっている。
名台詞
- 「撃っていいのは討たれる覚悟がある奴だけだぜ……レディ?」
- ミュージアムの施設に潜入し、タブー・ドーパントとマスカレイド・ドーパントに包囲された際の台詞。愛読書の一つであるレイモンド・チャンドラーの『大いなる眠り』からの引用で、ルルーシュ・ランペルージの台詞としても有名。『Y』ではこの絡みのネタがある。
- 「ガイアメモリを仕事に使わないのが俺のポリシーだったんだが、やむを得ん……変身」
- 直後、ロストドライバーとスカルメモリを取り出し、仮面ライダースカルへと変身する。生前の荘吉が翔太郎の前で見せた最初で最後の変身でもある。
- 「さあ、お前の罪を数えろ」
- 変身後の決め台詞。翔太郎とフィリップにも受け継がれるが、その誕生秘話には悲しい過去があった。
- 「似合う男になれ」
- ミュージアム構成員の凶弾に倒れ、被っていたフェルト帽を翔太郎に被せた後の最後の台詞。その後、タブー・ドーパントが施設の床に開けた大穴に吸い込まれるように落ちていったため、亡骸は行方知れずとなった。
- 「一つ。俺はいつも側にいる仲間の心の闇を知らなかった」
「二つ。戦う決断が一瞬鈍った」
「三つ。そのせいで街を泣かせた」
「俺は自分の罪を数えたぜ…マツ。さぁ、お前の罪を……数えろ」 - 『MOVIE大戦CORE』にて語られた「お前の罪を数えろ」の誕生秘話。自身の相棒が罪を犯し、それに端を発する負の連鎖を己の「罪」として告解し、その上でスパイダー・ドーパントとなったマツに罪を数えるよう迫った。
変身形態
- 仮面ライダースカル
- ロストドライバーとスカルメモリで変身した姿。そのポリシーから変身することは滅多に無いが、変身の際にはフェルト帽を一度外して変身終了後に被り直す。
- 仮面ライダースカルクリスタル
- 荘吉が初めてスカルに変身した際の姿。自らの意思ではなくシュラウドによって投げ渡されたメモリとドライバーによって半ば強制的に変身したため、頭部が半透明な不完全な姿になっている。
余談
- 原典である『仮面ライダーW』のTVシリーズではほぼ後ろ姿のみの登場で、本格的な登場は映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』から。
- 実写版では吉川晃司氏が演じており、スカルのライダーキックも氏のライブパフォーマンスであるシンバルキックをモチーフとしている。吉川氏は『スカルの肖像』でも荘吉名義で主題歌を担当している。
- 初代『仮面ライダー』の立花藤兵衛以降、仮面ライダーシリーズでは主人公を支え、時として叱咤激励する「おやっさん」と呼ばれるキャラクターが登場している。荘吉もそういった「おやっさん」の一人である。
- ただし、荘吉は作中では既に故人であるが故にか、公式では厳密には「おやっさん」と同枠扱いされておらず、公式サイト「仮面ライダー図鑑」でも荘吉は「おやっさん枠」から外されている。『風都探偵』および『仮面ライダーW』でおやっさん枠に公式で該当しているのは刃野幹夫(SRW未参戦)[2]。
脚注
- ↑ 『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』での平行世界の設定を取り入れたと思われるが、そちらは翔太郎とは出会わなかった世界と思しき描写となっており、そちらとも別人のようにも取れる。
- ↑ 登場人物図鑑|仮面ライダー図鑑より、2025年12月1日閲覧。