風都探偵 仮面ライダースカルの肖像
『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』はスタジオKAI制作の劇場アニメ作品。
| 風都探偵 仮面ライダースカルの肖像 | |
|---|---|
| 原作 | 石ノ森章太郎 |
| 監督 | 椛島洋介 |
| 脚本 | 樋口達人 |
| キャラクターデザイン | 蛯名秀和 |
| メカニックデザイン |
新妻大輔 森木靖泰 |
| 音楽 |
中川幸太郎 鳴瀬シュウヘイ |
| 制作 | スタジオKAI |
| 配給元 | 東映ビデオ |
| 公開日 | 2024年11月8日 |
| 初登場SRW | スーパーロボット大戦Y |
| 備考 |
脚本監修:三条陸 漫画作画:佐藤まさき |
概要
東映製作の特撮テレビドラマ『仮面ライダーW』の続編として連載中の漫画『風都探偵』のアニメシリーズのひとつ。
原作第6巻で描かれた過去編のアニメ化にあたる。2022年に配信されたWebアニメ版最終回は本作の冒頭部で終了しており、そこから直接つながる形となっている。
本作は映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』のW編にあたる『仮面ライダーW ビギンズナイト』で描かれたW誕生秘話が再び語られる形となっており、『MOVIE大戦』で描かれた回想と大まかな流れは同じだが、その後になって知り得た情報の補完や語り部である左翔太郎の推測を交えた「追補版」という体裁を採る。
ストーリー
仮面ライダーWは、続いている。
風の吹く街「風都」。
この街で探偵業を営む青年、左翔太郎は、相棒のフィリップと共に人を怪人化するガイアメモリにまつわる事件を解決してきた。
ある依頼で出会った美女ときめを助手にした翔太郎は、彼女に恩師・鳴海荘吉との出会いと別れ、そしてフィリップと共に二人で一人の仮面ライダーとして戦うきっかけとなった始まりの夜「ビギンズナイト」について語り始める。
登場人物
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
鳴海探偵事務所
- 左翔太郎 / 仮面ライダーW
- 主人公。ハードボイルドを気取る半熟野郎(ハーフボイルド)な探偵。
- フィリップ / 仮面ライダーW
- 翔太郎の相棒。地球上のあらゆる記憶が納められた「地球(ほし)の本棚」にアクセスし、ガイアメモリ及びドーパントを初めとした様々な情報を検索する能力を持つ。
- フィリップというのは記憶喪失だった頃に付けられた仮の名前で、本名の判明した現在でも使い続けている。
- ときめ
- ヒロイン。ある事件をきっかけに事務所で保護された記憶喪失の美女。
- 鳴海亜樹子
- 鳴海探偵事務所の所長。前所長である鳴海荘吉の娘。既婚者であり本名は「照井亜樹子」だが、事務所では旧姓を継続して用いている。
- ミック
- ブリティッシュ・ショートヘアのオス猫。元々は園咲家=ミュージアムの飼い猫であり、「スミロドン・ドーパント」に変身していた。ミュージアム壊滅後は翔太郎に保護され、鳴海探偵事務所の飼い猫になっている。
- 鳴海荘吉 / 仮面ライダースカル
- 前所長で亜樹子の父、翔太郎の師匠こと「おやっさん」。現在の時系列では故人だが、本エピソードのもう一人の主人公となる。
風都署・超常犯罪捜査課
- 照井竜 / 仮面ライダーアクセル
- 風都署の刑事(階級は警視)で超常犯罪捜査課の設立者。亜樹子の夫。
- 刃野幹夫
- 風都署の刑事(階級は警部補)。翔太郎からは「刃(ジン)さん」と呼ばれる昔馴染みで、彼を更生させるべくよく追いかけまわしていた。照井赴任後、超常犯罪捜査課に加わる。
ミュージアム
- 園咲琉兵衛 / テラー・ドーパント
- ミュージアムの首領である園崎家家長で表向きは美術館の館長。
- 園咲冴子 / タブー・ドーパント
- 園崎家長女で表向きはIT企業の社長。
- 園咲若菜 / クレイドール・ドーパント
- 園崎家次女で表向きはアイドル。
- 大嶋凪 / オーシャン・ドーパント
- 冴子の秘書。劇場版オリジナルキャラクター。
裏風都
- 万灯雪侍 / オーロラ・ドーパント
- 裏風都の指導者。
- 五条一葉 / スクリーム・ドーパント、千葉秀夫 / ブラキオサウルス・ドーパント
- 裏風都の幹部。
その他
- シュラウド
- 園咲琉兵衛を倒すために自らが望む「真の仮面ライダーW」を完成させるために暗躍する女性。
登場ヒーロー/怪人
スパロボ毎の登場ヒーロー・怪人一覧については以下を参照して下さい。
仮面ライダー
- 仮面ライダーW
- 翔太郎とフィリップがダブルドライバーと2本のガイアメモリを使って変身する「二人で一人」の仮面ライダー。2本のメモリを切り替えて戦闘スタイルを変化させる。
- 仮面ライダーアクセル
- 照井竜が「アクセル(加速)メモリ」で変身した2号ライダー。自らバイクに変形し、荒れ地を走り抜けることができる。
- 仮面ライダースカル
- 鳴海荘吉が「スカル(骸骨)メモリ」で変身したライダー。
ドーパント
- ロード・ドーパント
- ロード(道)メモリで変身したドーパント。裏風都の土地を作り出すために、ロードメモリは大量に量産されている。
- マスカレイド・ドーパント
- マスカレイド(仮面舞踏会)メモリで変身したドーパント。主にミュージアムの兵士として運用される。
登場メカ
- スカルギャリー
- スカルが呼び出す大型装甲車。
- ハードスプラッシャー
- Wの専用バイク「ハードボイルダー」の後部ユニットを換装した高速艇形態。
- スカルボイルダー
- ハードボイルダーのプロトタイプ。
用語
地理
- 風都(ふうと)
- 本作の舞台となる風が吹く街。所在地は不明[1]。風力発電が盛んで、あちこちに風車や風車が建てられているのが特徴。シンボルは風都タワー。
- 鳴海探偵事務所
- 鳴海荘吉が創設した探偵事務所。現在は娘の亜樹子が所長を務め、実務は翔太郎とフィリップによって行われている。ペット捜索や身辺調査等の一般的な探偵業務はもちろん、ガイアメモリやドーパント関連事件の駆け込み寺としても密かな評判となっている。
- 看板は渋い無垢看板だったが、亜樹子が所長になってからは可愛らしい色に塗装された。
- 風都署・超常犯罪捜査課
- ガイアメモリやドーパント犯罪に対応すべく照井が考案、設立した特殊捜査班。鳴海探偵事務所との合同捜査も認められている。
- ミュージアム
- 『仮面ライダーW』における敵組織。かつてガイアメモリの闇取引を仕切っていた組織。風都の資産家一族である園咲家が運営していたが、Wの活躍によって壊滅した。
- 裏風都 / 「街」
- 『風都探偵』における敵。異世界に建設された都市「裏風都」を拡張しつつ暗躍する。ミュージアムの闇取引を引き継いだことに加え、ハイドープ(一種の超能力者)の育成を目論んでいる。
- なお、幹部の名前は「日本紙幣」+「その紙幣に描かれた人や物」の組み合わせとなっている。
ガイアメモリ関連
- ガイアメモリ
- 風都で闇取引されているUSBメモリ型のアイテム。地球の記憶の一部を再現するプログラムが入っており、その記憶の頭文字が刻まれている。メモリを挿した人間や動物をドーパントに変身させる。
- ミュージアム壊滅後もガイアメモリの闇取引は治まらず、さらに生産がストップした事でかえってプレミアが付いている。
- ドーパント
- ガイアメモリを使って変身した怪人。メモリに収められた地球の記憶に基づいて様々な姿に変身し、能力を使えるようになる。
- 仮面ライダー
- 作中に登場するヒーロー達の総称。広義では本作の仮面ライダーもまたドーパントである。
- ガイアドライバー
- ガイアメモリの毒性を濾過してその力だけを利用できるベルト型のアイテム。仮面ライダーが使用するダブルドライバーやロストドライバーもガイアドライバーの一種(次世代型)である。
- メモリブレイク
- 仮面ライダーがドーパントに強力な一撃(主に必殺技となるマキシマムドライブを使用)を与える事で、ドーパントが使用するガイアメモリのみを破壊する行動。この行動でドーパントに変身した人間は基本的に死ぬ事はないが、ネクロオーバー(死者蘇生)した人間や、証拠隠滅の自爆機構が搭載されたマスカレイドメモリを使用した場合など例外も存在する。
- メモリガジェット
- 翔太郎達が事件捜査に使用する特殊ツール。通常は腕時計や携帯電話を象った「ガジェットモード」を採るが、ガイアメモリと同規格のスターター「ギジメモリ」を挿入することで動物型の「ライブモード」へと変形する。また仮面ライダーの武器にセットすることで、より強力なマキシマムドライブを放つ出力増幅器としても機能する。
楽曲
- 主題歌
-
- 「似合う男になれ」
- 作詞:鳴海荘吉・jam、作曲:鳴海荘吉、編曲:菅原弘明、歌:鳴海荘吉(吉川晃司)
- 吉川晃司氏は特撮版の鳴海荘吉役。
- 挿入歌
-
- 「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」
- 原典『仮面ライダーW』主題歌。
- その他
-
- 「W-G-X 〜W Goes Next〜」
- 作詞:藤林聖子、作曲:鳴瀬シュウヘイ、歌:上木彩矢wTAKUYA
- 『風都探偵』第3話の挿入歌。
- 「W-B-X」のアップテンポアレンジ。
- 『Y』で採用。
登場作と扱われ方
単独作品
- スーパーロボット大戦Y
- 初参戦作品。シーズンパス「DLC1」で追加参戦。変身前の登場人物も顔出しで登場する。劇場版名義の参戦だが『風都探偵』の要素も含んでおり、ミュージアムを壊滅させ、現在進行系で裏風都と戦っているなど『仮面ライダーW』及び『風都探偵』での出来事も断片的に語られている他、劇場版に登場しなかった仮面ライダーアクセルやロード・ドーパントも登場する。しかし、『風都探偵』本編に登場したダブルとアクセルの最強フォームは未登場で本作と『風都探偵』の明確な基準は不明。
- 派生作品であり、SRWへのヒーローアニメ参戦の実績自体も既に多いとはいえ仮面ライダーのスパロボ参戦は多大な反響を呼んだ。また、劇場公開から1年に満たないタイミングでの参戦発表と家庭用機では久々のスピード参戦となる。
- 原作再現については翔太郎がときめに自分たちの過去を話すという体裁のため、回想イベントを挟まずインターミッションの会話のみで終了する。
余談
- 原典である『仮面ライダーW』は平成仮面ライダーシリーズの第11作にあたる。いわゆる「第2期平成ライダー」の第1弾と位置付けられており、以降の作品に与えた影響も大きい。
- 原典の直接の続編ではあるが、本作は原典から登場人物のデザインが大幅にアレンジされており、特にフィリップは髪色が変更され顕著に変化している。
- ただし、本作のSRW参戦時にこのデザインの違いで原典の出演者の肖像権がクリアされているかは明言されていない。
- 原作漫画は『仮面ライダーW』のメインライターである三条陸氏が継続して脚本を担当しており、『風都探偵』アニメ各作品にも脚本監修という形で携わっている。
- 原作漫画が青年向け雑誌である週刊ビッグコミックスピリッツでの連載ということもあり、子供向けであった原典とは異なり残酷描写や性的描写が盛り込まれた内容となっている。
- 当初は『W』本編最終盤でフィリップが姿を消してから、最終回で戻ってくるまでの翔太郎の空白期間が描かれる予定だったが、この時期の翔太郎は精神的に疲弊しており、そんな状態での物語を読者は毎週読みたくないのではないか、等の理由から、続編という形にシフトした経緯がある。
- また「平成仮面ライダーシリーズが幅広い年代に支持されているとはいえ、成年層の読者には抵抗があるのではないか?」という三条陸氏の提案により、タイトルから『仮面ライダー』が外されており、最序盤では「仮面ライダー」という単語もアオリや次号予告で使用されていない。
- アニメのキャスティングはゲーム『KAMEN RIDER memory of heroez』から『W』の登場人物達を担当した声優陣が続投している。これは監督である椛島洋介氏の意向によるものである[2]。
- 本作の参戦により、日本の三大特撮[3]シリーズ(仮面ライダー・スーパー戦隊・ウルトラマン)すべてがSRW参戦を果たしたこととなった。
- これに加えて、コンパチヒーローシリーズ御三家(ガンダム・ウルトラマン・仮面ライダー)も参戦コンプリートとなった。
- 『スーパーロボット大戦30』の『ULTRAMAN』同様にアニメ化を経ての参戦である。
- 『Y』への参戦は2025年8月19日の生配信で発表されたが、一方の原作漫画『風都探偵』ではちょうど仮面ライダースカルこと鳴海荘吉に関する長年の謎から始まる新編が連載中であった。
脚注
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