ウォルターガンダム
ウォルターガンダムは『機動武闘伝Gガンダム』の登場メカ。
| ウォルターガンダム | |
|---|---|
| 外国語表記 | WALTER GUNDAM[1] |
| 登場作品 | |
| デザイン | カトキハジメ |
| 初登場SRW | 新スーパーロボット大戦 |
| SRWでの分類 | 機体 |
| スペック | |
|---|---|
| 正式名称 |
|
| 分類 | モビルファイター |
| 頭頂高 | 8.6 m |
| 全高 | 19.4 m |
| 全幅 | 10.2 m |
| 重量 | 9.2 t |
| 動力 |
熱核融合炉 DG細胞 |
| 装甲材質 |
ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材 レアメタルハイブリッド多層材 DG細胞 |
| 原型機 | 不明(ノーベルガンダムは擬態) |
| 所属 | デビルガンダム軍団 |
| ガンダムファイター | アレンビー・ビアズリー ⇒ ウォン・ユンファ |
概要 編集
デビルガンダム四天王の一角を担うモビルファイターで、「笑倣江湖(しょうほうこうこ)」の肩書を持つ。
ウォン・ユンファの策略で、デビルガンダムのコアユニット候補として拉致されたアレンビー・ビアズリーがDG細胞に侵された上で搭乗し、レイン・ミカムラの搭乗したライジングガンダムとネオホンコンを舞台に激突する。
機体概要 編集
デビルガンダムを手中に収めようとするネオホンコンの首相ウォン・ユンファは、東方不敗マスター・アジアのマスターガンダムを筆頭としたデビルガンダム四天王の結成を考案し、既に失格となったネオイタリア代表のミケロ・チャリオット、ネオイングランド代表のジェントル・チャップマンの二人が搭乗するネロスガンダム 、ジョンブルガンダムの2機が四天王に選ばれ、DG細胞によってそれぞれがガンダムヘブンズソード、グランドガンダムへと変貌。更にそれに次ぐ最後の四天王として開発されたのが本機となる。
本機は既に登録されたガンダムから変異したガンダムヘブンズソードやグランドガンダムと異なって、DG細胞により一から構成される形で開発された特殊な機体となっている。水中戦に特化した機体となっているが、モビルファイターとしては完全な人型とは言えない特異な外見[2]をしており、どちらかと言えばモビルアーマーに近いカテゴリーの機体となっているのが特徴。DG細胞を用いて制作されただけあって極めて高い性能と戦闘力を誇るが、それ以上に驚異的と言えるのはあらゆる環境における適応能力の高さにあり、水中戦と空中戦の兼用となる形態である「アタックモード」では両腕のチューブに繋がっている円形のアーマーを機体全体を覆って球体となり、水中と空中での双方において高速による機動力を生かした強襲戦を発揮。アーマーを完全に閉じる事で、ビーム等に対する防御力を飛躍的に向上させる。陸戦用形態でもある「スタンディングモード」ではチューブで繋がれた両腕の3本のクローに3本足とシンプルな構造となっているが、不整地等においても安定させた形で機体を直立可能としている。更に、アタックモードの状態では、ブースターユニットやサポートユニットも無しに単独で大気圏を離脱して宇宙までの上昇も可能としている[3]等、見た目に反して高い汎用性を有している事を証明している。アレンビーがパイロットに決まった後は、ノーベルガンダムのバーサーカーシステムもそのまま搭載される[4]のだが、それ故に四天王に属するモビルファイターの中では最も外部からの制御が難しくなったという欠点も生じ、これは後に裏で操っていたウォンの自滅に繋がっている。
武装面では、両腕部に当たるクローアームである「ウォルターテンタクル」から発射されるビーム砲を唯一の火器としているが、アタックモードとスタンディングードの双方で使用出来る上に収束放射と拡散放射に使い分けて使用する事が可能と、高い応用性を持ち合わせている。また、一見普通のガンダムフェイスに見える頭部もデビルガンダムヘッドと同様に口部がフェイスオープンして展開し、アタックモード時にて牙を剥き出しにして敵に噛みつく「ウォルターファング」によって敵の意表を突く形での強襲攻撃を可能とする。更にはアタックモードでアーマーを完全に閉じた状態も攻撃に転用する事が可能で、その質量を利用した体当たりは、並の攻撃を物ともしない形で圧し潰す。
なお、劇中での様相から本機はアレンビーの搭乗していたノーベルガンダムが変異したかのように見えるが、実際は逆であり、本機のDG細胞を利用した変異能力を応用し、ノーベルガンダムに「擬態」していたのが真相である。しかも、単に外見を真似するだけでなく、ビームリボンを使用していた事実からも、武装等も模倣する事が可能となっている。
劇中の様相 編集
他のデビルガンダム四天王の機体と共に、第13回ガンダムファイト決勝大会開催の場となるネオホンコンに向かう途中であったドモン・カッシュの搭乗するゴッドガンダムを襲撃。この時は、アレンビーが四天王にされる前の事だった為に、自動操縦によって動かされていた。
決勝大会が最終戦にまで差し掛かった時期にてアレンビーが搭乗者に決まった後は、ノーベルガンダムに擬態した状態でランタオ島での最終戦に参戦。手始めにドモンのゴッドガンダムを襲撃し、アレンビーの意思に関係なく凶暴に暴れ狂うが、レインの搭乗するライジングガンダムに阻まれ、強引に海中へと連れ込まれる。そこで、ウォンからの指令を受けた事でウォルターガンダムとしての本来の形態へと変貌。水中という有利な場所で アレンビーを攻撃する事に躊躇っていたレインのライジングガンダムに一方的な攻撃を展開するが、レインの賭けでコクピットブロック近くに設置されたバーサーカーシステムをライジングアローで貫かれる。しかし、それでもバーサーカーモードは解けず、已む無くゼロ距離からのライジングアローを口部に直撃させ、機体は機能停止した。なお、この際の市街地での乱闘で、ウォンは攻撃に巻き込まれて瀕死の重傷を負っている。
決勝戦終了後は、そのまま破棄された状態となっていたが、瀕死の重傷を負いながらも辛うじて生きていたウォン自らが生体ユニットとして搭乗する事で再生。ネオジャパンのコロニーへ向かったレインを追いかけて宇宙へ向かおうとするドモンのゴッドガンダムを追う形で襲い掛かり、乗っていたブッド・キャリアーを破壊した上で地上へ叩き落とす。その後は、再生したデビルガンダムの元へ向かうべく大気圏を離脱しようとしたが、最後は風雲再起に騎乗したゴッドガンダムのゴッドフィンガーの直撃を受け、更には頭部を風雲再起の後足で蹴り飛ばされ、爆散。搭乗していたウォンも死亡した。
登場作品と操縦者 編集
旧シリーズ 編集
- スーパーロボット大戦F 完結編
- アタックモードを基本形態とし、スタンディングモード、バーサーカーモードの3形態で登場。移動力は5しかなく、形態によっては最大射程1。攻撃力も弱く、やられ役扱いを前提としたかの様な酷い性能。変異前がよっぽど手強く思える程弱いので、アレンビー加入を狙う際は焦らずフラグを満たして行こう。この次のシナリオでウォンが搭乗し、原作のイベントの露払いとなる。
- なおスタンディングモードは、アレンビーを説得せずに倒した場合にしか登場しない。ロボット大図鑑登録の際には注意。
携帯機シリーズ 編集
- スーパーロボット大戦A
- 未登場だが、ジョルジュがガンダム試作3号機をこれに例える。どちらかと言えばグランドガンダムのほうが似ている気がするのだが。
- スーパーロボット大戦J
- アレンビー参戦条件を満たしていない場合に41話で出現。満たしていた場合グランドマスターガンダムの一部としてのみしか登場しない。にもかかわらず東方不敗はデビルガンダム四天王と発言する。
単独作品 編集
- 新スーパーロボット大戦
- 初登場作品。地上編中盤にアタックモードで登場し、最終面ではスタンディングモードで登場する。「狂気の力」ではまずアタックモードで登場し、倒されるとスタンディングモードとなって復活する。いずれにしても水中での戦闘にはならない為本領を発揮できない。
- 初登場時は、既にデスアーミー達と共に襲いかかっているのに何故かAI操作だが、アレンビーを仲間にしないと最終面及び「狂気の力」にて彼女が乗り込む。こうなるとどうやっても彼女を助けられず、さすがに鬱な気分になるのでファンは仲間にして回避したい所だが、その場合精神コマンドに優れるレインが仲間にならなくなってしまう。アレンビーを仲間にした場合は、ゾンビ兵が代わりを務める事に。
- 新スーパーロボット大戦 スペシャルディスク
- フリーバトルに登場。またおまけマップでは、マスターガンダムの周囲に増援として出現。
装備・機能 編集
武装・必殺武器 編集
- ウォルターテンタクル
- 両腕に装備された三本爪のクロー。中央部分からはビーム砲を発射可能。『新』『F完結編』では「ウォルター・テンタクル」表記。
- 『新』では演出がビーム砲と同じで、性能が射程1・P属性・地形適正が空‐海A・無消費という不可解なことになっている[5]。恐らくクローでの格闘攻撃という想定で性能を設定したが、演出の設定を間違えたものと推測される。
- 『F完結編』では射撃属性・射程1~6・移動後使用不可・空Aと射撃攻撃らしくなった……スタンディングモードでは。バーサーカーモードでは再び射程1のP属性に戻っている。
- ビーム砲 / 拡散ビーム砲 / ビームキャノン
- ウォルターテンタクルから発射されるビーム。それぞれ『新』/『MX』/『J』での表記。上記の通り『F完結編』では「ウォルター・テンタクル」名義でビームを放っている。
- ウォルターファング
- 口部がフェイスオープンして牙(ファング)で噛み付く。こちらも『新』『F完結編』では「ウォルター・ファング」表記。
- 『新』では相手がMFの場合、被弾モーションを取る特殊仕様対応。
- 体当たり
- 飛行形態のアーマーを閉じ、球体モードになっての体当たり。
特殊能力 編集
- HP回復
- 状態変化耐性
移動タイプ 編集
サイズ 編集
- M
対決・名場面 編集
- 対ライジングガンダム
- ランタオ島での決勝戦、ゴッドガンダムの前に現れたアレンビーの乗るノーベルガンダムであったが、彼女はバーサーカーシステムのコントロール下にあり、「擬態」を解除して本来の姿であるウォルターガンダムとなり、襲い掛かる。しかし、そこに現れたレイン・ミカムラの駆るライジングガンダムに乱入され、女同士の戦いへと突入する。
- ファイターとしては完全に素人であったレインのライジングガンダムを相手に、ドモンへの情念を叫びながら襲うアレンビーは圧倒的優位にあったが、DG細胞とバーサーカーシステム双方から救いたいと願ったレインの放った「必殺必中!ライジングアロー」によってコックピット付近にあったバーサーカーシステムを破壊される。それでも暴走は止まらず、ライジングアローを装着した腕部に喰らいつくが、最後はレインの想いが勝利し、アレンビーは無事にウォルターガンダムの呪縛から解放される事になった。
関連機体 編集
- ノーベルガンダム
- 「擬態」していた。
- デビルガンダム
- 生みの親。
- マスターガンダム / ガンダムヘブンズソード / グランドガンダム
- 同じデビルガンダム四天王の機体。
- グランドマスターガンダム
- 尻尾にウォルターガンダムそのものを使っている。
余談 編集
- デザインのモチーフは、ガンダムF91とされており、ウォルターファングがフェイスオープンに対応している。
- 本来この機体のファイターには、ネオメキシコ代表のチコ・ロドリゲス(SRW未登場)が予定されており、「水中戦が得意」という設定もそれを踏まえた物と思われる。しかし、余命幾許も無い妹の為に、反逆者になるのを覚悟で脱走して戦っていたという元々の悲哀な設定からか、さすがに実現は却下された模様。
- 第5話でのダイジェストにてジョンブルガンダムとチコの乗機であるテキーラガンダムが描かれており、この時点では四天王として再登場する構想があったことが窺える。
- 本放送時に月刊コミックボンボンで連載されていた漫画版第7話で四天王(風雲再起は未登場)がゴッドを襲撃した際、本誌掲載時はパイロットたちの顔がシルエットで浮かび上がっているコマがあり、チコらしき人物が描かれている。後の単行本版ではチコの四天王設定が没になったことから、四天王機の顔に変更。
- 他のデビルガンダム四天王と違い、登場時にマスター・アジアの口から紹介されたことも名前が呼ばれたこともなく、事前情報がなければ「謎のガンダム」なのだが、第46話での再登場時にドモンが「四天王ウォルターガンダム!」と唐突に名前を呼んでいた(アレンビーを見舞った際に聞いたのかもしれないが)。
- なお、同じ四天王のガンダムヘブンズソードが「デビルガンダム四天王その1」、グランドガンダムが「その2」と呼ばれていたが、ウォルターは順当に行くと「その3」だろう。
- 当初は「ノーベルガンダムがDG細胞に冒されて変形した」設定だったが、劇中と矛盾が生じた為に先述した通り「ランタオ島に出現したノーベルガンダムは、ウォルターガンダムが偽装した姿」と変更された。
脚注 編集
- ↑ 笑倣江湖ウォルターガンダム|モビルファイター|『機動武闘伝Gガンダム』公式サイト、2025年8月16日閲覧。
- ↑ 一応、第13回大会では、ネオネパールの代表としてやはり特異な外見をしたマンダラガンダムが参戦しており、第11回大会に至ってはネオシベリアの代表として「マンモスガンダム」というまんまマンモスな外見をしたガンダムが参加していたりする。
- ↑ 例で挙げるなら、ゴッドガンダムはブットキャリアーや風雲再起のサポート無しに宇宙への上昇は出来ず、他のシャッフル同盟のガンダムもネオロシアのゴルビーIIによって宇宙へと上がっており、ガンダム連合に参戦したガンダムの多くも、ネオスウェーデンのサポートを受けて、ロケットに機体を組み付かせないと宇宙へは上がれなかった。
- ↑ バーサーカーシステムもDG細胞によって強化されていると記載されている資料もある。
- ↑ 参考までにビーム砲の性能は射程1~6・空A海‐・弾数16。