フリット・アスノ
フリット・アスノは『機動戦士ガンダムAGE』の主人公の一人。
フリット・アスノ | |
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登場作品 | |
声優 |
豊永利行(フリット編) 井上和彦(アセム編以降) 嶋村侑(幼少期) |
デザイン |
長野拓造(原案) 千葉道徳(アニメ版) |
初登場SRW | スーパーロボット大戦BX |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
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種族 | 地球人(Xラウンダー) |
性別 | 男 |
年齢 |
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出身 | スペースコロニー「オーヴァン」 |
身長 |
147 cm(フリット編) 189 cm(アセム編以降) |
所属 |
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役職 |
隊長(青年フリット編) 総司令官(アセム編) 退役(キオ編) |
軍階級 | 中将(アセム編) |
概要編集
第一部・フリット編の主人公にして、作品全体を通しての主人公とも呼べる重要人物[1]。
技術者「モビルスーツ鍛冶」として有名なアスノ家[2]の出身であり、自身も技術者としての高い素質を持ち、若年でありながらガンダムAGE-1の設計・開発を担当する。
来歴編集
第一部前半・フリット編編集
A.G.101年、「天使の落日」と呼ばれるヴェイガン(当時はUEと呼ばれていた)による最初のコロニー「エンジェル」襲撃の日に生まれた。7歳の時、ヴェイガンによってフリットの故郷であるコロニー「オーヴァン」を襲撃され、母マリナを喪う[3]。彼女の死に際に、小型コンピューター「AGEデバイス」を手渡された。
14歳時、住んでいたコロニー・ノーラへとヴェイガン(UE)が侵攻。AGEデバイスに内蔵されていた設計図のデータを元に製造・完成したガンダムAGE-1を起動させ、敵MS・ガフランを辛くも撃破する。それ以降はヴェイガンを多く撃破する数少ない戦力として重宝されるようになり、ヴェイガンの秘密基地アンバット陥落(後に「コウモリ退治戦役」と呼称される)まで前線で戦い抜いた。頑固な性格で自身の考えを曲げようとしない。また、悲劇的な経歴からか、この頃はガンダムに対する想いが人一倍強く、ガンダムAGE-1に他のパイロットが乗る事を強く拒絶する程[4]。しかしアセム編以降は成長によるものか、執着心はだいぶ薄れている。
第一部後半・青年フリット編編集
コウモリ退治戦役後、フリットは地球連邦軍へ正式に入隊。以降は青を基調としたノーマルスーツを老年期まで着用している。入隊後、着実に戦果を挙げた事によって22歳の時点でモビルスーツ部隊長(部隊名は「アスノ隊」)への昇進を果たし、地球連邦軍基地の一つ「トルージンベース」へと赴任した。
トルージンベースは(防衛戦力がアスノ隊の一つだけしか無かった状態だったとはいえ)前線から遠く離れた宙域に所在していた為、そこに駐留する軍人達の緊張感は皆無であった。しかし、フリットは新たな換装形態「ガンダムAGE-1 レイザー」の調整を進めながら、敵襲への警戒を怠らなかった[5]。
そんな状況の中、ヴェイガンの4隻の巨大戦艦からなる艦隊がトルージンベースに襲来する。フリットは単機で敵MSを相手に奮戦するも、多勢に無勢であった。しかし、フリットは「敵艦の外壁に味方MSを取り付かせ、外壁部に出ている情報伝達ケーブルを伝って敵艦の航行コンピュータを乗っ取る」という奇策を編み出し、部下である技術部門出身の連邦兵にそれを実行させる。その結果、敵艦の操舵を乗っ取る事に成功。さらに、この艦を他の艦に玉突き衝突させて、ヴェイガン艦隊を壊滅させる事に成功する。フリットはたった一部隊でヴェイガンの4隻の巨大戦艦からなる艦隊を撃退し、トルージンベースを守り抜いた戦い(後に「アーシュランス戦役」と呼称される)の功績によって、異例の三階級特進となった。
アーシュランス戦役後、フリットはトルージンベースへの赴任中に再会した幼馴染のエミリーと結婚。彼女との間にアセムとユノアの一男一女をもうけた。
第二部・アセム編編集
地球連邦軍総司令部「ビッグリング」基地司令へと昇り詰めた。階級は中将。この頃から口髭を蓄えている。歳を重ねた事もあり、冷静な判断力を多く見せた他、自身もパイロットとして前線で戦い、Xラウンダーかつアップデートを繰り返しているとはいえ、旧式の機体でありながら最新鋭機を多く撃破するなど腕の衰えを一切感じさせない。
当初は地球圏からヴェイガンを一掃する事を目的としていたが、アセム編最終話においてウルフ・エニアクルら旧知の仲である戦友達を失った事もあり「全てのヴェイガンを殲滅する」という異常なまでの憎しみを持つまでに至る。それ故に粛清委員会を率いてヴェイガンと癒着している連邦高官らを厳しく取り締まっていた。
このころはコロニー「トルディア」に移り住み、広大な牧場付きの邸宅を持っていたが、司令官としての業務が多忙を極めていたため帰宅する事は稀であった。帰宅した際は家族と乗馬を楽しんでいたようである。また、かつての愛機AGE-1を個人的に所有、エミリーの祖父バルガス・ダイソンに強化改修を任せて有事への備えとしていた[6]。
第三部・キオ編編集
この頃には地球連邦軍を退役している[7]が、密かにガンダムAGE-3を建造し、孫のキオをパイロットとして育てていた。オブザーバーという形で軍に復帰し、ディーヴァに乗艦。新艦長のナトーラ・エイナスを補佐していたが、ガンダムAGE-1 フラットが搬入されてからはパイロットとしても活動するようになった。さすがに齢60を超えているためか、全盛期に比べると明らかにパイロットとしての腕は低下している。退役していたとはいえ、その影響力は今なお健在であり、そのせいで一部の連邦軍人からは快く思われてもいない。また、長きに渡る救世主・ガンダムへの執着とヴェイガンへの憎しみが募るあまり、口を開けば「殲滅」とヴェイガンの殲滅に非常に強く拘る様になってしまっている[8]。
第四部・三世代編及び没後編集
終盤では再び連邦軍総司令(中将か?)に復帰し、最終決戦では最前線で奮闘。敵の本拠地コロニー「セカンドムーン」を眼前まで迫り、プラズマダイバーミサイルを使用してコロニーごとヴェイガン「殲滅」を果たそうとするも、かつての恋人ユリンが残留思念として現れ、彼女を守られなかった事を悔やみ続けるフリットに「自分を許してあげて」と問いかけられ、自分の今までしてきた所業を悔やむ。そんな最中、最後の敵として立ちはだかったゼラ・ギンスの搭乗機体であるヴェイガンギアがシドに取り込まれ、ヴェイガンギア・シドに変貌を遂げて暴走状態に陥り、敵味方関係無く攻撃を仕掛けてセカンドムーンが崩壊し始める。全ての憎しみと復讐心を捨てたフリットは、コロニーに住まう人々を救うためヴェイガン全軍を説得し協力しあい、半壊状態に陥ったコロニーから取り残された人々を救助するため自身の命をかけて奮闘した。
戦後、火星のマーズ・レイの対策に人生を費やし死病の克服を実現に成功し、「抱え切れなかった人口」全てを了承できるよう火星移住計画を実現させるも、完遂を待たずに死去した[9]。
そして、ラ・グラミス戦から37年後に当たるA.G.201年、「天使の落日」からちょうど100年後の暑い日、地球とヴェイガンの双方を救った彼を讃えて、ガンダム記念館には「フリットの銅像」が建てられていた。この記念館の完成時点を以ってフリット生誕=ヴェイガン(UE)と人類の接触より100年、『機動戦士ガンダムAGE』の謳い文句でもある「100年に渡る戦い」はついに終わりを迎えたのだった。
結果的にその人生の多くを戦争に費やし、護れなかった自責の念から他者のために戦い続け、ヴェイガンを憎んで憎んで憎み続けながらも最終的には憎しみを捨て、地球とヴェイガンの双方に尽力した末にその生涯を終える、という壮絶な人生を送ったフリット・アスノは間違いなく人類の救世主とも言えようか。
キャラクターの総評編集
キオ編以降における度重なるヴェイガン殲滅発言が視聴者の強い印象に残ってしまったのか、ガンダムシリーズは勿論ロボットアニメにおいても数少ない主人公でありながら「殲滅至上主義者」というその特異のキャラクター性が、特に語り草となっている。それ故に、バスク・オムやパトリック・ザラやミツヒロ・バートランド、終いには三輪防人といった他作品の主人公達と敵対・対立する立場にある醜悪に歪んだ過激思想を持った人物達の同類と見做されてしまいがちな傾向もある[10]。
しかしながら、フリットがヴェイガンに対しての過激なまでの殲滅思想を抱くようになった背景には、彼が幼少期からの悲劇的な経験を多く得た事も関係している。すなわち、フリットの殲滅思想は、大切な人々をヴェイガンの襲撃から守りきる事ができなかった事に対する後悔の念に端を発するものであり、その悲劇を繰り返させまいとする強い決意と責任感の表れでもあった[11]。
そして、何よりもフリットは口でこそ過激な発言をするものの、人としてあるべき心をも失った上記の面々と違って人としての良心も強く残しており、実際に一線を越えてしまった事は全く無い点を留意すべきであろう(この辺りがバスクやパトリック、三輪などとの決定的な差といえる)。ただし、本当に一線を越えようとしてキオら他の人々に水を差されて不発に終わったこともあるため、「自分を止めてくれる人がいてくれたから外道に堕ちずに済んだ」という解釈も捨てきれない。そういう点では「多くの悲劇を経験したが、得難い人々に恵まれもした男」であったとも言える。
登場作品と役柄編集
携帯機シリーズ編集
- スーパーロボット大戦BX
- 初登場作品。本作ではシナリオの都合上、第3部の姿での登場となるが、第41話「君の中の英雄」で一度だけ少年時代の姿が見られる。
- 序盤から自軍部隊に同行し、BXの首脳陣の一人として活躍する。自軍の中でも屈指の老齢であり、後述にもあるように『ガンダムAGE』のみならず宇宙世紀ガンダムシリーズや『ガンダム00』、マクロスシリーズの歴史を内包した世界観を持つ本作の世界で長きにわたる戦いを生き続け、十分なまでの勇名を馳せている為その存在感は非常に大きい。ついでに言えば『BX』の歴史を考えると、この世界では『ガンダム』にアムロより早く、一番最初に乗ったことになる。
- 特にガンダムシリーズでは『UC』『劇場版00』が参戦している都合上、ティターンズやアロウズなど軍内部の醜い争いを繰り返す上にアムロやシャア、セルゲイなど自身よりも年齢が下である後輩が次々と死ぬという、責任感をより深めかねない原作以上に過酷な状況と化している[12]。さらに初代マクロスの時系列がフリット編と重なる時期のため、ゼントラーディ達のような異星人とは和解できたのに地球人同士で争っている状況を目の当たりにしている事になる。また、その年齢と経歴ゆえ、物語開始以前から幾人もの他作品のキャラクターと面識を持っている。
- 原作同様ヴェイガンに対して強い憎悪を向ける場面では周囲に戸惑いを与える事もあるが、同時に優れた人格者である面も多々描写され、BXのメンバーからも強く信頼されている。終盤には原作同様、地球連邦軍の総司令に復帰する。精神世界でのユリンとの邂逅、そこから続く戦場全域への協力要請イベントはDVE付きでしっかり再現されている。
- 当初はディーヴァのサブパイロットとして参入し、終盤でガンダムAGE-1グランサのパイロットに転向する。恐ろしいまでの火力を誇るAGE-1のお陰ですぐ一軍になれるだけの能力はあるのだが、ディーヴァを使っていないと低レベルで加入する事になるのが最大の難点。そのディーヴァも比較的性能が低く、他の母艦に押され気味で出番が少ない。
- また、サブパイロットとして自軍に参入済みである(自身で出撃していないので撃墜数を稼げるわけがない)ためか、あるいは退役して長かったことを表しているのか、参入時の撃墜数が0である。……乗機がトンデモ性能のMAP兵器を持っていることも一因と思われるが。セリック生存を果たせなかったプレイヤーはMAP兵器で撃墜数を稼いでいくのも一手。
- なお、戦術指揮も担当する。内容も相応にフリットらしいものであり、三段階目までいくとヴェイガンに対して猛威を奮う。
- 戦闘前会話についてはキオがメインの主人公格として扱われ、それにフリットとアッシュが加わる三人一組の形になっている[13]。
パイロットステータス編集
能力値編集
老齢かつブランクが長いとは思えないエース級能力の持ち主で、防御以外の全能力が平均的に高い。AGE-1は射撃特化なのだがフリットのパイロット特性は「格闘」なので、キオや刹那、撃龍神、フラグが立っていればゼハートやジラードなど、「長射程の格闘武器」持ちと組むと良い。
精神コマンド編集
- BX
- 集中、直感、闘志、魂、覚醒
- 『ガンダムAGE』の初代主役だけに、息子も孫も持っていない「魂」と「覚醒」を所持。
- 魂は乗機に追加されるプラズマダイバーミサイルの凶悪な性能と併せると自軍でもトップクラスのダメージを与える事ができ、正に「鬼」のような活躍を見込める。
- サブ時も構成と習得Lvが同じなので、頑張ればディーヴァも覚醒させられるが、習得がLv53なので周回時でないと厳しいだろう。
特殊スキル編集
- BX
- XラウンダーL9、援護攻撃L1、援護防御L1、全体攻撃L1、指揮L3、ガード、カウンター、見切り
- 初めからガード、カウンター、見切りを所持しており、Xラウンダーレベルも最高の9まで上がる。かつて地球連邦軍の指揮官であった経験を持つ故か、母艦の艦長以外でただ一人の指揮L3持ち。
戦術指揮編集
- 反撃時の攻撃力上昇、ヴェイガンに対する攻撃力・防御力上昇、連続ターゲット補正無効
- 「ヴェイガンを積極的に殲滅しろ」と言わんばかりの効果だが、ヴェイガン以外の相手でも反撃無双に大きく貢献してくれる組み合わせ。
人間関係編集
家族編集
- マリナ・アスノ
- 母。フリットが7歳の時にUE(ヴェイガン)に屋敷を襲撃され落命。死に際にAGEデバイスを彼に託した[3]。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れた。台詞こそ無いが、息子を見守る母を前にフリットのヴェイガンへの憎悪も氷解していった。
- エミリー・アモンド(エミリー・アスノ)
- 幼馴染。当初は恋愛関係には発展していなかったが、青年期の再会を経て結婚、夫婦となる。小説版の描写によると、恐妻家な一面も見受けられる。
- バルガス・ダイソン(SRW未登場)
- エミリーの祖父で、後に義理の祖父となる。ガンダムAGE-1開発を支援した。
- ちなみに関係はかなりフランクなのか、名前を呼び捨てで呼んでいる。
- アセム・アスノ / キャプテン・アッシュ
- 息子。親子仲自体は良好ではあるが、優秀な父へのコンプレックスとフリットの性格故にやや冷めた関係でもあった。
- アセムがキャプテン・アッシュとして活動するようになった後には、方針の違いで対立する。
- ユノア・アスノ
- 娘。アニメ本編では純粋に良き父親と慕われている。キオ編では高齢ゆえに思考が硬直化してしまったフリットを諭す事も。
- ところが、一方の小説版では「フリットが放任主義であったことや連邦内のヴェイガンの内通者を過剰に粛清したこと等が原因で、キオ編の時点ではユノアから愛憎入り混じった目を向けられている」等、険悪な関係となっている。
- キオ・アスノ
- 孫。プレゼントとしてゲームと称したMSシミュレーターを与える等、アスノ家の後継者としての教育を施す。
- 一方で、老化によって身体能力が衰えた自分の代わりにヴェイガンを滅ぼす者としての教育をした事[14]に対して強い罪悪感も抱いていた。もっとも、キオの危機には我が身を省みず助けようとする等、家族としての愛情も確かなものである。
- TV版では、「コロニーデストロイヤーでコロニー・ノーラを破壊しようとしたガフラン」と同様の行為に手を染めようとするフリットに対し、キオは「それをなんとしても止めようとしたAGE-1」、すなわちかつての少年フリットとしてフリットの前に立ちはだかる存在でもある。
友人編集
- ユリン・ルシェル
- コロニー・ノーラ脱出時に出会った少女。互いに心惹かれていくものの、最終的にデシルからの攻撃を彼女に庇われる形で死別してしまい、フリットの心に強い傷を残した。
- ちなみに、PSP版では「フリットの初恋の人」というポジションである(キスシーンも存在している)。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れた。自らを責めるフリットに「自分を許してあげて」と彼の憎しみを解くきっかけを与えた。
- ディケ・ガンヘイル(SRW未登場)
- 幼馴染。ディケの娘・アリーサおよび孫・ウットビットと一家揃っての付き合いとなる。
- 小説版ではディケは最初はフリットを嫌っていたが、UEの侵攻の際にフリットに命を救われてからは彼に友情を抱くようになり、親友となる。
- フリットはキオ編の時代にはディケを「太陽系一のエンジニア」「あの男以上の友はない」と評する等、老齢になっても彼との強い友情が健在であることを示している。
地球連邦軍編集
- ヘンドリック・ブルーザー(SRW未登場)
- 孤児となったフリットを引き取った養父。コロニー・ノーラを脱出する際にフリットに救世主の使命を託し戦死。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れた。
- グルーデック・エイノア(SRW未登場)
- 彼の壮絶な生き方と思想はフリットの後々の人生に大きな影響を与える事になり、フリットにとっては人生の師の一人である。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れ、フリットの壮絶な人生を労った。
- ラーガン・ドレイス(SRW未登場)
- ガンダムAGE-1のテストパイロットであり、少年時代からの兄貴分。
- ウルフ・エニアクル(SRW未登場)
- ラーガンと並ぶもう一人の少年時代からの兄貴分であり、息子のアセムにとっても恩人となる。ゲーム版等で描写されたフリットの青年期においては二人で組んでいた事から「二筋の流星」という異名で呼ばれていた事も。
- フリットが軍の改革の為に昇進する一方でウルフは現場に拘った事からコンビは解消されるも、その信頼関係は変わらなかった。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れた。
- フレデリック・アルグレアス
- 側近。退役してからも関係は続き、様々な便宜を図って貰った事も多い。
- ナトーラ・エイナス
- 不慣れな彼女を叱責する事も多いものの、素質の高さと日々の努力を評価してもいる。
- セリック・アビス
- 彼やナトーラと今後の行動方針や作戦を相談し合うことが多い。
- ジラード・スプリガン
- 彼女が連邦を裏切り敵対する最中、戦場でXラウンダーの力を暴走させてしまった彼女を、キオを守るために撃ち殺してしまう。
- 小説版ではキオにエースパイロットの例として名指しする等、その力量を買っていた模様。また同作では、本編同様に彼女を射殺してしまった際、後述のように心中で慟哭する描写が追加されている。
地球連邦政府編集
- フロイ・オルフェノア(SRW未登場)
- 地球連邦首相だが、ヴェイガンに内通していた。
- 青年フリット編にて、フリットを守りが手薄なトルージンベースに赴任させ、トルージンベースをヴェイガンの艦隊が襲撃するという出来事が起こった。
- アセム編では、逆にフリットが起こしたクーデターによって自身の罪を暴かれて失脚に追いやられ、粛清される。
- 余りにも激しいフリットの復讐心を目の当たりにしたため、連行される時は「復讐に取り付かれた男」「貴様ごときに地球が守れるかぁ!!」と激しく罵っている。
ザラムとエウバ編集
- ドン・ボヤージ(SRW未登場)
- 少年フリット編において、下記のラクト共に共闘するが、フリットの目の前で帰らぬ人となってしまう。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れ、笑顔でフリットを見守っていた。
- 小説版ではデシルからフリットを庇って死亡する。小説版第2部冒頭ではヴェイガンへの復讐に走る今のフリットを見れば、「ボヤージは涙を流すだろう」とあり、フリットの心境がかつての真逆であることを示す説明が添えられている。
- ラクト・エルファメル(SRW未登場)
- ファーデーンの騒動以降コウモリ退治戦役まで共闘した。小説版ではキオ編でも存命であり、キャプテン・アッシュことアセムにフリットがヴェイガンへの復讐に拘る理由としてユリンの事を伝える。その際の発言からも自らをザラムとの復讐の連鎖を断ち切ってくれたフリットが復讐鬼になってしまった事を嘆いている事を窺わせる。
ヴェイガン編集
- フェザール・イゼルカント
- ヴェイガンの首魁であり、宿敵。
- フリットは独善的な目的で多くの人間の命を奪ってきた彼のことを「邪悪な存在」「人類の敵」「魔王」などと口を極めて痛罵しており、激しい憎しみを抱いている。
- しかしながら、小説版第5巻にてキオが批判したとおり、フリットとイゼルカントの両名は「過去にとらわれ、過去を言い訳にして、憎悪と哀しみだけを広げている」者同士であり、「同じコインの裏表」の関係であったとも言える。
- デシル・ガレット(SRW未登場)
- フリットが最初に顔合わせしたヴェイガン。
- フリット編ではXラウンダーの力を誇り、操縦技術の差を見せつけるも後に敗北。仕返しとして、フリットと親しいXラウンダーのユリン・ルシェルを利用して、フリットを苦しめるがユリンの死で力を高めたフリットに敗北。フリットより幼い子供だったがゆえ、トドメまでは刺されなかったもののこの情けがデシルをより歪ませることになる。
- アセム編では青年の姿で登場。幼少時の残忍ながらも無邪気な人物から一転して、好戦的で陰湿となっている。しかし、フリットとは力関係も逆転し、フリットの憎悪がヴェイガン全体に広がっているために宿敵になり損ね、最終的にはフリットの息子のアセムに討たれた。だが、その直前にウルフがデシルとの戦いで戦死したためにフリットはデシル関連でまたもや大事な人を喪う羽目になった。
- 結果的にフリットが殲滅主義者と化す一因となり、地球とヴェイガンとの和平を困難にした遠因を作った罪作りな人物と言えよう。
- ギーラ・ゾイ(SRW未登場)
- フリット編に登場。フリットが誕生した日に起きたヴェイガンによるスペースコロニー襲撃事件の主犯格である。
- 撃破したMSデファースから降りた彼と対面して、フリットらは「UE(ヴェイガン)の正体が自分達と同じ人間である」という衝撃的な事実を知り、そのうえで「ヴェイガンは人間ではない」という思想に染まることに。
- ドール・フロスト(SRW未登場)
- 青年フリット編の「アーシュランス戦役」にてフリットと交戦。
- フラム・ナラ
- 彼女自体に特に強い因縁(強いて言えば、青年フリット編にて彼女の実兄ドール・フロストを交戦したことか)は持たないが、実戦経験不足の新兵と見抜く。
- 乗機がかつてユリンを苦しめたファルシアの発展機であるためか、小説版では怒りを露にし、『BX』では彼女からもフリットの過去を知った上での挑発の言葉を受けて小説版以上に強い憎悪を向けた。
- ゼハート・ガレット
- デシルの弟。戦場では司令官兼エースとして幾度となくあいまみえ、戦術勝負にMS勝負と様々な形で激突した。
- ゼハートの生き様は、「フリットあるいはアセムの別の可能性」とも言えるものであった。BD豪華版では特典イラストでまさかの競演を果たし、仲良く温泉卓球をやっている。
その他編集
他作品との人間関係編集
ガンダムシリーズ編集
- ブライト・ノア
- 『BX』では、かつての部下。ブライトとは強い信頼関係にあり、中盤に再会した際、彼とバナージを引き合わせる。
- カイ・シデン
- 『BX』では第1次ネオ・ジオン抗争以来の旧知の仲で、協力者。
- バナージ・リンクス
- 『BX』ではロストロウラン戦の直後に戦いに悩み苦しむバナージを気遣い、彼をブライトと引き合わせる。
- オットー・ミタス
- 『BX』では自軍部隊の首脳陣仲間の一人で、ジェフリーやアズベスらも交えて共に何度か酒を酌み交わし、語らう場面も。
- マリーダ・クルス
- 『BX』ではビスト財団に洗脳され操り人形にされた彼女の実情を知った事で、第25話「虹を見た日」ではいち早く彼女の機体を停止させて彼女を救う事を提案する。
- オードリー・バーン(ミネバ・ラオ・ザビ)
- 『BX』ではラプラスの箱の開示後、彼女からサイアムが遺言で伝えた銀の杯条約以前の技術やEXA-DBの一端の真実を告げられると共に、自身の正義と理想に歪みがあることを指摘される。
- ロニ・ガーベイ
- 『BX』では彼女の最期の様子を見て、少年時代に心を通わせるも命を救う事ができなかったユリンの事を思い出す。
- なお、OVA版『UC』におけるロニは、過去に両親を敵軍に殺害された為、父が残した機体を完成させて復讐の挙に出ている。その意味で、「(OVA版設定の)ロニは、フリットの有り得たかもしれない姿であった」とも言えよう。
- マーサ・ビスト・カーバイン
- 『BX』では政敵。己の私利私欲の為に連邦軍を私物化し利用する彼女を嫌悪を込めて「女狐」と呼んでおり、ロストロウラン戦直後に自身に嫌味を浴びせたアルベルトに対しても面と向かってビスト財団を「寄生虫」と呼び吐き捨てるなど、彼女をはじめ財団を激しく敵視している。
- また、アスノ家からAGEシステムとガンダムAGE-3の奪取も企てるなど、『BX』ではフリットにとってある意味ヴェイガンに次ぐ憎き地球人である。
- スメラギ・李・ノリエガ
- 『BX』では元は反地球連邦勢力であった彼女達ソレスタルビーイングを一応は警戒していたが、彼女達の人間性と信念を信用しすぐに仲間として受け入れる。
- カティ・マネキン
- 『BX』では地球連邦軍の改革派に属し、自身の支持者の一人である。
- アーミア・リー、タクヤ・イレイ、ミコット・バーチ
- 『BX』では、自身が義務化を導入したXラウンダー適性検査を受けたが、バナージ含め全員散々な結果だった。
リアル系編集
- ジェフリー・ワイルダー
- 『BX』では旧知の戦友で、かつては同じ部隊で共に戦った過去を持つ。
- アズベス
- 『BX』では関わる場面も多く、互いに敬意を表している。『BX』では彼のみ「さん」付けで呼んでいることからも一目を置いた相手であることがうかがえる。
- 実は、「一線を退いた歴戦の勇士」「現在は立場ある存在」「孫がいる」「その孫は『救世主と呼ばれる機体』に乗って戦っている」「大切なものを奪った敵がおり、その敵を倒すために戦っている」と、かなりの点で似たもの同士である。
- 一見フリット(キオ編以降)の同年代の友人とも見えるが実の所、フリットの方がアズベスより9歳も年上である。
- ジョルディ・ボーダー
- アズベスの見守る「孫」であり、『BX』ではフリットも彼の成長を見守っていく事になる。
- ミスマル・コウイチロウ
- 『BX』では地球連邦軍の改革派に属し、自身の支持者の一人である。
- 草壁春樹
- 『BX』ではイゼルカントの同盟者であり、自身の歪んだ正義のために姦計を弄する草壁に激怒する。
スーパー系編集
名台詞編集
第一部・フリット編編集
- 「また、あの時の夢見ちゃったよ…。母さん」
- 第1話プロローグより。フリットが見た悪夢の内容とは、「フリットが7歳だった時にUEによって母マリナの命を奪われてしまう」という現実に起こった惨劇であった。
- そして、フリットは母が死ぬ間際に自分に託したAGEデバイスの中に記録されていたMSの設計図を元に、「救世主」となる機体「ガンダムAGE-1」を造り上げた。
- 「さあ行こう、ガンダム。僕達がみんなを救うんだ! フリット・アスノ。ガンダム、出ます!」
- 同じく第1話より。コロニー「ノーラ」に出現したUEのMSを倒すべくガンダムAGE-1で出撃する際の台詞。初の実戦闘故にフリットは苦戦するも、辛うじてUEのMSガフランの撃破に成功する。
- そして、フリットの勝利は14年前の「天使の落日」以来劣勢を強いられていた地球連邦軍のUEに対する反撃の切っ掛けにもなった。
- フリット「そんなの意味が無いですよ!」
イワーク「そうさ、意味なんてない。上の奴らは裕福な生活を送りながら下らない思想をぶつけ合って戦闘に明け暮れている。俺達はそのしわ寄せで、こんな生活を…強いられているんだ!!」 - 第6話でのイワーク・ブライア(SRW未登場)とのやり取り。コロニー「ファーデーン」内部ではザラムとエウバの確執が未だに続いている事を聞き思わず反応するが、ほとんど八つ当たり気味に怒鳴り返される。
- 余談だが、「強いられているんだ!!」というイワークの名(迷?)台詞は、彼の濃い顔が集中線付きでアップされるという演出が為された故に、ネット界隈で予想外の人気を呼んだ。そのため、「ガンダムAGEは知らないがこのフレーズは知っている」という人も多い。
- 製作者側もまた「強いられているんだ!!」というフレーズの予想外の人気を反映してか(?)、井上和彦氏による劇中冒頭のナレーションに「過酷な環境で生きることを強いられた者たちは」等という言葉を入れるようになった。
- さらに、『機動戦士ガンダムAGE』が参戦する以前に発売された『スーパーロボット大戦UX』において、イワークと声優が同じ乃村健次氏である曹操ガンダムが「強いられている」という言葉を発する場面が存在する。
- ついでにTVアニメ『ヘボット!』において、主人公ネジル・ネジールが「強いられているんだ!!」の発言と共にドアップを行うというパロディが展開された。『ヘボット!』の制作元がサンライズの分家であるバンダイナムコピクチャーズである事を考えると事実上の公認ネタと言えなくもない。
- 何かとネタにされがちな台詞ではあるが、『AGE』の登場人物には「生き方を強いられた者」が多く登場している為、真面目な方向でも『AGE』を代表する台詞となっている…かもしれない。
- 「昨日のケンカを今日に引きずるなんて、男らしくないよ!」
- 第7話より。ザラムのリーダーであるドン・ボヤージに対して。
- しかし、直後に「お前さんだって、昔を引きずって戦っているんだろうが! そのガンダムで!」と返されてしまい、フリットも言葉を濁してしまう。
- 事実、フリットは幼少・少年期のトラウマを以降も引きずってしまっている点が皮肉である。以降の話でも引きずる昔は無数に増え、最終的には半世紀以上…。
- 「判ったでしょう? 内輪もめをしている場合じゃないんだ。本当の敵と戦わなきゃ、仲間もコロニーの人達も、みんなやられるんだ!」
「力を合わせなきゃ、UEには勝てない! ザラムとか、エウバとかじゃなくて、今はみんなの力が必要なんだ! 僕たちの敵はUEだ!!」 - 第8話より。UEによってザラム、エウバ両陣営は多くの犠牲者を出してしまった。フリットは本当に倒すべき敵は何なのかを示し、結束を促す。本物の戦争、そして世界がUEの脅威に晒されているという現実を知った両陣営も同調し、フリット達ディーヴァに協力する。
- そしてこのフリットの行動が、物語の最終局面において重要な意味を持つ事になる。
- 「デシル…なぜユリンを…なぜユリンが死ななくちゃならないんだ…」
デシル「意味なんてないよ。盛り上げてくれる遊び道具が一つ減っただけさ!」
「命は……オモチャじゃないんだぞおおおおおっ!!」 - 第14話より。ユリンを死に追いやり、その命を軽んじるデシルへ対して激昂。圧倒的な力でデシルを撃破へと追い詰める。デシルのこの発言でフリットがここから半世紀近くに渡って過激な殱滅思想を抱く結果になったと考えれば、ある意味全ての元凶とも言える場面である…。
- なお、フリットは(ユリンの仇敵とはいえ)デシルが7歳という年少者だった故か、トドメを刺す事はできなかった。だが、結果としてアセム編にてこの時のツケが回ってしまう事となる…。
- 「何が救世主だ…! ユリンさえ救えないなんて…。僕は…僕はああああああああっ!!」
- デシルを撃破後、心を通わせた一人の少女すら守れなかった事に対しての慟哭。この時から、フリットはUEへの憎しみ、そして無力な自分をへの怒りを募らせていく事となる…。
- 「お前達は人間じゃない! どんな姿をしてようと人間なんかじゃない! 罪の無い人達を巻き込んで、母さんだって…ユリンだって…お前達が殺したんだ!!」
- フリット編の最終話である第15話より。UEと呼ばれたヴェイガンの正体が自分達と同じ人間である事実を知った直後の台詞。
- このフリットの台詞は以降も一貫したスタンスであり、後述するように彼らを人間扱いしない台詞は数多存在する。
- 「ユリン…。結局何も出来なかった…。ユリンの事も守れなかった…救世主になって、みんなを守るって誓ったのに…」
「なるんだ…! UEを倒して…僕が救世主になる!」 - 宇宙要塞アンバットでの戦い(いわゆる「コウモリ退治戦役」)の終結後、フリットはユリンら大切な人達を喪った悲しみを振り払い、再び「救世主」になる決意を固めた。胸にUE(ヴェイガン)に対する復讐心を抱いて…。
- そんなフリットをエミリーは、遠くから見守る事しか出来なかった。フリット編における彼の最後の台詞である。
第二部・アセム編編集
- (始まってしまった…これが私たちの宿命なのだ。お前には味わって欲しくない、大切な者を守れない悔しさを。アセム…ガンダムはお前に託したぞ…)
- 第16話より。コロニー「トルディア」を襲撃して来たヴェイガンの2機のMSを息子アセムがガンダムAGE-1によって撃退した報告を聞いて。
- 息子アセムに「救世主」ガンダムによってヴェイガンと戦うというアスノ家の宿命を負わせてしまった事に対して罪の意識を抱いているだけに、フリットは「せめて、息子アセムには自分と同じ辛い体験をさせたくない」と願うのであった。
- 「これは…デシル! ならばこの戦い…勝たせてもらう!」
- 第22話より、戦場へと出撃しクロノスに乗るデシルと対峙して。
- 「これは戦争だ! どんな手を使ってでも、お前を落とす!!」
- 同話。ユリンの仇敵であるデシルと再戦し、形勢がフリット側に有利なままで撤退する際に。
- 大切な人の命を奪った仇敵が相手といえど深入りしないあたり、フリットの大人としての余裕がうかがえる。
- 「アセム。もっと効率よく動いていればあと4機は撃墜できた。これからはもっと良く戦況を見るんだ」
- 同話ラスト、帰還した際にアセムの戦い方を咎める。しかし、これが余計にアセムを苦しめてしまう。
- 「必要なら攻撃も辞さないつもりだ。癌細胞は取り除かなければならない…」
- 第23話、ヴェイガンのMSを解析した所、装甲材からテクノソロン社由来の素材が使われていた事で本社のあるソロンシティまで自ら同行。
- ヴェイガンへの憎しみが未だ健在である事が表れており、ミレースは胸中を想い顔を曇らせた。
- 「一瞬の躊躇が最悪の結果を招くこともあるのだ」
- 同話、市街地での戦闘命令に反発したアセムへ向けて。フリットの行動指針があくまでヴェイガンから人命を守るためである事も表れてもいるが、当のアセムからは「犠牲を出しても構わない」と受け取られてしまった。
- 「グルーデックさん!! 何故こんな…グルーデックさーん!!」
- 第24話ラスト。出所したグルーデックと密会し連邦内におけるヴェイガンとの密告者の情報を得るも、次の密会の際にグルーデックは暗殺されてしまう。少年期の恩師の死にフリットは人知れず涙を流す…。
- 「お前の動きは読めているぞ! デシル!」
- 第25話より。ヴェイガン軍が抱えるXラウンダーの精鋭部隊「マジシャンズ8」を率いてディーヴァを襲撃してきたデシルを迎撃した際に。
- 感情任せの攻撃を仕掛けてくるデシルに対し、常に動きの先を読んで近づけようとしなかった。
- 結果、25年前の母艦のみで最新鋭モビルスーツを事実上完封するというとんでもない指揮ぶりを見せつける。フリット編とは技量が完全に逆転している事がわかる。
- 「これより人間を食い荒らす、忌まわしき獣(けだもの)どもを撃退する!」
- 第26話にて戦闘開始前の艦隊への号令。徹底してヴェイガンを人間扱いしていない事がわかる。『BX』では対ヴェイガンの特殊戦闘台詞として採用。
- 「また私の前から……ウルフ……」
- 同上。フリット編の頃からの戦友であるウルフが戦死した事を聞いて(よく見るとXラウンダー能力ゆえか、ウルフ機の表示がロストする前に反応している)。
- なお、この時ウルフを殺したのはユリンの時と同様デシル(もっとも、アセムの手によって討ち取られたが)であり、フリットのヴェイガンへの憎悪はさらに加速していく事となる…。
- 「ディーヴァもこのまま大気圏に突入させる」
ミレース「アセムを助けるんですね?」
「AGEシステムを放ってはおけない」
ミレース「了解」 - 第27話より。ヴェイガンの移動要塞「ダウネス」の破壊に成功するも、地球の重力に捕らわれて落下していくガンダムAGE-2を追ってディーヴァで回収する事を命令して。
- フリットが冷静沈着な司令官として振る舞っていても、ディーヴァ艦長のミレースの視点からは、彼が何だかんだで息子アセムの安否を心配している事がバレバレである。フリットの(不器用な)父親としての一面が伝わってくる貴重な場面。
- 「あぁ…この美しさを奪い合って、我々は戦争をしているのだ」
- 同上のラストの地球に無事降下した際の夕日を見た際の台詞。まだヴェイガンの詳しい内政状況が分からない2部の段階で美しい地球を奪い合うヴェイガンの目的を理解し、戦いを続けざるを得ない事を物語っているシーン。ヴェイガンの憎しみが目立つフリットだが、伊達に長く戦いを続けているわけでなく敵の事情を把握し憎しみのみで戦っているわけではない(故にだからこそ絶対に倒さないといけないという責任感)複雑な心境を表しているシーン。
- 「元よりそのつもりだ。私が目指すのは…ヴェイガンの殲滅なのだから!!」
- アセム編の最終話である第28話より。クーデターを決行し地球連邦首相フロイ・オルフェノアのヴェイガンとの癒着を暴き「互いに滅びるまで戦うしかなくなる!」と反論する彼を前にして、堂々の殲滅宣言。この台詞を放った際のフリットの強い憎悪を滲ませた瞳も非常に印象的な場面である。
- 以後、フリットはオルフェノアをはじめとするヴェイガンとの内通者を次々と粛正(小説版ではさらに過激な粛清)をしていく等、手段を選ばないようになる。
第三部・キオ編編集
- 「よくやったキオ。これからはお前がガンダムのパイロットだ」
- 第29話、ガンダムAGE-3で初陣を飾った後のキオに向けて労う。
- 「ヴェイガンは殲滅する!」
- ある意味で、キオ編以降のフリットを代表する台詞。このように、老年期のフリットはヴェイガンに対する感情的な台詞が特に目立つ[8]。
- 「ヴェイガンは人間じゃない!! 人の命を簡単に奪う!」
- 第30話より。地球への侵攻を再び始めたヴェイガンの所業に怒り、キオに対して。半世紀経っても、ヴェイガンを人間扱いしない言動は変わることはなかった。
- 実際、ヴェイガンによる被害は尋常ではなく、しかもこの時はオリバーノーツの市街にヴェイガンの戦艦がビーム砲で市民に無差別攻撃を加えているシーンでもあるため間違いではないが、過激な言い方が耳につく。
- 『BX』では対ヴェイガン用の特殊戦闘台詞としても採用。
- 「奴は邪悪な存在、人類を滅ぼそうとする『魔王』だ!」
- 同じく第30話より。キオに対して、ヴェイガンの首魁イゼルカントを分かりやすく、かつ過激な言い方で断ずる。
- 『BX』では本物の魔王相手の特殊戦闘台詞としても使われている。
- 「最初から艦長らしく振る舞える者などいない。課せられた役目を果たしていくしかないのだ」
- 第33話。ヴェイガンの猛攻に狼狽えるナトーラへ艦長としての努力を続けてきたと励まし、指摘を受けたナトーラはクルーたちへ的確な指示を送る。その様子を見たフリットは更なる励ましを送った。
- 「ノーラの時もエネルギープラントを直接襲わず、コロニーがじわじわと崩壊するような攻撃をした。まるで生き延びるチャンスを与えているかのように…我々を試しているとでも言うのか? 答えに辿り着けるかどうか…」
- 同話、ロストロウラン基地内にプラズマ爆弾が仕掛けられた事を察し、アルグレアスに撃墜したMSの調査を命じる。しかし、かつてのように意図的に猶予を与えているかの行動に疑問を感じており、ゼハートも同じく疑問を感じていた。
- 「いいか…悲しみから皆を守るためには戦うしかない。それがガンダムに乗る者の使命だ」
- 同話、シャナルアを失い泣き崩れるキオを優しく励ます。自身の経験もあるだけに、重い言葉である。
- (そ…そんな…! 今の感覚はまさか…お前か、アセム…!)
- 第34話、ディーヴァの前に立ちはだかった宇宙海賊の首領が乗ったモビルスーツを見て、ガンダムに似ていると感じた直後、Xラウンダーの能力でパイロットが行方不明となった息子だと気付き動揺する。そして帰還したキオにXラウンダーである以上、隠し通せないとして正体がアセムであると教えた。
- 「お前の父親は死んだのだ…勇敢な連邦軍人としてな…」
- 第35話、キオにアセムの生存を知らせるも直後に忘れろと言い放つ。当然キオは反発するがそれでもこう言い放った。
- 視聴者からも「自分から正体を教えておいてこの言い草は酷くないか?」と突っ込まれてしまっている。
- 「エミリーには…妻にはこの事を知らせてやりたいと思う。だが…あのような息子の姿を見て喜ぶかどうか…」
- 同話、ディーヴァ内の廊下にてセリックからキオへの態度を諌められた際の返し。ユノアの言う通り内心ではアセムの生存を喜んでいたが複雑な思いもある事が伺える。
- 「AGE-3が奪われた! ヤツはディーヴァ後方の艦に向かっている! 180度回頭し、フォトンブラスターで阻止しろ!」
「敵にAGE-3を渡してしまうつもりか! 私の指示に従え艦長!!」 - 第36話。ザムドラーグにAGE-3が確保された事で狼狽。普段の冷静さを欠き、無茶な命令を出すも結局ナトーラは指示に従わず、その事でさらになじってしまう。
- フリットの感情的な一面が特に現れた場面であり、セリックやロディ、ユノアからも態度を諌められる有様だった。
- 「アセム…今更、よくも私の前に姿を見せられたものだ!」
- 同話。キオがヴェイガンにさらわれた後、戦力を整えるため訪れたマッドーナ工房において、自分宛に通信をしてきたキャプテン・アッシュ(アセム)に対しての第一声。彼が戦死認定されてから13年間音沙汰が無く、連邦の部隊を襲う海賊の首領となっていた息子に怒りを向ける。
- 「ふざけるな! 海賊となったお前など、信用できるものか!」
「理由はともあれ…お前は軍から逃げ出し…家族を裏切ったのだ!」 - 続いて、キオの救出を懇願したアセムに対してさらに怒りを向けた。アセムの方も家族を置いていった事は事実なためかあまり強く出ないでいた。
- 最も「(海賊となった)理由はともあれ」と言う辺り、海賊となった事以上に連絡を寄こさなかった事で怒りを向けている事も伺える。
第四部・三世代編編集
- 「お前の考えは甘すぎる! 殺戮を繰り返す者達を撲滅しなければ、真の平和は訪れん! この戦争に勝利し、ヴェイガンを根絶やしにするのだ…!」
- 第40話より。戦争の拡大を防ぐために敢えて連邦とヴェイガンの勢力の維持に力を注いでいるアセムに対して。どこかあの長官を思わせる過激な発言だが…。
- 「どうあろうとイゼルカントは狂った支配者だ! そんな男に従っているヴェイガンも倒すべき敵以外の何物でもない!」
- 同話、ヴェイガンと戦う事を躊躇い始めたキオに怒りを向け、ヴェイガンは倒すべき敵だと変わらず主張する。
- (ヴェイガンはこの手で殲滅する。一人残らずな…)
- 同話、ルナベース奪還戦にてプラズマダイバーミサイルを持ち出した事をナトーラから咎められるもフリットは意に介さない。この場面の表情と言い、一歩間違っていたら破滅の復讐鬼と化していたかもしれない危うさを感じさせる場面。
- 「若いな。気合いに実力が伴っていないぞ!」
- 第43話より。ルナベース攻防戦にてフラムと相対した際に。フラムは技量不足をXラウンダー能力で補って戦っているのだが、同様に強力なXラウンダーであり、さらに技量と経験の確かなフリットの敵ではない。
- ヴェイガンに対しては過激な発言の多い三世代編のフリットだが、その中にあって「熟練のパイロット」としての側面が現れた一幕。
- 「輸送だと…? ヴェイガンの捕虜など全員処刑すれば良いのだ!」
- 第44話より。ヴェイガンの捕虜の扱いをどうするかを訪ねたフレデリックに対しての断言。
- この発言にはフレデリックも流石に当惑し、正規の手続きに基づいて地球に移送する事を伝えるが、「勝手にしろッ!!」と一方的に怒鳴りつける。
- 当然、アセムは絶句し自軍をも巻き込んでしまいかねないプラズマダイバーミサイルを持ち込んだ事も合わせて糾弾される。さらにキオからも拒絶される事となってしまう。
- 一見フリットの過激さが目立つシーンであるが、その実、止めるべき人がいれば案外止めることは難しくないという事を表したシーンでもある。
- (私には守れなかった者がいる…守れなかった者達が…。私は誓ったのだ…敵を打ち倒し皆も守る救世主になると…。どんな手段を使っても…)
- 同じく第44話より。その後、息子たちが離れ一人残ったあとの独白。長い戦乱により、多くの家族・友人・仲間たちを失っていった事への自責の念をも感じさせる。
- ちなみに、この場面では「苦悩するフリットが額を寄せるガラスの向こう側に、少年時代の彼の姿が映っている」という演出がなされている。
- 「私はこの日の為にやってきたのだ。これで…我々の勝利だ…!」
「これでいいのだ…これで、全てが終わる…!」 - 最終話より。ヴェイガンの移動コロニー「セカンドムーン」へと大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を発射させようとする際の台詞。言葉に反し、引き金を引こうとする手は重く、フリットも明らかに逡巡している中、自分自身に言い聞かせるように言葉を漏らしている。しかしこの直後、キオが割って入り、身を挺してプラズマダイバーミサイルの発射を阻止したのだった。奇しくも、少年時代にフリット自身がヴェイガンのモビルスーツを足止めした時そのままの構図で…。
- 1行目の後半部分は、『BX』で単体版プラズマダイバーミサイルを放つ際の戦闘台詞として採用されている。『BX』でそれを聴けるのは、人間同士の戦争が終結した後なので、本編とは異なりポジティブな印象を受ける。
- 「じゃあ…どうすればいいんだよ…」
「あいつらだって苦しいのは解ってるさ…でも…」
「奴らはユリンを…それに…この僕だって君を…」
「僕はユリンを守れなかった!」 - 同話より。プラズマダイバーミサイル発射をキオに止められ、キオとアセムと二人がかりの説得の末、フリットはキオのXラウンダーの能力で精神世界へと誘われる。
- 精神世界の中で少年時代へと若返っていたフリットは、長年抱えていた自責の念を吐露するが、そこへユリンを始めとするヴェイガンの攻撃で散っていった大切な人々が現れ、激励を受ける。
- ちなみに、この場面では挿入歌として1stエンディングテーマ『君の中の英雄』のバラードバージョンが流れる。「劇中流れる挿入歌の歌詞が、フリットがこれまで歩んできた人生と重なっていく」心憎い演出であると言えよう。
- 先述のプラズマダイバーミサイル発射を躊躇する描写もそうだが、ここでも「どうすればいいんだよ」と嘆いているように、必ずしも殲滅を是としていたわけではない。和平交渉はまるで通じず、イゼルカントが復讐をも超えた魔王だった結果、それしか選択肢が無かったのである。『BX』では、「救世主」としてやるべき事を間違えていた事も自覚している話が追加されている。
- 「聞こえるか、地球圏と火星圏の全ての戦士達よ!! 私の声が届いている全MSに告ぐ! 戦闘を止めて聞いて欲しい!」
「このままではヴェイガンの移動コロニー『セカンドムーン』は崩壊し、多くの命が失われる! これを防ぐには誘爆を始めている球体ブロックを切り離すしかない! もはや時間は無い! ここにいる全ての者たちの協力がなければ間に合わないのだ!」
「地球連邦軍と、ヴェイガン全ての戦士たちに告ぐ」
「多くの命を救うため……君たちの協力を要請するッ!」 - 同じく最終話より。キオ、アセム、そして仲間達や失った者達の励ましや叱咤を受け、過去の憎しみと自責の念から解放されたフリット。セカンドムーンを救うため、地球連邦軍もヴェイガンもなく全ての戦士達に呼びかける。君たちの力を貸してくれと。奇しくも第6話~第8話で描かれていた上述のファーデーンでの場面を彷彿とさせるが、かつての様な「敵を倒す為」ではなく、「多くの命を守る為」と対比になっているのもポイント。
- 大勢が決し、勝っている側の実質的な総大将が、撃てばヴェイガンを殲滅できる筈のプラズマダイバーミサイルを打ち上げる形で捨て、負けている側を救うために声を挙げる…その姿に人々は感化され、セカンドムーンを救うために両軍の戦士たちは動き始めた。それは、フリットが少年時代から目指していたもの、即ち「真の救世主」となった瞬間でもあった。
- 『BX』では木連が存在するのと、セカンドムーンが崩壊するのではなく地球に落下するという状況のため、後述するがアレンジを加えた上で採用。また、最後の一言がDVEになっている。
- 「ああ……。あれが、キオ・アスノ……私の孫だ」
- ヴェイガンギア・シド撃破後、ゼラ・ギンスを救出したキオを指して。フリットの劇中最後の台詞でもある。
ゲーム・書籍媒体編集
- 「ああ…新しい機体は問題も多い。世話をかけるな」
- 新しいウェアである「レイザー」の機構に整備士が調整に苦労していたと聞いて。
- 元々エンジニアだった事もあり、整備士側の気持ちや立場もくみ取れる描写もフリットには少なくない。
- 「きっと帰ってくるよ、エミリー。君のところに……」
- 死を覚悟するほどのヴェイガンの大艦隊との戦いを前にもう会えなくなるかもしれないからと抱き着いてきたエミリーに対して非常に優しい声色で。
- エミリーの言葉は「青年フリット編」ではフリットとは久しぶりの再会もあって少々ぎこちない状態であったため、人物関係・恋愛面も含めた言葉であったが、DIVAメッセンジャーでの独り言も含めて、エミリーを守りたいと思う人で帰るべき場所と認識している事がわかる。
- 「戦争に大丈夫などない。生き延びたいのなら…死を覚悟して全力で戦うしかない」
「アスノ隊! 我々はどんな状況であろうと勝利を信じて戦う。それだけだ!」
「私に続け! フリット・アスノ、ガンダムAGE-1出る!」 - PSP用ソフト『機動戦士ガンダムAGE ユニバーサルアクセル/コズミックドライブ』における第一部後半「青年フリット編」における出撃時の台詞。
- この前の台詞である上記の言葉とは声色が違い、こちらは軍人としてのフリットの言葉だという事がわかる。
- 上記の台詞群や部下への対応、子供の頃のプライドの高さが薄まり、壮年以降の過激思想も片鱗こそあれどほとんど無い事もあってか、「青年フリットは理想の上司」という評価も。
- 「でかしたぞ、キオ! さすがはワシの孫だ~!!」
- コミカライズである『クライマックスヒーロー』第1話。1回の出撃でヴェイガン機18機を撃墜したキオを褒め称えて。このように、歴代ガンダムコミカライズ作品の例に漏れず、当作品においてのフリットは孫煩悩で砕けたキャラとなっている。おじいちゃんっ子であるキオはそれ以上に砕けており、孫と祖父で似た者同士になっている。
- 「…………」
「ヴェイガンの戦士諸君」
「地球連邦軍はこれ以上の戦闘を放棄する。地球連邦軍とヴェイガンが真の友となれるように、その第一歩を共に踏み出してはくれないか!!」 - 『クライマックスヒーロー』最終話。ゼハートを失い暴走するヴェイガン兵に対し、プラズマダイバーミサイルを持ち出し返り討ちにしようとしたところ、割って入ったキオがゼハートの遺した最期のメッセージを伝えた際に。自らの死を以てヴェイガンの禊となったゼハートの想いを汲み、フリットもまた停戦の意思を示し、平和に歩み始める。
- 「ガンダムに乗って宇宙を冒険…か。
UE をすべてたおしたら…そうするのも悪くないかな…」 - 外伝漫画『トレジャースター』より。『トレジャースター』の主人公であるダイキ・リュウザキと共闘して、コロニーを襲う敵を倒した後の独り言。
- 戦闘中に聞いたダイキの話を思い出し、未来に思いを馳せる。その後の激動の時間の中でも、フリットはこの時に抱いた思いを残せていただろうか…。
- 「そんな、ことは、どうでもいいっっっ!」
「あなたたちは、自分の子供に、同じことをおしえるつもりなのか! 銃を持って、違う奴らを殺せ、復讐をしろ、というのか! その子たちが、また誰かに復讐される人生を望むのか! 復讐された子の孫が、また誰かを殺すのか! そんな血まみれの人生を、あなたたちは、自分の好きな人に、残したいのかッ!」 - 小説版第2巻より。コロニー「ファーデーン」内部におけるザラムとエウバの抗争の場面で。
- TV版と異なって本気で殺しあい復讐に復讐を重ね、もはや怨念としか言い様の無い想いをぶつけ合う彼らに対して、救世主たらんとする少年フリットは魂の底から吠える。「憎しみを子供たちに残すな、復讐を孫たちに押し付けるな」と。
- なお、この言葉は皮肉にも、成長したフリット自身へと返ってくる事となる。
- (エミリーとは意識せずに話せるのにな……この違いは、認知心理学とか大脳生理学で説明がつくのかな……? 今度調べてみるか? でも、そういうことじゃない気がするな……)
- 同上、ユリンと二人きりの時間を過ごす事で、今までにない感覚にドギマギするフリット。
- なんだか酷い事を考えているようだが、これは彼にとっては比較対象がエミリーしかいないという事を示している…のだろう。
- 「許してくれ、アセム」
- 小説版第4巻より。キオに戦闘教育を施している事に関して、今は亡き(この時は死んだと思っていた)息子への謝罪。
- 当初はキオを戦争に関わらせるつもりなどは全くなく、孫に笑って欲しくて「MSバトルシミュレーター」を作り上げた。しかし、キオの才能がフリット、エミリー、アセム、ロマリーの優れた才能を総取りしたかの様な極めて高い数値を示し、孫に英雄の可能性を見出す事となる。
- 長く悩んだ末にキオにはMSバトルシミュレーターを通じてMS操縦技術を仕込む事にしたが、愛しい孫を戦争に放り込むことへの罪悪感。アセムの想いを裏切っている事実。そして、アセムが自分の目の前に現れたら決して許してはくれないだろうという確信を前に、謝罪とも後悔ともつかない涙を流す。
- 「私が根絶やしにしたいのはな、キオ。国民でも民族でもないのだよ、キオ。思想だ。ヴェイガンという思想を、ことごとく根絶せねばならん」
「キオよ、よいか。相対的な正義しかこの世には存在せん。我々には絶対的な真理を示してくれる神なるものは必要ない。そのようなものに従いたい、という反知性主義、己の思考を捨てる考えこそが、討つべき敵なのだ」 - 小説版第5巻より。火星圏から帰還し、ヴェイガンの実情を知った孫・キオに対して。
- そして、かの民達を「自分達の苦境に甘え、意志決定をイゼルカントという独裁者に投げ出した無責任な人々」と断じ、改めて殲滅の意志を固めつつそれをキオにも語る。
- 「『根絶やしにすべきなのは、人々ではなく誤った思想である』と語りながら、結局はその思想の持ち主である人々の殲滅を意図する」という老フリットの矛盾および心の歪みを象徴する台詞である。
- ファルシア……! 殺人を強要されたユリン・ルシェルを縛ったモビルスーツ、それを今また私の孫に向けてくる、その歪みきった精神性! やはりきゃつらは根絶やしにせねばならん……!
- 同第5巻においてフォーンファルシアの姿を初めて目の当たりにしての地の文での台詞。フリットにとって因縁のある機体のためか、憎悪を露わにした。
- なお、『BX』では、上記のフリットの発言を踏まえた台詞が存在する。詳しくは、スパロボシリーズの名台詞も参照。
- (こんな……こんな悲しみを広げるために、私は戦って来たというのか……!)
- エスペランス・ゾーン攻防戦にて、暴走したティエルヴァのビットがキオを撃とうとしているのに気づき、やむなくティエルヴァを撃墜した後に。
- 孫を救うためとはいえ、分かり合えたはずの相手を殺し、己の手で悲劇を生み出してしまった事実に慟哭する。
- 「嬰児殺しの罪を被るつもりはある! EXA-DBのデータも吸収したガンダムの進化ならば、太陽系のヴェイガンのことごとくを殲滅することは可能だ! その後で私という独裁者を討って平和を取り戻すのは、キオでもナトーラでも、若者がやればいい!」
- 最終決戦にて。FXバーストモードの影響を受けて精神世界へと沈み、ユリンをはじめとする守れなかった者達から「もういいのだ」と語りかけられるが、アニメ版と異なり真っ向から拒絶する。
- フリットにとっては、イゼルカントのエゴも、ヴェイガンの堕落も、何より自分自身を許すことは絶対に出来なかった。だからこそ、「ヴェイガンを残らず滅ぼし、虐殺者となった自分を若者が討てば全て解決する」と、妄執にも似た叫びを叩き付ける。が…。
- 「フリット・アスノ! あなたは、間違っているッ!!」
- 記憶の彼方に消えたはずの声が響き、グランサの前に白いモビルスーツが現れる。全ての始まりとなった懐かしき姿、ガンダムAGE-1ノーマル。それを駆り、フリットを否定したのは、他でもない少年時代の彼自身だった。
- 「覚悟があれば殺してもいいのか? それじゃイゼルカントとどこが違うんだ! 言ってみろ、フリット・アスノ! 自分の命を賭け金にしたら、自分が死ぬつもりがあったら、どんなテロリズムも行っても良いのか!? あなたとデシル・ガレットに何の違いがあるんだ!!」
「自分の過ちを認めて、他人の過ちを許して―――戦争を終わらせることが、『僕の勝利条件』じゃなかったのか、フリット・アスノ! 僕は……僕が、救世主になることをあきらめるなんて、決して許さないぞ!」 - 精神世界で激突する2機のガンダムAGE-1。少年時代のフリットは、老いた自分自身に叫ぶ。お前のやっていることは、イゼルカントやデシルと何も変わらないと。
- 仇敵たちの行いと、まさに今自分がやろうとしていたことが何も変わらないという事実、そして己の業を憎き敵と己自身を断罪することで清算しようとした……言い換えれば、逃げ出そうとした弱さを突きつけられる。
- 直後、ガンダムAGE-1ノーマルの放った怒りの一閃にガンダムAGE-1グランサは両断され、現実へ立ち返った老フリットは今まで自分が生き延びて来られた理由を知る。
- 1stエンディングテーマ『君の中の英雄』の歌詞にある様に、「救世主になる」という老フリットが背負う運命が、「少年時代の自分」という過去の記憶を目覚めさせ、救世主を目指した若きフリットという「英雄」が、未来の自分である老フリットを正道へ目覚めさせたのである。
- (ならば、そこに復讐に狂った軍人の居場所はないだろう)
- 地球連邦とヴェイガンが正式に停戦に向けて動き出し、終戦への喜びと講和に向けて忙しく動き始めた人々の歓声と怒号を聞きながらのモノローグ。
- フリットが目指した殲滅ではなく、対話による終戦を迎えようとする世界に喜びを感じながらも、もはや半世紀も復讐に人生を捧げてきた自分は世界にとって和平への障害になると感じ、グルーデック・エイノアの遺品である拳銃で自決を試みるが……。
- 「我々は大人だ。大人は子供達に少しでも良い未来を残して死んでいくべきだ」
- 上記の続き、しかし拳銃の弾はユノアによって抜き取られており、彼女から「フリットには英雄的な死は許されない事」や「安楽な死ではなく、屈辱の生で英雄になるべき事」、そして「アスノを恨む人々の憎悪をキオに押し付けるのは許さない」と説得され、フリットはキオに託す世界をより良いものとして残すために、生き続ける事を選択するのであった。
- 「天才など不要の世を作るのだ。英雄など必要ない。誰もが、その愛する人と家庭を築き、次の世へ怨念を渡さなくてすむように」
「そのためには、技術を、社会を、もっと多様に発展させねばならぬ」 - フリットが晩年、よく口にしていた言葉。ヴェイガンとの長き戦争を終えたフリットは、その残る人生を平和と秩序を築き、守り、貧困や飢餓と戦うことに費やしていた。
- なお、フリットはラ・グラミス攻防戦から37年後のA.G.201年の時点では既に亡くなっており、彼の銅像が建てられている。死因はマーズレイだったとされ、同時に最後のマーズレイ患者になったとの事。
- 「……(構えた拳銃を下ろし)この銃口に対し、ただ身体(からだ)を凝固させる……」
- 「お前はヴェイガンの手の者ではなさそうだな。一体何の用だ?」
- 「モビルスーツのデータか……ランドマン・ロディ、陸戦仕様の……」
- 「技術提供というつもりなら、今の我々には必要の無い助け手だ。」
- 「AGEシステムを起点としたモビルスーツ技術の革新は、ヴェイガンの連中に十分対抗できる領域にまで達している。」
- 「そちらの申し出には感謝するが……私の手でやらねば意味が無いのだ」
- カード式のアーケードゲーム『ガンダムトライエイジ 鉄華繚乱3弾』に収録された「赤蒼同盟キャンペーン」で収録されたカード内のフレーバーテキストにおいて、クロスオーバー要素として歴代のガンダムシリーズの組織代表キャラクターが『鉄血のオルフェンズ』に登場するMSに対する反応する中でランドマン・ロディに反応する2部時代のフリットの台詞。
- ヴェイガン殲滅のために戦う一助として話した様子で「司令」としては協力をやんわりと断られているが、「メカオタクとしての個人のフリット」としては興味がありそうな様子。もっともミューセル同様有機デバイスである阿頼耶識がある都合上同一視は避けられないだろうが。
迷台詞編集
- 「キオ、気をつけろ! 上からヤツが来る!」
- 第29話より。ガンダムAGE-3に同乗している孫キオに対して敵MSへの油断を戒めているのだが、駄洒落という印象が残ってしまう台詞でもある。
- 「何を言っている! 我々は独自の判断で動く! 私はフリット・アスノだ!」
- 第30話。戦闘中にAGE-3を援護した直後に指揮下に入れと命令するセリック・アビスに向けて。老害扱いされても仕方の無い頑迷さが現れている上に、死亡フラグのような物言いである。
- (つまりは数をこなせってことなんだよな……。相変わらず操縦する側の都合を考えてくれないのがAGEシステムらしい――)
- UNKNOWN SOLDIERSの第1回「フリットアスノ AGE・22」にてレイザーウェアを生み出したAGEシステムに対する愚痴。
- レイザーは要望通りスパローの弱点であった継戦能力を改善したウェアであったが、その方法がシグルブレイドが長持ちする改良と武装の数を増やす、スパローにあった軽量化やスラスター等の増設はない代わりに慣性力で機体制御するという非常に操作性に問題のあるウェアでもあり、さすがのフリットも無理を強いてくるAGEシステム思うところはあったのだが、自分が作ったシステムであったため直接口には出さなかった。
- 視聴者から「AGEシステムは脳筋」とネタにされることは多々あったが、当のフリットにも愚痴を言われてしまっている点がシュールともいえる。
- 「お宝…冒険っ!? そんなことにガンダムを…!!」
- 外伝漫画『機動戦士ガンダムAGE トレジャースター』より。ダイキと出会った際にその経緯を聞いて。
- 自分が作ったガンダムと何故かほぼ同型のMSが現れ、その目的が宇宙の宝探しと聞いては、面食らうのも仕方が無いだろう。敵にコロニーを襲撃されている状況だったため、フリットもそれ以上の追求はせず、ダイキの戦いを見て態度を改めている。
- 「ラーガーン!!」
- TVシリーズの初期案を形に、TVシリーズ第1話前後に掲載されたフリット編の漫画『始まりの物語』前編より(後に同作者による外伝『追憶のシド』1巻に収録)。AGE-1が実働試験前の段階だったため、敵襲に対し急遽ジェノアスで出撃しようとしたラーガン・ドレイス(SRW未登場)が、基地のハッチが開いた瞬間に待ち伏せをしていた敵に攻撃されて死亡。一同愕然とする中、フリットがやっと絞り出した台詞。
- 気合を入れて出撃しようとしてからの秒殺が、あまりにも出オチすぎたため、本放送前からあまりにもネタにされてしまった台詞…だったが、本放送の展開では待ち伏せまでは同じだったものの、初期案とは違いラーガンは何だかんだで最後まで生存し、『追憶のシド』にも登場している。初期案では早々に死ぬ予定が変更され長生きするようになったキャラの先駆け…かもしれない。
スパロボシリーズの名台詞編集
- 「私は…私が守れなかった者たちのために戦い抜いてみせる!」
- 『BX』での戦闘台詞。
- 単純に考えれば、この「守れなかった者たち」とはユリンやウルフ達の事を指していると思われるが、『BX』でのフリットは自身の少年時代から始まる『AGE』本編の戦いだけでなく、『1st』から『逆襲のシャア』に至る宇宙世紀の戦い、CBの蜂起から始まる『00』の戦い、統合戦争から始まるマクロスシリーズの戦いにも関わっていると思われる為(詳しくは、『BX』世界の略年表を参照)、そこで散ってしまった者達の事も含めての発言だと考えると、非常に重い台詞である。
- 「憎しみで戦うだけでは何も生まれない……私はそれをキオに教えられたのだ!」
- 『BX』第41話クリア後は戦闘台詞パターンが一変。上記の台詞に代わって出るその一つがこちらになる。
- 「奴は邪悪な存在、人類を滅ぼす魔王だ! 絶対に倒さねばならん!」
- 同じく『BX』より、闇の皇帝ジークジオンとの特殊戦闘セリフ。イゼルカントに対しても同じようなことを度々言っていたが、こちらは相手が本物の邪悪な魔王である。
- 「貴様に教えてやろう! 真の救世主は、絶対に無敵だという事を!」
- 『BX』にて、皇帝ワルーサとの特殊戦闘台詞。地球を侵略する悪の皇帝を倒す為、「絶対無敵」の「救世主」ガンダムが駆ける。
- 「どれだけの相手に地球は狙われているというのだ…!」
- 『BX』でのELSに対する特殊戦闘台詞。この宇宙人のみならず彼もまた、同じ声の蒼き星の救世主を思い起こさせる台詞を発する。
- …のだが、実際の本編で相対する第43話では既に台詞パターンが変わっている関係上かこの台詞を目にする事はできず、キャンペーンマップ「Brand New X」においてのみ発生するレア台詞である。
- 「できるのならば、私自身が戦いたい…」
「だが、この眼も…! この身体も…! もはや在りし日のように動かんのだ!」 - 『BX』プロローグにて、自身の代わりに孫であるキオを戦いに巻き込もうとするフリットを娘のユノアは非難するが、フリットはそれもアスノ家に定められた宿命と断じ、戦争を終わらせる救世主『ガンダム』を造り続けることを誓う。
- なお、この台詞にも拘らず三世代編では長年の愛機と共に戦線復帰し、自身の能力は衰えず今だ健在であることを知らしめる。
- 『BX』では終盤にパイロットに転向するとはいえ、己の精神や自機の強力な武装も相まって、キオやアッシュが霞むほどの活躍をさせることも容易である。
- 「…覚悟は決めた。今の地球圏はヴェイガンだけでなく数多の悪意に包まれている。それを払う為ならば、たとえ鬼と呼ばれようとも、私は戦い続けよう」
- 『BX』第8話「じいちゃんのガンダム」より。ヴェイガンのみならず、様々な危機に瀕している地球を救うため、大人代表として敢えて修羅の道を歩む事を決断する。
- 「過去、機体に搭載されたシステムで、モビルスーツが暴走した事件を目にしたが、あれはやはり有人機であったはずだ…」
- 『BX』第17話「みんなの心をひとつにしろ!」に於ける、フリットを戦術指揮担当に選んだ際ELSによって暴走したモビルスーツを見て。
- これはゲーム『ガンダム外伝』の主役機・ブルーディスティニーシリーズに搭載されたニュータイプ殲滅システム「EXAM」の事だろう。
- ちなみに『BX』ではユニコーンガンダムが参戦しているため、逆算するとおよそ17年前の出来事となる。
- 「彼らの言葉に全て信を置きはしないが、共に行動する事で動きを把握できるのなら、その方がいいとも言えよう」
- 『BX』第19話ELS移送ルート「歴史の裏に消えた者達」より。「我々は、CBと手を組む事も有りではないかと考えています」とジェフリーからフリットへ最終的な判断を求めてきた際の返答。
- かつての反地球連邦勢力を自軍の戦力として取り込めるあたり、フリットは清濁併せ呑める器量の持ち主である。
- なお、フリットの最終的な判断を聞いたスメラギは「物は言いようとは、よく言ったものですね」とコメントし、それを聞いたフリットは「物は使いようとも、よく言うものだ」と返した。改めて、フリットの老練さが光る名場面である。
- (『生きる事は難しい』…。時代は繰り返すというのか、ユリン…)
- 『BX』第20話ELS移送ルート「ロストロウランに散る」より。ニュータイプ同士の感応の末やっと分かり合えるも炎と共に消えていったロニを前に慟哭するバナージの姿を目の当たりにし、自身の遠き日の悲しい過去を想起しての心中での呟き。
- 「家や血筋からは自由になれないものだ。大きく、強ければなおさらな…」
- 荒んだ雰囲気のリディを評して。「モビルスーツ鍛冶」として有名なアスノ家の出身であるフリットにとっても、他人事とはとらえられないのだろう……。
- 「物心つかぬ頃に父親のアセムを亡くし、その上に母親のロマリーとも離れて暮らさせ、今までキオには心苦しい思いをさせてきた…にも関わらず、本当に良い孫に育ってくれた! う、うぅぅ…」
- 『BX』第26話「三つの星が集う時」より。一番星コンテストの最中でのボヤき。
- 元総司令の威厳はどこへやら、完全に孫バカなお爺ちゃんであるが、キオへの深い愛情をも感じさせる台詞である。どことなく『クライマックスヒーロー』でのフリットを思わせるという意見もある。
- 「他の者達もすぐに出撃しろ! 一分一秒でも早く原種を撃退するのだ! このコロニーを…この地を…これ以上戦火にさらしてはならんッ!」
「各機、目標は合体原種だ! 奴さえ倒せば他のゾンダーは大した脅威にはならん! 問題は合体原種の再生能力だが、全火力を集中して一気に破壊、すぐさま原種核を回収する!」
「全機、戦闘を開始しろッ!!」 - 『BX』第28話「友」より。ミンスリーに襲来した原種を前に怒りを滲ませながら部隊の出撃を命じる。ミンスリーはフリットにとって、かつてユリンと再会し、束の間の幸せな時間を過ごした思い出の場所。その地を穢そうとする原種に、フリットが怒りを抑えられるはずがなかった。
- その剣幕にはさやかも「荒れてる」と漏らし、ナトーラも気圧されながら「普段より気合が入っている」と言うほどで、キオも不安を覚えた。
- 「わ、忘れるはずが…ない…。あの機体はユリンの…」
「ヴェイガン、貴様らはどこまでッ!」 - 『BX』第29話「再会、そして別れ」より。戦場に現れたフォーンファルシアを見て。かつてユリンが「パーツ」として乗せられ、そして散った因縁の機体・ファルシアと全く同じ姿を見たフリット。フリットにとって忘れられない悲しい記憶を蘇らせる機体を見せられて、怒りに震えないはずがなかった。
- 既述したように小説版におけるフォーンファルシアを目撃した際のフリットの心境をアレンジした台詞である。
- ついでに、フォーンファルシアに搭乗しているフラムが、その機体にまつわるフリットの心の傷痕を抉ろうとして挑発するというやり取りが存在している。
- 「だが…この面子でまた酒を飲みたいものだな…」
- 『BX』第30話IMより。ジェフリーやオットー、アズベスといった老年組と酒を酌み交わしながら呟いた。長年の戦友たるジェフリーや、自身と同じく孫を見守るアズベス、さらにこの中ではまだ若く、彼らの後進となるであろうオットーを前にしんみりとした様子だった。しかしこの中の一人とは、これが最後の会話となってしまう……。
- 「貴様の言う共栄圏とやらが現実になれば、隔離された地球は、自らを生かすべく、地球の再開発を加速させる…旧暦然とした生活の中、抑圧された地球生まれが、宇宙の人々に対し恨みを抱くようになるかもしれん」
- 『BX』第32話「対の獣と光」より。フル・フロンタルと会談した時の台詞。地球との関係を完全に断ち切る共栄圏を掲げ、木連やヴェイガンとも手を取り合う事さえも目論んでいた彼を危惧していた。
- 「馬鹿を言うなッ!!」
「奴らは私の家族を奪った悪魔だ! イゼルカントを盲信し、生命を預けた段階で悪事に荷担しているも同然なのだ!」
「それとも、死病に怯えてさえいれば…劣悪な環境に暮らしてさえいれば、何をしても許されるというのか!?」
「それに、奴は言ったのだ! ヴェイガンの目指す楽園を作る為に人を選別すると!」
「信じられるか!? イゼルカントは、不適と判断したら味方すらも平気で背中から撃つと言った!」 - 同上。ヴェイガンの内情を知って彼らに同情し始めたブライティクスの面々に対して。
- 「言うに事欠いて救世主だと…!? あの悪魔どもがッ!!」
- 『BX』第38話「たったひとつの望み」より。ガンダムレギルスに搭乗して救世主を名乗り、いともたやすくシドを退けたゼハートに対して。
- 「……………」
(私とて愚かではないつもりだ。ヴェイガンとの和平など、キオに言われる度に考えた……だが、私がそれを口にしては全てが終わってしまうのだ……)
「ユリン……私は……私が守れなかった全ての者のために、ヴェイガンを許すことなど出来ない……! だが……私が本当にすべきことは……母さんから託されたことは……!!」 - 『BX』第41話「君の中の英雄」より。作戦プランを自室で見直している最中に息子・アセムと言い争った後。誰がどう否定してもヴェイガンや木連とわかり合おうとすることを諦めない孫・キオ。
- 孫・キオの言っていることが、そうすることが正しいのだとわかってはいる。わかっていても、今まで失ったもののためにヴェイガンを許すことが出来ない。しかし、母・マリナに託されたのは決してそのような道ではない。長年続いたフリットの懊悩の答えが出る時は、そこまで来ていた。
- 「ゼハートは魔王の申し子! それを信奉する貴様はさしずめ、魔女といったところかッ!」
「貴様達のような忌まわしき存在に地球を汚させはせんぞ!」 - 同話にて、フラムとの戦闘前会話より。
- 「何をしている!? そこをどけ! 地球が駄目になるかどうかの瀬戸際なのだぞ!」
- 『BX』第41話「君の中の英雄」より。ヴェイガンギア・シドのハッキングを受けてセカンドムーンごと地球に落下するラ・グラミスに対し、もろともヴェイガンを殲滅すべくプラズマダイバーミサイルを放とうとし、割り込んできたキオに対して。
- 『逆襲のシャア』にてアクシズを止めに来たネオ・ジオン兵の台詞が元ネタだが、やっていることが正反対なのが悲しい。
- 「聞こえるか! 地球圏と火星圏、木星圏の全ての戦士達よ! 私の声が届いている全ての機体に告ぐ! 戦闘をやめて聞いて欲しい!」
「このままでは、ヴェイガンの移動コロニー・セカンドムーンは地球に落下する! そうなれば、母なる星だけではない! 多くの命が失われる!」
「これを防ぐには、君達の同胞に取り付いているシドを倒すしかない! もはや時間はない! ここにいる全ての者が協力しなければ間に合わないのだ!」 - 同ステージにおいて、プラズマダイバーミサイルの光で注目を集めて。原作最終話の演説を再現する中で、状況の違いにより原作からアレンジされた部分。さらにこの直後に元一朗による熱血クーデター、九十九の戦線復帰が重なった事で『BX』全体でもまさに名場面というべきシーンになっている。
- 「あの機体に乗せられているのは、ひとりの人間のエゴによって、生き方を歪められた存在……私の息子や孫が歩むかも知れなかった、もう一つの道だ」
「生まれてきた命に生き方を強いるなど、それはただの傲慢に過ぎなかったのだ……だからこそ!」
アッシュ「未来を見せてやらないといけない、だろ?」
「ああ…その通りだ!」 - 『BX』第41話「君の中の英雄」より。ゼラ・ギンスを指して表現した言葉。
- 上述したように「強いる」「強いられる」というのは『機動戦士ガンダムAGE』作中の人物のほとんどが該当する言葉であり、ゼラもまたその一人だった。
- 同時にフリットもアセムやキオに生き方を強いたと告げているが、アセムからは「…父さん、ひとつだけ言っておく。今の俺は生き方を強いられたとは思っちゃいない」「むしろ、感謝している。このガンダムがあったからこそ、俺は俺の道を進むことが出来た…!」と返された。
- 「構わん。共に来い」
「私の目の前にいるのは、確かにヴェイガンの元総司令であるかも知れない。が、息子が家に招いた友人でもある。敷居が高いなどと感じる必要はない」
「お前が気にしているのは、私の個人的な感情だろう」
「だが、私はこう言ったぞ。多くの命を救うため、君達の協力を要請する、とな」 - 『BX』第41話「君の中の英雄」クリア時、ゼハート達が参戦している場合。フリットの反ヴェイガン思想を知るだけに、BXへの参加を迷う「アセムの友人」に対してこう述べた。
- その結果、ゼハートは部下ともども「連邦軍総司令からの協力要請」に応じる形で、ヴェイガンの代表として部隊に参加することとなった。
- 長年に渡った仇敵ヴェイガンへの憎しみを超克し、ようやく「救世主」となる道を歩み始めた老フリットを象徴する名台詞であると言えよう。
- (だができる事ならこの光景…あなたと共に見たかったものだ…)
- 『BX』第45話「伝説の光芒」エンドデモより。マーダル打倒を成し、王子として惑星アーストを導く光となったジョジョを見守りながら、亡きアズベスに思いを馳せる。
- 「力に対して圧倒的な力でねじ伏せる。分かりやすく合理的な解決策だな」
「その圧倒的な力を持つが故に、それに気づく事も、気づかせてくれる者もいなかった事が貴様の最大の敗因だ!」 - 『BX』第48話「君と共に」より。バルギアス・ドラグーンとの戦闘前会話。
- 根本的な思想や目指している目標が違えど、己の理想を実現させる為だけに圧倒的な力を欲したバルギアスは、間違いを正してくれる相手がいないまま修羅の道へと突き進んだフリットの「IF」なのかもしれない。
- (感謝している、か……だが、それを言うなら、私の方だ)
(アセム……キオ……本当に、ありがとう……) - 『BX』エンディングより。息子と孫に「大切なものを守るために、ガンダムという力を与えてくれたことを感謝する」と言われたフリットは、憎しみの闇から己を引っ張り上げてくれた家族に心からの礼を送る。
- 「天使の落日」に端を発し、長きに渡る激動の中をひたすら戦って来たフリット・アスノの人生に、ようやく平穏が訪れた時だった…。
搭乗機体・関連機体編集
- ガンダムAGE-1(SRW未登場)
- AGEシステムと共に自身が主導し開発、約半世紀も乗る事となった愛機。なお、フリット編当時は不慣れゆえか接近戦偏重の追加装備が主だった。
- ガンダムAGE-1フラット
- 第二部・アセム編以降、後述のAGE-2にAGEシステムが移された際、改修が施された姿。以降も改修を重ねながらフリットの愛機として活躍する。『BX』では戦闘演出内で登場。
- ガンダムAGE-1グランサ / ガンダムAGE-1フルグランサ
- フラットの上から増加装甲を施した、第四部・三世代編の形態。フルグランサはグラストロランチャー装備時の名称であり、『BX』では戦闘演出内で追加装備する。
- ジェノアス(SRW未登場)
- デシルにAGE-1を奪われた際に一時的に搭乗。
- シャルドール(SRW未登場)
- 一時的に搭乗。
- ガンダムAGE-2(SRW未登場)
- 自身が主導して開発したガンダムAGEの次世代機。
- ガンダムAGE-3
- 軍退役後、きたる決戦に備えAGEシステムを使って自ら建造した第三世代のガンダム。
- ザ・ガンダム(SRW未登場)
- AGE-1を開発する際に参考にしたアスノ家に飾られていた肖像画のMSを各種文献やフリットの生前の証言等を参考に復元したMS。
- ディーヴァ
- 第一部では母艦として、第二部ではディーヴァに特命を与え自らも作戦指揮のため乗艦。第三部・キオ編および第四部・三世代編にて、指揮官であるナトーラ・エイナスを補佐する立場として乗艦。
余談編集
- アセム編からフリット・アスノ役を演じている井上和彦氏は『機動戦士ガンダムAGE』のナレーションも兼任している。
- この事から、『機動戦士ガンダムAGE』は「フリットが語り継ぐアドバンスド・ジェネレーション(A.G.)の戦乱の物語」であるとも言える。
- 第9話にて「フリットがノーマルスーツを着用していない状態で目と耳を塞ぎながら生身で宇宙空間に出て、(生身で宇宙空間にいられる15秒以内に)シャルドールからガンダムAGE-1 タイタスに乗り換えする」場面が存在する。
- フリットは現時点のガンダムシリーズにおいて、幼少期から老年期までの活躍が描かれた数少ない主人公である。
- またフリットは、映像作品としては初めて父親および祖父になったガンダムシリーズ主人公である。
- 壮年期以降のフリットには、視聴者から少年期との区別も込めてそれぞれに「オジット」あるいは「ジジット」というあだ名が付けられている。
- 青年期~老年期まで、井上和彦氏がCVを担当。主に2枚目の青年を配役されることが多い氏にとって老人役は放送当時としては珍しい役柄であり、『AGE』以降は『ヘボット!』のネジ王など老人役を演じる機会が増えた。
脚注編集
- ↑ 一方、スペシャルエディションOVA『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』ではアセム・アスノおよびゼハート・ガレットが主人公として扱われるので、フリットの出番は少なめ。また、TV版と異なってフリットの負の面(ヴェイガンへの憎悪等)の描写はほぼ皆無である。
- ↑ なお、第1話におけるフリットの回想(ヴェイガンの襲撃によって彼の母マリナを失う前の時点)の中に、フリットを「坊ちゃん」と呼び掛けた執事が存在していた事を鑑みると、アスノ家は資産家だった模様。
- ↑ 3.0 3.1 ちなみに、フリットの父親(マリナの夫)の存在はTV版本編での描写が皆無で、名前等の詳細も明かされていない。一方、PSP用ソフト『機動戦士ガンダムAGE ユニバーサルアクセル/コズミックドライブ』では、UEが襲撃して来た日に妻のマリナと共に亡くなった事実がフリット本人によって語られている。
- ↑ 一方、漫画版等ではテストパイロットであるラーガンに対してAGE-1で出撃するように進言する事もあった。
- ↑ ちなみに、フリットは「トルージンベースの防衛戦力が、自分自身が率いるアスノ隊だけしか存在しない状態になっている」点や、「アスノ隊のトルージンベースへの赴任は、地球連邦首相フロイ・オルフェノア直々の辞令であった」点に対して疑問を抱いている。ついでに、その疑問の答えはアセム編で明らかになる。
- ↑ ちなみに格納場所がTV版とOVA『MEMORY OF EDEN』とで変わっており、TV版では馬小屋に隠されバルガスの他、使用人のジョセ・マリスとハンス・ルージも整備に加わっていた。OVA版では、格納庫からの初出撃という形に変更されている。
- ↑ 小説版では、ゲームクリエイターとして活動している様子。
- ↑ 8.0 8.1 一方、PSP用ゲーム版では(CERO「A」に配慮した故か)、老フリットのヴェイガンに対する憎悪感情に基づく言動が、TV版のものと比較して控えめなものになっている。
- ↑ なお、劇中ナレーションには「フリットは100年の生涯を送った」とあるが、フリット・アスノ(誕生した年月日は、A.G.101年の「天使の落日」があった日)は、彼の銅像が建立・披露されたA.G.201年の「天使の落日」からちょうど100年後の日には、既に物故者である為、事実に若干の矛盾が生じている。
- ↑ 実際、『機動戦士ガンダムAGE』が『スーパーロボット大戦BX』への参戦が決まった際に(結果的には杞憂に終わったものの)、ユーザーから「フリットの殲滅思考が過剰に強調されてしまうのではないか?」と懸念もされた程であった。
- ↑ フリットが抱く「人類を守る救世主にならなければならない」という使命感もまた、既述した彼自身の悲劇的な経験に由来するものである。このフリットの純粋な願望は、自身を救世主だと称したリボンズ・アルマークの様な傲慢な意思とは全く無縁なものであった。また、(少年期に親しい人々の命をヴェイガンから奪われてもなお)フリットは「アセム編後半あたりまではヴェイガンとの和平を目指していた」という設定もある。そんなフリットが極端な殲滅思想を抱くまでに至った原因を作ったのは、フェザール・イゼルカントによるところが大きい。
- ↑ 中でもティターンズに関しては、アセムの失踪・フリットの退役がデラーズ紛争の時期と合致しているため、「フリットが退役したためにティターンズの台頭を許してしまった」とも解釈できる時系列になっている。
- ↑ 『UX』におけるシンの戦闘前会話でのキラ&アスランの関係に近い。
- ↑ 小説版では「MSシミュレーターは親がおらず寂しがるキオにゲームとして与えたもので、操縦訓練はついでだった」事が語られている。
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