ヴィンデル・マウザー

ヴィンデル・マウザーは『スーパーロボット大戦A』の登場人物。

ヴィンデル・マウザー
外国語表記 Vindel Mauser
登場作品

バンプレストオリジナルOGシリーズ

声優 梅津秀行
初登場SRW スーパーロボット大戦A
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
種族 地球人
性別
所属組織 地球連邦軍
所属部隊 シャドウミラー
軍階級 大佐
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概要

シャドウミラー指揮官にして『スーパーロボット大戦A』の黒幕であり、本作のラストボス。ヴィンデルの目標は、平和による緩慢な腐敗を阻止するために、戦争が日常的にある世界を作る事。元の世界でそのためのクーデターに失敗し、別世界(平行世界)へと逃げて来たが、最終的には元の世界に戻るつもりらしい。その際様々な平行世界に介入して常に戦争を引き起こすという壮大な計画を立てていた。

しかし、その思想は「自分が戦っていたいだけ」という自己満足・自己陶酔以外の何物でもなく、部下から皮肉られたり、最終的には裏切られたりと、誰からも理解を得られず散々な結末を迎える事が多い。それは彼が『救う』つもりだった「生きる場所を失った兵士達」や「闘争の中で進歩を勝ち取った戦士達」にもその思想を否定されていることからも見て取れる。

また永遠の闘争を掲げながらクーデターを起こすも失敗していることが小物感を醸し出している上、その後にやった事が「逃亡先の世界で八つ当たり紛いの戦争を引き起こす」というものであり、そこで世界が被った被害を考えると極めて自分勝手かつ傍迷惑な敵首領と言えるだろう。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦A
ラスボス主人公級ほぼ全員と戦闘前会話イベントを起こす割に、乗機のツヴァイザーゲインはHP6万程度と打たれ弱く、全員どころか4、5人で落ちてしまう。また、そんな打たれ弱さ+ステージの構造も相まって、1ターンキルもされかれない。装甲値もキュベレイドン・ザウサー以下である。こんな打たれ弱さでは出撃したメンバー分の台詞を聞くことも困難である。最後は主人公によってツヴァイを次元転移弾として使われ、爆発の中に消えていった。
ちなみに、レモンともども登場作品の中で唯一カットインがある。この時点では髪にソバージュがかかっておらず、普通のストレート。
スーパーロボット大戦A PORTABLE
流石に1ターンキルはどうかと思ったのか、初めて戦う時でもHP10万、最終的には26万となった。またOG同様マップ兵器も追加された(弾数制ではなくEN消費型)。全キャラ唯一の2回行動やターン制限もあって、かなりの強敵と化している。だが、ドン・ザウサーなどと比べると、ツヴァイザーゲインの装甲が低めで、かつEN回復が無いためガス欠を起こしやすいのが弱点である。恒例の各主人公との戦闘前会話は健在。今作ではコウとの戦闘前会話も補完された。

OGシリーズ

スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2
Aとほぼ同じ流れで戦う。Aほど弱くはないものの、その後のMAPからアインストレジセイアが大挙出現するため、インパクト負けする。おまけに、ツヴァイに追加されたMAPWで自分を巻き込んでしまう事が多々あるという少々間抜けな一面も。最後は次元転移を行おうとしたが、ギリアムに因果地平の彼方へと飛ばされかけ、結局ラミアに止めを刺された。
スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS
今回から声が入った。強さはOG2GBA版時代とあまり変わらないが気力限界突破が加わっているため、気力は170。自分で放ったMAPWに自分で喰らうことはなくなったが、新しく設定されたツイン精神コマンドは本人のキャラクターに合わない「祈り」となっている。
スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター
キャラクター造形が変更され、黒タイツからアバラが浮いているなど武闘の心得を感じさせる。役回りはアニメでも変わらないが、本作でダイテツを殺したのは実質彼である。最期はギリアムが作動させたシステムXNの余波に巻き込まれて消息不明に。アクセルにその死を悼んでもらえただけ、ある意味誰にもその死を悼んでもらえなかったゲームよりマシと言えなくもない。

パイロットステータス

能力値

総指揮官のはずだが、アクセルと比べると能力が若干低い。格闘防御命中に優れ素の能力は悪くないのだが、成長タイプがザコと同じ「標準型」の為、伸びが悪いのがその理由。しかし乗機のツヴァイザーゲインの性能がそれを補って余りあるので強さは十分。OGsでは離れた敵でも「麒麟・極」で落としにかかって来る。

精神コマンド

ド根性鉄壁必中ひらめき熱血気迫祈り(ツイン)
意外と防御重視のラインナップ。祈りは何に祈るというのだろう……。

特殊技能(特殊スキル)

AP
2回行動底力L9、切り払いL8、カウンターヒット&アウェイインファイトL9
APでは唯一、2回行動の特殊技能を持つパイロット。
OG2
指揮官L4、底力L9、カウンターL9、連続攻撃L4、リベンジガード
OGS
指揮官L4、底力L9、カウンターL9、気力限界突破リベンジガード
OGSでは連続攻撃がなくなったため、代わりに気力限界突破が追加。これにより只でさえ高い攻撃力がさらに上昇。とにかくカウンター+リベンジが恐ろしい。命中の高さも相まって、生半可な強化では撃った端から返り討ちに遭って行く。

エースボーナス

与える最終ダメージ+20%、クリティカル発生率+30%
EXハードならこれを持って現れる。アタッカー常時発動に加えてクリティカル率が跳ね上がり、ただでさえ高い攻撃力が更にとんでもない事になるので、「ひらめき」「不屈」が無いと怖くて手が出せない。

専用BGM

「CHAOS」
ヴィンデルのデフォルトBGM。シャドウミラーのテーマ曲でもある。
「CHAOS Ver.A-PORTABLE」
A PORTABLEでのヴィンデルのテーマ。というか同作ではシャドウミラー全員(ザコ含む)がこの曲。

人間関係

レモン・ブロウニング
腹心の部下であるが、彼の思想をある程度理解しているだけで、所詮は利害一致による協力関係に過ぎなかった面が強い。
アクセル・アルマー
お互いのことを非常に信頼し合っていたが、A主人公バージョンにおいては最終的に彼にも自身の思想は否定される。また、OG外伝でも修羅によって闘争の世界と化した世界を否定している。
ラミア・ラヴレス
スパイとして潜り込ませたが、人間の情愛を知る事で「感情」を得て、最終的に自身を裏切る事となる。
リー・リンジュン
捕虜になった彼を説得し味方に引き入れる。しかし、彼自身は不甲斐無い軍を抜け出したかっただけであり、ヴィンデルの思想を有耶無耶に受け入れた側面が強い。[1]
ギリアム・イェーガー
平行世界への確実な転移のために、彼を捕らえようとする。が、結局最後まで反抗された挙句に、自身に引導を渡す事となる。
ベーオウルフ
元の世界では彼の率いる特殊鎮圧部隊により敗北している。
バン・バ・チュンアギラ・セトメイーグレット・フェフミツコ・イスルギウェンドロ・ボルクェーデ
利害一致から、互いに利用しあう。しかしヴィンデルの思想に理解を示して協力関係を築けたのは、全作品を通してフェフ一人だけであった。
ダイテツ・ミナセ
「ジ・インスペクター」ではリーに代わってダイテツにトドメを刺した。

版権作品との人間関係

キラー・ザ・ブッチャー
A』では平行世界から招き寄せ、彼らガイゾックシャドウミラーへの協力をさせた。
ハマーン・カーンエギーユ・デラーズウォン・ユンファデキム・バートンドルチェノフ草壁春樹オルバン大元帥ベガ大王
『A』では彼らに協力を申し出ては、利用した。その中にはドルチェノフやウォン、オルバンといったそうそうたる小悪党が含まれているのが何とも言えない。ただし、ハマーンとデラーズは部下がシャドウミラーの存在を警戒していた(後述)。
シャア・アズナブルトレーズ・クシュリナーダ
『A』ではかつて彼らに協力を申し出た事もあるが、断られている。
マシュマー・セロアナベル・ガトー東方不敗マスター・アジアギルトールプリンス・ハイネル
『A』では彼らにシャドウミラーの存在を煙たがられていた。
三輪防人リリーナ・ドーリアン
『A』ではマリーメイア軍と共に、「タカ派とハト派の代表」として二人を拘束する。
リリーナはともかく、三輪は非戦闘員を軽視する軍人至上主義者という点ではヴィンデルと非常に似通っているといえる。

名台詞

「私は楽しくて仕方がない。……この感覚……闘争だよ」
「そして、そこから生み出される混沌こそが我々の望むものだ」
理想云々以前に戦争の快楽とスリルを好むバトルマニアとしてのヴィンデルの本音が表れた台詞。それを受けて、レモンからは「自分が望むもの」と皮肉られる。
「目的を達成するためだけに創られていながら、それがさも自分の意思のように自覚し、行動する……風体の問題ではなく、そのコンセプトはむしろ美しいとさえ言えるだろう」
ガイゾック(OGではマシンナリー・チルドレン)に対する評価。ヴィンデルの言うような存在としてはスパロボでは八卦衆が近いだろうか。
「別にネオ・ジオンに義理立てをするわけではない。これは復讐だ」
「奴は『我々のような者達に居場所は無い』と言った」
「奴が正しいのか、それとも私が正しいのか…はっきりとさせてから、例の装置の最終調整に入る。でなければ、私の気がすまん」
Aアクセルルートでの、アクシズでの台詞。信頼できる同志であったアクセルの裏切りには相当な怒りを感じていたようだ。
「だが、闘争は人間にとって滋養分なのだ。それがない世界は、ゆっくりと腐敗し…やがて取り返しのつかない世界となる」
最終決戦でプレイヤー部隊に対し、戦争の必要性を述べた。
「あんな休戦などすぐに破られる。地球人同士でさえ争っている地球人が異星人とうまくやっていけると思っているのか!」
A最終話での一矢との戦闘前台詞。Aに限らずスパロボシリーズでは「地球を侵略しに来た異星人の撃退などそっちのけで人類同士の戦争や利権争いを続ける地球圏内の人間組織」が嫌と言うほど登場している事も踏まえると、嫌味ながらもある一理ある指摘ではある。ただし、ヴィンデル率いるシャドウミラーはバーム星人に限らず各異星人に取り入って戦争の火種を撒いたという事実もあるため、彼が言えた立場ではないだろう。加えて闘将ダイモスのストーリーの場合、当初は地球圏への移住を求めていた異星人が異星人側の内輪揉めで戦争になった(その内輪揉め自体も『A』では前述の通りシャドウミラーの工作員がバーム星人の指導者を暗殺したせいである)ことも踏まえると、自分にとって都合のよい部分だけを切り取って話しているだけにも見える。
「出来んかもしれん。それに、いつまで続くかもかわからん。闘争が日常となる世界ならば…」
A最終話でのユリカとの戦闘前台詞。一見ヴィンデルらしい言い回しだがこれはユリカへ「私を倒したあとどうするつもりだ」と問いたのに対し「アキトと幸せな家庭を築きます!」という返答された事へのツッコミ。劇場版を示唆する発言だが冷静な顔で(自称)新婚カップルへの皮肉を零すという少々微笑ましい返答だったりする。確かに「幸せな新婚生活がいつまでも続くとは限らない」のも事実だが、闘争を日常とする世界、即ち夫婦喧嘩の絶えない家庭が長続きするという主張は間違いだろう。それとも喧嘩するほど仲がいいのがヴィンデル的には理想の関係なのだろうか。
「得られるもののために、失うものもある、両立などできるわけがあるまい」
A最終話での万丈との戦闘前会話。戦争によって得られるものを分かっていても、失うものを理解していないメガノイドと同じ人間以下だと糾弾する万丈をこの台詞で一蹴するも、彼から「それを目指せるのが人間だ!」と啖呵を切られてしまう。
ヴィンデル「フフフ…戦争は人を強くすると言うがやはりそれは真実のようだな。新兵だったお前がジオンのエースと渡り合うまでに成長したのが、まさにそれを体現している」
コウ「…だとしたら、俺は奴に感謝する!貴様を倒す力を与えてくれたんだからな!」
ヴィンデル「私を倒せばお前の成長も止まるぞ?それでいいのか?考えるまでもあるまい!」
コウ「貴様に話す舌など持っていないっ!約束は果たすぞ、ガトーォォッ!」
AP最終話でのコウとの戦闘前会話。GBA版では何故かコウだけ主人公キャラであるにも拘らずヴィンデルとの戦闘前会話が用意されていなかったが、APでフォローされる形となった。
確かにこの戦いを通じて士官学校を出て間もなかったコウが成長したのは事実であり、この発言にも一理あるが、コウはガトーとの約束を果たすべくヴィンデルの言葉を一蹴した。
「ツヴァイザーゲインの刃……じっくりと味わうがいい!」
闇刃閃使用時の台詞。何でもない台詞だが、実は「現れた『影』」でしか見られない。決戦時は「ツヴァイの~」と略されている。
「ぬ、ぬおおっ! 貴様などに!」
「貴様のような人形などにぃぃぃぃぃぃっ!!」
OG2での断末魔。最後まで彼はラミアを「人形」としか見ず、それゆえに足下をすくわれる形となって果てた。
ギリアム「久しぶりだな……大佐」
ヴィンデル「フッ、フフフフ……。全くだ、ヘリオス・オリンパス…それがお前の素顔か……」
「ジ・インスペクター」にてヘリオスことギリアムと再会して。なお、笑う少し前に長い間が入っている事から、素顔を見て困惑していたようである。この事から「あちら側」の人間はギリアムの素顔を誰も見た事が無かった事が窺える(少なくともシャドウミラーには一人もいない)。
「ヘリオス…貴様は一体、何者なのだ……!?」
「ジ・インスペクター」にてギリアムが自分の過去の一端を語った際の台詞(ゲームでもほぼ同じ発言をしている)。
「や、やめろぉぉぉぉぉっ!!?」
「ヘリオオオオオォォォォォァァァァァァ……!」
ジ・インスペクターでの断末魔。最後の方は声が完全に裏返っており、ウェンドロほどではないがかなり情けない最期となった。

搭乗機体

ツヴァイザーゲイン
ヴィンデル専用機。ソウルゲインヴァイサーガの特徴を併せ持つ黒く禍々しい機体。
アシュセイヴァー
アクセル同様専用機が存在。ツヴァイと同じカラーリングに塗られている。

余談

  • その髪型の過激なソバージュ具合から、ファンからは「ワカメ」の愛称で親しまれている。また乗機のツヴァイザーゲインの演出で分身するものが多い為、「増えるワカメ」とも呼ばれている。
  • 苗字の「マウザー」の由来はドイツの銃器メーカー「モーゼル」から。

脚注

  1. OGSでは、土壇場で逃げられている事からも、余計に強調されている。