ウォン・リー

2018年9月12日 (水) 00:32時点におけるエンドラン (トーク | 投稿記録)による版

ウォン・リーは『機動戦士Ζガンダム』および『機動戦士ガンダムΖΖ』の登場人物。

ウォン・リー
外国語表記 Wong Lee
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 名取幸政(TV版)
田中和実(劇場版『Ζ』)
種族 地球人[1]
性別
所属 アナハイム・エレクトロニクス
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概要

エゥーゴの出資者である大企業アナハイム・エレクトロニクスにおける有力者。当然エゥーゴ内での発言力も強く、アーガマに乗り込んだ際には、艦長のブライト・ノアに無茶な命令を出しており、高圧的だったり、軍人ではない為、戦況を楽観視するなどアーガマのクルー達から煙たがれている様子が描かれている。

規律に厳しい人物で、会議に遅れた主人公カミーユ・ビダンを「修正[2]した事で有名である。ただし、これは理不尽な暴力ではなく、カミーユのパイロットとしての素質を認めた上での行動であり、あえてカミーユを「修正」した理由は「このままでは彼が自身の慢心が元でいずれ戦場で落命する、と判断したから」である

実際、ウォンは後に人間的に成長したカミーユに対して褒め言葉も送っている。その上、『機動戦士ガンダムΖΖ』第20話においてネオ・ジオン寝返っていたビーチャ・オーレグモンド・アガケをブライトが庇った際に、「(彼等は)ニュータイプだというのか!? カミーユとは似ても似つかんじゃないか!」と話す等、カミーユを非常に高く評価している様子が見て取れる。

カンフーの使い手で、修正を受けたカミーユが素直に謝らず口答えをした際には、空手部に所属しているカミーユの反撃をかわしつつ、ボコボコにして気絶させている。一方、『ΖΖ』ではジュドー・アーシタを修正しようとしたが、今度は逆に蹴られ返されている事から、「所謂喧嘩殺法には弱い」との見方もある。

キャラクターの総評

上記の行動からウォン・リーは厳格なイメージが強いが、「遠慮するシンタとクムにジュースをおごってあげる」等の優しい一面も持つ。また、劇場版『Ζ』では嫌な一面が削られており、割と好人物として描かれている。そして、かつてカミーユが「まるで女ウォン・リー」と評したステファニー・ルオは、本当に「ウォン・リーの娘」として設定された。

一方、『機動戦士ガンダムΖΖ』においては第20話のみの登場であるが、ジュドー達と対立する嫌な大人の一人としての側面が強くなっている。

月面の戦闘ではプチモビに乗ってカミーユを援護したり、グワダンからの脱出の際にも銃を手にクワトロ達軍人にまるで見劣りしない立ち回りを演じてたりと、民間人なのに妙に実戦慣れしている。「修正」の一件といい、兵役の経験でもあるのだろうか。

ウォン・リーはけっして悪人というわけではないのだが、「美点も有る一方で欠点も多い人物」と言える。

登場作品と役柄

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
SRW初登場。劇場版名義である。ifルートではブレックス暗殺された後、アクシズに身を寄せており、後にハマーンと共にZEUTHに合流する。

単独作品

スーパーロボット大戦V
名前のみの登場。「クワトロの頼みで精神崩壊後のカミーユの面倒を見ていた」事実がカミーユの口から語られている。

人間関係

機動戦士Ζガンダム

家族等

ステファニー・ルオ
ルオ商会の中心人物。劇場版では「ウォンの実の娘」という設定。
SRW未登場だが、『V』ではカミーユから存在が言及されている(なお、そちらでは劇場版同様の「娘」設定が採用されている)。

アナハイム・エレクトロニクス

メラニー・ヒュー・カーバイン
アナハイム・エレクトロニクスの会長。ウォンの直属の上司。SRW未登場。

エゥーゴ

カミーユ・ビダン
ハロ修理していて会議に遅れた為、ウォンから「修正」を受ける。賛否が別れる荒っぽいやり方だが、ウォンなりにカミーユの事を一番案じていたが故の行為でもあった。
また、『ΖΖ』では、彼が精神崩壊し人事不省となってしまった事を案じたりもしている。
クワトロ・バジーナ
早くから彼の正体を「シャア・アズナブル」と見抜いていた。また、彼の意見は意外とよく汲んでいた。
ブライト・ノア
立場としてはウォンより下であるが、彼に振り回される事もあったのか『ΖΖ』ではウォンと対立したジュドーを擁護していた。
一方、劇場版では家族と離れて暮らしているブライトを気遣っている(後述)。
シンタ、クム
子供好きであるため、彼らにジュースをおごってあげた。

機動戦士ガンダムΖΖ

エゥーゴ

ジュドー・アーシタ
自分の言う事を聞かない彼をカミーユと同様に「修正」を加えようとしたが、逆にかわされた挙げ句膝蹴りを喰らうことに。
ビーチャ・オーレグモンド・アガケ
一時ネオ・ジオン寝返っていた事に難癖を付けて「エゥーゴには不要」と判断したが、ブライトには反発され、彼等にも反発された。
ただし、ビーチャ&モンドは極めて自分勝手な理由で裏切りを行っていた為に、れっきとした軍隊であるエゥーゴの上の立場の人間として文句を言うのは至極当然の事で、ウォンの行動に間違いが有るとは言えない。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

アルベルト・ビスト
V』では彼とカミーユを引き合わせ、ラプラスへの参加を決意させる。

名台詞

TV版

「そのガキ、待ちな!」
第9話で会った途端に、この台詞の後に問答無用で張り手の一発。この後、(空手を習っている)カミーユの攻撃をかわしつつ乱打乱撃の雨あられ。
「貴様は情報部員じゃなかろう。なら、パイロットをやる事が先だ! そうでなければ、アーガマから放り出されて今頃は宇宙で溺れていたかもしれんのだ!」
ハロは情報を持った記憶チップを持ったロボットだとわかったんだ。それを調べようとして」というカミーユの屁理屈に対して。
確かにパイロットならば機体の整備等やるべき事が有るはずであり、今までのカミーユがいかにアーガマで特別扱いされていたかがわかる。
「つべこべつべこべと! 何故『ごめんなさい』と言えんのだ!!」
前述の通り、会議に遅れた上に口答えし続けるカミーユをボコボコにしての一言。カミーユはこの後クワトロエマからさらなるお説教を受ける事に。
アーガマラーディッシュも勝つよ。でなければ、地球は滅び、ティターンズエゥーゴもなくなる。だから、今はエゥーゴが勝つのだ。そう、私は信じている。だから市民を避難させて、エゥーゴの不信感を育てるような真似は止めてくれ。頼む。」
第25話より。「ティターンズがグラナダコロニー落としを仕掛けようしている」という作戦をウォンから聞き、グラナダの市民を避難させようとする市長を説得した台詞。
口では「ああだこうだ」と喧しく指図していたが、彼等への信頼を表していると同時に、口だけでなく身体も張るウォンのスタイルもよく表している。
「私の意見は、メラニー・ヒュー・カーバイン会長の意見だ! それを聞けんというのなら、私にも考えがある!!」
第32話より。自分で説得できなくなったら、上司の名前を出す。スポンサーの立場上仕方無いのだが…。
「ふーん、お前も実戦というものがわかってきたようだな。『修正』した甲斐があったというものだ」
第34話より。「動けば充分ですよ」と言ったカミーユに対して。
民間人とは思えない口振りだが、時として前線へ出向することも厭わないウォンは、実際に下手な軍人よりも戦場の空気を熟知しているからこその台詞である。
「戦闘は完璧な状態で戦えることの方が珍しいんだ。今、クワトロ大尉も言っていたが、アーガマは不可能を可能にする艦ではないのかね?」
前半は筋が通っているが、後半はクワトロの言葉を都合よく捉えての発言。このように、本来民間人であるウォンが口を出す筋合いではない分野にまで首を突っ込んでくることも多い。
劇中の活躍を見れば確かにそうだが、クワトロに「出資者は無理難題をおっしゃる」と皮肉られるのも無理はない。

劇場版

「まったく、消す事はなかろう。折角クワトロ大尉が持ってきてくれたんだ」
劇場版『Ζ』より。作戦会議中に家族からのビデオレターを見ていたブライトに対する台詞。
作戦会議中にビデオレターを見ているブライトの方に問題が有るのだが、ウォンは離れて暮らしている家族がいるブライトの事情を理解していた為か、あえて咎めたりしなかった。粋な計らいである。

機動戦士ガンダムΖΖ

「カミーユの事か」
第20話より。アーガマを地球に降ろすウォンらエゥーゴ上層部の作戦に反発し、「パイロットも兵士もチェスの駒にしか考えていない」と言い放ったブライトへの返答。
少なくともカミーユへの理解は有ったように見えるが…。
「あれか、今度乗ってきたニュータイプは?」
「そんな事ではいつまでたっても敵は倒せんぞ」
上は半舷休息で仲間と共に降りてきたジュドーを初めて見た際の台詞で、下はジュドーを呼び止めてMSの整備が終わるのが早すぎると難癖つけた際の台詞。
ウォンとしてはネオ・ジオンとの本格的な戦いになる事を考えてアーガマクルーを引き締めようとしたのかもしれないが、どちらにしてもブライトから「パイロットをチェスの駒にしか考えていない」と言われても仕方が無い。
裏切った人間をどうして信用できる! え!?」
ビーチャモンドを不要」とした事に反発したブライトへの反論で、さらにパンチを入れる。
ビーチャ&モンドは個人的な不満からネオ・ジオンに寝返り、さらに同様の理由でまたエゥーゴに寝返っているので、ウォンの言う事も間違っているわけではない。
「子供の言う事を全て信用するのだな? 大人気無い…」
ジュドーの出撃を止めさせようとしたウォンの命令を無視してジュドーらを出撃させようとしたブライトに対して。

脚注

  1. 原作者である富野由悠季監督の証言によれば、ベトナム系。
  2. 小説版機動戦士Ζガンダム』では、「修正」のやり取り等が少々異なる。