概要編集
元来は資源採掘用の小惑星であったが、もう一つの小惑星と結合して軍事要塞に改造された。
構造上、二つの小惑星の接合部が脆弱という弱点があるが、そこに向かおうとする敵艦隊に要塞ビーム砲の火線を集中させやすい仕組みになっており、弱点を敢えて晒して囮にするという防衛システムは、防衛要塞にしては「攻撃的」とも評される。
一年戦争におけるジオン軍の一大拠点として機能した。また、内部には大規模な軍事工廠が備えられており、一年戦争後半には宇宙におけるジオン軍の主要な兵器生産拠点ともなった。地球連邦軍との戦争が劣勢となり、ソロモンが陥落すると、月面都市グラナダと共にジオン公国の最終防衛ラインとして機能。星一号作戦では連邦とジオンの最後の決戦場となり、ジオンの最高指導者たるギレン・ザビ自らの指揮もあり当初は連邦軍を圧倒した。
しかし、ギレンが妹のキシリア・ザビに暗殺されてしまうと、その生じた隙を連邦軍が見逃さずに猛攻。ドロス艦隊壊滅によりジオン側の士気は崩壊。キシリアは要塞からの脱出を図るが、彼女の部下であるシャア・アズナブルの手によりザンジバル級のブリッジを破壊されて撃沈されてしまい、ジオンの指導者層であるザビ家は全滅。要塞内ミサイル工場からも出火し、一部を除いて動力電源が停止すると、トワニング准将の停戦命令によりジオン公国は抗戦を断念して降伏。ア・バオア・クーでの決戦は地球連邦軍の勝利に終わり、一年戦争は終結した。
『機動戦士Ζガンダム』では地球連邦軍を経てティターンズの管轄となり、ゼダンの門[1]と改称したが、グリプス戦役時に(かつてジオン軍が保有していた)小惑星基地アクシズと激突して崩壊した。
登場作品編集
旧シリーズ編集
- 第3次スーパーロボット大戦
- ギレン達との決戦の舞台になる。シナリオ名は「ゼダンの門」。SRWでも屈指の難易度である。ドロスが3隻、α・アジールが4機、ラフレシアが2機のボスオンパレード。さらに最大ダメージが制限されているので、30ターン以上は要するストレスシナリオである。
- スーパーロボット大戦F完結編
- DCルートではギレン達との決戦の舞台になる。『第3次』を彷彿させる構成だが、キュベレイ以外は強敵でないので難易度は高くない。
- 決戦後にはガンダム・チームが探索に行くイベントがある。
αシリーズ編集
- スーパーロボット大戦α
- マクロス落下事件の余波でア・バオア・クー攻略が行われなかった為、ロンド・ベル隊によって攻略が行われる。『α』の正史ではネオ・ジオンと一時和平を結んでいるが、『α』以後の処遇は不明。
COMPACTシリーズ編集
- スーパーロボット大戦IMPACT
- 「ゼダンの門」として登場。
携帯機シリーズ編集
VXT三部作編集
- スーパーロボット大戦T
- 名前のみの登場だが、用語辞典に登録される。シャアとの決戦に臨むアムロを前にして甲児が「ア・バオア・クーを思い出す」と発言している。
単独作品編集
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- 序盤が一年戦争をなぞった展開だが、ア・バオア・クー攻略の前に外宇宙に行く事になるので中盤まで先延ばしになる。ギガノス帝国がジオンと同盟を組んでいるため、そちらのギガノス機動要塞の代わりでもある。
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 一年戦争中だが地球連邦軍の拠点として登場。アクシズをぶつけられて粉砕されるという『Ζガンダム』の展開になる。
関連作品編集
余談編集
- 名前の由来はインドのラジャスターン地方にいると伝えられている幻獣「ア・バオア・クゥー」。
- 『トミノメモ』によれば、ア・バオア・クーとは独立した宇宙要塞ではなく、ジオンの本国であるサイド3の内部にある要塞都市の名前だった。
- 『SDガンダム外伝』第2シリーズ『円卓の騎士編』に「ゼダンの要塞」という敵拠点が登場する。しかし原作と異なり、司令官はドズル・ザビをモチーフとした「城主ドズル」である。
- 『SD戦国伝』では333年に1度現れるという幻の城「暴終空城(あばおわくうじょう)」として登場した。
- 『SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors』における董卓ザクの居城・郿塢城はア・バオア・クーをモデルにしている。
- 『機動戦士ガンダムSEED』における最終決戦の舞台になった宇宙要塞ヤキン・ドゥーエは、ア・バオア・クーをオマージュしたものである。
脚注編集
- ↑ TV版の一部では「ガゼンの門」という呼称も。