クロノクル・アシャー

2021年11月30日 (火) 08:47時点における240f:106:817b:1:60db:6944:d98b:7390 (トーク)による版 (→‎単独作品)

クロノクル・アシャーは『機動戦士Vガンダム』の登場人物。

クロノクル・アシャー
外国語表記 Cronicle Asher
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 檀臣幸
デザイン 逢坂浩司
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦G
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
種族 地球人(スペースノイド
性別
年齢 20歳
所属 ザンスカール帝国
役職 パイロット⇒モトラッド艦隊司令長官
軍階級 大尉
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概要

ザンスカール帝国ベスパの青年士官。白い防塵マスクを着用しているのが特徴。

物語の序盤、カサレリアにてモビルスーツシャッコーのテストを行っていた際に、ウッソ・エヴィンに自らの機体を奪われたのを機に彼との因縁が深まってゆくが、同時にカテジナ・ルースとの出会いが、クロノクルの運命を狂わせていく。

人物 

ザンスカール帝国女王マリア・ピァ・アーモニアの実弟で、シャクティ・カリンの叔父にあたる人物。サイド1のアルバニアンで生まれ育った生粋のスペースノイドであり、白い防塵マスクを被っているのは地球の埃を嫌っている為[1]であるが、自身のトレードマークにしようとしたのか、宇宙でもマスクを被る事が少なくない。

物語序盤は、寝ぼけているスージィ・リレーンをトイレに誘導してあげたり落盤から庇ったりもする等、本来は他人への気遣いができる優しい人間であり、また潔癖症とも言える程に真面目な人物であった。また、捕虜として捕らえたオイ・ニュング伯爵に対し非人道的な拷問を行った挙句にギロチン刑に掛けた上官のファラ・グリフォン中佐には猛抗議し、宇宙引越公社のマネージャーであるマンデラ・スーンからも良心的な人物として人柄を評価されている。軍人になった最大の理由も、姉というよりは母親同然であったマリアを、女王として擁立したザンスカールの実権を握るフォンセ・カガチから守りたいという純粋な想いからである。パイロットとしての能力に関しては、立場を抜きにしても高く、実戦で幾つかの戦果を挙げるだけでなくニュータイプの素養らしき物も見せており、更に操縦性が極めて困難であったコンティオを使いこなし、後に発展型のリグ・コンティオも専用機として与えられている。

しかし、その内側には半ばやむを得ない事情で軍人になりながらも、周囲から「女王の弟」という肩書きと共に陰で疎んじられる事への苦悩と不満を募らせており、若さ故のプライドも重なってか、自身の実力を正当に評価される形で伸し上がるという野心も少なからず抱く様になっている。その為、出世コースに進んでから野心が彼の性格を歪めてしまい、「モトラッド艦隊」の地ならしによる虐殺を顔色一つ変える事も無く容認する様になっているのだが、虐殺は認めても人質作戦は認めない等、司令官としては一貫性を欠く行動を取るようにもなっている。また、カガチの一派であるガチ党とタシロ・ヴァゴの両派閥にパイプを築きつつ、自身の派閥も形成しようとする狡猾さも見せていたのだが、やはり中途半端に残った善良さが災いして失敗に終わっている。こう言った部分からも、姉のマリア本人にまで「小さな人間」と評されており、更にカガチの元から脱却出来なかった事自体が、マリアがカガチの傀儡に甘んじざるを得ない理由(クロノクルは、カガチにとってマリアを従わせ続ける為の一種の「人質」であった)になっていた事実にも、最後まで気付けなかった。

総じて言えば、人間としての善良さが強い故に、「パイロット」としての能力は高くとも「軍人」としては不向きであり、その事に自覚出来ないまま野心に魅了されてしまった事が、クロノクルの不幸の始まりであったのかもしれない。

劇中での活躍 

生い立ち

サイド1のアルバニアンに生まれたクロノクルは、幼少期に両親が出奔してしまい、まだ年若い姉のマリアが自身を育てる為に身体を売る形で生計を立てた事で、学校へ通う事が出来る等、ある程度普通の生活を送れていた。しかし、それでも貧しい事に変わりはなく、また男に捨てられては一人泣き寝入りしていたマリアの姿に苛立ちを覚えていたクロノクルは、それに反発する形でギャング団の一員となって、恐喝や万引き、麻薬売買等に手を染める等、現在からは想像出来ないまでに荒んだ人生を送っていた。

そんな中、関係を持った男との間に妊娠したマリアが、アリシア…後のシャクティ・カリンを出産したのを機に、サイキッカーとして覚醒。彼女の占いや治癒能力を利用した診療所によって暮らしが安定し始めると、反省したクロノクルは犯罪から足を洗い、アリシアの面倒を見ながら姉を教祖に据えた新興宗教の手伝いをするようになる。

しかし、マリアの能力に目を付けたサイド2の政治家であったカガチが接触してきた結果、その人生は激変。カガチに雇われた犯罪者達によってアリシアは地球へと連れ去られてしまい、自身は新興国家「ザンスカール帝国」の女王に擁立されたマリアの弟という立場となり、クロノクルは姉を守りたいという想いもあって、ザンスカールの士官学校に入り、ベスパのパイロットとなる。

原作

物語の序盤、地球に降下したクロノクルは、新型モビルスーツであるシャッコーのテスト飛行を行っていたが、そこへパラグライダーで飛行していたウッソと接触。一悶着の末にシャッコーを奪い取られてしまう失態を犯してしまったが、上官のファラからは特に咎められなかった[2]。帰還後、汚名返上の為に専用機のゾロに搭乗して出撃し、シャッコーを奪い返す事に成功するが、その次の戦いではウッソのVガンダムに撃墜されてしまう。しかし、転んでもただでは起きず、リガ・ミリティアのアジトに乗り込んで紆余曲折の末にオイ・ニュング伯爵の拉致に成功。この時に、リガ・ミリティアに流れ着いていたカテジナとも出会い、彼女も保護という形で連れ去る。しかし帰還後、カテジナは見逃されたが、伯爵の方はファラによってギロチン刑に掛けられてしまい、少なからず後ろめたい様子を見せていた。

カテジナを連れて宇宙へと戻った後は、タシロによって大尉の昇進が認められるも、ファラは宇宙漂流刑を言い渡されてしまう事になる。カイラスギリーの攻防戦後、何の因果なのか、偶然にも宇宙に漂流していたシャクティやスージィ、カルルマン・ドゥカートゥスを保護する事になり、シャクティがかつて連れ去られたマリアの娘かつ自身の姪でもあったという事実に驚愕する。また、これらの功績によって、操縦性の難しい新型モビルスーツであるコンティオで構成された「コンティオ戦隊」の隊長となり、更には「地球クリーン作戦」の中心となるバイク型戦艦アドラステアの艦長兼「モトラッド艦隊」の司令官にまで就任する等の出世コースを歩み始めるが、同時に野心を覗かせ始める事にもなった。また、自らの力になろうとするカテジナにも、モビルスーツパイロットとしての訓練を課している。しかし、地球にモトラッド艦隊を降下させて「地球クリーン作戦」の実行を命令した後、作戦は順調に進んでいたのだが、自身の配下となっていた士官学校時代の先輩であるアルベオ・ピピニーデンが、独断でウッソの母親であるミューラ・ミゲルゴズ・バールに盾にするよう命令。カテジナに回収するよう命令するも間に合わず、ミューラは首を吹き飛ばされる形で無残な死を遂げる事になり、軍人として度が過ぎる非人道なやり方を行ったピピニーデンに対し、失望と嫌悪を抱く事になった。

「地球クリーン作戦」の中止後、ザンスカール本国が地球連邦政府との休戦協定を結んだ事で艦隊ごと宇宙へと帰還。決戦兵器として新造されたエンジェル・ハイロゥの防衛任務に就く事になり、新たにリグ・コンティオを受領し、パイロットスーツの色もイエロージャケットの物からグレーへと変わる。エンジェル・ハイロゥを舞台とした最終決戦においては、リグ・コンティオを駆って参戦し、特攻を仕掛けようとしたジャンヌダルクのブリッジを吹き飛ばし、更にはリーンホースJr.にも攻撃を仕掛けるが、オデロ・ヘンリークトマーシュ・マサリクの搭乗するガンブラスターに阻まれる。その後、ウッソの駆るV2ガンダムと激突するも敗北。姉の名を呼びながら最期を遂げる。その死に様はウッソのV2によって乗機リグ・コンティオを破壊された後、機体のコクピットから投げ出され、空中を浮遊するエンジェル・ハイロゥのブロックに頭部から激突して死亡するという悲惨なものだった。

原作以外 

『コミックボンボン』で連載された岩村俊哉氏の漫画版ではラスボス的存在として登場。終始ウッソのライバルとしての立ち位置を保っており、また漫画版にはカテジナが登場しない事もあって、兎に角インパクトが強くなっている。

最終決戦では姉マリアの身に起きた悲報を聞き、部下の前で子供のように号泣。血の涙を流す「復讐の竜」と化し、もはやザンスカールが終わった事を悟った事で、マリアの仇を討つ為にドッゴーラ改で出撃する。ハンゲルグ・エヴィンの座乗するジャンヌダルクをビームサーベルで真っ二つにする形で撃沈し、V2アサルトガンダムを駆るウッソとの壮絶な激突を繰り広げるが、ウッソのメガビームシールドを使ったの秘策によって敗れる(そもそも、ウッソはマリアを殺していないのだが、偶然その場にウッソのV2がいた為、クロノクルは勘違していた)。だが、完全に死んではおらず、死の間際までせめてウッソだけでも道連れにしようとする等、原作と比べ物にもならない程の執念深さを見せたが、最後はオデロ機のビームサーベルを偶然拾ったウッソのV2の攻撃が、コックピットに直撃。壮絶な最期を迎えた。なお、最終決戦での出撃時は、半ば自暴自棄になっていた為かノーマルスーツを着用していなかった。

富野由悠季総監督による小説版では、クロノクルはマリアの死に気付かず、分解しつつあるエンジェル・ハイロゥのリングのぶつかりあう中をカテジナと連携してウッソを追い詰めるものの、ウッソに気を取られていたせいでリングに挟まれて死亡する。

登場作品と役柄

旧シリーズ

第2次スーパーロボット大戦G
初参戦。DC所属。
ファラやカテジナと違い、顔グラフィックはマスクを付けた1種類しか存在しない。故に宇宙でもマスク顔で登場する。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
最序盤からコンティオに搭乗。素人同然でいきなり戦うウッソのことを考えてほしいものである。
その後はアドラステアエンジェル・ハイロゥ落下後の最終戦ではリグ・コンティオに乗る。敵としては押しが弱いので、一撃で葬られることも。
ちなみに、最終戦でカテジナ撃墜前にクロノクルを落とすと、カテジナに奇跡がかかる。
スーパーロボット大戦α for Dreamcast
オールドタイプの中では一流と呼べる能力値だが、リグ・コンティオに乗るまで真価を発揮できないのが辛い。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦D
地上ルートだと序盤から戦う機会が多い。
フラグを満たすと、なんとエンジェル・ハイロゥ戦後にカテジナと共に仲間にできる(乗機はリグ・コンティオ)。能力は決して悪くないものの、集中必中も覚えないため、回避が高い後半の敵相手には苦戦を強いられ、さらにニュータイプパイロットが多い中で数少ないオールドタイプのためファンネル搭載機が使えない。
「敵時と味方時の能力が一緒のパイロットは、敵時にもボーナスポイントを引き継ぐ」という今作の仕様上、序盤から戦う機会のある彼にボーナスポイントを振り分けると2周目以降がきつくなるという難点がある。特に前述の「命中補正精神が無い」という弱点を補うため素の命中値を強化したりするとひらめき不屈無しでは安心して戦えなくなってしまう。とはいえ、仲間にできるという事実だけで快挙とも言えるので、カテジナ共々戦列に加えて活躍させてあげたい。
なお、ルイーナ打倒後の地球において、地球で虐殺を繰り返したモトラッド艦隊の司令だったクロノクル(とカテジナ)は何らかの制裁を受けたのでは、と推測するユーザーは多く、アンソロジーでもその点を描いた作品がある(尤も、似たような立場のグラキエースは特にお咎めなしなので、その辺りを見逃してもらった可能性もある)。

単独作品

新スーパーロボット大戦
概ねシナリオは再現されているが、原作よりは扱いが優遇されている。
リグ・コンティオの強さと合わせて強敵の一人。ニュータイプ技能も持つ。シナリオ「狂気の力」ではゾンビ兵として蘇る。
本作から声が入ったが、以降新録をする事なく檀臣幸氏が2013年10月に死去したため、当作品が最初で最後のスパロボ参加となった。
新スーパーロボット大戦 スペシャルディスク
フリーバトルに登場。
スーパーロボット大戦X-Ω
SRサポートユニット。
スーパーロボット大戦30
最速登場は宇宙ルート「リガ・ミリティア」。コンティオに搭乗。条件を満たすと終盤にカテジナと共に自軍参入するが、搭乗機はリグ・コンティオの調達が間に合わないとの理由で通常のコンティオ。
フェイスアイコンではマスクをしているが、通常立ち絵ではマスクを外している。
声は檀氏のライブラリ出演。一部SRWでは新規と思われるボイスがあるが、収録時期は不明(「Gジェネレーションシリーズ」からの流用という説があるが詳細は不明)。

パイロットステータス

精神コマンド

α
根性加速努力気合隠れ身熱血
D
努力不屈加速熱血直撃気合
30
必中努力不屈気合狙撃熱血

特殊技能(特殊スキル)

α
シールド防御L3、切り払いL4
D
底力L7、シールド防御斬り払い撃ち落とし援護攻撃L1、指揮L2、コンボL2
切り払いL4、シールド防御L4、ニュータイプ
30
底力L7、気力+(DEF)見切りL2、ガードL2、援護攻撃L2、サイズ差補正無視L2

エースボーナス

気力130以上で自軍フェイズの開始時、精神コマンド「狙撃」がかかる
30』で採用。

サポートアビリティ

女王マリアの弟
SR。回避率大アップ。

人間関係

ザンスカール帝国

カテジナ・ルース
拉致した後、恋人の関係になるが、出会いはお互いを不幸にしたようだ。また、主人公であるウッソのラスボス格としての座も、彼女に奪われてしまい、自身はその前座的な形で最期を迎えている。
終盤の様子からも、クロノクルにとってカテジナは心の支えには至らなかった様で、最後の発言からもその事が伺われる。一方で、カテジナの方も優柔不断で精神的に脆い面を見せるクロノクルに苛立ちを覚えていた。
マリア・ピァ・アーモニア
実の姉。なお、クロノクルがに入った理由は、彼女を守るためらしい。実際、クロノクルにとって彼女は「姉」であるのと同時に「母」とも言える存在であり、タシロの反逆によって彼女を失い、自身も最期を迎えようとする時、クロノクルはカテジナではなくマリアの方を求めていた。
一方、マリアの方は野心に取り付かれながらも、中途半端な姿勢故に失敗続きであったクロノクルを「小さい人間」と評していた。
フォンセ・カガチ
マリアを女王に擁立した張本人。彼の傀儡として利用されるマリアを守る為に、クロノクルは軍人になった。しかし、自らの個人的な野心に取り憑かれていった結果、カガチを牽制するどころか、結局は最後まで脱却できないままとなった。また、カガチにとってクロノクルは、シャクティと同様にマリアを従わせる為の一種の「人質」だったとも言え、その事にも気付けないままだった。
ファラ・グリフォン
地上に派遣されていた時期の上官。しかし、女王の弟である自身が下手に死なれると困る為か、内心では彼女に厄介者扱いされていた模様。また、捕虜にしたオイ・ニュング伯爵を拷問した挙句にギロチン刑に掛けた際は、猛抗議している。
ただし、タシロによって宇宙漂流刑を言い渡された際はそれを必死に庇っており、彼女からも感謝されている。
タシロ・ヴァゴ
宇宙へ帰還してからの上官の一人。彼とのパイプを築き、それを利用する事で自身の派閥を作ろうとしていたが、結局うまくはいかなかった。
アルベオ・ピピニーデン
士官学校時代の先輩だが、クロノクルの方が昇進が早く、部下に。彼の実行した人質作戦には「見下げ果てた先輩だ!」と怒りを隠せなかった。

リガ・ミリティア

ウッソ・エヴィン
テストパイロットを務めていたシャッコーを奪われたのが縁で、その後も何度も戦う事になる。
漫画版では、最後は宿敵同士として激しい死闘を繰り広げ、彼を死の寸前にまで追い込んだ。
シャクティ・カリン
姪。姉と共に心配している。
まだザンスカール帝国が興されなかった時期より面倒をよく見ていた為に、クロノクルの彼女に対する思いやりや心配は本物であったのだが、ザンスカールの軍人となった結果なのか、己の野心の為の駒として見ている面もある事を見透かされ、歪んだ叔父と思われてしまう。
フランダース
シャクティの愛犬。最初は警戒されていたが、手懐けてしまい、後に出会った時も声をかけていた。案外、動物好きなのかもしれない。
オイ・ニュング
リガ・ミリティアのヨーロッパ抵抗組のリーダー。スパイとして侵入した際に捕虜にする。しかしその後、彼は上官のファラによって拷問を掛けられた挙句ギロチン刑にされる形で殺されてしまい、捕虜にして連れて来た事を少なからず後悔する様子を見せている。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

アムロ・レイ
D』では戦いに敗れ、捕虜になった際にウッソと彼に説得され、共に戦ってくれるように頼まれた。
シーマ・ガラハウ
α』では彼女に、女王の弟であることを嘲笑されてしまう。
リリーナ・ドーリアン
『D』ては彼女との交渉に応じ、彼女の心意気を認め、いくつかの条件を飲む。

リアル系

ゴステロ
』では一度死亡したところを彼にDG細胞を植えつけられ、手先にされる。

スーパー系

ロジャー・スミス
『D』でリリーナと共に交渉に参加。クロノクルは彼の交渉術があまり信用できないらしい。
ジェイソン・ベック
『D』でピピニーデンがゴズ共々彼を送りつけてきたのだが、散々な目に遭わされた。

バンプレストオリジナル

ジョシュア・ラドクリフ
『D』で地上ルートを通ると彼と因縁ができる。

名台詞

TV版

「これだ。よくもまあ、こんな地球にマスク無しでいられるな!」
第1話より。砂埃が舞う地球の環境に辟易して防塵マスクを装着した際の台詞。ちなみに、クロノクルの側にいた兵士は平然としていた。
「貴様らに地球を汚す権利はない!」
第2話より。シャッコーのコックピットの中で、ウッソと初対決(?)した際に。
「トイレはそこじゃないぞ」
第5話より。寝ぼけたスージィが通路で用を足そうとして、気遣って付き合う。スパイとして入り込んだ先でこんなことをしているあたり、人が良い。
「ここから……早く逃げなさい」
同上。基地が攻撃され、瓦礫からシャクティとスージィを庇った際の台詞。子供相手でも丁寧に言うところが、やはりクロノクルの人間性を感じさせる。
「ビームローターを使わずにこれほどの機動性を持ってるとは…!」
「この操作性の軽さ。これならひょっとすると子供でも操縦できるかもしれない…子供…?」
「このモビルスーツが大量生産されるようになったら、リガ・ミリティアの存在も無視できなくなるな」
第9話より。奪取したVガンダムの試運転を行い、その性能を高く評価していた。
「片足では機体もパワーも安定しないのなら、足を捨てる!」
「くっ、どうすればいいんだ!?」
同上。オリファーの駆るボトムファイターに片足を破壊され、ブーツをパージしようとVガンダムのマニュアルを開くが諦め機体を乗り捨てる。
SRWでは乗り換えても問題なくブーツを外すことができるので心配は不要である。
「パイロット、死ねよっ!」
第26話より。サイド2の港ブロックにて、マリアを盾にして脱出を図ろうとするウッソ達のためにペギーのガンイージが抵抗。港への被害を出さないためにコンティオのビームサーベルでガンイージのコックピットを貫いた際の台詞。
SRWでは戦闘台詞に採用されている。
「地球上だ。ホコリは感じるな」
第34話より。
アドラステア艦長「勝負を急がせて、ゴズ・バールにはペナルティを支払わせませんとな」
「ピピニーデンにもだ! 見下げ果てた先輩だ!」
ピピニーデンゴズ・バールに命じてウッソの母親を人質に取るという卑劣な作戦を実行したのを見て。
アドラステア艦長のゴズに罰則を払わせるとの言葉に、ピピニーデンにも責任を負わせる事を宣言し、彼を罵る。結果、ガンオタの間で「見下げ果てた先輩」という言葉はピピニーデンの通称として定着してしまった。
もっとも、ピピニーデン自身はクロノクルの為に汚名を被る事も覚悟しており、卑劣な作戦でもその本心は決して利己的なものではなかったが、潔癖なクロノクルの神経を逆なでする作戦の詳細を伝えずに実行したことが仇となった。
「胸糞の悪い……! もうあの男を先輩などと思わん!」
上記の人質作戦が大破したリシテア級がアドラステアに突っ込んでしまい、ゴズ・バールごとミューラ・ミゲルがウッソの前で死亡してしまうという結果となり、嫌悪感と共に吐き捨てる。……が、クロノクルは既に「地球クリーン作戦」で多くの非戦闘員を虐殺するというピピニーデン以上の非道に手を染めているので、説得力はない。
「お前のような少年に何がわかる! 女王の弟にされてしまって、カガチなどとも戦わなければならなくなったこの私の苦しみが!」
第51話より。「あなたの弱さがカテジナさんを迷わせた」とウッソに責められた時の反論。
カテジナをはじめとする周囲に翻弄され続け、生来の優しさゆえにそれらを捨てることもできずに追い詰められたクロノクルの心情が伺える。
「全てが分かった、ウッソ・エヴィン……キールームのシャクティと共に、我らを排除しようという魂胆! だから私にも見える!」
ウッソとの最終決戦時に。
「やったなッ!! 白いヤツッ!」
最終決戦時。ウッソのV2とすれ違いざまに「光の翼」によって乗機のリグ・コンティオが大きく刻まれてしまった際に。クロノクルはすぐに機体を立て直そうとするが……
「ば、馬鹿な。私は…こんなところで止まる訳にはいかないのだ」
上記の直後にウッソからビームサーベルで追撃され、乗機のリグ・コンティオの下半身を失い、上半身も中破してしまった際の台詞。
自身の敗北が信じられずに動揺するが、既に機体は制御する術を失い、カテジナの絶叫を尻目にエンジェル・ハイロゥのリングを転げ落ちていく。
「姉さん、マリア姉さん……。助けてよ……マリア姉さん……」
上記の続きにして、最後の台詞。大破して転がり落ちた衝撃でコクピットハッチが開いてしまい、そのまま機体から投げ出され、自由落下している最中に。姉の幻影を見て、そのまま助けを求めるように両手を差し出す。そして、エンジェル・ハイロゥのブロックに頭部を叩きつけられて死亡してしまうのであった。
今際に助けを求めたのは愛しあったはずのカテジナではなく、実の姉であった。この事実は、クロノクルの死を感じ取ったカテジナの精神を更に不安定にさせていく。
また、マリア当人は生前、「生者が死者に助けを求めてはならない」と口にしていたにも関わらず、その弟がこんな発言と共に死んでいったのは、皮肉としか言い様がない…。
余談だがこのシーンの直後にCMのアイキャッチが入るため、実際に見るとかなりインパクトが強い。クロノクルの顔面アップから「ゴッ」と鈍い音が響いた直後にクロノクルが画面から喪失。そのまま2秒ほどエンジェル・ハイロゥの壁が映し出され続け、「テテテテー」とアイキャッチのSEが入るという演出となっている。初見では何が起こったのか分かりにくく、作中でも非常に印象的なシーンとなっている。

漫画版

「安心しろ‥子どもは相手にせん」
「わたしがしかえししたいのはリガ・ミリティア‥Vガンダムのパイロットにだ!!」
第2章「ウッソの旅立ち」より。ウッソ達の家を見つけて押し入った際、ウッソが前回自分をシャッコーから突き落とした少年だと気付き、彼から「仕返しにきたってわけか!?」と問われての返答。
乗機から突き落とされたのを笑顔で不問にする辺りはアニメ版同様優しい一面が垣間見えるのだが、仕返ししたい相手のことを無関係(と、この時は思っていた)な相手の前で怒りの形相で語るのがちょっと大人気ない。
ウッソは彼の言う「仕返ししたい相手」が自分であるという事実がバレないように祈るも……。
「ほう‥き‥きさまがガンダムの‥わたしはこんな子どもに二度にわたって愚ろうされたわけだ‥」
「おぼえておけ! ウッソ・エヴィン!! 今日からおまえはザンスカール帝国のおたずね者だ! 死ぬまで逃げられんからなーっ わはははは」
直後、ウッソ達を救うべく乱入してきたマーベットが嬉々としてVガンダムのパイロットがウッソであるという事実をバラしてしまい、怒りの炎を燃え上がらせる。
かくしてウッソの願いは見事に味方の手によって打ち砕かれ、クロノクルはこの時からウッソ打倒に心血を注ぐようになるのであった……。
(ね‥ねえさんが‥‥)「‥‥死んだだと?」
「う‥うう‥‥」
「うわああああ」
「ワアアアア ヒイイイイ ウワアアアン」
第10章「最終兵器エンジェル・ハイロゥ光臨す!!」より。姉マリアの悲報を聞いて号泣。この直後、血の涙を流す「復讐の竜」と化し、戦場に飛び立った。
あまりの有様に、部下もやや引き気味。
「星さえもくだく我がドッゴーラのバリアーアタック! くらええい!」
同上。ウッソとの最終決戦において。エンジェル・ハイロゥの外壁を壊しV2ガンダムを掴み出した後、体当たりでとどめを刺そうとする。が、その時……
この技を繰り出す瞬間、クロノクルの瞳には獣の数字「666」が浮かんでいた。
「ねえさんが死にカガチも死んだ! ザンスカール帝国はもう おしまいだ!!」
「だがウッソ・エヴィン きさまだけは‥‥殺す!!」
第11章(最終章)「新たなる出発たびだち」より。ウッソを救うべく突撃を敢行したハンゲルグを葬り、ウッソに襲いかかりながら。もはやウッソへの妄執のみで動くクロノクルは、エンジェル・ハイロゥが壊れるのも気にせず暴れ回る。
「このドッゴーラ改は全身をバリア・コーティングしているのだ どんな攻撃もうけつけん!」
「このドッゴーラ改は‥‥」
ウッソ「わっ!」
「全身がビームそのものなのだ!」
V2アサルトガンダムの攻撃をものともせず、勝ち誇るように言い放った台詞なのだが……作者はガンダム世界のビームについて大変な思い違いをしているようだ。
「オ‥レは‥もう‥‥ダメだ‥‥」「だが‥きさま‥‥‥も‥道連れ‥‥だ!!」
「バリア・エネルギーをすべて開放した‥‥いっしょに死ねええ!」
「電子レンジに入れられたダイナマイト」になりながらも、クロノクルはまだ生きていた。もはや崩壊寸前のドッゴーラ改でV2を羽交い絞めにし、道連れにしようとする。

迷台詞

小説版

「あの色が、カテジナの色か……」
第5巻(309ページ)より。ゴトラタンが発進する際に、カテジナの股間の××××の色を思い出しながら発した台詞。ちなみに本文では伏せ字無しで思いっきり記載されている。

スパロボシリーズの名台詞

「まさか真ドラゴンなどというものが、現存しているとはな。いや、OZリガ・ミリティアがそちらに戦力をとられているからこそ、我々もやりようがあるということか…」
D』地上ルート「飛ばせ鉄拳!ダブルマジンガー!」より。本作では「早乙女の反乱」によって地上がゲッター線汚染で荒廃しているという設定のためか、世代外れかつ事件の影響を直接被ることはなかったコロニー育ちのクロノクルにも、元凶となった真ドラゴンの名は知れ渡っていたようである。
「…すまん、カテジナ。このような状況で生き残ったからには、私は、女王マリアの弟としてではなく、私個人として自らの有り様を、地球に対して、自分に対して、示さねばならん。君に対してもだ」
「そのために、たとえウッソ・エヴィンやブルー・スウェアと一緒であろうとも、地球圏を守るという戦いには、参加しなければならない。…つきあってもらえるか」
『D』の終盤、ブルー・スウェアに加わって戦う事を決意し、それをカテジナに打ち明けて。その姿に、ヘタれてしまった原作終盤の彼の面影は無い。
「私が散々苦しめられたこの攻撃を、貴様も味わうがいいっ!!」
『D』におけるV2ガンダムの光の翼使用時の台詞。しかしながら、原作では彼がV2と交戦したのは最終決戦時のみ。分離攻撃で苦しめられたのを思い出しているのであろうか。

搭乗機体

シャッコー
テストパイロットとして搭乗していたが、ウッソに奪われてしまう。ここから二人の因縁が始まる。
ゾロ
赤いカラーリングで塗装された専用の機体に搭乗。
なお、クロノクルは別に量産カラーの機体にも搭乗している(Vガンダムを奪った際、逆にウッソに奪われた)。
トムリアット
ジブラルタル戦で使用。
ゾロアット
宇宙に上がったリガ・ミリティアと交戦。
コンティオ
試作の機体で放棄されたものを彼が完成させ、同一機による小隊を編成した。
漫画版ではデザインこそ同じものの、「ビヒモス」という名前になっている[3]
リグ・コンティオ
最終搭乗機。コンティオの後継機で、作中最強クラスのMS。
アドラステア
モトラッド艦隊司令になったとき与えられた最新鋭艦。通称「バイク戦艦」。
Vガンダム
奪取した際に搭乗。

他作品での搭乗機体

ドッゴーラ改
漫画版における最終搭乗機。

余談

脚注

  1. この時代、宇宙において生まれながらのスペースノイドは一般的であり、クロノクルの様に地球の埃や臭いを嫌う者も珍しくない。事実、エリシャ、マルチナの姉妹は地球の匂いを最初は嫌っていた。
  2. ファラの立場からしてみれば、新型モビルスーツよりも本国から預けられた女王の弟であるクロノクルを戦死させてしまう事の方が重大な問題となってしまう為。
  3. 後に『ガンダムエース』では「クロノクルはビヒモスというMSに乗ってシュラク隊を壊滅させたという説がある」と語られた事があるが、ビヒモスのパイロットはクロノクルではない。

資料リンク