ハザード・パシャ

2013年6月14日 (金) 20:19時点における118.104.197.149 (トーク)による版

ハザード・パシャ(Hazard Pasha)

  • 登場作品忍者戦士飛影
  • 声優:青野武
  • 種族:地球人
  • 性別:男
  • 年齢:46歳(ただし、第41話での次回予告のナレーションでは、40歳とアナウンスされている)
  • 身長:160cm弱
  • 体重:55kg
  • 血液型:AB型
  • 所属:火星開拓基地
  • 役職:長官
  • 主な搭乗機:ファミール艦
  • キャラクターデザイン:加藤茂

火星開拓基地の長官。三白眼と角張った顔、狡そうな表情に低身長と「いかにも」な醜男で、作中における実質的なラスボスといえる人物。

火星における事実上の独裁者で、防衛軍を自分の私兵とし、それ以外の市民を強制労働させる等、かなり横暴で市民の受けは悪い。ザ・ブーム軍エルシャンクの戦闘を機に、自分を左遷した地球をザ・ブーム軍の力を利用して征服しようと考えてザ・ブーム軍と接触してその協力者となる。

中盤以降は、ザ・ブーム軍と協力している事を隠して、ザ・ブーム軍を善意の宇宙人、逆にエルシャンクを「悪の宇宙人」だと地球の連邦政府に誤情報を流したり、ジョウイルボラを捕えるなど、「ハザード」(英語で『危険の原因』『危険物』などの意)の名前の通り、エルシャンク一行を最後まで苦しめた。最期は空魔ファミール艦ごと撃墜され、死亡する。

どうしようもない小悪党だが、青野武氏の怪演も手伝って妙な愛嬌がある。最終2話は、彼と副官のドッグ・タックのナレーションによる総集編となっており、「敵役が総集編の進行を行う」という、珍しい手法をとっている。

登場作品と役柄

その小癪な性格ゆえか、スパロボでもザ・ブーム軍や他勢力に節操無く取り入り自軍の邪魔をしてくる、というパターンが殆ど。極端なのは、2013年6月現在最新の登場作であるUX。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦COMPACT2第1部
スーパーロボット大戦COMPACT2第2部
スーパーロボット大戦COMPACT2第3部
スーパーロボット大戦IMPACT
概ね原作通りだが、嘗てティターンズに所属していたという設定が加えられている。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦UX
シナリオ面では原作以上に地位や権力を利用して暗躍しており、各作品における軍事組織の非道な作戦の実行役や協力者の立場を一手に担っている。
他作品とのクロスオーバーも多く、「リーンの翼」のエメリス・マキャベル司令(SRW未登場)のポジションも兼任している。
序盤からエルシャンクや自軍を小癪な搦め手で貶め、一度はアレックス・ディノの告発等によって逮捕される。だが、後に脱獄して人類軍の総司令となり返り咲くと、それまで以上の極悪ぶりを発揮していくようになる。
条件次第では生存するとはいえ、別作品のネームドキャラであるを直接死に追いやり、小ミールのみならず東京を打ち込もうとしたり、脱獄する際に連れてきたキバの輩ガラン軍兵士特攻兵器に仕立て上げた機体に乗せて特攻させるなど、物語の序盤から終盤まで悪逆非道の限りを尽くす。まさに「悪の主役」といっても過言でない存在(ある意味Kギル・バーグを髣髴とさせるが、それ以上の暴れぶり)である。
原作のような愛嬌が感じられるのは、戦闘アニメでの台詞など僅かな部分のみで、その代わりにプレイヤーの気勢を削ぎ、怒りを買うようなイベントをこれでもかと挿入してくる。それ故にジョウを初めとする原作キャラは勿論、全版権キャラの怨敵となり、一部のプレイヤーからは「第二の三輪あるいはむしろ三輪長官がキレて自軍に味方するレベルなどと評される。
ハザードの悪役としての格は、完全に原作のそれを凌駕しており、スパロボ史上における地球人の悪役の中でも、その悪行の酷さはトップクラスである。真に邪神であるナイアと並ぶ「UX真の敵」と言っても過言では無い。また、彼はナイアとは違って特別な背景(出自や能力等)を持たない普通の人間でありながら、ただ「悪」というだけでラスボス格へと上り詰めた、スパロボ史上において屈指の立身出世と活躍を(悪しき方向へ)したキャラクターでもある。
シン・アスカ碇シンジのように、ハザード・パシャもまたスパロボ補正を受けたキャラクターの代表格であり、UXのテーマである「可能性の集合」―その意味を本作で最も体現している人物であると言える。
最終的には、バジュラ本星近海での戦いで、ジョウイルボラによる残像殺法により誅滅された。
今作では様々な場面でUXを危機に追い込んだハザードだが、UXとの最初の戦いで逮捕された直後に加藤機関による全世界への核攻撃が行われてしまい、終盤であてにしていたフロンティア政府の計画は2度目の戦いで戦死した後ギャラクシー船団に横取りされてしまう等、仮にUXに勝ったとしても、後に起こる事態はハザードが収拾できるものではなかった。
どの道、「ハザードは破滅するしかなかった」と言う、何とも皮肉な話だが、UX世界の仕組みを考えると、これは「事象」に弄ばれていたとも見る事ができ、彼に命を奪われた衛や操が他のループで生き残る可能性があるのに対し、ハザードは、どんなにあがいても可能性を掴むことなく表舞台から退場するしかないのだろう(当然と言えば当然かも知れないが)。彼が「これまで」も「可能性皆無で破滅し続けて」いたと考えれば、少しはプレイヤー諸氏の溜飲も下がるのではないだろうか。
また、本作において「ハザード愛用水虫薬」というスキルパーツが登場している。
中断メッセージにてドッグ・タックとの掛け合い(と次回予告パロ)を披露。青野武氏が既に鬼籍に入っているため、ライブラリ出演となっているが、見事に会話が成立していて全く違和感がない(ちなみに、ドッグ役の谷口節氏も本作発売前に鬼籍に入っている)。

人間関係

火星

ドッグ・タック
副官でハザードの右腕と言える人物。最後までハザードに忠実で、ハザードと共にファミール艦の爆発に巻き込まれて死亡した。
ジョウ・マヤ
火星時代から自分に反目する小僧。何度も対決を繰り返し、最後は彼に倒される事になる。
レニー・アイ
ジョウの父親と同じく彼女の両親も人質に取った。
ダミアン
ジョウらと同様に敵対関係で、終盤では彼によってファミール艦が細工された事により窮地に陥る。

エルシャンク

ロミナ・ラドリオ
彼女を何度か人質に取った。

ザ・ブーム軍

アネックス・ザブーム
取り入る対象。アネックス側から見ればハザードはあくまでも利用するだけの存在であるが、ハザードも終盤はその事を自覚して火星へ戻ろうとした。
グラサン・グリン
当初手を組んでいたザ・ブーム軍の攻撃隊隊長で、共にイルボラに裏切りを仕向けた。本編では互いに利用していた面はあったとはいえ、割と仲は良い面を見せる時もあったが、総集編では「サボテン頭で怒鳴ってばっかしの頭はパー」とボロクソに批難していた。スパロボではUXでようやく共演。
イルボラ・サロ
味方に引き込んだがお互いの印象は悪く、アネックス皇帝に評価されて自分よりも立場が上になり、あれこれ指示する彼を敵視した。UXではジョウのみならず彼にも引導を渡されることに。
シャルム・ベーカー
立場的にはシャルムの方が上。互いに嫌い合っており、ハザード曰く「気の強い女は嫌い」という事で、総集編ではグラサンと同じくボロクソに批難していた。

地球

ローニン・サナダ
ローニンが前長官の息子と言う関係で旧知であったが、ハザードの悪事を暴こうとする彼と対立し、様々な謀略で彼を妨害した。

他作品との人間関係

UXでは敵味方問わず様々なキャラクターと関わることになり、一部では「本作で最もクロスオーバーしたキャラクター」とも囁かれている(尤もマイナス方向へだが)。

スーパー系

ドン・ザウサーコロス
IMPACTでは彼らを復活させた。何かと謙った態度で彼らへ協力要請を求めつつ、自分がメガノイド復活の功労者である事を遠回しにアピールするなど、随所で小悪党ぶりを発揮する。
覇道瑠璃
UXでは連邦内部にて対立する者の一人。
ユリアンヌ・フェイスフル
UXでは第1部でのハザードの悪行の一部の証拠となる資料などを彼女はヒューズに提供、ハザードの一旦の失脚に一役買う。
飛鷹葵大十字九郎
UXでは第2部後半で衛を殺した挙句彼を誹謗し、第3部後半で同じ人間を特攻させるという凶行には激しい怒りをぶつける。
海動剣真上遼
UXでは戦いを求める彼らですら、己の野望のためにたびたび非道な行為を働くハザードに嫌悪と怒りを露わにし、バジュラ本星では彼らから「地獄逝き」を言い渡される。
真上に至っては、アルカトラズの囚人を特攻させるという凶行に絶叫してしまう。
推進派
UXでは彼らの後ろ盾も得て連邦内での人類軍の勢力を強めるも、それは全て彼ら(と加藤)にとって、必要な「事象」のためでもあった。
アクセル・ヒューズ
UXの第1部ラストにおいて、アスランと共に自身の不正を暴かれて失脚に追いやられる。中盤にてハザードが人類軍総司令に返り咲いても、彼に追跡調査されることに。
ドクターミナミ
UXでは第2部後半に共にアルカトラズを脱獄し、人類軍にて部下とする。

リアル系

ガンダムシリーズ

ブライト・ノアクワトロ・バジーナ
IMPACTではロンド・ベル隊の戦力を利用してエルシャンクを追撃させるべく彼らに通信を入れるも、ボロを出してしまった事で以降は不審人物として警戒されてしまう。
第二代地球連邦大統領
UXでは一応の上役。ハザードの地球への背信行為を知ってはいたが、確たる証拠を掴めていなかったため手を出せずにいたが、アスランたちがハザードの悪行を白日の下に曝したことで、ハザードの逮捕を宣告する。
また、ハザードが復権した後も、彼女はハザードも含めた人類軍に対して不信感を消すことなく、ヒューズに命じて追跡調査を行わせている。そして、第3部終盤、地球を見捨ててバジュラ本星へ向かうハザードやヘスターたち人類軍を完全に反逆者と認定し、UXにその暴走の阻止を依頼する。
カガリ・ユラ・アスハマリナ・イスマイールクラウス・グラードシーリン・バフティヤール
UXでは連邦内部にて対立する者たち。第1部序盤ではテロリストを利用してマリナを暗殺しようとし、第1部終盤ではカガリをオーブ代表から引き摺り下ろそうと企んだ。
アスラン・ザラ
UXの第1部ラストにおいて、ヒューズと共に自身の不正を暴かれて失脚に追いやられる。以来、特にアスランに対しては恨みを抱いている。
カティ・マネキングラハム・エーカーパトリック・マネキンアンドレイ・スミルノフ
UXにおける連邦軍の良識派の軍人たち。彼らにも不信感を抱かれている。

その他

ヘスター・ギャロップ
UX地球連邦内部の最大のシンパ。共に人類軍を結成し、UXと敵対する。
彼女はハザードを(売国奴であると知ってもなお)異常に信頼しきっているが、一方のハザードは、彼女を「自身の野望を満たすうえで利用価値のある道具の一つ」としか思っていない。
ミツヒロ・バートランド
UXでは部下。
小楯衛
UXにおいて、皆を守るべくサコミズを足止めにした彼をあろうことか独断で攻撃を仕掛けた結果、衛を死に追いやった。条件次第ではある少女に救出されるとは言え、非道極まるやり方にUXの面々は怒ることに。彼が生還した場合、終盤には遂に敵同士として対峙する。
来主操
UXでは北極のミール攻撃を強行したことで、彼にとってもハザードは憎むべき敵である。第2次蒼穹作戦にてハザードの核攻撃からUXを庇い、散ってしまう。
生存フラグを満たせば、ハザードとの最終決戦となる第49話にて再登場し、憎しみを抑えて因縁の敵であるハザードに挑む。
シンジロウ・サコミズ
UXでは第2部終盤に竜宮島近海で交戦。その衛を最終的に討つなどしたその外道極まりないやり口で彼を激昂させる。本作では朗利と金本に核弾頭を渡したのもハザードなので、サコミズの生存フラグを満たしていない場合、彼の死の原因もハザードが作ったことになる。
彼が生存フラグを満たしている場合、第2次蒼穹作戦の際の人間特攻兵器を用いたやり方にも激しい怒りを露わにしている。
コドール・サコミズ
UXではサコミズ不在の間に接触し、ホウジョウ軍の日本侵攻を黙認する代わりに、UXと戦闘するよう仕向ける。
矢藩朗利金本平次
UXでは第2部ラストにて東京の破壊を目論む彼らを協力者として招き入れ、UXの抹殺と東京の壊滅のために彼らに核弾頭を渡し、利用するが、朗利をエイサップに倒され、核もサコミズによって阻止され、計画は失敗する。
ショット・ウェポン
UXでは第3部にて部下となる。
アレックス・ゴレム
UXでは、エメリス・マキャベル司令が登場しないため、ハザードの部下になる。ハザードの部下ではあるが、そのやり方に不信感と嫌悪感を抱いており、ヘブンズドア作戦にてハザードとヘスターに背いたことで対立が決定的となる。
遂にはホウジョウ軍の攻め入る東京にて朗利と金本を利用して東京を焼け野原にし、その責任を全て彼に押し付けて彼を死に追いやろうとするが、ヒューズの介入によって失敗に終わった。初めて出会って自己紹介した際には別のアレックスに煮え湯を飲まされたことを思い出し、(あくまでも名前に対してだが)不快感を露わにした。
レオン・三島ハワード・グラス
UXでは第3部にて手を組むが、彼らの事もヘスター同様利用価値のある道具としか思っていない。尤も、彼ら三人が死亡するよりも先にハザードの方が死亡してしまうのだが。

バンプレストオリジナル

ノーヴル・ディラン
UXでは人類軍での部下。特に絡みはないのだが、実際のところは、ハザードもまたノーヴルの目的のための「事象」の一つに過ぎず、本作でやらかした数々の悪行も、仮にハザードがいないとしても他の誰かが行う事になっていた。
アンノウン・エクストライカーズ

名台詞

「アホが…」
忍者戦士飛影』における記念すべき最初の台詞は、ハザードのこの台詞である。兵士採用試験に芳しい結果を挙げられない若者に対しての侮蔑的な感想を抱いた際の台詞。IMPACTでも戦闘時に言う。
「AF8番!もういい! お前に兵士の適正は無い! 明日から建設労働に従事しろ!」
上の台詞の後、結果を出せなかった受験者への非情な失格通告で、この台詞からして火星におけるハザードの独裁者振りが窺える。ちなみに、次のAF9番はジョウであるが、サボって狩りをしていた。
「俺をこんな所に送った地球の奴らに助けなど…」
「うまく奴らと接触できてテクノロジーが手に入れば… ハハッ、俺にもツキが回ってくるかも フフフハハハ…」
2話より。ザ・ブーム軍の進出に対し、地球側へ助けを求めるべきではと意見した副官ドッグの意見を一蹴した後、エルシャンクとの接触の為、戦車部隊を出撃させた際の台詞。
「しかたありませんな、姫様。気が強すぎるというのは時として命を縮める結果になります。フフフフフ…」
エルシャンクの戦力を利用したハザードに対して毅然と反発したロミナに対して
「くそう、このままではせっかく奴らを利用して地球の制覇を企むワシの計画がパァになってしまう」
第4話でエルシャンクが動き出したと知った際の台詞。ここでその野望がジョウ達にも知れ渡る事になる。
「名より実を取った方が得だよ」
11話でイルボラが捕虜となった際、グラサンと共に裏切りを勧めた際の台詞。
「さあ、どうするジョウ? お前も男ならウジウジしないでサッと決めろ!」
ジョウの父マツオとレニーの両親を人質に降伏或いは三機のマシンの譲渡をジョウに迫った際の台詞。
「くそぅ~、生意気な~イルボラめぇ、いつか石ぶつけてやるからなぁ!!」
自分に指図をするイルボラに不満を持っての台詞。しかし「石をぶつける」などと言うあたりどこかみみっちい。
「あ、それからいいことを教えてやろう。お前達が探し求めていた忍者、ありゃ観光用だ」
「忍者ショーなどの観光用として保存されているのに過ぎん」
30話でジョウ達を水責めにして言い放った台詞。30話で登場した忍者達はハザードが述べた事実通りなのだが、これまで忍者を捜し求めていたロミナ姫達にとっては大きな衝撃となる台詞となる。
「どうやら異論はなさそうですな。イヤハッハ…良かった、良かった、君のやり方次第では北アメリカエリアの三億もの人の命が左右されるという事をくれぐれも忘れないようにな。ハハハハハ……アーッハハハハハッ!!」
32話でエルシャンク側の味方であった北アメリカエリアに対し、北アメリカエリアの民間人の命を盾にエルシャンク側の攻撃をするように仕向け、不本意ながらもエルシャンクを攻撃する決断をしたローニンの父ケガレ・サナダの言葉を聞いた際の台詞。さらにその証として、ローニンにエルシャンクを攻撃させる等もあって、ハザードの卑劣極まりなさが存分に表れている。
「たくっ、この顔のどこが見苦しい!」
通信でシャルムに見苦しい顔と言われた際の台詞。どう考えてもシャルムの方が説得力がある。
「わしの言った通りだろ。両者をうまく操ればこの地球の全てがワシの手に転がり込むという戦法だ。まだまだワシはへこたれんぞ、フフフフフハハハハハッ!」
地球側とザ・ブーム軍を自身の謀略を持って巧みに争わせ、その隙を突いて地球を征服しようとする計画を副官のドッグに語った際の台詞。
総集編においてはこの戦法を「ハザード流地球頂き戦法」と命名した。
「人食い虎もライオンもワシに牙を向けたらこうだ… カチッ!」
41話で飛影らに自爆装置をつけた際の台詞。ちなみに、起爆装置はファミコンのコントローラーに似ている。
「何とかしろ、バカ者!早くしろ!」
「わああぁぁーっ!?」
飛影によりメインカメラを壊され、部下に怒声を上げるも、空魔突撃によってあっけない最期を遂げる。
火星に戻って戦力を蓄えた後、再び地球を侵略する「ハザード流地球頂き戦法」は遂げられぬまま、副官と共に宇宙の塵と化した。

スパロボシリーズの名台詞

IMPACT

このころはUXに比べると自身のミスで首を絞めていることも多い。小物感こそでているが、一方でそんなに目立つ部類でもなかった。

「じゃんじゃんやって下さい!」
「私も麗しいコロス様とドン・ザウサー様の為なら、もう幾らでも協力させて頂きますよ、ハイ!」
「オーラ、コロス!お任せ下さい、ムフフ…」
ディラド星消滅に巻き込まれて、アネックス皇帝が死亡した事実を伏せながらコロスと交わした通信。メガノイド式敬礼まで行なう卑屈さを装いつつ、内心ではアネックス死亡に気付かない彼女らを「ボンクラども」と罵るなど、小物度全開の遣り取りである。
「攻撃隊長のイルボラという者が、また無能極まりない奴でして」
「まあちょっと顔がいいからって、生意気でキザで!こいつさえ上手くやっておれば…」
物語終盤、ロンド・ベル殲滅が一向に進まぬ事に苛立つコロスからの追求をイルボラに責任転嫁して、のらりくらりとかわし続けるハザードだったが直後、コロスから「無能」呼ばわりされ協力関係を打ち切られる羽目に…。
「お~お~、さすがは情に厚いと名高いロンド・ベル。お心遣い、嬉しくて嬉しくて涙が出ますなあ」
「しかし…ワシも退く訳にはまいりませんでな!」
「貴様らさえ始末すれば、バンカーギャンドラーもワシに一目置くだろうしな!」
火星基地での最終決戦でクワトロからの投降勧告を跳ね除け、分不相応な野望を発して彼らへと襲い掛かるが…。

UX

原作以上の極悪ぶりをこれでもかと発揮しており、この後に「飛影」原作を見るとそっちの方がまともに見えてしまう。

「とんでもない! これは弾圧ではなく、鎮圧です」
「彼らの中には環境適応のために遺伝子操作を受けている者もいるのです」
「そのような、もはや人間とは言い難いような荒くれの暴徒を御するには、多少の武力行使も…」
UX第4話にて地球に降り立ったエルシャンクが火星開拓民と手を組みテロ行為を行ったと虚偽の報告をした際、その事に疑念を感じた瑠璃シーリンから火星での悪行を追及されてこう言い放った。
火星に住む人々を苦しめた自らの行動を正当化した挙句、彼らを化け物扱いするような発言から彼の傲慢さが見て取れる。
ちなみに、2行目の台詞は『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY』(SRW未登場)に登場するマーシャンの事を指している。
また、この遺伝子操作を受けた人間を蔑視するハザードの思考は、機動戦士ガンダムSEEDシリーズに登場した反コーディネイター団体・ブルーコスモスを想起させられる。
もしかしたら、「SEED」の頃には、その一員だったのかも知れない。
ハザード「ご立派ですなあ、アスハ代表。いや、さすがは永世中立を標榜するオーブ首長国連邦の代表でいらっしゃる」
カガリ「何が言いたい…?」
ハザード「いえ、崇高な志をお持ちのわりには、裏で怪しげな傭兵集団と繋がっている等という黒いウワサを耳にしたもので…」
上の台詞で「前時代のような考え」と怒りの反論をしたカガリに対して。カガリは、その事に対して憤りをあらわにするが、へスターによって黙らされてしまう。
「もちろん、存じておりますよ。 確かUXに命を狙われていたとか…」
第19話にて、テロリストがマリナ暗殺未遂事件を引き起こしたことをシーリンに追及されて。当然だが首謀者は当のハザードであり、政敵となるマリナをテロに見せかけて排除しようとした事件(宇宙ルート6話)である。ハザードはこの事件を情報操作でUXの仕業へと仕立て上げており、この回答に反論したマリナはテロリストの証言を述べようとするが…。
「そのテロリストなら、先日獄中で自殺しましたよ」
「『自分はUXの命令で犯行に及んだ』と言い残してね…」
「よほど罪の意識が大きかったのでしょう。 あそこまで人を追い詰めるとは、UXとは、むごい連中です」
その返しがこれ。「自殺した」と嘯いているが、口封じのためにそのテロリストを始末したことが容易に想像できる。このような手段も、今作におけるハザードの非道ぶりのほんの序の口に過ぎないのだから、何とも恐ろしいところである。
「ううむ、ウワサには聞いていたが、そんな真実があったとは…」
「何の罪のない子供たちに、そのような過酷な運命を背負わせるなど、許せぬ所業です!」
第20話にてヘスターミツヒロから「ファフナーのパイロットは、生まれてすぐにフェストゥムの因子を植えつけられ、常に同化される危険に晒されている」と聞かれて。
言ってることは一理あるのだが、今作において、それを遙かに上回る非道を多く働いているハザードが言っても何の説得力も無い。実際、心中ではファフナーのパイロットを人間兵器として酷使しようと考えていた。
「皆さんありがとうございます! 賛成多数により、人類軍特別有事法案は可決となりました!」
第22話にて人類軍特別有事法案が賛成多数によって可決になった時の台詞。地球連邦を掌握して自軍を世界の敵に追いやり、その協力者であったカガリオーブ代表から引きずりおろしたことで、彼は勝利に浸った。…はずだったが、アレックスヒューズが現れ、自身の不正を暴かれてしまう。
しかし、法案可決による人類軍の結成まで防ぐことは出来なかった。
「くっ! あの悪名高きパトリック・ザラの息子である貴様が言えた義理か!」
密かに地球を侵攻しようとするザ・ブーム軍と手を組み、地球連邦を排他組織へと逆戻りにしようとし、自軍をテロ組織に仕立て上げた罪を暴いたアスランに対して。
確かにパトリックは多くの犠牲を出し、(止められたとはいえ)ジェネシスナチュラルを殲滅しようとしたが、結局のところは己の非を棚に上げた脆弁にしか聞こえない
そしてアスランに「二度と同じ過ちを犯さない」という覚悟を示された挙句、とうとう大統領に証拠をつかまれ、逮捕されてしまう。
「は、離せっ! ワシは火星開拓局の長官なのだぞ!」
「ご、誤解だぁ! ワシは常に地球圏のために…離せ! 離せぇぇええ!!」
で、不正の罪で連邦軍兵士に連行されるときの台詞。これで彼は御用となった。……と思われていたのだが?
「む…?女かと思ったら…なんだ、男か」
第36話にて女装したアルトに対して。彼が男性であることに気付いてはいたが、言い回しが憎きジョウと声が同じ人を思わせてしまうのは何の皮肉か…。
「アレックスという名を聞くと無性に腹が立ってくるが、まあいい」
第37話にて総司令に返り咲いた際に初めて会ったアレックスに対してこう感想を述べる。第一部でアルカトラズ刑務所に入れられる切欠を造ったアレックス・ディノを思い出し、その名前に対して不快感を露わにする。
「何をモタモタしている! 早く我々を助けにこんか!」
第38話「防人たち」にて、サコミズ率いるホウジョウ軍に襲撃され、仇敵であるUXに救助を求めた。UXの面々は自分のためだけに多くの者を今まで苦しめた挙句、何の罪悪感もなく命令する姿に不快と嫌悪を露わにしたが、そのファミール艦は、よりにもよって核ミサイルを積んでいた…。
「今だ、撃てぇぇぇぇっ!!」
ファミール艦を撃墜しようとするサコミズオウカオーマークフュンフの決死の攻撃で足止めしたその瞬間に、対空迎撃用ミサイル全弾発射を指示した。
が、そのミサイルはあろうことかマークフュンフだけに命中し、皆を守ろうとした同じ人類に殺されるという非業な最期を遂げてしまう…。
その場面を目の当たりにした一騎やUXのメンバーはもちろん、敵のサコミズにも大きなショックを与え、そして怒りを露わにした。しかもこの後に「どうせなら奴もろとも爆死すればよかったものを」と吐き捨てた当たり、非道かつ傲慢な性格が全面に出ている。
「礼など不要だ、大佐。 こいつ等がもっと迅速に敵を撃退してくれば被害はもっと抑えることはできたのだ」
自分たちを助けてくれたUXに感謝するアレックス大佐をこの台詞で咎めている。言ってることは分からなくもないし一応の正論ではあるが、上述の救援を求めた台詞やの死の一件の事を考えると説得力がない以前の問題である。これにはウェストも激怒し、は嫌悪感を隠さずに皮肉で返したが…。
「何を言うか。 だいたい、あのファフナーが堕ちたのはワシらの誤射ではないぞ?」
「あの小僧が余計なマネをしてくれなければ、少なくともあのオーラバトラーは仕留めておれたのだ!」
の死を詫びるどころか、まるで衛がオウカオー撃墜の邪魔をしたかのような暴言には、一騎九郎も憤慨し、この場にいたアレックス大佐からも宥められてしまう。そもそも、今作において衛が死んだのは、他ならぬハザード自身が余計な行為をしたのが原因である。
また、フラグを満たし生存した衛と対立した際には「ワシの為にもう一度死ね」等と叫んでおり、彼が自分以外の人間を「使い捨ての道具」程度にしか見ていない事がわかる。
「UXは北極で単独行動を取る。そこを狙い、奴らを足止めするのだ」
「ワシらが核を打ち込むまでのな」
第39話「蒼穹~そら~」でのIMにて、フェストゥムの手中に渡った総士を奪還するべく、UXが単独で北極海ミールに向かったことを知ったハザードは、核を発射する時間稼ぎとしてUXの足止めをイルボラに命じる。人道をまるっきり無視した作戦を平然と提案したハザードに、イルボラも憤りをあらわにしたが…。
「良い作戦だろう? これでUXの連中は、フェストゥムもろとも綺麗サッパリだ」
「フェストゥムが相手ならば、どんな犠牲も許されるからなあ! クックックック…」
その返しがコレフェストゥム諸共UXを核で葬ろうと目論み、なおかつ「フェストゥムが相手だから」という理由で、それを正当化させようとする発言から、彼の醜悪な人間性が読み取れる。
実際、イルボラも心中で「下衆」と吐き捨てていた。
「あー、あー。アルティメット・クロスの諸君、大変ご苦労だった」
「いや、勇敢なる君達の戦いぶりに敬意を表し、最後の挨拶をと思ってなぁ」
「UXに告ぐ。これより我々は敵のせん滅に向け、核攻撃を敢行する」
「全ては人類の未来のためだ。君たちの尊い犠牲を、我々は永遠に忘れないだろう」
「さらば、UX。残りわずか3分の命を楽しんでくれ」
「うわーっはっはっは!」
蒼穹作戦の最中にフェイの歌によってフェストゥムと対話、和解できるチャンスが訪れようとした矢先に「核攻撃を行う」通信を入れる、という悪い意味で見事過ぎるタイミング。もちろん宗美海動は憤りをあらわにする。竜宮島乙姫の心情や決意が描写され、北極海にいる自軍メンバーも奮い立っている中に「In the Blue Sky」をぶった切って割り込んで来るのが余計小憎らしい。おそらく、これで気勢を削がれたプレイヤーも少なくないはず。
そもそも「人類の未来のため」と嘯いているが、彼の人物像からすれば結局のところは蒼穹作戦での手柄を横取りし、目障りであろうUXの連中を排除したいだけである
なお、蒼穹作戦が終了した直後に、彼の手によって北極海ミールにいるフェストゥムは核の炎に焼かれてしまう。「人類が救われた」と笑いながら嘯いているが、(後の展開とはいえ)これによって、UXがフェストゥムと対話できるチャンスをハザードが台無しにしてしまったことになる(しかも、フェイがこの世界に現れなければ、「フェストゥムはその時点で人類の殲滅を選択する」という最悪の展開になるのは想像に難くない)。
「首都機能が麻痺した瞬間に我々が日本復興に手を貸せばこの島国はワシの好きにできるものでな」
「桜花嵐」にて、朗利平次東京を壊滅させるための核を渡したハザードを非難するアレックスに対して。
もし核が放たれれば太平洋戦争末期での広島・長崎のように東京が焦土になるのは勿論、多くの人間が犠牲になる上に首都機能が麻痺して、日本が混乱に包まれるという未曽有の大惨事となるのは自明の理だが、それを平然と起こそうとする上にその罪をアレックスに押し付けようとするあたり、今作におけるハザードという男がどれだけ外道かつ下衆なのかが良くわかるだろう。
原作だとこれは、前述のマキャベル司令が言った台詞である(細部は違う)が、ハザードの場合火星で横暴を働いているという実績があるため、悪い意味で結果が見え透いている。しかもマキャベル司令のほうはオーラバトラーのせいにするつもりであって、アレックスに押し付けようとはしていなかった。
「気に入ってくれたかね、UXの諸君!」
「そいつらはアルカトラズを脱獄した囚人どもでな」
「生きていても仕方のない、生かしておいては、人のため世のためにもならないクズどもだ」
「HEAVEN AND EARTH」にて、自軍との触れ合いによって変わったが小ミールを説得してフェストゥムとの戦いを終えた自軍に突如現れた奇械島の連中が特攻した後にこの通信を入れてきた。
己の利権のためにあらゆる非道を重ねた挙句、自らもアルカトラズを脱獄した人間が言える立場ではない。そして彼らを下段の台詞で断じているのだから、尚更であろう(そもそもハザード自身にも跳ね返る台詞である)。
この悪辣な行為にも怒りを露わにするが…。
「なあに、遠慮はいらん。 これは新天地を目指すワシらからの、ささやかな祝福だ」
「ありがたく受け取ってくれたまえ! ぐわーっはっはっは!」
この台詞と共に通信を切った。しかも、その「祝福」とは囚人たちの悪行に付け込んで特攻兵器に仕立て上げたキバの輩ガラン軍兵士を次々と自軍に向けて特攻させる上に核で小ミールごとUXを葬るという作中においてハザードが行った非道の中で最も卑劣にして残酷な部類である(ある意味、無敵超人ザンボット3においてガイゾックの行った人間爆弾を彷彿させるが、それを上回るレベルであろう)。
彼らが特攻によって次々と命を落とす光景を目の当たりにしたジョーイ美海はショックを受け、これを平然とやってのけるハザードに、真上は絶叫をあげ、かつて自身が特攻隊員であったホウジョウの王は完全にブチ切れていた。幸いにも核の方はによって阻止されたが、それと引き換えに彼が犠牲になってしまう…。
「うぎゃあああああああ!」
UX第49話での断末魔。己の利権のためにあらゆる非道を重ねた男は、全てを支配して宇宙の王になるという分不相応極まりない野望を叫ぶも、今までの報いを受けるかのように伝説の忍者によって誅滅され、たった一人の忠臣と共に宇宙の塵となった。
彼が向かう先は地球でも火星でも、ましてや望んだユートピアでもなく、髑髏の魔神を駆る二人のが告げた地獄。三島ヘスターたちよりも一足先に、ハザードはそこへ堕ちていくのであった。
UXでのハザードの様々な非道に憤っていたプレイヤーにとっては、まさに溜飲が下がった瞬間といっても過言ではない…はずだが、「まだまだ殺し足りない」「生け捕りにして死ぬより辛い目にあわせるべき」という評もある辺りがなんというか。

搭乗機体

ファミール艦

三輪長官との比較

横暴で横柄な性格や権力を笠に着た発言など『闘将ダイモス』の三輪長官の同類のようにも見える男だが、三輪長官は曲りなりにも最後まで地球を防衛せんとしていた事とは対照的に、ハザードは早々に敵に寝返り嬉々として地球侵略に協力、かつ自分の利権しか頭に無いという点が三輪長官とは根本的に異なる。
また、力押しだけで無能な三輪長官に対し、ハザードは策謀家としてはかなり優れており、なおかつ自己保身も巧い。
UXの彼が「むしろ三輪長官がキレて自軍に味方するレベル」と言われるのはこれらの違いからきているのだろう(UXのハザードの、登場人物やプレイヤーの激怒も招くそのやり口の非道さは他作品のキャラと比較すると、ある意味では人類を侵略・殺戮する側である悪役のブッチャープロイスト、目的のために敵味方問わずあらゆる存在を利用するそのやり口は人類側ならばクルーゼフロスト兄弟、(スーパーロボット大戦Zでの)風見博士のそれに近い。但し、「己の目的の為に他者の命を平然と犠牲にする」という点に関しては見事共通している。
なお、三輪は原作とは異なり自分が死亡する点で稀有なキャラであるが、ハザードは版権キャラでありながら他の版権キャラの直接的死因となる(一応回避可能ではあるが)という、スパロボにおいて非常に稀な役割を果たす。どちらにおいても、スパロボでより悪役らしくフィーチャーされた点であろうか。

備考

ハザード・パシャ役の青野武氏は2012年4月9日に逝去したため、これが生前青野氏が収録した唯一の版権キャラクターとなった。今後登場する際は代役、またはライブラリ出演等の処置がとられるものと予想される。
バンプレストオリジナルのキャラクターについては、魔装機神シリーズルオゾール・ゾラン・ロイエル、『スーパーロボット大戦GC』のヘルルーガ・イズベルガがいるが、前者については代役の処置がとられている。

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