三角関係
三角関係(Love Triangle)
三人の人間が同時に恋愛関係に陥る状況の事で、漫画やアニメの恋愛においてもよく用いられる展開。
一人の対象を巡って恋敵が互いに火花を散らすパターンと、Aに対してBが、Bに対してCが想いを寄せるという二つのパターンが存在するが、いずれの場合も修羅場や泥沼化を含む非常に粘着質な展開がお約束になっている。正々堂々の恋のライバル関係と呼べるような三角関係が成立している場合も多いが、どちらかといえば三角関係という語には前者のような重苦しいイメージが強い。
三角関係を扱ったロボットアニメとしては、三角関係が作品のメインテーマである『マクロスシリーズ』が何と言っても有名。初代・『超時空要塞マクロス』における一条輝を巡るリン・ミンメイ、早瀬未沙の関係を筆頭として、マクロスシリーズがスパロボに参戦する際にはいずれも力の入った原作再現が行われている。
その他にもスパロボで再現される原作の三角関係は数多く存在するが、複数のシリーズ物が参戦する関係上、原作では生じることのなかった三角関係に陥ることもある。その代表例が、双方とも原作でアムロの恋人的存在だったベルトーチカ・イルマとチェーン・アギが出会う事によって生じた三角関係で、シリーズでは既に定番となっている。
原作における三角関係
あくまで傾向としてではあるが、三角関係はどちらかと言えばリアル系作品の主人公周辺によく見られる展開である。
尚、実際に男女関係のもつれが発生しているのは主要三名の間に止まらず、彼らの周辺に更に恋模様を彩るキャラクターが存在している場合も多い(その錯綜具合が特に極端な場合は後述する)。また実際には、強い絆で結ばれていて崩れようのない(或いは既定路線化している)カップルの一方に想いを寄せる第三者がいる、という三角関係未満と捉えるべき構図もよく見られる。
関係の展開や行く末の詳細については、個別キャラクターの記事を参照のこと。
マクロスシリーズ
マクロスシリーズは「歌」「三角関係」「可変戦闘機」を三大要素としており、全ての作品に主人公を交えた三角関係が存在する。
- 一条輝、早瀬未沙、リン・ミンメイ (超時空要塞マクロス)
- ミンメイと未沙の二人の女性の間で揺れ動く輝の恋心、という男性視点の三角関係。最終的に輝と未沙のカップリングとなり、ミンメイは歌に生きていくことになる。未沙を艦長、航空隊長の輝、乗組員のミンメイとともに西暦2012年に出航したメガロード01は、2016年に消息不明になっており、一般的には現在も航海中という形となっている。
- イサム・ダイソン、ガルド・ゴア・ボーマン、ミュン・ファン・ローン (マクロスプラス)
- ミュンを取り合うイサムとガルドという構図。こちらは女性視点の三角関係と言えよう。最終的にイサムとミュンが相思相愛になる。
- 熱気バサラ、ガムリン木崎、ミレーヌ・フレア・ジーナス (マクロス7)
- ガムリン⇒ミレーヌ⇒バサラという一方通行の関係だが、ガムリンがバサラに一方的なライバル心を燃やしているため一応は三角形の人間関係がなされている。バサラはミレーヌやガムリンにどういう感情を抱いていたかは最後まで謎のままであり、ただただ熱く歌い続けた。
- 工藤シン、サラ・ノーム、マオ・ノーム (マクロスゼロ)
- シンを取り合うサラとマオという構図。姉妹が同じ男性を好きになるというドラマ性が特徴。最終的にはシンとサラが相思相愛になるが、鳥の人を止めるためにサラとシンは姿を消してマオだけ一人残される。後にマオは2人を探すために鳥の人の研究を続け、結果ヴァジュラへと行き着きマクロスFへと話が繋がっていく。結婚して娘を、そして孫(シェリル)を得たが、その生涯において姉とシンに再会する事は叶わなかった。
- 早乙女アルト、シェリル・ノーム、ランカ・リー (マクロスF)
- アルトを取り合うシェリルとランカという構図。シェリル⇔ランカも仲は良いがアルトのことに関してはお互いに遠慮なく積極的にアプローチしている。渦中の中心人物、アルトは最後まで2人の気持ちには無頓着だったという…。TV版は最終回でようやく恋愛の入り口に(アルトが)立ったという事で、三角関係に決着がつかないまま終わった。二股宣言とも取れる発言も相まって、キャストの女性陣から非難轟轟だったとか。その一方で劇場版『サヨナラノツバサ』のクライマックスにおいて、アルトはランカをきっぱりと振り、シェリルの想いをきちんと受け入れるという、明確な回答を出した。だが……。
リアル系
- コウ・ウラキ、アナベル・ガトー、ニナ・パープルトン (機動戦士ガンダム 0083 スターダストメモリー)
- かつての恋人同士であるニナとガトー、ガトーと対決するコウはニナに惚れている、という構図。
- ドモン・カッシュ、レイン・ミカムラ、アレンビー・ビアズリー (機動武闘伝Gガンダム)
- ドモンとレインのカップルにアレンビーが絡んでくる構図。ドモンにはアレンビーに対する恋愛感情はなかったようだが、無神経に(且つドモンにしてはかなり気安く)アレンビーと武闘家付き合いをしたためにレインが嫉妬。また、アレンビーの側はそれなりに想いを抱いていたようだ。
- アスラン・ザラ、カガリ・ユラ・アスハ、メイリン・ホーク (機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
- アスランとカガリのカップルにメイリンが絡んでくる構図。世界情勢に翻弄された結果でもあるのだが、アスランはSEEDで立ったフラグを解消して新しい彼女に乗り換えた。尚、スパロボではSEED時代の仲を維持している場合が多く、更に作品によってはもっとひどいケースにまで発展する。
- ジロン・アモス、エルチ・カーゴ、ラグ・ウラロ (戦闘メカ ザブングル)
- エルチとラグはそれぞれ別の男性キャラに惚れる事が多く、逆に複数の男性から惚れられているのでかなり複雑であるが、作中では基本的にこの関係が一番目立つ。TV版においてはジロンとエルチが結ばれる形で決着が付いている。
- テンカワ・アキト、ミスマル・ユリカ、メグミ・レイナード (機動戦艦ナデシコ)
- アキトとユリカのカップルに他の女性キャラが絡んでくる。リョーコやジュンも一応参戦してはいたのだが、アキト-ユリカ間の対抗馬となりえたのは実質的にメグミのみ。そんな彼女も作品中盤の山場以降は急速にフェードアウトする。
- 相良宗介、千鳥かなめ、テレサ・テスタロッサ (フルメタル・パニックシリーズ)
- かなめとテッサによる宗介の取り合いという構図。もっとも、宗介は最初からかなめ一筋で、テッサには尊敬する上官という感情以上のものを最後まで持たなかった、哀れ。
- ルージ・ファミロン、レ・ミィ、コトナ・エレガンス (機獣創世記ゾイドジェネシス)
- ミィはルージに惹かれながらも素直になれずツンツンした態度をとっていて、コトナはルージに惹かれながらもそれを隠してお姉さんとして振舞っていた。そのため三角関係としてトラブルが表出したことはほとんどない。
スーパー系
- 壇闘志也、春日理恵、ミナコ・マルチーノ (宇宙大帝ゴッドシグマ)
- 闘志也を巡ってどちらかといえばミナコが理恵を一方的にライバル視する傾向であるが、理恵もミナコに対抗するような態度を取った事もある。作中全体の描写としては理恵の方が闘志也の相手と言う雰囲気が強い。
- 破嵐万丈、三条レイカ、ビューティフル・タチバナ (無敵鋼人ダイターン3)
- ジョウ・マヤ、レニー・アイ、ロミナ・ラドリオ (忍者戦士飛影)
- 男性主人公、戦場の女性パートナー、女王という関係は、ダンバインのそれともやや近い。
- 猿渡ゴオ、葵杏奈、ミラ・アッカーマン (神魂合体ゴーダンナー!!)
- スパロボへの参戦時には綺麗にまとめられている三者の関係だが、原作では結構泥沼。
スパロボシリーズ特有の三角関係
版権作品
- アムロ・レイ、ベルトーチカ・イルマ、チェーン・アギ
- 小説『ベルトーチカ・チルドレン』ではアムロの子を妊娠するベルトーチカだが、アムロを世帯染みさせたくないという意向から『逆襲のシャア』では別れているようで、新しくチェーンが登場している。スパロボでは双方が出会ってしまう展開が多いため、三角関係が生じてしまう。『新スーパーロボット大戦』ではベルトーチカが登場しない代わりにアヤ・コバヤシが加わる。
- カミーユ・ビダン、ファ・ユイリィ、フォウ・ムラサメ
- 原作ではファとフォウは出会っていないのでSRWにて初めて生じることになる。第2次から続く伝統的な関係だが、近年はそれほどでない。基本的にはファが強く嫉妬し、フォウが苦悩する描写が多い。特にα外伝ではマクロスも顔負けの修羅場に。ファの事を気遣ってフォウが一歩下がる展開も多い。α外伝のように修羅場が展開される展開もあるも、基本的に三人の仲は良好なものとなっている。
- 兜甲児、弓さやか、グレース・マリア・フリード
- 『UFOロボ グレンダイザー』にさやかが登場しないために生じる関係。基本的には甲児を巡ってさやかとマリアが喧嘩する…という展開だが、甲児自体は割と無頓着。
なお、桜多吾作の漫画版グレンダイザーではさやかも登場したが、特に三角関係にはならなかった。団龍彦の小説『スーパーロボット大戦』ではマリアは登場しないが、甲児がマリアの名前を出した際にさやかが不機嫌になる場面があった。
- シン・アスカ、ルナマリア・ホーク、ステラ・ルーシェ
- Z・K・Lにて生じた関係。ステラ生存フラグを立てると、シンとステラが再会した際、ルナマリアが(一方的に)激しい嫉妬を見せる。尤も、ZとLではステラがルナマリアを慕っているため、深刻な関係にはならず、カミーユとファ、フォウの三人と同様に、良好な関係を築く。
バンプレストオリジナル
- マサキ・アンドー、リューネ・ゾルダーク、ウェンディ・ラスム・イクナート
- オリジナルでは最も有名な三角関係。尚、マサキのライバルであるシュウ・シラカワもサフィーネとモニカとの三角関係を演じている(ただしサフィーネとモニカが騒いでいるだけでシュウ本人はどちらにも興味がなさそうだが……)。なお、マサキはラングラン王国の戦士階級であるために複婚が可能という画期的な(世の独身男性を敵に回す、とも言う)設定で関係が収束したが、魔装機神IIではリコとニコにマサキがなつかれており、さらにややこしくなっていると言えなくもない。ちなみにEDによってはリューネとウェンディが二人がかりでマサキを手籠めにしようとするという衝撃の展開になりかける。マサキが危険を察知して逃げ出したため、未遂に終わったが。
- リュウセイ・ダテ、クスハ・ミズハ、ブルックリン・ラックフィールド
- GBA版OG1における三角関係。幼馴染のリュウセイに惚れてるクスハと、そのクスハに惚れてるブリットという構図。クスハが誘拐された時にブリットの不満が爆発し、リュウセイと殴り合いに陥る。結局リュウセイがクスハの想いに応えられないと身を引く形で収束。ちなみにOGsではこの三角関係は完全になかった事に。
- リュウセイ・ダテ、マイ・コバヤシ、ラトゥーニ・スゥボータ
- 何故か子供に好かれるリュウセイ。OG2ではラトもマイも境遇が似ているのでむしろ友人関係を築いていたが、OG外伝にてリュウセイとマイの合体攻撃が追加されたため、ラトが嫉妬した。しかしマイがラトに配慮して自重する場面もあり、現時点ではラトの方が一歩先んじている。
- トウマ・カノウ、ミナキ・トオミネ、アルマナ・ティクヴァー
- 最初はミナキにトウマが惚れ、トウマにアルマナが惚れているという一方通行な関係だった。後に互いを意識しあうようになり完全な三角関係に。ミナキとアルマナが親友同士でもあった事と、トウマの気持ちがミナキに大きく傾いたためにアルマナが身を引く形で収束。EDでは、アルマナがバルマーの生き残りを率いて外宇宙へ旅立った後も、心の中では三人の友人関係は続いていくという終わり方になった。αシリーズ最終作だったためにこのような決着となっているが、OGシリーズでこの三角関係がどういうふうに描かれていくのかはまだ不明。
- ミスト・レックス、アンジェリカ・シャルティール、シェルディア・ルージュ
- パートナー選びという点ではJの統夜以来で、主人公ミストの相方をどちらかから選ぶことになる。他のバンプレストオリジナルキャラや版権作品のキャラ達の三角関係展開と比較しても、色々な意味でこの三人の関係は他人が入りこめない様相を呈しており、中盤までは(恋愛要素のみならず、彼らの鬱屈した精神状態の描写という側面においても)結構な修羅場が展開される。また、シェルディア優柔不断EDにおいては、アンジェリカは父親と共謀してシェルディアをミストから引き離そうと、ミストがドン引きする程の相当に強引な行動を起こしており、上記の修羅場展開も併せて、バンプレストオリジナルキャラの三角関係の中でも、ある意味特に生々しい三角関係といえるかもしれない。アンジェリカ、シェルディアの双方にとって、滅ぼされた母星で共に過ごした唯一の生き残りにして想い人がミスト、という状況(後に他の生き残りの存在も判明するが)であるため、ある意味ミストは歴代で最も責任重大な選択を迫られた主人公なのかもしれない。
三角以上の関係
- ロラン・セアック周辺の関係 (∀ガンダム)
- 作品全体の雰囲気はどことなく牧歌的なのだが、主人公を中心にした異性関係は歴代ガンダムシリーズの中でもトップクラスの錯綜加減である。最終的にはロランとディアナが、ハリーとキエルがそれぞれパートナー関係となり、ソシエが一人あぶれてしまうことに。ちなみに、彼女に想いを寄せながらも途中で死亡したギャバンは、スパロボでは今のところ死亡離脱したことがないのだが、ソシエが彼と結ばれるという展開は今のところ発生していない。
- ダバ・マイロード、ファンネリア・アム、ガウ・ハ・レッシィ (重戦機エルガイム)
- 4次・Fと続けて再現された、ウィンキー世代のプレイヤーには馴染み深い三角関係。ただ、ダバは最終的にクワサンと共に隠遁することになり、そのクワサンにはギャブレーが想いを寄せている、という構図。
- アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ、アンナ・ステファニー、シモーヌ・ルフラン、デビッド・ラザフォード (蒼き流星SPTレイズナー)
- 主人公が二人の女性から想いを寄せられているが、その一方は更に別の男性から想いを寄せられており、主人公に対しては身を引いて男性の想いに応える(主人公はもう一方の女性と結ばれる)…という構図。『機動戦士ガンダムΖΖ』のジュドーを中心とした関係もこの構図に近い。
- ヴァン、ウェンディ・ギャレット、カルメン99、プリシラ (ガン×ソード)
- 何故かヴァンは女性に結構モテるのだが、彼は作品開始から終了まで首尾一貫して亡き妻のエレナに首ったけで、その復讐のことしか頭になかったため、誰との関係も目立って進展しなかった(一応、真正面から告白を受けたプリシラについてはそれなりに気にしていたようだが)。ヴァンは復讐を遂げた後にさっさと姿をくらませてしまったため、それぞれの関係がどうなったのかは不明。
- 早瀬浩一、城崎絵美、新山理沙子、九条美海 (鉄のラインバレル)
- 自らの世界を変えた女性、幼馴染、そして共に戦う仲間。皆奥手な上浩一がやや優柔不断な性格のため、例えばある女性が意を決してアプローチをかけたら、それに刺激された他の女性の恋心をかき立ててしまい…という具合に中々特定の相手に固定されない。本編の後日談にあたる「鉄の影」では、浩一は一応絵美を本命としたようだが、やはりお互い奥手なため全く進展せず、他の2人も諦める様子は全く無い。
- 紫雲統夜、カティア・グリニャール、フェステニア・ミューズ、メルア・メルナ・メイア
- Jにおいて主人公がサブパイロットを務める3人から想いを寄せられる。最終的には、機体への同乗回数が規程回数を超えた誰かと恋人関係になる。3人いずれの同乗回数も規程回数に達しない場合、誰とも恋人関係にならず、3人と一緒に暮らすエンディング(通称ハーレムエンディング)もある。シャナ=ミア・エテルナ・フューラは幼馴染だが、恋人になることはない。
統夜のバンプレストオリジナルキャラでも屈指のモテモテぶりからハーレム主人公と呼ばれることもある。なお、三人娘はその過去から強い絆で結ばれているため、統夜がどのような選択をしようと彼女らの友情は揺るがず、修羅場や泥沼化の展開とは全くの無縁である。
- 佐伯遼駕周辺の関係
- ハーレム主人公として名を馳せていたJの紫雲統夜に代わり、バンプレオリジナルキャラ随一の女性関係を持つこととなった、スパロボ学園の主人公。しかも彼は統夜のようにすっきりとした関係にはならず、彼を狙う女性の間で激しい争奪戦が展開されている。咲弥、魅門、京香の3人のアプローチが最も激しく、それに続くのが菜波。更にその後にも、強い好意を抱いているが口に出せないてすら、将来の伴侶候補と遼駕を名指しした四条、少なくとも単なる関心以上の感情を抱いていると思われる葵に吹雪といった面々が控えており、猛烈に層が厚い。
- クロウ・ブルースト、トライア・スコート、マルグリット・ピステール、エスター・エルハス
- Jの主人公と同じく、3人の女性から想いを寄せられる第2次Zの主人公。ある人物が原因で「女嫌い」になったが、黒の騎士団ルートEDで、「女嫌い」を卒業する選択を選んだ場合、最終的に3人のどちらかを選択する事となる。マルグリットとエスターは絶望のあまりに自暴自棄になった時にクロウに励まされた事から彼に好意を寄せていたが、第三者にそれを指摘されると顔を赤くしながら否定する。トライアもやはりクロウに好意を寄せており、EDにおいて100万Gを請求したのも「彼を手放したくないのでは?」と一部のプレイヤーから囁かれている。ちなみに統夜の関係と同じく、関係は良好であるようだ。