ユーゼス・ゴッツォ
ユーゼス・ゴッツォ(Euzeth Gozzo)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 声優:大友龍三郎(α)、乃村健次(DW、第2次OG)
- 種族
- バード星人(スーパーヒーロー作戦)
- バルマー星人(スーパーロボット大戦シリーズ)
- 性別:男
- 出身
- バード星(スーパーヒーロー作戦)
- バルマー星(スーパーロボット大戦シリーズ)
- 所属
- 銀河警察連邦⇒バディム、ネオ・バディム(スーパーヒーロー作戦)
- ゼ・バルマリィ帝国(スーパーロボット大戦シリーズ)
基本設定
全ての運命を自らの手中に収めようという野望を抱く、異星人の天才科学者。
科学者としては非凡な才を持ち、神とも呼ぶべき能力を得ることが可能な「限定因果律操作装置」『クロスゲート・パラダイム・システム』は彼自身が独力で稼働にこぎづけている。
但しこのシステムは完成に至っているわけではなく、その力を完全なものとすべく多くの組織に干渉し、様々に策謀を巡らしている。また、特徴的なデザインの仮面を常に身につけており、誰もその素顔を知らない点を含め、正体不明の超然者としての印象を強く与える人物と言える。
イングラム・プリスケン、リュウセイ・ダテの二名とは深い因縁のある間柄であり、多くの作品では彼らの手で葬られる形で最期を迎えることになるが、その際に明らかになる仮面の下の素顔は、イングラムと同じものであった。
作品毎の設定については以下の項目を参照。
スーパーヒーロー作戦
本作ではバード星人(バード星=銀河連邦警察の本部がある宇宙刑事達の拠点)と地球人の混血児であり、銀河連邦警察の科学アカデミー(銀河連邦政府科学アカデミー)の科学者。地球で頻発する怪奇現象、深刻な大気汚染の調査任務の捜査員として、地球でETFと戦う任務を帯びた宇宙刑事ギャバンと共に地球へ訪れたという設定。ギャバンと共にデータ改竄によりTDFパリ本部に所属、ユーゼスは元の任務通りの超常現象の調査員および地球環境再生計画の一員という肩書きを得ている。数千年ぶりに「光の巨人」が出現したことで2人の任務にその調査が加わり、科特隊日本支部へとやってきた。
ユーゼスは地球で頻発する怪奇現象は、地球の環境汚染が原因で引き起こされているのではないかと推測。また地球の自然を愛して環境汚染に心を痛め、調査任務に留まらず地球環境再生を自らの手で行なおうとしていた。地球の美しい自然を愛しているものの、それを汚染する地球人については蔑視しており、地球の深刻な大気汚染を憂いて自ら開発した「大気浄化弾」を金星大気でまず実験すべきという声を無視して独断で使用する(地銀河連邦警察の科学者として開発して既に多く星々の大気を浄化してきた実績あるものであるが、大気に合わせた綿密な調整が必要となるが、日々失われて手遅れになっていく自然に焦っていた)。しかし地球と汚染大気とは相性が悪く実験は失敗に終わり、地球全体に特殊電磁霧が広がって地球防衛レーダー網の機能不全に陥らせてしまったことで独房入りを余儀なくされる。
その後、ETFの侵略作戦により基地は壊滅、死んだとされていた。顔と身体の大部分に傷を負い、瀕死の状態となりながらも、危ういところを敵であるザラブ星人に助け出され生きながらえたものの、彼らに与えられた顔(銀髪のイングラム顔、元の顔は逞しい感じだった)を嫌い、以後は仮面を被って自身の素顔を隠すようになる(この仮面の状態が、αでも登場するお馴染みの姿である)。
彼はETFに身を寄せて40年もの月日を費やして「クロスゲート・パラダイム・システム」を自ら開発。そこに光の巨人・ウルトラ種族の力、更にデビルガンダムの力を加えて完全なものとし、全ての因果律を操作し時間と空間を自分の思うまま支配できる存在となるべく、新西暦155年と195年の2つの世界を股にかけて暗躍を続けた。
アルティメットガンダムの生体コアになれない自分に代わってなるべき自身のコピー・イングラムを作り出したが、自我に目覚めた副作用で記憶を失い逃亡するというアクシデントがあったものの、カッシュ博士にアルティメットガンダムの基礎フレーム(元はジュデッカの機体フレーム)を与え地球再生の構想を提言して開発させた。ユーゼスはテロ組織・ネオバディムのパトロン的な立場にもなっていたて、生体コア候補として反TDF組織(テロ組織・ネオバディムに参加)のガンダム乗り(ヒイロ達5人)を選定。そして生体コア候補とアルティメットガンダムが過去に飛ばされるよう反TDF組織によるオペレーション・メテオを計画する(ヒイロ達を操れるようにナノマシンを注入したがドクターJたちに見破られて除去された)。またネオジャパンコロニーの軍とも通じていたが、ユーゼスの計画に気付いたカッシュ博士はDG細胞を封入してクロスゲート・パラダイム・システムを抑制して、デビルガンダム化を招く一因ともなった。
新西暦155年のユーゼスは、イングラムのアールガンの記録データから隕石怪獣D(過去におけるデビルガンダムの呼び名)の正体を知り、地球大気浄化に最適なデビルガンダムに興味を持って、同じく未来から来たイングラムの身分をデータ改竄で用意するなどした。その後、デビルガンダムが存在する影響で歴史が変わり、新西暦195年のユーゼスはネオバディムに指導者になっている。歴史改変により生じた因果律の乱れにより、簡易機能しかない脳内ナノチップ型クロスゲート・パラダイム・システムでも新西暦155年と新西暦195年を行き来できるようになる。(万全に計画が進んだ場合、イングラムが生体ユニットとなったデビルガンダムがウルトラマンからカラータイマーを奪い、新西暦195年に帰ってくるというシンプルな過程で済むはずだったため、これは次善策)
ドモン・カッシュの力を吸ったデビルガンダムは新西暦195年に帰ってくるが、再び新西暦155年に飛んでしまうというユーゼスにとっても想定外の事態を引き起こす。新西暦195年のユーゼスは、新西暦155年に飛んでバディムの3勢力を統率、ETFにウルトラマンとセブンのカラータイマーを奪わせ、カラータイマーの力を再現できるようフーマに解明させ、デビルガンダムを回収して未来へと帰った。そしてウルベにデビルガンダムを渡し、生体ユニットが得られたことで因果律を直接操る力を手にしたユーゼスは現世に自身を縛る因果の鎖を次々と断ち、最後にガイアセイバーズ達を消すため絶対者「超神ゼスト」となって全ての鎖を断とうとした。
死の間際、絶対者のごとく振る舞った彼も地球人としての善と悪との葛藤で苦しんでいた事が明らかとなり、完全な悪人となりきれていたわけではないようであった。
なお、CPS開発に当たっては、並行世界から干渉して来たとある男の介入があった。また、この世界は宇宙刑事ギャバンとはなんら関わりのない存在であったユーゼスの因果律操作によって様々な世界がまとめられて生まれた虚構の世界であり、そのことを新西暦195年のユーゼスも知っていたことが最後に明らかとなっている。この世界を作り出したユーゼスの真意については謎。
超神ゼスト
CPSが内蔵されているデビルガンダムにカラータイマーの力を満たして融合したことで、超神形態へと進化したユーゼス。翼が生えている。
戦闘では翼は別ユニット扱いで、翼を破壊しないと本体にダメージを与えられない。翼は破壊しても数ターン後にムービー挿入で再生する。
小手調べに一度戦った後、デビルガンダムの特性により即座に再生、CPSの因果律操作でガイアセイバーズを抹消しようとした。 しかし、ウルトラ兄弟が捨て身で力をウルトラマンに集中させて放った宇宙が崩壊するほどのエネルギーの光線で、ゼストの力が中和されてCPSを作動できなくなり、再生が間に合わないほどの深いダメージを負う。
ラストバトルでガイアセイバーズの猛攻を受け、最期はSRXの天上天下一撃必殺砲で溶け崩れながら吹き飛んだ。
武装・必殺武器
- スパイラルキック
- 翼で飛びあがり、回転キック。
- ゼストナパーム
- 翼で飛びあがり、広範囲を焼き払う。
- ゼストスラッシュ
- ウルトラマンの八つ裂き光輪のような攻撃。
- ゼストナックルビーム
- 握った拳からビーム。
- ゼストブレード
- 右手に発生させたレーザーブレードで薙ぎ払う。
- ゼストファイナルビーム
- ムービーが挿入され、ウルトラマンのスペシウム光線のような攻撃。
スーパーロボット大戦α
今回はゼ・バルマリィ帝国出身の純然たるバルマー星人で、十二支族の中でも科学分野に秀でるゴッツォ家の一員。
本作での彼の性格は冷酷で、その作戦は残忍非道。自分以外の存在を道具・素材としか見ていない発言を頻繁に繰り返すなど、純然たる悪人としての印象を強く受ける描かれ方になっている。
その目的は自身が絶対者になることに加え、自らを縛るバルマー(及び、その支配者である霊帝)に対し反旗を翻すことにある。彼は帝国監察軍第7艦隊の副司令官という形で地球へ赴くが、彼の目的の手段となるサイコドライバーの力を追い求めて暗躍し、また地球人の潜在能力を引き出すことでバルマーに対抗できる力を身につけさせるべく、第7艦隊侵攻以前から様々な「仕掛け」を余念なく地球に施していた(例:ラ・ギアスに干渉してシュウ・シラカワが地上で行動を起こさせるよう仕向ける、ショット・ウェポンをバイストン・ウェルへ導きオーラバトラーを開発させる、ブラックホールエンジンに欠陥を与えた上で地球側へと提供する……など)。この過程で、ゲンドウら一部の人間にはその存在を知られていたようである。
バルマーの地球への侵攻が開始された後には、予め地球に潜入させていたイングラム・プリスケンに行動を起こさせ、サイコドライバー能力者を誘拐、その能力の覚醒を促した。また、事前に第7艦隊司令のラオデキヤ・ジュデッカ・ゴッツォを謀殺して自らの目的に有利な行動を取るよう調整されたクローンのヴァージョンを据え置いた(もともと艦隊司令はゴッツォ家が生み出したハイブリッド・ヒューマンであり、挿げ替えは容易であった)。
後は自分が傍観者としての立場に甘んじていれば上手く事が進むはずであったが、予想以上の力を蓄えた地球人達の返り討ちに遭い、サイコドライバーとして覚醒した主人公とリュウセイ、自らが手玉に取っていたはずのシュウとイングラムら、そしてスーパーロボット達の手で葬られた。
ユーゼスが因果律の番人であるイングラムを利用したのは、真の霊帝ケイサル・エフェスの計画通りだったことが第3次αで明らかになる。α全編を通じて全能者の如く振舞った彼も、結局はより大きな存在の掌の上で踊っているに過ぎなかったと言えるであろう。ただ、ユーゼスも黒幕である真の霊帝の存在に気付いていて、因果律すら歪める真の霊帝に彼が対抗するにはクロスゲート・パラダイム・システムが必要になることや、地球人がバルマー星人と同種族で兄弟のようなものであるという重要事実にも辿り着いており、その才覚が非凡であったことは疑い無い。
スーパーロボット大戦α for Dreamcast
立ち回りは概ねPS版に準じる。7つの艦隊はバルマー本星から遠く離れて行動するため、いつか必ずはいずれかの艦隊で反乱が起こるだろうと予見されており、各ヘルモーズ内には反乱がキーとなって覚醒するオリジナルのジュデッカ・ゴッツォが組みこまれていることが明らかになっている。そのため、10年前にゼントラーディ戦で戦死させたのがオリジナルと思っていたユーゼスは本人を目の前にして驚愕している。そして、最後はオリジナルのラオデキヤ・ジュデッカ・ゴッツォの手で粛清されるという結末を迎える。
OGシリーズ
本作でもバルマー星人で、OGSの最序盤・イングラムの目覚めに際してほんのわずかだけ登場(OGSの内部データでは「仮面の男」表記になっている)。仮面のデザインや配色が微妙に変わっておりややこしくなっている。遠隔操作でイングラムに枷を与え、傀儡として操った。前述の通り、アウレフ・バルシェムに憑依したネフェシュ(何処かの世界のイングラム・プリスケン)を以前から知っていたかのような台詞があり、また今作での彼は単独で神になるのではなく、ゴッツォの一員として霊帝を出し抜こうとしている節がある。また、OG外伝の終了まで登場することはなく、本格的に活動するのは第2次OGから。ちなみに同じく顔を隠した形で登場したクォヴレーは内部データでは「クォヴレー・ゴードン」名義になっており、登場が確認できる。
第2次OGでは「アルテウル・シュタインベック」(この「アルテウル」は「ウルトラ」のアナグラム)を名乗り、ニブハル・ムブハルと組んで暗躍。「α」同様、全能なる調停者となって己に待つ破滅の運命を変える事を目論んでいた。アルテウルとしての行動は当該項目を参照。
最終局面で遂に正体を表し、鋼龍戦隊に敗北したナシム・ガンエデンを乗っ取り、AI1とガリルナガン、更にイーグレット・イングとエグゼクスバインを取り込み、かつてのクロスゲート・パラダイム・システムに欠けていたアカシック・レコード変容因子を組み込んだ異形の存在・「アダマトロン」へと変貌。目的を達成させようとするが、異星人としての正体を現した事で、利用されていたことに激昂したカーリーがエア・クリスマスで特攻。この際イングに脱出された事で形成が逆転し、鋼龍戦隊の総攻撃を受けて敗北。
その最期は己の結末を受け入れようとせず、己が絶対者であることを叫びながら散るというあまりにも無様なもので、SHOのどこか物悲しい結末や、αの最期まで超然とした絶対者たる彼の面影など何処にも存在しなかった。
なお、本作では素顔を見せているがこの素顔は「スーパーヒーロー作戦」でザラブ星人に整形される前の顔をリデザインしたものである。なので、SHOのファンの中にはアルテウルの顔を見た時点で「あれ、こいつは…?」と勘付いたユーザーも多い。未プレイでも、シヴァーに似ているため第三次αプレイヤーもデジャヴを覚えるかもしれない。DW視聴済であればプロフィールで確認できるCVから気付いた人もいるだろう。
α世界の自身の記憶を入手しているらしく、攻撃デモにはジュデッカ、アストラナガン、ディス・アストラナガン、そしてナシムとゲベルのシルエットが映る。ただ、肝心の「因果の鎖」についてはイングラムやクォヴレー程の認識がなかったらしく、暗躍の仕方も「偽名を使い素顔のまま行動する」など、αと比べると「黒幕」的な雰囲気が欠けている。十重二重とか言っておきながら、どうにも行き当たりばったりな面が目立つために黒幕というにはおこがましい印象である。
ちなみに、本作でOGにおいてイングラムやエアロゲイターを操り、L5戦役を起こした黒幕であった事が判明した(要するに、L5戦役において収集した戦力を霊帝やアインストとの戦いに使おうとしていた)。
偽名やエア・クリスマスのカラー、アダマトロンの胸部などを見るに、相変わらずウルトラマンへの執着が見られる。ウルトラマンになりたいという願望が機体に強く現れている。
「虚憶」について
第2次OGのユーゼスは前述の通り、過去作品の展開を「虚憶」として記憶している。これを説明するには、イングラムに関連する謎でもある「記憶の共有」について説明する必要がある。
ユーゼスの言によれば、スパロボ恒例の並行世界論では、一つの魂が世界の枠を超えて駆け巡る事例がいくつか存在し、イングラムやユーゼス自身もそうであるという。この時、姿をそのまま引き継ぐのが「輪廻」、必ずしもそうでないのが「転生」と呼称される(ゲーム的に言うと「同じキャラクターとして登場する」のが輪廻、「似たような別人として登場する」のが転生)。
両者に共通するのは、登場する以前の記憶=それまでに出演した作品の記憶を引き継ぐという点で、「輪廻」の場合は中身がそのまま引き継がれるため、外部からの干渉がなければ人格・性格その他もそのままとなる。「転生」の場合は一度リセットされた上で新たに人格が構築され、そこにかつての記憶が書き込まれるというプロセスを踏む。イングラムの場合は前者、ユーゼスの場合はおおむね後者となる(作品それぞれで結末へのリアクションが違うのはこれが原因)。
この「引き継がれた記憶」のことを「虚憶」と呼称するが、これは本来の意味とは別に、並行世界の同一人物同士で共有する記憶についても使われる。ただし、こちらの場合は念動力者のような感知力に優れた人種でなければ適用されず、その中でも特に「サイコドライバー」の素質を持つ者のみが、デジャヴとして読み取る程度。
これは同作でシュウ・シラカワも記憶の共有現象を起こしている。ルオゾールによって蘇生させられた際に「輪廻」が発生しており、また死亡⇒蘇生の間隔が短かったため、記憶の欠落こそあったものの概ねかつての人格を保持していた。また、この際に「α」における自身の記憶を認識したらしく、クロスゲートを知っていた。
ユーゼスの場合、この「虚憶」におけるSHOとαの経験を踏まえてナシムを乗っ取る計画を立てたのだが、結果とその理由は後述の通り、過去最大の大失敗という散々な結果に終わった。
また、記憶の引き継ぎは虫食い状態らしく、しかも肝心の部分が一部、抜け落ちている。現にαのユーゼスは自分が倒されても目的の一つが達成されるように一種の保険を掛けていたが、第2次OGのユーゼスは保険を掛けていなかった(保険を掛けた事で、その目的の一つについては事実上、達成出来たのにも関わらずである)。何より今作までにSHOの「全てを良しとして終わった」結末に関しては一度も思い出していないらしい(でなくば調停者となる野望にしがみ付くはずがない)。
総論
結局のところユーゼスの行動は、SHO以前から一貫して「CPSによって破滅の運命を逃れようと足掻き、叶わぬまま死んで行く」という因果の鎖から抜け出すためのものなのだが、そのためにCPSを懲りずに使い続けているため、全ての世界においてそれが実現していない。破滅を導くきっかけがCPSであり、それから逃れるためにCPSを造り出すという矛盾を抱えているため、これをどうにかしなければユーゼスは破滅から逃れることが出来ない(その他の方法だとイングラムに倒されるしかない)。にもかかわらず、同じ行動を幾度も繰り返していることから、恐らく本人は「それはないだろう」と考えていると思われる。しかも行動の繰り返しはCPSのみならず、そこに至るまでの過程でも同じようなことを繰り返している。
また、ユーゼスは倒される度に似た因果を持つ別の世界へと輪廻を繰り返しているのだが、「虚憶」によって記憶を共有したにも関わらず同じことを繰り返している辺り、彼個人ではどうあってもこの運命からは逃げられない可能性が高い(身も蓋もないことを言うなら敵役だからであるが)。そもそも、「イングラムや鋼龍戦隊を始め、一度自分が制した相手に対する警戒を怠る」という悪癖が存在している上、今度こそ計画は完璧だから必ず成功するという根拠のない確信を持っているため、全ての作品でそれが要因で致命打を被っている。
ただし、その受け止め方はそれぞれに違い、SHOやPS版αでは、形はどうあれそれを良しとして散った(αに関してはロンド・ベルが自身の予測以上に強くなった事でケイサル・エフェス打倒の為の布石を一つ打てたというのもあるが)のに対し、DC版αや第2次OGでは非常に往生際が悪い。DC版αでは「オリジナルのジュデッカ・ゴッツォが存在していた」という予想だにしない結末だったから無理はないが、後者は初歩的ともいえるミスを犯してしまっていた。
恐らく第2次OGのユーゼスは、「虚憶」において計画頓挫の原因がイングラムであると目星をつけ、「イングラムを計画に組み込むと対抗戦力を構築される上、土壇場で離反され頓挫する⇒ならばあらかじめ排除し、同等の因子を持つ者を造り出して据えれば良い」という考えに至ったと思われるが、結末を見てわかるとおり完全な見当違いである。しかも、失敗の原因はそれ以上に存在しているため解決になっていない始末である。
本人としてはイングラムを排除し、操り人形をその位置に据えることで因子を切り替えたつもりだったのだが、この行動はαのユーゼスと全く同じで配役が変わっただけである(アウレフ・バルシェムをイングラムに挿げ替えたように、イングラムをアーマラとイングに挿げ替えただけ)。しかも、αとOGの違いは、枷を与えてから自身が行動を開始するまでの時間だけであり、動き出してから実際にやった内容はほとんど変わりがない。加えて、他ならぬイングラム自身が、α同様対抗戦力としてリュウセイ達を一人前に鍛え上げたという行動を、ゴッツォの目的に沿っているという理由で看過したのも大きな痛手である。
さらに、自らアストラナガンのコピーであるガリルナガンを造り出し、アーマラに与えたことで「操り人形としてのイングラム」を再現、これによって計画の成功を盤石なものにしようとしていたが、もう一人の代役であるイングは後継者たるクォヴレーの物語を再現。おまけに、懲りずにCPSを組み込み、最終局面でガリルナガンを取り込み、さらにイングをも取り込んだことで
- 「超神ゼスト(超越者となるための過程)」
- 「アウルゲルミル(アストラナガンを取り込んでいる)」
- 「ブラック・デスクロス(CPSを組み込み、さらにクロスゲートを開く力を持つ)」
という過去作の大ボスに纏わる因果を一挙に再現してしまった上、ガンエデンを乗っ取った状態でイングと相対したことで「シヴァーの操るゲベル・ガンエデン(ゴッツォのものがマシヤフを利用してガンエデンを操り、自ら作り出した存在(クォヴレー、ヴィレッタ)と対峙し、討たれた)」の因果をも再現。これによって本人の意志とは裏腹に過去作における敗北の流れ(=これらは全てそれぞれの計画が頓挫した際の姿)を統合・完全再現してしまった。このため因果の鎖によって結末が決定され、当然の如くまたも失敗。それも調停者になれず、破滅の運命からも逃げられず、ゴッツォの計画も破れるという散々な結果に終わった(しかも、アダマトロンに組み込んだAI1には「破滅」そのものであるペルフェクティオが内包されており、鋼龍戦隊に勝利したとしても「破滅」するのは確実だっただろう)。
MXの加持と弐神よろしく演劇に準えてみると、OGのユーゼスは「スーパーヒーロー作戦」「スーパーロボット大戦α」「スーパーロボット大戦α外伝」における「ユーゼスの物語」の台本を入手し、結末を改変しようと大筋だけ残して改変を加えた上でこれを統合、OGという別の劇場で上演。足りない部分は新しい役者=別作品のオリジナルキャラクター達や新規キャラクターで代用し、イングラム役に関してはアーマラとイングの二人一役で再現する、という演出をしていたことになる。しかし、手に入れた肝心の台本(=虚憶)は虫食いの穴だらけであり、しかも重要な部分の記述が抜け落ちていたため、残る部分から台本の内容を類推、共通の結末である「ユーゼスの敗北」を覆すべく、色々と台本や配役に裏から手を回していた(=因子の切り替えを試みた)。ところがいざ上演してみると、二人一役の片割れであるイングはアドリブで本来台本にいないはずのクォヴレー役を演じ始め、さらにユーゼス自身が本人役に加え、知らぬ間にシヴァー役を兼任したことで流れが敗北に向かってしまい、結果としてまたも同じ結末で幕を下ろす羽目になった、ということである。
しかし、もしこれらの因子を完全に切り替え、計画が成功したとしても、それは即ち因果律改変を意味するため、太極の怒りに触れるか、虚空からの使者によって討たれるだろうことは疑いない(裏を返せば、イングラムに倒されることで因果の鎖からは逃げられるが、破滅の運命そのものからは絶対に逃げられない)。
ラオデキヤとユーゼス
現在までにここまでの事項が挙げられているが、謎が一つ残っている。それは、スーパーヒーロー作戦におけるラオデキヤの行動である。
当該作品において、クロスゲートの検出方法が見いだせず悩んでいるユーゼスのもとに、並行世界からラオデキヤが現れ、ジュデッカの機体フレームのデータを与えている。第2次OGにおいて多くの事象が判明した今となってもなお、この行動の意味は全くわかっていない。現在の推測で有力なのは、「このラオデキヤはαにおける二人目であり、αにおいて自分を造り出させるためにユーゼスのもとに現れた」というもの。時空を超えられるジュデッカと言えばαの「ブラック・デスクロス」しかないため、この説には一応の説得力がある。
だが、これが正しい場合、ラオデキヤは自らがαのユーゼスの操り人形であった事実を知っていることになるが、αにおいてはそのような動向は一切見られなかった。
当時のラオデキヤの台詞の全文はこうなる。
「余は……ラオデキヤ=ジュデッカ=ゴッツォ」
「次元を越え、平行宇宙を越え、お前と因果律で結ばれた者」
「余は別の宇宙でお前に造り出された者……そしてお前はこの宇宙で余に造り出される者……」
「余とお前は平行宇宙を超えた因果の鎖で結ばれている。我々は運命共同体なのだ」
「お前へ啓示を与えに」
「別次元で余という存在を確立させるために…お前のシステムをより完全なものに近づけてやる」
「そうだ。このズフィルード…ジュデッカの機体フレームを…使えば時空を超えることが出来る」
「そしてお前の目的を、野望を達成するがいい」
「その行為は別の宇宙に存在するお前と余の存在を…確立することになる…」
後の展開を加味しつつ字面のままに受け取れば、やはりαにおける自分達の存在を確立するため、という説が濃厚だが、裏を返せば、そうしなければα世界にはユーゼスも(恐らく二人目の)ラオデキヤも存在できなかったということである。
SHOに現れたラオデキヤは果たして何者だったのか、決戦まで誰も知らなかったブラック・デスクロスのデータをどうやって入手したのか、なぜそれをSHOのユーゼスに与えたのか、それによってαに、OGにどのような影響が齎されたのか。現在の所、それが残された謎となっている。
現在では、このラオデキヤがαとは全く関係ない別の世界の存在ではないか、という説が出ている。このラオデキヤは、ジュデッカのデータを渡す際に「ズフィルード」の名を挙げている。第2次OGでユーゼスは、アダマトロンに至るまでの存在として、それまでCPSの媒体となった機体を上げているのだが、そこでは「ゼスト」の前にズフィルードが挙げられている。つまりこの説では、「SHOのラオデキヤは、作品化されていない別の世界=ユーゼスがズフィルードを使って調停者になろうとした世界で、彼によって造られたジュデッカ・ゴッツォであり、そこでユーゼスが使ったズフィルードのデータを持って現れた」ということになる。
登場作品
- スーパーヒーロー作戦
- ラスボス。一連の事件の黒幕として、二つの世界を行き来しては悪の組織への介入を繰り返していた。ユーゼスの基本設定はこの作品で完成していた。
- スーパーロボット大戦α
- 本作でもラスボス。能力的にもラオデキヤとほぼ同等の能力を持つ。
- スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- 追加ルートでは前述の通り粛清されるという末路をたどることに。
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- 本作の黒幕にして真のラスボス。しかし「α」や「SHO」に比べてそこかしこに詰めの甘さが散見され、黒幕としてはスケールダウンしている。どうも今まで出演していた作品(SHO~α)の記憶を共有しているらしく、因果の鎖(自分の末路)から解脱しようと目論んでいた。また、ある場面で「ゼスト」の名を口にする。本作でようやく念動力を所持。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
イングラムの生みの親だけあって、各能力値が高くラオデキヤとほぼ同じクラス。2回行動可能レベルもイングラムより数倍早い為、初登場した時点で彼の2回行動が猛威を振るう。また、念動力者では無い筈だが、ジュデッカに搭載されている念動フィールドを自力で展開する恐るべき敵。
精神コマンド
- ド根性 必中 ひらめき 隠れ身 魂 復活(α)
- 必中、ひらめき、魂とイングラムと共通する精神を多数所持。ド根性はイベントで4回ほど使用するが、SPは一切消費しない。復活も所持しているのに自身が撃墜された時には使わない。敵の精神コマンドは概ねキャラクター性を暗喩する目的で設定されるが、それに倣うとするならば、イングラムと共通の3つのコマンドはSHOでの関係性(オリジナルとクローン)、「隠れ身」は黒幕であること、「ド根性」は執念を現すと思われる。とすれば、「復活」が意味するものは再登場だとでも言うのだろうか。事実イングラムはクォヴレーを介して再登場しているため、当初の構想通りならユーゼスも何らかの形で第3次αに出てきていた可能性はある。
- 直感 鉄壁 直撃 覚醒 魂 再動(ツイン精神)(第2次OG)
- 「直感」「直撃」は味方版イングラムと共通。「覚醒」「魂」「再動」と思わせぶりなコマンドが揃っている辺り、αシリーズそして後述の「虚憶」と「輪廻」への関連を思わせる。
特殊技能(特殊スキル)
- 天才 底力 切り払いL9(α)
- 高レベルの切り払いと底力、高い能力でスペックだけ見れば強いボスには違いないが、復帰したイングラムとロンド・ベルの敵ではない。当時の天才がレベルアップに必要な経験値が減少する効果のため、死に技能と化してる点も惜しい。何故か、念動力を習得していない。多数のイベントで自身の念を放つ等、能力があるように思わせる描写があったのだが。……が、αのゴッツォ家には念動者がおらず、能力持ちは全員人造人間なのである意味当然か。
- 念動力L9 2回行動 底力L8 気力+(ダメージ) 気力限界突破 リベンジ(第2次OG)
- ついに念動力を習得した。ケイサル・エフェスを攻撃寄りにしたような構成。これだけならまだ何とかなるが、アダマトロンの能力が反則過ぎる。
固有エースボーナス
- 気力160以上で、自軍フェイズ開始時に精神コマンド「覚醒」がかかる(第2次OG)
- これが発動すると3回行動になる。加えてHPが減っていくとアダマトロンの「監視の目」の効果で必中がかかるため、回避不能の攻撃が3回襲ってくることになる。MAP兵器の弾数が残っている状態で手番を渡すと部隊が半壊する(マップ兵器版エデン・ゲルーシュには精神禁止があるため、鉄壁や不屈が意味を成さない)ので、2、3機落とされてでもPPで仕留める事(無理な場合はHPを10%以下にしない事)。幸いと言うかマップ兵器版ゲルーシュは4発しか撃てないので、囮で弾切れにさせてから攻撃を始めよう。
パイロットBGM
- 「Battle Of Zenith」
- スーパーヒーロー作戦のラストバトル。超神形態に進化したユーゼス「超神ゼスト」のBGM。
- 「THE ARROW OF DESTINY」
- アンティノラ、ジュデッカ搭乗時のBGM。アストラナガンの「虚空からの使者」より優先度が高い。
- 「ULTRA ONE」
- アダマトロン搭乗時のBGM。「THE ARROW OF DESTINY」のアレンジ。曲名はどう見てもウルトラマンのもじりである。シヴァーのBGMが「ZEST SEVEN」だった事に対するものと思われる。
人間関係
- イングラム・プリスケン
- SHOのユーゼスが作り出した自身のクローンであり、それによる因果の鎖で繋がれた存在。αシリーズにおいてクロスゲートの存在とその力をユーゼスに与えたのは『スーパーヒーロー作戦』の世界から転移して来た彼である。いずれの世界においても操る者、操られる者の関係だが、それにイングラムが抗えるかは作品によって異なる。OGの動向を見る限りでは、「その時ユーゼスが存在している世界」にネフェシュが転移し、それによってまた因果の鎖の呪縛を受ける、という堂々巡りが続いているようだ。
- ヴィレッタ・バディム
- 同じくユーゼスが作り出したクローン。初出時はイングラムと同様の存在(片方しか存在しない選択主人公)であったが、αシリーズ以降の設定では別個の存在となっており、イングラムほど深い因縁があるわけではなくなっている。
- リュウセイ・ダテ
- 最終決戦ではSRXのウラヌスシステムを自身の念を持って強制発動させたが、ロンド・ベルの仲間達の協力もあって失敗する事となる。
- シュウ・シラカワ
- OGシリーズでは別世界での彼の記憶を思い出す。「破滅の運命を逃れようと行動し続ける」ユーゼスの姿を「同じことを飽きずに繰り返している」と評されていた。
- シヴァー・ゴッツォ
- ゴッツォ家当主。ユーゼスが地球に赴いたのは、名目上は彼の地球侵攻の命を受けてということになる。ユーゼスの死後、彼の残したデータはシヴァーの手により様々な機動兵器、生体兵器に利用される事に。
- ラオデキヤ・ジュデッカ・ゴッツォ
- スーパーヒーロー作戦では別の世界の(恐らくはαの並行世界、あるいはDC版αの)ユーゼスが造り出した存在で、彼とユーゼスが因果の鎖に繋がれた存在であると言及。αシリーズでは彼のクローンを創造して反旗を翻すが、前述の通りその結末は複数存在する。
- ルアフ・ガンエデン
- ゼ・バルマリィ帝国の支配者である現「霊帝」。ユーゼスは彼が影武者である事に気づいていた。
- ケイサル・エフェス
- ルアフの裏に潜んでいたαシリーズでの全ての黒幕。どこまで彼の意を受けていたかは不明。
- レビ・トーラー
- イングラムが連れてきた念動力者。自ら調整を施し、野望のための駒とした。
- クォヴレー・ゴードン
- スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズではイングラムを縛る因果の鎖がユーゼスであると言及。ユーゼスとイングラムとの鎖を切り離す存在なのかもしれないが、今後の展開が気になるところである。ユーゼスと同じ銀髪にも何らかの意味があるのかもしれない。…が、クォヴレー本人は結局、影も形もなく出ることはなかった。
- バルシェムシリーズ
- イングラム、及びヴィレッタのクローン並びにそのデータを元にした人造人間群。イングラムは「スーパーヒーロー作戦」におけるユーゼスのクローン(に近い存在)なので、彼らもまたユーゼスのクローンと言えなくもない。
- ギリアム・イェーガー
- ユーゼスとは似て非なる宿命を背負った者。漫画「Record of ATX」にてイングラムの正体を問いただしたギリアムに対して、イングラムは「お互い様」「お前の放浪も終わる」と返している。この時のイングラムはユーゼスに乗っ取られている状態だったので、ユーゼスはギリアムの正体をある程度は知っている事になる。
- イーグレット・イング
- ナシム・ガンエデンを乗っ取るために生み出した人造マシアフ。最終決戦では取り込むことに成功するが、カーリーの特攻により脱出を許されてしまう。
- ペルフェクティオ
- アダマトロンに取り込んだAI1に内包されていた「破滅」。『第2次OG』では、彼の危険性を唯一認識していたにも関わらず、AI1をそのまま取り込んでしまっており、この時点でユーゼスの破滅は決定づけられていた。
版権作品との人間関係
- ウルトラマン
- 「光の巨人」。虚構の世界が崩壊した後も形を変えて執着し続ける、ユーゼスにとってはイングラムやクォヴレーとは別の意味で因縁の存在。
- 宇宙刑事ギャバン
- かつての相棒。後に袂を分かつことに。
- メフィラス星人
- ETFの総元締めである二大巨頭の1人。ユーゼスや巨大ヤプールに裏切られ、ガイアセイバーズに倒される。
- 巨大ヤプール
- ETFの総元締めである二大巨頭の1人。異次元を操るヤプールはユーゼスの下に付き、彼の虚構の世界でガイアセイバーズと対峙。一時は復活を遂げるが倒される。
- ザラブ星人
- 地球人を軽蔑し、ウルトラマンを信奉する彼を利用。ETF襲撃の際に重症を負った彼を救出し、別の顔を与えた。
- 神官ポー
- フーマの総元締めである大帝王クビライを裏切ってユーゼスに協力した。
- 帝王ゴッドネロス
- ネロス帝国の総元締め。ユーゼスに協力するも、ユーゼスの虚構の世界でのガイアセイバーズとの最終決戦に敗れる。
- ライゾウ・カッシュ
- 彼にアルティメットガンダムの基礎フレームを与えて実際に作らせた。
- ウルベ・イシカワ
- 互いの野望を利用する。
- 東方不敗
- デビルガンダムがカラータイマーの力を満たす容器だと見抜き、DG細胞がCPSを抑制していると知らないユーゼスを出し抜いた。
- ドクターJ
- 開発資金目当てで反TDFテロ組織であるネオ・バディムに在籍する彼にとってはパトロン。ユーゼスの計画を見抜き、デビルガンダム破壊用にウィングガンダムを開発、またヒイロに仕掛けられたナノマシンを除去した。他の指令者も同様。
- ヒイロ・ユイ
- イングラムの代わりの生体ユニット候補5人の1人。ユーゼスとドクターJ両方の意図を含んだデビルガンダム破壊任務に携わる。他のガンダムパイロットも同様。
- トレーズ・クシュリナーダ
- スーパーヒーロー作戦ではネオ・バディムの幹部。αシリーズでも協力者。彼とは遭いそびれる関係でないことを互いに認めている。
- パプテマス・シロッコ
- αシリーズでは協力者。ユーゼスがこの世界の巨悪の存在である事をSDFの面々に教えた。
- ガルーダ
- エアロゲイターの配下となっているキャンベル星人の将軍であり、ユーゼスの命にも従う。
- プリンス・ハイネル
- ガルーダと同じく、エアロゲイターの配下となっているボアザン星人の司令官。
- シャピロ・キーツ
- 協力者。彼の研究室を見たことで、粛清されると思われたが、直後のシナリオで狂気に満ちた状態で、偽ダンクーガに搭乗し出現する。シャピロのクローンの可能性も否定出来ず、あるいは洗脳処置を施されて正気を失った可能性もある。
- ショット・ウェポン
- 彼をバイストン・ウェルに送り込んだ。
- 碇ゲンドウ
- 彼の目的を知り尽くした上で、イングラムを通じて死海文書の解読方法を伝授する。
名台詞
スーパーヒーロー作戦
女性主人公を選んでいればイングラムの箇所はヴィレッタになる。
過去
- 「君が本当はTDFの軍人でないことはわかっている。なぜなら、正体不明の君のデータを改ざんしたのは私なのだから」
「君がこの時代に現れることは予測できたからね」
「君こそ、何者なんだ?そして何が目的なんだ?イン石怪獣D…いや、君の機体のデータバンクにはデビルガンダムという名前で登録されていた…」
「あれと何か関係があるのか?」
「それを話してくれれば、君が必要としているデビルガンダムの情報を提供してもいい。話さないのであれば、今後、君の行動に制限が加わると思いたまえ」
「そうか…ならばデビルガンダムは諦めよう。あんなものに頼らなくても私なら自力で地球の大気を浄化させ、環境を再生することが出来る」 - 選択でデビルガンダムの情報提供を断った場合。大気浄化弾に自信があるため、デビルガンダムによる環境再生というプランに執着はない。超次元光速機ドルギランなどを有する銀河連邦警察の科学者だったり後にCPSを開発するだけあって、未来から何かが現れることは事前に計測済みだった。
- 「私には関係のないことだ。だが、おかげで大気浄化弾を使用する口実が出来た」
「地球の自然は大気浄化弾を必要としているのだ」
「京浜工業地帯で大気浄化弾を使用する。仮に事故が起きても自然を破壊する工場が消滅するだけだ」
「モウリ博士がいない今、この計画の実権は私にある。君に私を止めることは出来ないのだよ」 - 過去のユーゼスはモウリ博士が遭難したのをこれ幸いと実験を強行する。まず金星で実験するよう命令された際には「…地球で実験しても問題はないというのに…」と考えており、絶対の自信を持っていた。
- 「私は…間違っていない。私はこの星のために…あれを使ったんだ…美しい自然を守るために…」
「…私は間違っていない…間違っていない…ただ、レーダーが使えなくなっただけではないか…」
「私は間違っていない…私は間違っていない…私は…」 - 実験失敗により、レーダーが一切使用不能になり、大量の怪獣による攻勢が始まるが、そんな状況も耳に入らず茫然自失のまま壊れたテープのように呟き続けた。
- 「お前も私を責めに来たのか?私に罪はない。あるとすれば、地球の大気をあそこまで汚染した人間の方だ」
「…もうこの星の自然は崩壊寸前なのだ。一刻も早く汚染された大気を浄化しなければならなかったのだ」
「烈、お前も長官に進言してくれ。私は間違っていないと」
「このままだと地球人は自然を破壊しつくしてしまうぞ!」 - 独房に面会に来た烈(ギャバン)に。
- 「壊れてゆく…この美しい自然が…早急に手をうたなければいけなかったんだ…」
- 独房入りになったことでもはや自然を助けるのは間に合わないと絶望した独り言を繰り返すユーゼス。
- 「私にバード星へ戻れだと?」
「断る。私にどの面を下げてバード星へ帰れと言うのだ?あそこでも同じ扱いを受けることは自明の理だ」
「私は地球に残る。まだ大気の浄化を諦めたわけではない。それにこの星には他にも面白い研究対象があるからね…」
「ギャバン、浄化するのは地球の大気だけではないのだよ。浄化の対象には地球人も含まれているのだ…」
「地球人の凶暴性、ウルトラマン、そしてデビルガンダム…私の汚名を返上するには最高の素材だ…」
「クククク…全宇宙に私の才能を示してやる…」 - 撤収命令が下り、転移装置で独房から本星へ帰るように勧める烈(ギャバン)に。絶望の中でユーゼスは、ウルトラマンへと至る狂気の道を見つけていた。
- 「私よりウルトラマンにでも頼んだ方がいいのではないか?彼は地球の救世主だ。きっとこの事態を何とかしてくれるだろう」
「私を責めるのはいいが、地球の大気をここまで汚染した責任はどう取るのかね、地球人の諸君?」 - 電磁霧を取り除く調査をさせるため独房から出されての物言い。
- 「ハハハ!それはいい。ウルトラマンに支配されれば、地球の環境は破壊されずに済む」
「自分の星すら満足に守れず、他力本願で自分勝手な地球人にはふさわしい支配者だ!」 - 地球人にウルトラマンへの不信感を植え付けようと、ウルトラマンが地球を支配しようとしていると言うザラブ星人に対して。この会見でザラブ星人から面白いことを言う人間と認識されたことが、ユーゼスが生き永らえることに繋がる。
- 「フ、フフ…そういうことか…そういうことだったのか。何という偶然…これが因果律の成せる業か…」
「私の全知識が急速に紡がれていく…それが結集して一つの形になる…私は知っている…」
「デビルガンダムはこの私が創り出したモノだったのだ!!」
「あとは…クロスゲート・パラダイム・システムを完成させるだけだ…」
「だが…時空間のゲートだけを検出する方法が…わからない」 - ETFに身を寄せていたユーゼスは未完成のクロスゲート・パラダイム・システムにより全てを知る。この後、ETFを支配、ネオバディムの指導者となる。この世界すらユーゼスが複数の世界を一つにして作ったと知ったのも、このタイミングであろうか。
未来
- 「行け…光の巨人の力を手に入れるために…」
「私の過去を抹消するために…」
「そしてお前は私の身代わりとなって死ぬのだ」 - 目覚める前の水槽の中のイングラムへの指令。イングラムがデビルガンダムのコアになってウルトラマンを倒す本来の計画通りなら、ユーゼスの代わりに死ぬ運命が用意されていたのだろうか。
- 「光の巨人…宇宙の調停者、そして守護神たる存在」
「彼らは超絶的な破壊力と深い慈悲の心を併せ持ち、悠久の時を生きている…」
「まさに神を具現化した存在と言えよう」
「そう。私の研究対象とはウルトラマンなのだ」
「彼らの力を我が物とすれば、私は私という存在を呪縛する因果の鎖から解脱することが出来る」
「忌まわしい過去も、呪わしい未来も関係ない」
「もう、ユーゼス=ゴッツォという器に縛られることもない」
「私は全てを超越する…その先に何があるか不明だが…」
「それは『超えて』から確かめればよい」 - デビルガンダム回収のため未来からやってきたユーゼスが語る真の目的。超神ゼストよりさらに先には何が待っていたのだろうか。。
台詞の一部には「α」のユーゼスを示唆するものがちらほら。ここからすると「超える」ことで解脱しようとしたのは、「呪われし未来」へと至る「因果の鎖」だったらしい。「縛られて」いたのはイングラムだけではなかったのだろうか……? - 「私もかつては敗者だった。だが、敗北は人に屈辱と狂気しか与えない。この私のようにな…」
- 超神へと昇りつめる準備が整い、ユーゼスにとって不要になったネオバディムを自由に任されたトレーズが敗者となることで戦いという行為の解答を導くと言った事にかけた言葉。対してトレーズは、それはユーゼスが純粋すぎたためであると答えている。
- 「さあ、ガイアセイバーズの諸君。これから我が千年王国へ案内しよう…」
「因果律を超越した世界…。そこでは全てが存在し、全てが無となる」
「お前達との因果律を断ち切るには最適の場所だ」 - ユーゼスが自分と縁ある存在との間に出来た因果律の鎖を全て断ち切って超越者になるため、因果律を操作できる「ユーゼスの世界」へと呼び込む。
- 「さて…今までご苦労だった、ガイアセイバーズの諸君」
「お前達が倒してきた者達は私と現世をつなぐ因果律…。おかげで余計な手間が省けた。感謝するぞ」
「私の正体を知る者の始末が終わりつつあるということだよ」
「それにより、私はユーゼスという小さな器から解脱出来る」
「さしもの私も部下を自らの手で始末するのは辛いからな…。それが私に残された最後の人間性だと理解してくれ…」 - スーパーヒーロー作戦最終話より。
- 「単なる道具…という答えでは不服か?」
- リュウセイに「人間を何だと思っていやがる!!」と言われて。同じような答えはOGシリーズでアギラが言っていたりする。
- 「イングラムよ…何故、因果律を操作して自分の存在を消さないのかと聞いたな?」
「それは…お前に私の部下と、ガイアセイバーズの始末をさせるためだ」
「さあ…回れ!運命の歯車よ!!」 - クロスゲート・パラダイム・システムをもってしても切れない因果の鎖で結ばれたイングラムを有効利用しようとする。
- 「お前達こそ、私が断ち切らねばならぬ因果の鎖!」
「そして、お前達との戦いは私に与えられた試練!」
「さあ、愚かな人間共よ…私の全てを見せてやる…」
「私が人の器を捨て去る瞬間を…見せてやる!!」
「これが…クロスゲート・パラダイム・システムと…光の巨人の力を融合した新たなる神の姿…」
「自己再生・自己進化・自己修復の機能を備え…時の流れや因果律をも操る!」
「それが神をも超えた存在…超神形態なのだよ!!」
「くっくっく…この空間では私が絶対者だ。私を倒すことなど不可能なのだよ」
「さあ、遊びはここまでだ…今よりクロスゲート・パラダイム・システムで因果律を操作し、お前達の存在を消し去る…」
「己の無力さを呪うがいい!!」 - 完全破壊されたデビルガンダムを因果律操作で再生させ融合、超神ゼストへと進化した。
- 「私はウルトラマンになりたかった」
- スーパーヒーロー作戦より。台詞だけ見ると、ある意味夢見る純粋な子供のような台詞である。
- 「人間は自分達が何もしなくても「ウルトラマンが守ってくれるさ」と思い込んでいる都合のいい連中だ」
- スーパーヒーロー作戦の最終戦で言った台詞。完全に民衆を見下しているが、ヒーローの在り方に一石を投じた発言でもある。この発言を受けたのかは不明だが、近年のウルトラシリーズでは地球人だけで脅威に立ち向かう傾向が多く、果ては地球の怪獣を全滅させた。
- 「今思えば……ユーゼス=ゴッツォという人間は、40年前に死んだ……」
「お前達が知る……本当のユーゼスはすでに死んでいるのだ……」
「だから私は……仮面で、偽りの素顔を隠した……」
「フ、フフフ……私も……ユーゼス=ゴッツォの影……40年前のユーゼスの邪念に縛られた偽りの存在に過ぎないのかもしれん……」 - 一撃必殺砲で倒された後の呟き。
- 「私は…地球人の身勝手さ、凶暴さを嫌悪していた…。だが、それを…自分自身で具現化してしまったのか…」
「思い出したよ…ギャバン。私もお前と同じく…あの美しい星…あの青く美しい地球を、愛していたのだ…」
「だからこそ…自ら志願して地球へ来たのだ、お前と一緒に…」
「所詮…私も愚かな人間なのだよ、ギャバン。そして…それを嫌悪したがため…」
「光の巨人の力を手に入れて…人間を超えようとした…」 - かつての相棒との会話。
- 「イングラム……お前が言うとおり、この世界に超絶的な力は不要だ。何故なら、そんなものがなくても……」
「人々は生きている。そして、世界は存在し続けている……」
「この宇宙に神など不要なのだ。だからこそ……ウルトラマン達は……人間に近い存在であり続ける……」
「彼らもまた、我々と同じ存在……銀河の同胞なのだ」 - 自身の行いを省み、間違いを悟って。αのユーゼスとはまるで違う人間であることがよくわかる。
- 「フフ…私は、お前に自分が失ってしまったものを…与えたのかも知れんな」
「そして私はお前に…自分自身に負けた…40年前と同じく…」
「今の私にはわかる…お前は…お前は私の良心だったのかも知れん…」
「本当のユーゼス=ゴッツォはどちらの方だったのか……今となっては……もう……どうでもいい」
「お前は……イングラム=プリスケンという……一人の地球人だ」
「私は……お前が……うらやましい。地球人に受け入れられた……お前がな……」 - 死に際の台詞。最期にイングラムを人間として認め、哀しき仮面の男は散る。ユーゼスが本当に欲しかったのは、自分を受け入れてくれる誰かだったのかも知れない……。
だが、そのイングラムは、後にあまりにも、あまりにも過酷な道を歩むことになる。その向こうには、世界の壁を隔てたもう一人のユーゼスの影が見え隠れしている……。
αシリーズ
- 「それも私だ」
- α最終話、劇中で起こった様々な事象への干渉を認めて。ユーゼスを象徴するあまりにも有名な台詞。αの作中に起こったいくつもの事件の多くがユーゼスが黒幕として動いた結果だったという設定なのだが、どう干渉したかについて具体的なことは特に明かさず、プレイヤ-部隊からの「これもお前のせいなのか」という質問攻めに対して「私がやった」「それも私だ」という一言のみで済ませていた。このことがご都合主義かつ強引なシナリオだとα発売時は批判的な意味でやり玉に挙げられていた。
現在では批判も沈静化し、もっぱらネット上では「拾うことが難しいような伏線もこの一言で全ての辻褄が合い、どんな大きな風呂敷も畳むことができる魔法の言葉」というようなネタとして使われている。2chのロボゲ板の名無し名「それも名無しだ」もこの台詞に由来する。
後に第3次αでシヴァーも発言し、クォヴレーも「それを果たすのもこの俺だ!」とアレンジして使っている。
第2次OGでも似たようなやりとりが行われ「それも我だ」と発言している。 - 「……」
「まあ、いい。だが、イングラムよ……これだけは忘れるな」
「宇宙で漂流していたお前を救い、新たな命と知識、力を与えたのはこのユーゼス・ゴッツォだという事をな」 - 「アクシズからの使者」におけるイングラムとの会話にて。第3次αでイングラムが語った話と合わせると、「SHO」エンディング後のイングラムは因果律の歪みに気付いて原因を探して様々な平行世界を巡り、ついにケイサル・エフェスが居るこの世界を探り当てたものの、それを察知したケイサル・エフェスも行動を起こし、イングラムが単身で宇宙を漂流してユーゼスが捕獲するよう手を回したということらしい。
- (…STMCによってあの忌々しい本星の連中が消滅すれば、私の計画にとって都合は良いが…)
(奴らは50万年前に我が帝国とほぼ同等の規模を持ったプロトカルチャーを全滅させているのだ…)
(もっとも、その事実を知っているのはバルマー本星にあった外典を解読した私と…霊帝しかいないはず…) - 第65話「ギア・オブ・デスティニー」にて、ラオデキヤがSTMCを甘く見過ぎている事についての彼のモノローグで、ここの「連中」とは霊帝或いはゴッツォ家のどちらかだと考えられる。ユーゼスはバルマーに現存する外典を解読した事で、STMCが50万年前に現在のバルマー帝国と同等の戦力を誇るプロトカルチャーを全滅させた事を知っていた為に、仮にズフィルードを出そうとそう簡単に勝てはしないと思っていた。彼によると、この事実を知っているのは自身と霊帝だけで、これは事実である(当主のシヴァーすら知らない)。ここで言う「霊帝」が傀儡と黒幕…どちらを指すかで、深い言葉になりそうだが、果たしてどちらか。この台詞の通り、この時点でのバルマー帝国はユーゼスの言った通りに強大な力を持った軍隊であり、ユーゼスら第7艦隊は先発隊に過ぎない。しかし、第3次αでは版権絡みの大幅なシナリオ変更によって、滅亡寸前まで衰退しているという驚愕の事態に陥った事が実に残念である。
- 「メガノイド計画…そうか、お前が破嵐創造の…」
「我が帝国監察軍が地球圏を制圧したあかつきには、私がお前の父親の遺志を継ぎ地球人をメガノイド化するも良かろう」 - αの終盤で破嵐万丈と初対面した時の台詞。αにおけるユーゼスの性格(3万人のサイキッカーに対し、作戦に必要な脳髄だけ取り出して保管する)を考えると、本当に実行しそうで怖い。
- 「それに、2年間の偵察でお前達は銀河系の中でも危険な存在になりつつあることが判明している」
「…一定の文明レベルに到達していながらも、未だに自分達の母星を汚染し続け…」
「数多くの勢力は戦いを広げており、それらが統一される兆しも見られない」
「さらに、ゲッター線、オーラ力、EVA、トロニウム、サイコドライバーといった危険な力を有しながらも…」
「それらを自らの手で制御できていない」
「お前達は兵器としては優秀だが、知的生命体としてのレベルは低いのだよ」
「このまま、お前達を放置すれば、ゼントラーディのような戦闘集団に成長する恐れがある」
「そして、それはこの銀河系の秩序を乱す要因となるのだ」 - αの第66話より。ウェンドロと似たような言いまわしであるが、αシリーズは地球由来の技術が大半のOGや旧シリーズと異なり、本当に宇宙を滅ぼしかねない機体やエネルギーが揃っているため、一概に詭弁とは言えない。
- 「惜しいな。ゲッターの力を使えば全宇宙を支配する事すら可能だというものを…」
- ゲッターチームと戦闘する時の台詞。ゲッター線とゲッターエンペラーの存在の事を言っていると思われる。
- 「ここまでの抵抗は全て予想通りだ。私の計算が正しいか、諸君らがそれ以上の力を発揮するか。二つに一つ…互いに己の運命を見極めようではないか」
- 精神コマンド使用時。
- 「死ぬと分かっていながら立ち向かう…悲しい性だな」
- 中破ダメージの被弾台詞。呟くような言い方が意味深。因果律によって運命付けられた死を予見していたような最期の言葉から考えると、自分自身にも向けられているのかもしれない。シヴァーにも同じ台詞あり。
- 「時空の彼方へ消え去れ…最終地獄、ジュデッカ」
- 『最終地獄ジュデッカ』使用時のセリフ。ドラマCDの用語解説によると、本当にクロスゲート送りにする設定の攻撃らしい。
- 「フフフ…どうした? お前達がその程度なら…まだ私も終わるわけにはいかぬ」
「まだまだだな…この期に及んで私を失望させるな。全力でかかってくるのだ…」
「そうだ…その力だ。では、もう一度だけその力を出し切る機会を与えてやろう…フフフ」 - 2~4回目の精神コマンド。真の霊帝を倒せそうな見込みがあるなら、自分が死んでもそれはそれで良しということだろうか。なお、アストラナガンを撃破した場合の呪縛から解放されたイングラムの最期の言葉も「…そうだ。その力だ…」。
- 「ふはははは……見事だ!! だがこれで私の計画が終わったわけではない! ふははは!!」
- 撃墜時の台詞だが、戦闘中の台詞にしてはかなりの長さを誇り、大友氏のボイスもセットでプレイヤーの不安を煽る。さらにOGSで追加されたプロローグシーンでユーゼスが登場したため彼の言葉通り、第2次OGで彼の計画は続く事となった。
このαシリーズで彼は再登場する事は無かったが、DC版αでは普通に再登場するのでこの台詞も謎ではない扱いに。 - 「………」
「ク、ククク…やはり…この宇宙でも因果の鎖から逃れることはできなかったか…」
「だが…私が消滅しても…計画どおりに事が進む…」
「………」
「そして、私を倒すことにより、お前達はこの銀河系の危険分子として我が帝国に認識されることになる…」
「………」
「それに、ラオデキヤ艦隊は…ゼ=バルマリィ帝国のほんの一勢力に過ぎん」
「我が帝国は…お前達が考えている以上に…強大だ…」
「………」
「フ、フフフ…どうやらここまでのようだな…」
「…お前達が銀河の秩序を破壊する様を…因果地平の彼方から見させてもらうぞ…フ、フフフ…」
「フハハハハハ!!」 - PS版αの最終話で倒された時の台詞。途中に入る沈黙、「この宇宙でも」という言葉の意味は……? 第2次OGの動向を見る限り、全ての世界において「ユーゼス・ゴッツォ」として記憶を引き継いでいるようだが、そこからすると、どうやらαのユーゼスは無駄と知りつつCPSを使い、調停者になろうとしていたらしい。ちなみに「計画」というのはケイサル・エフェス打倒のことで、調停者となれたなら自分が、叶わぬならばロンド・ベルがそれを果たすということになる。
DC版α
- 「…何故だ?何故、お前が復活している…?」
- ユーゼスのジュデッカが再登場して、ズフィルードを起動させたラオデキヤ(オリジナル)に驚く。前ステージでジュデッカを破壊したとき「手応えがなさすぎる」「まだ念が感じられる」とみな口々に言っていていかにもまだ生きていそうな前振りではあったが、それでも、むしろ何故お前が復活していると感じる場面。
- 「…フ、フフフ……」
「こ、この私が…操り人形…」
「私が作り出したイングラム・プリスケン、そしてヴィレッタ・バディムと同等の存在に過ぎなかったというのか…!」 - DC版αにてオリジナルのラオデキヤによって野心を全て見透かされ、「所詮は霊帝の操り人形」と切って捨てられた際の台詞。
- 「ならば…残りの因子を全て集め、クロスゲート・パラダイム・システムを以って貴様と霊帝の存在を消し去ってくれる!」
- 因子を集めるというのがどういう意味なのか不明だが、直後にズフィルードに接近して放った最終地獄ジュデッカは回避され、反撃のジーベン・ゲバウトで直撃を受ける。どうやら因子が足りなかったようだ。
- 「…ば、馬鹿な…この私が…全能なる調停者たる…このユーゼス・ゴッツォが…!」
「…このユーゼス・ゴッツォが…! 地球人や人造人間…ごときに…倒されるはずがない…!」
「わ、私は…全ての因果律を操作して……この宇…宙…を……」
「そ…して…今度…こそ…」
「今度こ…そ……我が……う…ん…めい……を……」 - 上記の台詞の後、ラオデキヤに粛清されて。PS版αの面影など全くない。ある意味プレイヤーの溜飲が下がる瞬間かもしれない。こちらにも意味深なフレーズがあるが、真相は闇の中である。ユーゼスもイングラム同様、何かに執念を燃やしてはその直前に散る、という結末を背負っているのだろうか。果たしてユーゼスの「運命」とは……。
OGシリーズ
- 「今、この時に憑依したか……因縁だな……」
「だが、今なら取り込めるやも知れぬ……」
「お前に枷を与える。今度こそ、我の傀儡となるがいい」
「……禁断の地より出でし者がいる。彼らは、自ら結界を破ったのだ」
「これで我らはあの星に干渉出来る……」
「だが、愚帝や監察官共より先に手を打たねばならぬ。切り札を手に入れるのは、我らゴッツォであらねばならぬ」
「任務を遂行せよ、アウレフ・バルシェムよ。我は遠き地より、それを見守ろう……」 - 機械的な部品(バルシェム調整チャンバーと思われる)が背景に立ち並んでいる「いずことも知れぬ場所(ネビーイーム内部)」で、アウレフ・バルシェムに憑依した「何者か」に対して。OGSで追加されたプロローグシーンでの台詞(GBA版OG1にはこのようなシーンはない)。
このシーンはOGS第1話よりも前の時間軸であるらしいが、いつ頃なのかははっきりしていない(ただし『Record of ATX』では「彼らは自ら結界を破ったのだ」とユーゼスが発言した次のコマでヒリュウとジガンスクードがエアロゲイターと戦闘している様子が描かれているのでその後と思われる)。ヒリュウが太陽系の外、冥王星外宙域へと到達したことが結界を破ることに繋がったということだろうか。
前半の台詞からすると、憑依したネフェシュはα世界(そしてSH作戦)の「イングラム・プリスケン」である可能性が高い。また『スーパーヒーロー作戦』やαシリーズとの関わりも感じさせる台詞だが、OG外伝の完結時点ではこのプロローグ以外ではユーゼスが登場しないどころか存在さえ全く語られない(唯一存在を知っていただろうイングラムは既にいない)ため、真相は第2次OGに持ち越された。「愚帝」は恐らく霊帝、「監察官共」とはアインストか帝国監察軍、もしくはインスペクターのことだろう。「切り札」が何かは不明だが、サイコドライバーかガンエデン辺りと思われる。 - 「テトラクテュス・グラマトン!」
- 追加ルートでガンエデンを奪った際に唱えた真言。まさかユーゼスがこの台詞を言う日が来るとは……。
- 「ゼルファート……ズフィルード……ゼスト……ジュデッカ……それらを経て生まれた新人祖アダマトロン……」
- アダマトロンと化した直後。因縁の存在を経て辿りついた究極の姿、それは……。
ちなみに最初の「ゼルファート」に関しては詳細不明。諸々の要素を鑑みるに、恐らく今までの世界(語られていない世界含む)において、神となるためにCPSを使用した機体のことらしい。ズフィルードにユーゼスが搭乗したことは今まで一度もないが、順番からすると「SHO」以前、つまり「虚構の世界を作り出したユーゼス」である可能性が高い。 - 「再有生の実感があれば、お前はその姿ではいられないはず……」
- マサキに対して。この前後にシュウを引き合いに出している辺り、言いたいのは「一度死んで生まれ変わったという認識があれば、その度に因縁が引き継がれていき、そのままではいられない」ということだろう。……マサキに言った点からすると、本当にこの男の事を言っているのかもしれない。OGのマサキが「ああなる」とはさすがに考えにくいが、少なくともまた一つ関係性が示唆されたことになる。アサキムは単に世界を渡り歩く「放浪者」ではなく「無限獄に囚われている=生きることを強いられている」という特殊な部分が存在するため、その辺りに鍵があるのかもしれない。なお、この台詞にまたもギリアムが反応している。本当にスフィアに関わっていたとでもいうのか?
- 「この流れはまさか……!」
「我の未来は変動するはずだ……!」 - 追加ルートでの戦闘時。本作のユーゼスはαの彼と違い、イングラムが己の分身だった事実も、因果の鎖に繋がれている限り未来が変えられないことも知らないようだ。今までとは異なるやり方を取らない限り、彼の願いは決して叶わないのだ。
- 「時間と空間が交錯し、お前は古の忌憶を垣間見る」
「これは黒き地獄」
「これは黒き天使」
「これは黒き銃神」
「これは古き人祖達」
「至高の知識が、お前の脳髄を焼滅させる……!」
「エルヨゥン・イェダ・ドーマー!」 - 『エルヨゥン・イェダ・ドーマー』使用時のセリフ。クロスゲート・パラダイム・システムを完成させたことにより、因果律を支配できるようになったことで放つ力の一端。その中には、この世界には存在しないはずの「因果律の番人」達が佇んでいる。「至高の知識」のくだりのせいで「知恵熱」などとも言われる。
- 「こ、こんな宿命ぇぇぇぇぇっ!!」
- 撃墜時の台詞。超然としていた今までのイメージが崩壊した瞬間である。
- 「お、同じか……同じ結末なのか……!?」
「な、何故だ……何故だ……!? 因子が決定的に違うのだぞ……!? ガンエデンを……クロスゲートを手に入れたのだ……!」
「私の邪魔をする者など……いないはず……!」 - 撃破後。本人は全て上手くやったつもりだったが、実際には「虚憶」ではわからなかった部分、即ち敗北の因果を一挙に再現しただけに過ぎなかった。因果律改変を目論み、自らの運命を自らのみによって変えようとする限り、何度輪廻しようともその結末は決して変わらないのである……。
- 「クロスゲートもガンエデンも新たな世界も、私が造るはずだったのだよ!!」
- 自軍から敗因を突きつけられた中での一幕。世迷言と言いたいところだが、そもそもの始まりたる「SHO」の世界自体、別世界のユーゼスが造ったものである。これを考えると……。
- 「それも私だぁぁぁぁぁ…………!!」
- 死に際、イングに「僕という因子を作ってしまったのは誰だ?」と問われて。もはやそこには、かつてのシリーズで絶対者として君臨した彼の面影はどこにもなかった……。
しかし、断末魔にこの台詞を持ってくる辺り、スタッフが狙ったとしか思えない。
関連機体
- デビルガンダム(アルティメットガンダム)
- 「スーパーヒーロー作戦」では新西暦195年のユーゼスが作り出し、過去の新西暦155年に送り込む。そして新西暦155年のユーゼスがデビルガンダムを目撃して、40年後の新西暦195年で自身がそれを参考に作り出すという因果の鎖の連鎖で繋がっている存在であった。
- アンティノラ
- ジュデッカの試作機。複数機が製造されており、ユーゼスも自身の専用機を持つ。
- ジュデッカ
- αシリーズではユーゼスが作り出した機体であるが、「スーパーヒーロー作戦」では平行世界のラオデキヤが設計図を渡す描写がある。自身の専用機だけあってレビ機とは違い、特殊能力に分身を所持している。厄介な敵である。
- ズフィルード
- αシリーズではラオデキヤを含む、ジュデッカ・ゴッツォタイプ専用機。「スーパーヒーロー作戦」ではジュデッカと同じく平行世界のラオデキヤが設計図を渡していた。
- セプタギン
- OGシリーズではユーゼスが送り込み、DWではユーゼスの意思がセプタギン内部に存在していた。
- アダマトロン
- 第2次OGでナシムを取り込んだ姿。
考察
- 第3次αの用語辞典では「CPSの情報をユーゼスに与えたのは、バルマー戦役以前に平行世界から転移して来たイングラムである」と明言されている。どのような状況だったのかは描写が一切ないため不明だが、イングラムの脳にはSHOのユーゼスの記憶と人格を移植したナノマシンとCPSの端末(=簡易機能のみのCPS)が組み込まれていたため、そこから得たのではないかと思われる。
- SHOのユーゼスはCPSの因果律操作により、別次元の自分(=スーパーロボット大戦のユーゼス)の記憶を得ており、同じことがCPSを作り上げたαのユーゼスにも起こっていた、あるいはイングラムの脳にあった人格転写ナノマシンから得たとすると、この疑問は解決される。
余談
- 『DW』最終戦でイングラムの肉体を完全に乗っ取ったが、その声はαのユーゼスとは異なり(乃村健次氏が演じていた)キャストでは「仮面の男」となっていた。イングラムの肉体だったため違う声にしたのか、それとも声の設定を変えたのかは不明。第2次OGの設定を鑑みると若い頃と年を取った姿という違いがあるため声が違うということになる。
- シヴァー・ゴッツォのBGMの名称が「ZEST SEVEN」となっているのはウルトラマンの力を手にした超神ゼストの後継者…すなわち、ウルトラセブンのオマージュという意味が込められているという説が有力。
- 明言されてはいないが、ユーゼスのモチーフとなったのはイングラム同様、『ヒーロー戦記』のギリアム・イェーガー(と言うより、アポロン総統)と思われる。ギリアム役の田中秀幸氏は『ウルトラマンメビウス』以降のウルトラシリーズにてウルトラ兄弟の長兄・ゾフィーの声を演じており、偶然とは言え超神ゼスト・「ZEST SEVEN」の事を考えると因縁めいたものになっている。