ナシム・ガンエデン
ナシム・ガンエデンは「αシリーズ」に登場するメカ。
ナシム・ガンエデン | |
---|---|
外国語表記 | Nshym Gan Eden |
登場作品 | |
声優 | MAYA |
デザイン | 土屋英寛 |
初登場SRW | 第2次スーパーロボット大戦α |
SRWでの分類 |
機体 ラストボス |
スペック | |
---|---|
分類 |
惑星防衛用機動兵器 (ガンエデン) |
開発 | 太古の地球の先史文明人 |
パイロット | イルイ・ガンエデン |
概要編集
遥か昔、地球の先史文明人によって創造された惑星防衛システム「バラル」の中枢制御装置である「人造神・ガンエデン」の一体。
女性型のガンエデンであり、ファースト・サイコドライバーの1人である「ナシム」の人格、及びその念動力が移植されている。能力の発揮のためにはナシムにより資質を認められたサイコドライバー能力者「マシヤフ」がナシムとリンクする必要があり、現在はイルイがその役目を務めている。なお「ナシム」はヘブライ語で「女性」(の複数形)、そしてガンエデンは「エデンの園」または「楽園」を意味する。
中枢制御装置であると同時に強力な機動兵器でもあり、マシヤフの念動力を用いた兵器は凄まじい破壊力を誇る。しかし封印戦争(第2次α)の最終局面において、ガンエデンによりもたらされる結果を良しとしなかったαナンバーズによって破壊される。その後自身の台座を失ったナシムの意識はイルイに憑依することになるが、第3次αの最終局面では、ナシムが自身の力と「クロスゲート」を用いて再びガンエデンを復活させ、αナンバーズと共闘。ケイサル・エフェスを銀河より消滅させ、また、役目を終えたナシム及びガンエデンも同じくこの世界から完全に消滅した。
なお、起動状態の時のマシアフは胸部中央に収容されている。
惑星防衛システム「バラル」編集
ガンエデンを含む惑星防衛システム「バラル」とは、守護対象となる惑星を外的危機から「完全に」防衛するためのものであり、大きく2つの能力から成る。1つは、惑星全体にワープ機能や時空間移動すら無力化する強力な結界を張り巡らせることで外界から完全に遮断する能力。もう1つは、攻撃兵器「バラルの塔」を用いて、惑星に害を及ぼすあらゆる者を積極的に排除する能力である。しかしこれらの結果、守護対象である惑星内部の人間は惑星の外へ出ることが不可能となるため、この装置は惑星の防衛というより寧ろ「封印」を目的としているともとれる。さらには守護するのは「対象となる惑星に住んでいる者」だけのため、元はその惑星から生まれた人間であってもコロニーや月に住んでいる者や、友好関係を結んでいる異星人なども攻撃対象に含まれてしまう。
地球側の「バラル」の機能は「バラルの園」と呼ばれる空中要塞に集約されており、中枢制御装置及び結界発生装置である「ガンエデン・システム」、外部への攻撃兵器「バラルの塔」、及び園の外に対し干渉を行うための3つのしもべ(カナフ、ケレン、ザナヴ。プレイヤーサイドの呼称は「クストース」)とその量産機あるいは簡易型(「神僕」と総称される)、などにより構成されている。重要なのは「結界発生装置がガンエデンではなくバラルの園」にあるという点である。そのため、バラルの園が破壊されてしまうと星を結界で包むことが出来なくなってしまう。『第3次α』においてガンエデンが地球の封印を断念しαナンバーズに後事を託したのも、一つにはこれが原因である。
意志決定を司るナシムは、地球に害を為す組織を全て壊滅させたαナンバーズ(鋼龍戦隊)を守護者と認め、惑星封印への理解を求めた。しかし彼らは地球を封印し、さらに地球の外の人間たちに攻撃を行い排除することを良しとせず、ナシム・ガンエデンと敵対。更にマシアフであるイルイまでもがナシムの意志に抗ったため、ガンエデンは破壊され、バラルの園は崩壊した。
なお、「封印後に地球内部で争いが起きた時はどうするつもりだったのか」という疑問があったためか、『第2次OG』では「総人尸解計画を同時に進めて争いそのものをなくす」という対策で疑問を解消している。
登場作品と操縦者編集
αシリーズ編集
- スーパーロボット大戦α
- 未登場だが、実はズフィルードの「ジーベン・ゲバウト」の演出で一瞬だけ光のシルエットとして登場している。追加ルートに行くと第2次αに繋がらないDC版でも同じ。ちなみにこの時のデザインはズフィルードと同サイズのスマートな人型の天使だった。恐らく、この段階ではビッグ・ファイアの搭乗機として設定していたと思われる。
- 第2次スーパーロボット大戦α
- 初登場作品。本作のラストボス。表記は「ガンエデン」。前作のズフィルードのカットインとは全く違うデザインになっており、両足が消滅して全体像が巨大化した。数少ない共通点は中央の人型の部分だけである。
HPは難易度によって30~50万の幅で変化する。HP回復機能などはないので、強力な全体攻撃をかいくぐりつつ、必殺技のオンパレードで立ち向かおう。このボスの特徴は強力な防御能力にある。本作ではサイズ差によるダメージ減少が新たに追加されているので、モビルスーツ等Mサイズのユニットではガンエデンに対して与えるダメージが20%程カットされてしまう。更にイルイは特殊技能にガードを備えているので、実際には約40%もダメージが減ってしまう。この結果、フル改造したHi-νガンダムのフィン・ファンネル(海以外の地形適応:S)ですら僅か4000程度のダメージしか出せず、リアル系ユニットのみでは撃墜にかなりの時間がかかってしまう。この点が考慮されたのか、次回作の第3次αではサイズ差によるダメージ減少を無視する新技能サイズ差補正無視が追加された。尚、イルイの小隊長能力は「マップ兵器無効」というものだが、ほとんど意味はない。
オープニングムービーでアクシズを包んだサイコフレームの光がガンエデンを象る演出がある。 - 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 現状唯一「ナシム・ガンエデン」名義での登場。熟練度57以上、総ターン数420以下が到達条件である真の最終話「今遥か遠い彼方…」においてのみ登場。ラストボスであるケイサル・エフェスのHPを15万以下にした際のイベントで味方増援として出現する。ただ、出現位置がケイサル・エフェスの位置からかなり離れている上に移動力が4しかないので、ケイサル・エフェスと対峙させたいのなら、ある程度のターン消費を覚悟で大急ぎで向かわせる必要がある。能力は最終ボスを務めた第2次αとほとんど変わらず(さすがにHPは30万に収まっているが)、落とされることはまずない。十分彼女の能力を堪能しよう。ガンエデンだけでも霊帝軍団に立ち向かえるが、敵の攻撃力は相当高く、大量のボスクラスによる連続攻撃で30万のHPが物凄い勢いで減っていき、下手すると撃墜されてしまう。更にイルイの小隊長能力が「MAP兵器無効」ではなくなっているので、MAP兵器によるダメージを防ぐ事も出来ない。この辺りには注意しよう。霊帝だけなら殆ど問題なく単機で撃破可能だ。
OGシリーズ編集
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- 「封印戦争」/「母なる星の守り神」で堂々登場。名義は「ガンエデン」。第2次αと比べると、当時でも強かったのがさらに強くなっており、特に防御能力の上昇が著しい。オリジナル能力「神の盾」で貫通属性なしの攻撃は全て半減、「ガンエデンの守護」で残っている神僕の数に応じてダメージを減免するという鉄壁ぶり。さらに「フォロー・ザ・サン」にEN吸収が追加され、以前のようなEN切れを狙う方法は使えなくなった。ただし、本作のイルイはガードを持っておらず、大ボス御用達のブロックも無く、また第2次αで撃墜の壁となっていたサイズ差補正も採用されていないため、「神の盾」さえブチ抜けばダメージを通すのは容易い。何より、特殊武器に対しての対応策がない上に、ダメージ減免+半減なのでどうやってもダメージを防ぎきれない。よって、ロボットブロックを持つゲシュペンスト・タイプRVを上手く使えば、従来どおりのEN切れを狙うことも十分に可能。
- また、バリア貫通武器が一つもないので、バリア持ちで守りの堅い機体なら全くダメージを受けずに済むこともある。
- 「母なる星の守り神」ではクストースを全滅させるか、ステージ開始から5ターンが経過するとフィールド上に配置される。登場と同時にエースボーナスが発動し「絆」を使用するのだが、ガンエデンに加えてクストース3機を同時に相手取るのは厳しいので何としても4ターン以内に全滅させたいところ。なおこちらのルートに進むと、撃破後にユーゼスに乗っ取られてアダマトロンと化してしまう。
装備・機能編集
武装・必殺武器編集
- ヒート・ラハヴート
- 第2次OGで追加されたMAP兵器。上昇後に頭部のリングにエネルギーを集中、光の羽に変えて降り注がせた後、地表近くでそれを高熱体に変換して周囲を火の海と化し、最後に念動力を放って爆破する。
- エデン・ゴラー
- 本体側面のカバーを開いて両腕を展開、そこに念動力の弾丸を生成。左腕の方をストレートパンチを放つようにして射出・命中させた後、敵を自らの傍に転移させ、右腕に残した方で渾身の一撃を加える。P属性の武器。射程1に穴があり、接近すれば撃って来ない。
- 第2次OGでは開いた掌を差し伸べるようにして放ち、敵機の眼前で炸裂させて誘引・捕縛、手の上に戻した後右腕の弾丸と共に周転させ、融合して赤く変色したところを合掌を合図にして爆破する、と大幅に演出が変わった。
- マヴェット・ゴスペル
- 強力な念動弾の連射攻撃。第2次OGでは直接撃つのではなく、周囲の岩塊をズロアやスナピルに変化させ、それらをエネルギー弾と化して一斉に突撃させるという全く別のものになった。なお、どちらのシリーズでも射出時にはガンエデンの歌声が響く。これはゲベルの方も同じ。
- アダマトロンの「エデン・ゲルーシュ」はこの発展型だが、内容的にはαシリーズの方の演出に近い。
- フォロー・ザ・サン
- イルイが真言を唱えて「ガンエデン・ルアフ」(「ガンエデンの聖霊」とも言っている通りルアフは聖霊の意)という竜となり、テフィリン(防御の意)を開放したガンエデン本体から出撃、強力なエネルギーを纏って敵対するものを消滅させる。全体攻撃。
- ちなみに、バンプレオリジナル史上最も露出度の高いキャラであるイルイの全裸カットインを拝めることで有名。
- 第2次OGではEN吸収が追加され、演出が変更。テフィリンを開放した本体からイルイを離脱して落下させ、その途中で彼女を核にガンエデンの聖霊たる巨竜を顕現させ、尾や腕による攻撃をかけた後ブレスで吹き飛ばす、というものになった。ブレス攻撃の〆はゲベル・ガンエデンのものと同じ。地球の反対側へ向かって放たれる辺りはさすがに「母なる星の守り神」ということか。
- ちなみにバルマーの霊帝の名も聖霊を意味するルアフである。
特殊能力編集
- EN回復(大)
- αシリーズ、第2次OG両方で所持。
- しかしαシリーズではフォロー・ザ・サンのEN消費が激しいのと防御能力の高さからひたすら攻撃されるので、最終的には毎ターンフォロー・ザ・サンを数回撃ってEN切れになってしまう。
- フルブロック
- 第3次αのみの能力。この能力のお陰で霊帝軍団の強力な特殊効果を防ぐ事が出来る。これが無かったら、霊帝に辿り着く前に機体がボロボロになってしまうだろう。
- 神の盾
- 第2次OGで所持。
- 全属性ダメージを半減。ようするに歪曲フィールドである。名前の由来は第3次αにおけるシヴァー・ゴッツォの超念動フィールド展開時の没台詞「神の盾」から取られたものと思われる。
- ガンエデンの守護
- 第2次OGで所持。
- マップ上にいる神僕(自軍のユニット)の数×100ダメージを軽減。開始直後は70体以上のユニットが存在していてまともにダメージが通らないため、気力上げの意味でもまずは雑魚を狩ろう。
移動タイプ編集
サイズ編集
- 2L(LL)
機体BGM編集
名台詞編集
αシリーズ編集
- ナシム「私の予想どおり、あなたが愚かな選択をしたからです…」
アラド「愚かだって…?」
ナシム「ええ。所詮あなたは不良部品…。その程度の答えしか出せないでしょう」 - 『第2次α』アラドルート最終話でのやりとり。
- ナシムはαナンバーズを地球封印の障害と見なし排除しようとするが、ここまで誰かを見下した態度を取ったのはアラド相手のみ。
- しかし、直後にイルイの思念による否定が入り、イルイ救出のきっかけとなった。
- 「旅立ちなさい、終焉の銀河へ。死と新生の輪廻を断ち切るために……」
- 『第3次α』の店頭トレーラー第1弾を締めくくる台詞。
- 「ガンエデン」と「イルイ」の両方の声で語られたことから、これを聞いた前作のプレイヤーの中には「え?」と思った人も多い。
- 「地球を守るのは私の役目です…もっとも、銀河中の全ての人を守ろうとするのは私の中のもう一人の意志ですが」
- 『第3次α』より、銀河中心殴り込み艦隊を送り出している最中、タシロとの会話において。
- 内容からするとどうもナシムの台詞のようだが、グラフィックは通常のイルイのものである。
- 「ゲベル…もういいのです…私たちの役目は終わったのです」
「いずれ私もこの少女の中で朽ちていきます。あなた一人を逝かせはしません」 - ノーマルルート最終話「終焉の銀河」にて。
- αナンバーズに敗れてなお足掻くケイサル・エフェスことゲベルの説得を試みた時の台詞。
- だが、悪霊達の王に変わり果てた最後の同胞はそれを聞き入れず、尚も足掻く。
- この台詞は、ハードルート最終話「今遥か遠い彼方…」でも聞くことが出来る。
- 「……………」
「ナシムの子らよ……私は最後の務めを果たします……」 - そのシーンの直後、割り込んできた主人公とαナンバーズを救うためにナシムは最後の力を発揮。
- イデと負の無現力を対消滅させることでケイサル・エフェスを滅ぼし、同時に置き去りになってしまっていた主人公たちをSRXチームを目印に地球へ送り届け、「母なる地球の守り神」は最後の使命を終えたのだ。
関連機体編集
余談編集
- バラルは「混沌」を意味するヘブライ語でバベルの塔の語源とされる。
- 外見は『ウルトラマンガイア』の”根源破滅天使ゾグ(第一形態)”がモチーフとなっている。
- 富士原昌幸氏の同人誌、『鋼の救世主前伝-最終章-』では三つのしもべ同士の戦い、ビッグファイア、及び十傑集&九大天王の錚々たるメンバーと激戦を繰り広げている。構想によると巨大手錠でガンエデン逮捕、敗北にまで追い詰めるなどもあったらしいが、ページと話の都合上バトルは残念ながら大部分が没とのこと。全員の力を結集させフォロー・ザ・サンに真正面から挑めるあたり、富士原氏も言ってる通り、この面々をロボット物に出すのは本当に厄介なのかもしれない。