LM312V04 Vガンダム(Victory Gundam)

リガ・ミリティアが自らの象徴として開発した量産型可変モビルスーツ。Vは「ヴィクトリー」と読む。V2ガンダム登場後は「V1」の愛称で呼ばれた。

機体概要

トップリム(ハンガー)、ボトムリム(ブーツ)、コアファイターの3つのパーツで構成され、各パーツを分離変形合体させる事でモビルスーツとしてだけでなく戦闘機として運用する事も可能。また、このシステムを採用した事によって機体の一部が破損してもすぐに交換して再出撃できるようになっている。ゲリラ戦も想定して造られている為に整備も非常に簡単。量産型とワンオフ機の両方のメリットを兼ね備えた高級量産機である。

コアファイターにはミノフスキーフライトが内蔵されており、従来のモビルスーツと比較してもかなり高い飛行能力を持つ。

量産を前提にしている為、(コアファイターの製造には高い技術とコストが必要とされるが)ハンガーとブーツは消耗品として多数が生産されている。そのため本来は兵器として使用するものではないが、相手の意表を突く奇襲戦法としてハンガーやブーツを敵機にそのままぶつけるという荒業が可能だった。本機は後に量産され、リガ・ミリティアの主力となった。

ちなみに、機体構造の問題からか、コクピットには全天周囲モニターやリニアシートが採用されておらず、一年戦争時のモビルスーツのような仕様になっている。

モビルスーツ形態での飛行能力の他に、原作では全パーツが合体したまま変形した形態やGジェネシリーズでは変形形態(トップファイター+ブーツに分離)も存在する。これはV2ガンダムも同じ。

構成機体

コアファイター
頭部・胸部になる中核パーツ。コクピット部分を内蔵し、小型戦闘機としても運用できる。
武装は頭部のバルカン。
トップリム(ハンガー)
上半身になるパーツ。武装が集中している。コアファイターから遠隔操作が可能。
各ハードポイントに武装を装着できる他、ビームシールドやビームサーベルも内蔵している。
ボトムリム(ブーツ)
下半身になるパーツ。スラスター類が集中している。コアファイターから遠隔操作が可能。
各ハードポイントに武装を装着できる。内蔵武装が無くスピードが出るため、作中では特に質量弾として使われる事が多かった。

各形態

コアファイターとどちらかのパーツ1つが合体した形態。この状態でも不完全ながらMS形態に変形できる。

トップ・ファイター
コアファイターとトップリムが合体した形態。
武装はVガンダムと同等であり戦闘能力が高い。腕を変形させてビームサーベルを持たせた格闘戦も可能。
ボトム・ファイター
コアファイターとボトムリムが合体した形態。
スラスター類が集中しているため高い機動性を持つ。

劇中での活躍

最初はテストパイロットだったマーベット・フィンガーハットが使用していたが、彼女が負傷した事で、ウッソ・エヴィンがメインパイロットを務める事になった。物語前半からウッソ機以外の機体も複数登場し、当初はガンイージなどに乗っていたシュラク隊も、後半では続々とVガンダム・Vダッシュガンダムに乗るようになる。だが、そのシュラク隊の全滅に見られるように、それまでのシリーズにはありえないほど「落とされたガンダム」ともなってしまう。

物語中盤以降、ウッソ以外のキャラクターはヘキサタイプの機体に搭乗するようになったため、V字アンテナの機体はウッソだけが搭乗していた。このウッソ機はV2ガンダム乗り換え時の戦闘でコアファイターが失われるが、その後マーベットの機体の頭部を換装したことで、再び作中に登場することになった。終盤ではマーベットの妊娠によりホワイトアークに搭載されたままとなり、戦争が終結した後、カサレリアにてV2ガンダムと共に放棄された。作中同一機でないにせよ、地球・宇宙・月を転戦して終戦を無事地球で迎えた演出が為された、初の主役機ガンダムであった。

機動戦士Vガンダムと同時期である『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』では、リア・シュラク隊のドゥー・ナウガ・フルスとイー・ライチが搭乗する2機が登場するが、こちらではカラーリングが黒になっている。クロスボーン・ガンダムと戦闘の際には、隊長のトレス・マレスが搭乗するヘキサを合わせて、Vガンダムのパーツの交換の特性を用いている。

登場作品と操縦者

性能的に普通のリアル系機体ながら、作品にもよるが地上でも飛行可能で宇宙世紀モビルスーツでは貴重な空中戦力となる。ザブングルガンダムMk-IIよろしく主人公機ながら複数登場するのも特徴。

旧シリーズ

第2次スーパーロボット大戦G
初登場作品。第1話から使用可能で、原作第1話のVガンダムへのドッキングがイベントで再現された。条件を満たせば2機目を入手できる。途中でメガビームライフルが追加されるが、Vダッシュガンダムにはならない。フル改造するとビーム兵器を無効化するビームバリアジェネレーターがつくので、愛があれば最後まで使える。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
α外伝ではVガンダムヘキサしか登場しないので、αシリーズでは実質本作だけ。パーツアタックが初採用されたが、「ボトムアタック」でトップファイターになるだけに留まっておりハンガーは射出できない。分離は2段階。デフォルトで飛行できる点が最大のメリットである。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦D
地上ルート第1話から使用可能。パーツアタックでコアファイターにまでなれるようになった。ウッソ機とマーベット機の2機が手に入る。その後、宇宙へ行く時にVダッシュガンダム換装可能になる。今回は飛行できないが、適応がSで合体攻撃もある。

単独作品

新スーパーロボット大戦
ウッソの乗機として登場。カミオン護衛マップなどのボスに太刀打ちできるのは本機しかいないので、ビームライフル一発で雑魚を落とせるくらいまで強化しよう。途中でVダッシュガンダムにパワーアップし、更にその後でメガビームライフルなどが追加され、脇を固める機体になれる。
新スーパーロボット大戦 スペシャルディスク
フリーバトルに登場するほか、おまけマップではウッソの乗機として登場する。しかし出撃させなければV2バスターガンダムに乗ったウッソが味方として登場し得る。

装備・機能

武装・必殺武器

武装

バルカン砲
頭部左右に計2門内蔵。
ビームサーベル
両腕のビームシールドユニット内に2本ずつ計4本装備。腕だけで展開できるため予備動作が少ない。また、サーベルは扇状に広げることも可能。
ビームライフル
本機の主兵装。手に持つだけでなく各部のハードポイントに(複数)装着して使用できる。
ビームピストル
ビームライフルのグリップを外すとビームピストルになる。低威力で射程も短い。
ビームシールド
両腕の肘に内蔵。

オプション装備

八つ手ビームサーベル
かつて開発された試作ビームサーベル。ビームサーベルの特徴を生かして八つ手とVのサーベルを繋ぎ合せて広範囲の立方体シールドを発生させ、シノーペ数隻を落としている。
DではVダッシュに換装すると使えなくなる。
ビームスマートガン(メガビームライフル)
開放型メガ粒子発生器を採用した高出力のビームライフル。元々は別の機体用(作中30年前、ちょうどコスモ・バビロニア戦争期に当たる)の試作ビーム砲だったが、使い勝手が良いため、旧式ながら複製・量産された。後のV2アサルトのメガビームライフルの参考にもなった。
基本的にはVダッシュの武装なので持ってないこともある。

戦法

ボトム・アタック
機体のパーツであるボトムリムを敵機に向けて対艦ミサイルのように射出する。ウッソが生み出したこの戦法は他のリガ・ミリティア隊員にも波及した。使用した直後(戦闘中に)トップファイターに変化する。
トップ・アタック
こちらはトップリムを射出してぶつける。
トップ・ボトム・アタック
トップリムとボトムリムの双方を敵機に対艦ミサイルのように射出する。直後、一気にコアファイターに変化する。

召喚攻撃

シュラク・アタック
シュラク隊のメンバーを呼び出す召喚攻撃。呼び出せるのはジュンコ・ジェンコオリファー・イノエDのみ実装。

合体攻撃

ダブル・ビーム・スマートガン
Dのみの合体攻撃。VガンダムとVガンダムヘキサが隣接しているのが条件。

特殊能力

剣装備、盾装備、銃装備
切り払いシールド防御撃ち落としを発動する。
分離
トップファイターに分離する。
換装
Vダッシュガンダムへと換装する。

移動タイプ

飛行可能。作品によっては不可。

サイズ

M
MS形態。
S
コアファイター形態。トップファイター形態。

機体BGM

「STAND UP TO THE VICTORY」

関連機体

Vダッシュガンダム
オーバーハングパック装着状態。
VガンダムヘキサVダッシュガンダムヘキサ
頭部が別タイプの機体。
V2ガンダム
二代目主人公機。
セカンドV
小説版に登場。Vガンダムにミノフスキードライブユニットとメガビーム砲、ミノフスキーシールドを装備したもので基本性能はほぼ同じ。外見はV2バスターガンダムに似ている。ゲーム『SDガンダム Gジェネレーションシリーズ』ではV2ガンダムの試作機と設定されている。間違われやすいが「セカンドVガンダム」ではない。SRW未登場。

余談

  • ボンボン版コミックでは当時流行していた対戦格闘ゲーム『ストリートファイターII』を意識した技(波動拳やサマーソルトキック)を使用したり、騎士ガンダム風の外部装甲を取り付けられたり、7本のビームサーベルを束ねた大型ビームサーベルを使用したりした。コミック版のウッソのキャラクター性と併せて、破天荒な作風を象徴する要素となっている。
  • その身長はプラモのスケールに合わせた際に子供の手にフィットするように、前後のガンダムと比較して線の少ないシンプルなデザインは子供でも描き易くするため等、徹底的に児童層を意識してデザインされたガンダムである。
  • お台場の実物大ガンダムに先駆けること16年前である放送当時、本機の実物大造形物が富士急ハイランドで公開された。

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