スパロボ補正

スパロボ補正(Correction by SRW)

スパロボシリーズにおけるスラングの一つ。

スパロボの醍醐味である所謂「if展開」全般を指す言葉ではあるが、元々は『機動戦士Ζガンダム』のカミーユ・ビダンのように、原作で問題のあった性格がスパロボで軟化され、冷静な優等生タイプの少年として描かれるなど、原作と比較して性格が激変する場合を指して用いることが多かった。

現在はフラグ立てによる死亡回避や和解など、単純に扱いの向上という意味でこの語を用いる場合も多い。この例としては「クロスオーバーや再構築によるストーリー面での優遇」「能力値の高水準設定によるステータス面での優遇」「戦闘アニメーションの作りこみによる演出面での優遇」などのパターンがある。

「原作では短気で粗暴」「原作ではネガティブ」「原作では独善的な理論を振りかざす」「原作では強さが二線級」など、一般的に原作での扱いが良いとは言えない(ユーザーの感情移入を呼び込めない)キャラクターに対しても補正がかかる場合は多く、それらのキャラクターのファンにとっては救済措置の一種ともいえ、補正に期待を抱くプレイヤーも多い。また、スパロボへの参戦は製作者側にとっても、原作とはかなり方向性が異なる設定を試す・或いは原作で未完に終わった設定を追加する機会でもあり、原作者側の協力が得られた場合には非常に強力な補正がかかる場合がある。

この手の補正で有名な例として、性格面では碇シンジ、能力面ではディアッカ・エルスマン、シナリオ面ではシン・アスカ、意外性ではギュネイ・ガス、生存という点ではエルピー・プルダイゴウジ・ガイなどが挙げられる。

単に「該当シナリオがカット」されることで結果的に扱いが向上する例も少なくない。その場合、大抵は「その後のシナリオに影響しない死亡イベント」がよくカットの対象となり、該当キャラクターがスパロボでは無条件で生存……という事例もよくみられる。

尚、稀に「原作よりも頭の回転が悪い」、「原作と違って人間的に成長しない」、「キャラクターが根本から悪い方向に崩壊している」などのように、原作に比べて扱いが改悪される場合もあるが、これらについても基本的にはスパロボ補正と呼ぶ。こちらの方向性に補正のかかるキャラクターの代表例は、原作では死亡しないにも関わらずスパロボでの死亡率が高い三輪防人などである。

代表的な例

ΖガンダムガンダムΖΖ

スパロボへの出演歴が歴代参戦作品でも特に長く、原作再現展開が既に何度も行われてきた事もあり、登場人物達の原作で見せる性格的な負の一面や悲劇の運命が削除される方向に補正がかかる場合が多い。

カミーユ・ビダン
原作では自分の名前が馬鹿にされたと解釈して、ジェリドを殴ったのに始まり、自分をいびったMPをモビルスーツで追い回す、シャアを名乗らないクワトロを殴ったりと、普通に考えて非常識ともいえる凶暴な言動が多いが、スパロボではアムロが常時いて、後輩格のジュドーの存在や、他作品のキャラの付き合いから、少なくとも『α』のようにジェリドやクワトロを殴る描写はあっても、他作品のキャラクターに対してはその要素は薄く、同年代では冷静な優等生といったイメージになっている(その割には、『第3次α』ではジュドーに「昔は荒れてた」等と言われてしまうが)。
劇場版ではTVシリーズで見せたエキセントリックな面が殆ど抑えられ、元々から健やかな様子で描かれているので、結果的に劇場版原作の時点で従来のスパロボシリーズにおけるカミーユに近いキャラクターとなっている。『Z』ではシンと友人になり、大きく影響を与える役どころになっている(相対的にアスランの影が薄くなったが)。
シャア・アズナブル / クワトロ・バジーナ
原作ではなにかとヘタレ扱いされる事が多く、ララァの一件のせいで最後までアムロと和解できず、最期は地球へのアクシズ落としを敢行して破滅への道を歩んでしまう彼だが、スパロボでは基本的に部隊の頼れる大人として活躍しており、最後は自身の生きる道を見出し、名前を本名の「キャスバル・レム・ダイクン」に戻して政治家としての道を歩み出す幕引きも多い。登場した作品にもよるが、『逆襲のシャア』のシナリオが再現されない場合は、原作で最終的に決別する事になってしまったアムロやグリプス戦役終戦後二度と再会することの無かったカミーユとも最後まで決別することもなく良好的な関係である場合も多い。また、アムロ以外にも、原作では一年戦争で死別したララァも死に別れる事なく最後まで共にいられたり、妹のアルティシア、復讐のため死に追いやる事になったガルマとキシリア、恋人だったが決別したハマーンらとも、作品によっては和解できる展開もあるなど、人間関係の面においても救われている展開も多い。
『逆襲のシャア』設定でネオ・ジオンの総帥となっても、『R』のように逆襲を行わないでキャスバルの名で立派にコロニー連合の大統領に就任したり、『CC』のようにハマーン率いるネオ・ジオンに反乱を起こして真っ先にアクシズを破壊しようとしたり、『D』のように一度は地球に絶望して逆襲するも、様々な出来事を経て多くの勢力と同盟を結び自ら指揮を執って再び地球圏の為に戦い、最後は再び人類に希望を見出す展開も描かれており、『第3次Z 時獄篇』においてもネオジオンの総帥として決起した後も時空修復を行い世界を救うべく行動し、目的を果たすために一時的には敢えてかつての仲間達と敵対する事になるもその仲間達への信頼は失っておらず、最終的には無事に自軍部隊に復帰し再び共闘するという非常に熱い活躍を見せている。
フォウ・ムラサメ
登場作品では条件付で原作の悲劇が回避される展開が多く、シリーズものの続編では大体生存している。カミーユ、ファ三角関係を形成する事が多い。
劇場版ではカミーユとの関係性自体が変化しているので、死亡退場も問題なかったものが、『Z』では条件次第では仲間として加入した後は最後まで同行する展開が用意されている(Zシリーズにおいても生存が正史となり無事『第3次Z時獄篇』にて再登場している)。
ロザミア・バダム
上記のフォウ同様に死亡回避&自軍参加が用意されており、そのフォウとの二択となる事も多い。フォウよりも敵対してそのまま死亡してしまう事が多い。
エルピー・プル
本人の人気のおかげか過去作品ではほぼ生存フラグが用意されており(2014年時点では唯一『D』では既に死亡した扱いである)、原作展開の悲劇はオミットされる場合が多い。説得プロセスが不要で最初から仲間に入っている場合も多く、原作で死亡したキャラだという事を忘れる程、死なない展開が最も定着したキャラクター。
プルツー
プル同様、原作での悲劇が回避され、プルと共に味方に加わる事が多い。ただしプルに比べると死亡回避率は僅かに低く、味方にする為の条件が難しい場合もある。また基本的にプルとの関係が原作よりも大きく改善されている。
ハマーン・カーン
原作では最期までシャアと和解できなかったが、『F完結編』や『D』では彼と和解し、共に未来へと歩む姿が描かれている。また、『第2次α』などでもジュドーやカミーユと共闘する姿も描かれている。自軍として使いたいというファンの声が強いのもあるかもしれない。当然、仲間になれば即戦力として使える強さである。

ガンダムSEEDガンダムSEED DESTINY

元々原作の展開やキャラクターの言動に対しての評価が大きく分かれていた作品でもあり、スパロボへの参戦決定時にはスパロボ補正による原作完全再現の回避を希望する声が強かった。特に『SEED DESTINY』は、初登場時では原作準拠の部分も多いが、新作への出演の度にストーリーに大幅改変がなされている。『Z』や『L』に至っては作品程度の補正のかかり方が強烈である。

作品でかけられた補正は多くのプレイヤーを納得させるものであり、スパロボ補正の好例と言える。『K』については後述。

シン・アスカ
主人公キャラとしては碇シンジと並んで救われたキャラ。シンジと同じようによき理解者や友人に多く巡り会え、カミーユ同様に原作での彼の凶暴な面は非常に薄まっている。『Z』・『L』において、遂に名実共に主人公といえる活躍をする。『Z』のifルート、『L』では自らの意志でデュランダルに立ち向かうなど、その傾向が特に強い。ユニット・能力的にも優遇されており、まさに「真のSEED DESTINY」であると囁かれている。『第2次Z』以降のZシリーズや『UX』などの原作終了後設定での参戦時には更に人間的に成長した姿を見せるなど、原作ではまだ描かれていないif展開が多く描写されている。
キラ・ヤマト
各作品においてキャラクター性がやや異なっており、熱血な一面が加わったり巧く論破できない口下手になったりさわやかな笑顔で姉や親友をイジったりしている。『Z』ではキラおよびAA隊がZEUTHおよび各勢力から嫌われているので、かなり印象が違う。しかしキラも終盤までしっかり悩み抜き、後悔、反省もした上で合流するので、上手く纏まっている。特に『K』・『L』では愚連隊行為を行っていない事も相まって、人間的にも立場的にも馴染みやすく一番扱いが良い(これは『Z』の扱いが悪かったためとも言われている)、『L』に至っては最初からシンとの友情が描写されている。
ディアッカ・エルスマン
第3次α』・『J』・『W』で高火力、長距離、優れた精神コマンド持ちと至れり尽くせり。携帯機作品ではアスランが最も覚えないといけないを彼が覚える事が多い。ファンからは「迂闊で残念」と揶揄される『SEED』序盤の戦いぶりからは程遠い強力なキャラクターへと格上げされている印象がある。反面『DESTINY』では地味だったせいか『Z』では仲間にならない、『K』では搭乗機と並んで地味と散々。イザークとはこの辺の扱いが違うが、『L』では条件次第でバスターを乗れるので多少は改善されている。
ニコル・アマルフィ
W』でついに生還フラグ実装。さらに原作で死亡したはずのトールも連れて生還し、アスランキラが和解するきっかけにもなった。
カガリ・ユラ・アスハ
原作以上に空気が読めないor頭の悪いキャラになっていて、人によっては不快感を感じるかもしれない。スパロボ補正がマイナスに働いた例といえる。
しかし、『K』では原作や他作品とは大きく異なり、部隊の頼れるリーダーとして大活躍した。また、携帯機では精神でを覚える分、戦闘面ではかろうじて及第点を越えている。原作終了後の『UX』や『第3次Z 時獄篇』でもオーブの指導者として成長した姿を見せている。
ステラ・ルーシェ
『Z』や『K』ではフォウのように条件付で生存し、シンとルナマリア三角関係を形成する事に。『L』では無条件で生存し、条件付で味方加入する。
フレイ・アルスター
初登場の『第3次α』では原作同様に悪女的な一面が強調されており、他作品のキャラクター達からも嫌悪されるなどややマイナス方向に補正が傾いていたが、『J』、『W』と作品を重ねる内にキャラクター描写や性格も軟化していき、特にWでは原作や第3次αとは大きく異なる「きれいなフレイ」が描写され、また死亡もしない。
ギルバート・デュランダル
原作の描写が曖昧だったためか、『SC2』や『K』のように悪役としての描写に比重を置いて扱われる事もある一方で、『Z』や『L』のように志を同じくしながらも、最終的にはやむなく自軍部隊と対峙し、最期は彼らに人類の未来を託して散っていく悲運の為政者としての側面に比重を置いて扱われる場合もあり、作品によって補正の方向が大きく異なる人物の一人となっている。
ハイネ・ヴェステンフルス
『SC2』、『Z』では声優の事情により原作同様死亡するが、音声収録不要の『K』では条件付で死亡回避&自軍参加が用意されており、『L』では死亡せず必ず仲間に加わる。
レイ・ザ・バレル
『SC2』以外の登場作品では基本的に条件付ではあるが死亡回避&自軍再加入or参加が用意されている。また原作ラストの行動が唐突すぎたため、説得力のある描写などが加えられることもある。

新世紀エヴァンゲリオンヱヴァンゲリヲン新劇場版

主人公のシンジは理不尽の数々に翻弄され続け、その物語の展開もあってネガティブな印象を強く持たれる主人公であるが、そんな彼が前向きに歩むという展開はスパロボ補正の中でも最も典型的なものである。そんな彼の影響もあってか、また作品全体として原作準拠の後ろ向きな展開に進むことが少ないためか、周りのキャラクターにも概ね前向きな補正(=退場を回避する意味での扱いの向上)がかかる事が多い。変更される性格のベースとしては、貞本義行氏の漫画版の性格付けの影響が見て取れる。また、本作物語部分も補正がかかっており、劇場版の展開から他作品の主人公たちの説得で再びシンジが立ち直り(大体アスカも無傷だったりする)、そのまま最終決戦へというパターンである。

その人気と知名度の高さから、様々な展開をしている多くの漫画版の完結によっては、更にストーリーの幅が広がる可能性もある。これらの漫画版もSF好きのGAINAXが得意とする、公式でのパラレルワールド設定が認定されているので、スパロボとの親和性も高い。また、新劇場版の展開による影響なども今後の作品で窺える可能性がある。

碇シンジ
スパロボ補正を最も象徴するキャラの一人であり、スパロボに来て最も救われたと言われるキャラ。原作旧世紀版では一人でネガティブに考え込んでしまう描写が目立つ上に、理不尽な出来事や事件が彼に襲い掛かり更には周りに頼れる友人や大人も殆どいないせいでことごとく成長フラグを折られてしまっている彼だが、スパロボでは理解者となってくれる友人や大人が大勢いるので、他作品の仲間達の協力もあって大きく成長していき、苦難を乗り越えていく。スパロボに参戦した際には殆どの作品で密接に関わることになる他作品のよきキャラがおり、スパロボシリーズにおいて他作品のキャラクターとの人間関係が最も恵まれているキャラクターの一人とも言える。
第3次α』はその極みとも言え、『α』での戦いを経て成長し、一人前の戦士の貫禄がついた。性格も『α』では弱気であったが、『第3次α』では強気に変更されている。さらに、友人となったキラにも多大な影響を与えている程に成長を遂げている。
惣流・アスカ・ラングレー式波・アスカ・ラングレー
原作旧世紀版ではプライドが高すぎるが故に仲間に頼ることが一切なくそのせいで終盤で悲惨な運命を辿るが、スパロボでは彼女もシンジと同じくよき友人達に巡り合えた為か、原作の病んだ一面はあまり無く、『MX』のように修羅場を招くことも多々あるが、基本的には清く正しい正統派なツンデレキャラになっていることも多い。
葛城ミサト
原作における彼女の指揮官としての器を疑問視するファンも決して少なくなく、原作終盤では微妙に精神が追い詰められている描写もあるが、スパロボでは常に周囲から頼られる指揮官の一人として活躍し、原作終盤の微妙に病んだ描写も無いに等しい。また、声優ネタの恩恵もあり、他作品との友人関係が幅広いのもポイント。
鈴原トウジ
EVA3号機の事件にて原作では片足を失う重傷、漫画版では死亡という悲劇に見舞われるが、スパロボでは回避策が必ず用意されているか、無条件で3号機と共に自軍に参戦という補正が加えられている。また、主要キャラには一歩劣るが、十分に戦えるだけの能力値に設定されている。

機動戦艦ナデシコ

TV版と続編である劇場版で雰囲気が変わっている部分も多い作品なので、TV版のみ参戦している『J』などではそもそも劇場版に繋がらない展開になったり、劇場版のシナリオが再現されている場合も最後はハッピーエンドを用意しているパターンが多い。また、ダイゴウジ・ガイはスパロボ屈指の原作を逸脱した活躍を見せるキャラであり、『R』や『W』ではほぼスパロボオリジナルの機体やグラフィックを新造されている。

テンカワ・アキト
TV版のみ参戦の場合は、平穏な生活のままエンディングを迎えるパターンが基本。劇場版では原作ではラストで再び姿を消すこともあり、その後の動向が計れない展開だが、スパロボでは最終的にはユリカ達の元に帰ってくるパターン用意されている。いまのところはバッドエンドで終わりを迎えたことはない。
ダイゴウジ・ガイ
スパロボ補正を受けた代表的な主人公キャラが碇シンジシン・アスカなら、脇役では彼やギュネイ・ガス(『D』)が挙げられる。早々と死亡退場する原作とはうって変わって毎回のように生存フラグが用意され、『J』では主役を食う程のカッコよさを見せたり、『W』では劇場版をイメージした顔グラフィックや機体が用意された。
白鳥九十九
原作では暗殺されてしまうが、スパロボではガイ同様毎回のように生存フラグが用意され、『W』に至ってはハルカ・ミナトと結婚した後に劇場版の展開にも加わるなど、ファンを喜ばせるif展開が用意されている。

宇宙の騎士テッカマンブレード

ブレード』は多くの犠牲者が出る上に、原作でのDボゥイの救いが「何もかもを忘れてしまう事」という悲劇のドラマであり、続編『ブレードII』はその作風やストーリーから、前作ファンの間では評判はすこぶる悪い。しかし『W』ではシナリオを二作とも同時進行させることによって作品のストーリーを融合・再構成し、見事に感動の一大ドラマを描きあげる事に成功した。更に『デトネイター・オーガン』の設定に新解釈を加え、更に融合させることで深みを持たせることに成功した。後述の「作品自体に補正」の傑出した例と言える。

Dボゥイ
J』では曖昧になってしまったが、『W』では「余命数ヶ月」という原作では結果としてスルーされたブラスター化の代償が描かれ、さらには全ての記憶を失うという原作以上の悲劇に見舞われる。だが、駆けつけてきた仲間達の声に応えて復活し、その後もシンヤに託されたクリスタルにより、細胞崩壊も抑えられる。ゴダードが死に際にラダムの支配を脱し、シンヤも自力で倒す事で完全に和解した展開なども用意された。
家族殺し、仲間殺し、記憶を全部失いながらも足掻き続けるという最早救いなど存在せず、正真正銘全てを失った彼だけに、「この奇跡は許されてもいい」と評したプレイヤーもいるはず。
ユミ・フランソワ
原作ではアキに嫉妬したり空気を読まなかったりした彼女だが、『W』では周りがDボゥイとアキの仲を知っている人達だらけという事でDボゥイとアキの再会を見守る事になり、時にはアキを茶化し、時にはDボゥイとアキを二人きりにさせるなどあまり自身の恋心を優先させない(一応、師弟愛を超える事を期待している発言もあるが)。さらに原作の迷言だった「DさんのDはドリームのD」も自らの死期を悟ったDボゥイがユミに全てを託した際の発言となり、Dボゥイの夢を受け継いだ名言へと昇華された。

蒼穹のファフナー 

元々、原作において多くの悲劇に見まわれ、多くの犠牲者が出る展開からスパロボ補正によるシナリオの救済が多く望まれていた。その望みどおり、フラグを立て続けることによって原作の死亡及び離脱キャラクターの多くが生存するというエンディングを迎えることができるようになった。

初参戦の『K』では過酷な条件を満たすことで比較的円満なエンディングを迎えることができる。しかし、皆城総士が死亡する展開だけはシナリオの都合上どうやっても覆すことができない上に、条件を満たさなければ原作以上の悲劇に見舞われてしまう結末は物議を醸した。

UX』では、『K』においてはこじつけに近かった展開を廃し、納得のいくクロスオーバーで補正を働かせている。原作をなぞる展開においても多大な影響を及ぼし、生存条件を満たした状態での原作最終決戦はまさに圧巻の一言。更にキャラクターデザイン繋がりからか『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』と設定を共有し、個々の繋がりを強調し、同一作品であるかのような深みを持たせることで全体のシナリオ含めて大きな評価を受けた。

羽佐間翔子
スパロボ史上稀にみる補正を受けたキャラクター。原作では島を護るために自爆して死亡、一騎達や甲洋、そして容子の心に大きな傷を残してしまったが、『UX』では条件を満たすと「海と大地の狭間」の世界であるバイストン・ウェルに転移し、そこで「女聖戦士」として活躍して自軍に正式参加することとなり、プレイヤーの度肝を抜いた。ついでに自らのオーラ力で持病である肝臓病を完治させてもいる。
一騎達や容子と無事再会を果たし、新たな養子となったカノンとは姉妹となるなど、シナリオ面でも優遇されている。残念ながら『W』のガイのように劇場版を意識した顔グラフィックや義妹との合体攻撃は用意されていないが、それでもイドゥンといった原作では対峙していないキャラとの特殊戦闘台詞、一騎達の友人やカノン、後輩組との特殊援護台詞もきっちり用意している。ちなみに原作では機体に搭乗してすぐに退場になったため、復帰後の台詞は『UX』オリジナル。歴戦の戦士らしい堂々とした台詞が目立つ。まさかの聖戦士化は誰も想像できなかったに違いない。

装甲騎兵ボトムズ

人間同士の戦争が主なテーマである原作では重い展開が比較的多く、敵だろうが味方だろうがキリコに関わった人物の多くは死を遂げ、キリコ当人も仲間との死別を嫌というほど味わってしまったが、スパロボでは幾らか緩和され、原作で死を遂げた味方キャラも生存する展開が用意された(『第2次Z』ではグレゴルーら3人とも生き残りペールゼンへの復讐を果たすことができるなど、結末に大きくスパロボ補正が掛かっている)。

カン・ユー
悪運が強いことを除けば、「無能な上官」を体現した人物であり、キリコらの足を悉く引っ張り続けては部下の顰蹙を買い、しまいにはキリコやフィアナを売り払おうとする行為に憤慨したル・シャッコに突き落とされて死んでしまうが、『第2次Z再世篇』では(差し出そうとした人物が異なったのか)なんと無事に生存した。その後は他作品キャラと手を組むが、ここでも仲間の足を引っ張っては墓穴を掘るという相変わらずの活躍(?)ぶりを見せ、シリーズ続編でも無事に登場し、完全にプレイヤーを笑わせてくれるコメディーな悪役としての地位を定着させて活躍(?)を続けている。

バンプレストオリジナル

そもそも原典が存在せず各タイトルが初出のバンプレストオリジナルキャラクターであるが、OGへの参戦や初出タイトルの移植・リメイクによってキャラ性や基本設定等が改変される場合がある。この場合も便宜上「スパロボ補正」と呼ばれる。

リュウセイ・ダテ
『新』ではあまりにもふざけた一面が目立ったが、αシリーズ、OGシリーズでは『新』での言動がほとんどなく、所謂「王道主人公」的な人物となった。なお、『新』で見られた負の側面はとあるキャラクターへ受け継がれることとなる。
アクセル・アルマー
2度に渡る性格改変が行われた珍しいキャラ。『OG2』においてはあまりにも自分勝手なキャラに改変され、マイナス方向に補正が働いてしまっていた。『A』でもラミアルートでは終始敵ではあったが、その扱いやキャラクター描写故に『A』のアクセルのキャラに親しんだプレイヤー達から大きな反発を受ける事に。『OGs』以降は『A』に近い形への性格面の大幅是正が行われ、GBA版OG2とは異なり生存し、『OG外伝』以降は味方キャラクターとして活躍する。
アインスト・アルフィミィ
『OG外伝』でアクセルとともにまさかの復活を果たしたが、こちらも大幅に性格が変わりエクセレンやハーケンでさえツッコミに回すほどボケまくる。そのアクセルと共に別世界を舞台にした冒険で活躍するという快挙も成し遂げている。
アハマド・ハムディ
ムスリム系要素や元テロリストという設定があったが、社会情勢の変化によりこれが問題となりかねない為か、DS版『魔装機神LOE』ではただのバトルマニアになった。代わりにゲームバランスを崩壊させるプレゼントを持ってきた。
リー・リンジュン
アニメ版『ジ・インスペクター』では出番が大幅に削られたことで元来の良識的な軍人としての面が強調され、『OG2』でのハガネ・ヒリュウ隊との対立などの負の側面やテツヤとの因縁が描写されず、シャドウミラーに寝返ってダイテツの死の原因になることもなくなったので、結果的には扱いが良くなったといえる。尤も、『OGs』・『OGIN』出番削減自体は『OG2nd』への伏線もあるのだが。

スーパーロボット大戦D

元々「if展開」はスパロボのお約束の一つでもあり、どの作品にもスパロボオリジナルアレンジという意味での補正は大なり小なり存在するが、『D』は特に補正のかかり方が強烈であることで有名。その筆頭は前出の通りギュネイ・ガスである。他には前出のシャアも、『D』では「ネオジオン総帥のまま最後まで味方」という意外な展開を見せる。

ギュネイ・ガス
原作では断末魔すらない「名前あり敵その1」の扱いだが、『D』ではなんと男主人公ジョッシュの親友に大抜擢される。物語上での出番も非常に多く、よき友人にめぐり合え、クェスともちょっといい仲になるなど、扱いがかなり向上している。しかも、念願(?)のνガンダム搭乗(特殊台詞あり)も実現。オリジナル主人公と版権脇役との友人関係というパターンも、本作以降度々見られるようになった。
上述のシャアの動向によって彼の立ち位置も大きく変化するのがポイントで、シャアがネオジオンの総帥として味方になる場合は彼も同様に自軍部隊の味方となり、『CC』でもシャアやクェスと共に自軍に参戦し、『時獄篇』でも一時的に自軍に参加し自軍部隊の面々と親交を結び、離脱後もシナリオではその後も再び共闘している。
剣鉄也
原作では『グレートマジンガー』の原作終盤に甲児に主役を奪われてしまい、所謂「不遇な主役」の走りとなってしまったことでも有名なキャラクターだが、スパロボシリーズでも初期は甲児と比較すると比較的に控えめな役回りだったが、参戦を重ねる度に扱いが徐々に向上していき、遂に『α外伝』では実質的な主人公の一人として大々的にクローズアップされ、以降の作品ではスーパーロボットパイロットの先輩格ポジションで、大人びたニヒルな先輩キャラとしての地位を確立する。『D』ではギュネイと共にジョッシュの親友兼相棒として活躍する。
矢作省吾
MZ23が『D』の世界に転移したことで『PART III』に繋がる未来が絶たれた。それだけでも『PART III』にて悲惨な末路を辿る彼は救われたといってもいいかもしれない。戦いが終わった後も由唯ともこれからも共に生きられる、B.D.とも和解できたコトなど、何気に本作に参戦する主人公キャラクターの中でも、原作の結末と比較すると最も救われた人物の一人と言える。
カテジナ・ルースクロノクル・アシャー
物語の経過の中での凄まじいキャラクターの変貌ぶりとその所業故にガンダムシリーズ屈指の悪女との呼び声も高いカテジナと、そのカテジナと比べて徐々に扱いが悪くなり、ライバルらしい活躍もできなくなり最期は「ただの敵パイロットの一人」にも等しい扱いで戦死してしまうクロノクル。SRWシリーズでもその扱いは出演作品ではほぼ原作どおり(カテジナは敵にならない展開もある作品もあったが、原作アニメと違って死亡してしまう作品もあった)だったが、『Vガンダム』が久しぶりにメインとして扱われた本作においては二人にも大きく補正がかかり、フラグを満たせばシリーズ初のカテジナとクロノクルの味方参戦が実現。カテジナも憑き物が落ちたかの如くその性格から狂気が祓われ、クロノクルも自らの苦悩を乗り越え、その後はウッソやシャクティとは原作とは違ったifの関わりや共闘が描かれる。

スーパーロボット大戦K

『K』はスパロボ補正がマイナス方面に働いた例が多いことで有名。酷評されるシナリオ面での批判が、そのまま直結してしまっているといえる。無論、シナリオによって良い方向に働いた補正も存在しているが既存の作品と比べて微々たる程度でしかない。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY
キラ一行寄りのシナリオもあってギルバート・デュランダルの悪役としての面がクローズアップされている。そのため「サルファパトリック・ザラのようだ」と言われた(こちらもシナリオ面で批判を受けた)。
反面原作では未熟な面が目立ち、他のスパロボではアホの子扱いされるのが多いカガリには本編での成長を先取りしたかのように果断な指導者として良い方の補正が働いた(通称Kガリ)。ちなみに、本編では別れてしまったアスランとの恋仲も維持し続けている。さらに、本編では徐々に無能なボンボンに描写されてしまったユウナも成長して有能な人物となる補正が働いている。
機獣創世記ゾイドジェネシス
初参戦の割に作品自体の扱いも全体的に不遇気味であるが、特に主人公であるルージの扱いが悪くなっている。本編においては頭の回転が早く、人の心を掴むことに優れ、最終的にジーン討伐軍の総司令官となるほどの部隊のまとめ役ポジションを担う人物であるのだが、『K』では原作にて成長フラグが立つイベントが尽く削ぎ落とされてしまい、ラ・カンが離脱しないこともないこともあって単なる主人公パイロットの一人のような描写となっている。
ガン×ソード
主人公であるヴァンを筆頭に集団行動を苦手とするキャラクターが多く、自軍部隊と行動を共にするのを危惧されたためか性格面で多くの改変が入っている。具体例をあげるなら、無気力キャラだったのがイライラしがちなキャラに変わったヴァン、ヴァンではなくミストと親交を深めるプリシラ、バトルマニアの傾向があり、復讐にもあっさりと幕を引くレイ、成長しないジョシュア等など。
サコン・シロウ
今作の自軍のバンプレストオリジナルには解説役をこなせるブレーンがいないこともあって、ほぼ全ての頭脳労働が彼に集中している。比喩でもなんでもなく、彼がいなかったら『K』の自軍は勝てなかったと言うかシナリオの進行自体が不可能だった。そのミスト達との馴染みっぷりと八面六臂の活躍はもはやオリキャラであると言われても違和感がないほど。
他作品にも博士・技術者キャラはいるのだが、そういったキャラは部隊に同行していない事や同行するキャラは超技術方面の対応が彼ほど出来そうにない事から全て彼に押し付けられたと推測される。だが、後発作品である『L』を見るに部隊に同行しなくともこういった技術解析や解説というのは十分可能であり、ライター次第だったのだろう。

スーパーロボット大戦UX

全ての参戦作品にプラスな補正が働いたことに加え、Dにも引けを取らないほどの強烈な補正にかかったキャラクターや作品もいる。そして、プレイヤーを特に驚愕させたのが、前述の通り羽佐間翔子である。しかも説得力があり、すんなり納得できる点がクロスオーバーの良質さに拍車をかけている。

バーン・バニングス
ショウとの出会いがきっかけで破滅の道を突き進んでしまい、最終的にショウと刺し違えるという最期を遂げている。ダンバインが参戦したスパロボ作品でも殆どの作品で敵として登場していたのだが、『UX』では敵対こそしれど「怨念を殺された」ことで怨念がだいぶ薄まり、条件を満たせばシリーズで初めて自軍部隊に参戦し、ショウとも和解してともに共闘するという展開でプレイヤーを驚愕させた。
ライカ・クルセイド
原作ゲーム版ではメインヒロインの一人であったのだがアニメ版では原作ゲーム版での出番や活躍、設定が殆どカットされてしまい、サブキャラの一人になってしまっていたが、『UX』では原作ゲーム版での描写や設定も多く取り入れられており、直接的に描写できなかった部分も多くあるものの多大なフォローがされており、サブキャラクターとしては破格の扱いを受けている。
クリストファー・ルーベンス
失態を重ねるコトも多くどうにも小物な印象を拭えない原作とは異なり、『UX』では良心的な人物としての描写も多く、自軍部隊やその支援者を裏から支援し色々と助けるなど、サブキャラクターの中でも原作と違って有能な裏方の協力者としてプラス方向に補正がかかって描かれている(似たような立ち位置ではある意味では『K』におけるユウナヘスターに近い)。
ハザード・パシャ
『UX』で彼にかかる補正は、これまた他のキャラクター(後述の三輪)とは大きく異なり、原作以上に悪辣非道な人物として描かれるという非常に稀なもの。自軍部隊を「悪の集団」に仕立て上げたのは序の口に過ぎず、他作品登場人物の殺害やモブキャラを特攻兵器に仕立てるなど、版権作品のキャラは勿論プレイヤーからのヘイトを一身に集めるレベルの悪事を行っている。

スーパーロボット大戦Operation Extend

エルドランシリーズの子供達や警察官でもある『パトレイバー』の特車2課の面々、そして『ケロロ軍曹』の面々と、原作の作風故に戦争で人を殺めるのに相応しくないキャラクターも数多く参戦している故か、原作で死亡したキャラクターが死亡せずに生存している展開が多く、過去作においては終始敵で最後には死亡することが多かったキャラクターも、本作では生存して最終的に自軍部隊と和平・和解していることも多い(本作でも戦死するドズル以外のザビ家の面々やル・カインギワザなど)。

キシリア・ザビ
OE』では表向きは敵として登場するも裏では自軍部隊の協力者として立ち回り、SRWシリーズで初めて正統ジオンを結成し、ジオンと連邦の和平にも尽力し、その後も進んで自軍部隊に協力する。別のガンダムシリーズの仮面エースパイロットもシャアと共に部下としており、シャアとも最終的には和解しているなど、本作において最も意外な活躍を見せたキャラクターの一人である。
シャフト・エンタープライズの面々
原作においては特車2課に対する強敵として立ちはだかる存在であったが、『OE』では当初こそ原作どおり敵として登場するも後にバドグリフォンが自軍に参戦し、内海達も裏方で自軍部隊を手助けするようになるなど、原作におけるラスボス格の機体や強敵達が早い段階で味方になるという驚きの展開を見せた。

スーパーロボット大戦Card Chronicle

上記の『D』や『UX』とは大いに異なるベクトルで(キャラクターや作品への)補正が働いており、Zシリーズでは描かれなかった「並行世界の同一人物との共演ネタ」が今作でSRW史上初めて実現した。 クロスオーバーも良好である他、大場真来梓ラヴバレルをはじめ本家スパロボに先駆けて登場したパイロットや機体も登場しているなど、プレイヤーを驚かせる点も多い。

矢藩朗利金本平次
原作では米軍へのテロにはじまりオーラバトラーの力に溺れて東京で虐殺を働き、遂には東京に核を投下しようとするなど数々の悪事を犯し、その上自身の悪行を反省することもなく最後まで生存したがために多くの視聴者から嫌悪された。SRWシリーズ初登場の『UX』でもほぼ原作どおりだったが『CC』では大きく展開が異なり、ゼクスエイサップ達の説得を受けて自分達の行いや理念が揺らぎ、朗利は一度は再び暴挙に打って出ようとするも自分達の行いを反省した金本に止められ、その後は共に改心してエイサップ達とも共闘する展開に。原作では主人公の友人ではあったものの人間的な美点も高潔な面も殆ど無い徹底した嫌な悪役として描写されていただけに、そんな彼らが改心して自軍部隊と共闘する展開は、SRWシリーズにおいて幾度と無く数多く描かれてきた敵キャラクターとの和解・共闘展開の中でも特に特異な展開とも言えるかもしれない。
デカルト・シャーマン
原作では主人公刹那・F・セイエイと同じイノベイターにも関わらず連邦軍からモルモット同然の扱いを受けていたせいで性格が歪んでしまい、そのせいでELSの叫びの意味を理解しようともせずひたすらELSを敵として認識し続けた結果、取り込まれて戦死するという劇場版公開前の情報の割にはあまりに悲惨な扱いを受けた。初登場の『UX』では原作通りな上戦闘デモすらなかったが『CC』では取り込まれかけたところを刹那に命を救われる。生存したことで性格面が良い方向に改善され、後にELSとの対話を試みる刹那を『対話こそできないが道を拓くことはできる』と援護したりグラハム・エーカーの特攻を止めて間接的に彼の命を救うなど、なぜこうならなかったと言わんばかりの展開となる。

作品全体、またはその作品の結末に補正

超獣機神ダンクーガ
個々のキャラクターへの補正というわけではなく、作品そのものに補正がかかっていると言うべき存在で、作品そのものに補正がかかった作品の最古参の一つ。ダンクーガスタッフサイドの協力もあり、新作への出演の度に機体名などの設定が肉付けされ、遂にファイナルダンクーガまで登場した。
無敵超人ザンボット3
原作においては中盤まで周囲の人たちに迫害され、最終的に仲間や家族のほとんどを失うというあまりにも悲しい結末で終わってしまったが、スパロボでは神ファミリーは周囲から迫害されることがそれ程無く(迫害描写があったのは『Z』のみ)、戦死者が出ないことが殆どなので、原作での不幸さがかなり薄められている。
伝説巨神イデオン
富野作品やロボットアニメ史に、そして日本アニメ史に残るほどの壮絶なクライマックスを迎えた作品。SRWにおいては参戦した際には、原作とは異なり「イデの発動による全ての滅びと再生からの未来」ではなく、ソロシップの面々の大半が生きて未来を掴む結末が用意されている(『第3次α』では原作を再現したバッドエンドもあるが)。『F完結編』においてはカララハルルの和解が実現し、『第3次α』においてはイデが地球人をはじめ銀河に生きようとする多くの知的生命の命を認め本当の意味で人類ともわかり合い、知的生命体全ての天敵、そしてイデの対存在にして最大の敵を相手に共に戦う展開となる。
マシンロボ クロノスの大逆襲
この作品もダンクーガと同じく、作品そのものに補正がかかっていると言える存在である。原作では敵陣に突っ込んでは苦戦し、時には敵に捕らえられることもあるロムとその仲間達だが、スパロボでは常に頼もしい助っ人としてスポット参戦して活躍してくれる機会が多い。特にロムは登場しただけで場の空気を一変させてしまうほど、スパロボに登場した多くのキャラクターの中でも際立ったヒーロー性を持つキャラクターになった。ただし、その分ロム達の視点のストーリー再現やコミカルな場面の登場などはない。
余談だが、バイカンフーの全高設定は5.79m、57.9m、12mと各資料・媒体ごとにバラつきが大きく、スパロボでは57.9m設定(Mサイズ)を採用している。
冥王計画ゼオライマー
原作のような悲惨な結末を迎えることなく、マサトが美久と共に平穏な生活を送ることになる幕引きが殆どである(戸籍とか色々問題があるようだが…)。
宇宙戦士バルディオス
原作では地球が破滅を迎えてしまうが、『Z』では主題歌通り、明日を救えるマリンアフロディアと和解して共に未来へと歩みだせるのだから、まさに万々歳である。
新ゲッターロボ
NEO』では同作が全年齢対象作品である事、他の参戦作品の登場人物にエルドランシリーズの子供達をはじめ、子供キャラクターが非常に多いという事もあってか、原作におけるバイオレンス描写や血生臭さは薄められており、竜馬隼人のダークさや凶暴性も薄められ、竜馬や弁慶は原作にもあった人情味が強められており、隼人も理知的な側面が強調されている。…それでも過激であると一部のプレイヤーに評されているが。
鉄のラインバレル
アニメ版設定で参戦した『L』では原作漫画版やその雛形である鋼鉄の華の要素を取り入れており、敵役となった上に性格がサディストになり、最後は敵のまま死亡してしまったコトで読者にショックを与えた宗美も味方参戦する際は原作漫画版の性格になるというものとなっている。
原作漫画版で参戦した作品では作者の協力もあってか、『UX』では原作に先駆けてデウスエクスマキナとの決着が描かれたり、『CC』では上述の通り本家に先駆けて大場真来梓ラヴバレルが登場したりとプレイヤーの想像を上回る展開を見せた。
コードギアス 反逆のルルーシュR2
原作では最終的に主人公ルルーシュが自ら世界の憎悪の対象となりゼロに扮したスザクに討たれることで世界が平和になるという素直に喜べない結末を迎えてしまう(とはいえルルーシュが本当に死んだかは疑問もあるが)。だが、『第2次Z再世篇』ではルルーシュがゼロレクイエム後で真相を知った仲間達に救助され、さらにゼロレクイエム前に条件を満たすことで死亡した主要キャラが生存。ルルーシュもゼロレクイエムを遂行する必要がなくなり、殆どの主要キャラが原作よりも救いのある結末を迎える、といったIF展開が用意される(その場合、原作における「皇帝ルルーシュ」の立場をトレーズミリアルドが引き継ぐ)。悲惨なエピソードが多い本作も作品自体の補正に成功したと言える。

その他

張五飛
スパロボでは原作に比べ全体的に空気を読めない言動が強調させる事が多く、一種のネタキャラ的扱いを受けいている。特に『64』では女性蔑視の発言で艦内の女性陣を敵にまわす、一人で敵陣に突っ込んだ挙句洗脳され迷言とともに戻ってくるなど、ある意味優遇された描写が多い。
逆に『SC2』や『L』やZシリーズでは、全編通してかっこいい言動が目立ったり、他作品のキャラクター説得したりと別の方向性で補正がかかっている。
バーナード・ワイズマン
原作では惹かれ合った相手との戦いの果てに戦死(小説版では奇跡的に生存)という悲劇的な結末を迎えてしまうが、スパロボでは生存してクリスとともに自軍入りするルートが用意されることがほとんど。また、なぜかザク好きというキャラ付けがされる事も多く、全体的に原作と比べて軽いキャラになっている事が多いが近年の作品ではそうでもない。
猿渡ゴオ
原作では性格に情けなく不甲斐無い面も強く、同作の女性キャラクターの声優陣からも「何でゴオがもてるのか理解できない」と言われてしまうぐらいダメな描写が目立っていたが、『SC2』では性格のダメな部分が一切無く、スーパー系の頼れるリーダーとして充分な存在感を発揮し、活躍している。また、同作では原作での杏奈ミラを交えたドロドロの三角関係描写が薄まっており、綺麗に纏まっている。『L』でも頼れる大人としての側面が強く描写されている。
三輪防人
彼にかかる補正は他のキャラクターとは大きく異なり、原作で死亡していないのにスパロボではほぼ確実に死亡するという珍しいものである(逆に言うと偶に生存する)。彼は出演したスパロボでは『A』以外は全て(続編で死亡するので第2次αは除外)死亡する運命にある(同じ事がαシリーズカテジナフロスト兄弟、『UX』のヘスター等にも言える)。
独善的な軍の長官というキャラ付けを活用され、様々な作品における争乱の原因になる展開が多く、ある意味スパロボ補正によって新たなキャラ付けがなされた人物であるとも言えなくもない(例えば『A』ではガンダム試作2号機の配備を指示したのは彼ということになっている)。
ミハエル・ブラン
原作(TV版)では想い人への気持ちに素直になれた矢先にバジュラとの戦いで戦死するという悲惨な結末を迎えてしまうが、スパロボにおいては条件次第で離脱する『L』以外(原作終了後の『OE』も含めて)では全て無条件で生還している。前述のエルピー・プルを始めとする「スパロボで死なないことが半ばデフォルト化しているキャラ」の一人と言える。
…ただし『L』における生存条件の致命的なバグや、以前から言われていた「眼鏡割れ」などの要素も相俟ってある意味でのネタキャラ扱いを受けることもしばしば。

メモ

  • 本項、記載が多すぎる気もしますがいかがでしょうか?記載に何らかの仕切りを設けないと、スパロボのif展開が際限なく記載されていくような気がします。
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