XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ(Wing Gundam Zero)
- 登場作品:新機動戦記ガンダムW
- 分類:高性能実験型モビルスーツ
- 形式番号:XXXG-00W0
- 全高:16.7 m
- 重量:8.0 t
- 装甲材質:ガンダニュウム合金
- 開発者:ドクターJ、プロフェッサーG、ドクトルS、H教授、老師O
- 制作者:カトル・ラバーバ・ウィナー
- 主なパイロット:ヒイロ・ユイ、ゼクス・マーキス、カトル・ラバーバ・ウィナー
- メカニックデザイン:大河原邦男
- アビリティレベル(※リーオーをオールレベル100として換算)
- ファイティングアビリティ:レベル150
- ウエポンズアビリティ:レベル150
- スピードアビリティ:レベル160
- パワーアビリティ:レベル140
- アーマードアビリティ:レベル140
機体概要
OZを出奔した5人の技師が、トールギスに次いで設計した最初の「ガンダム」。略称は「ウイングゼロ」「ゼロ」。あらゆる未来予測を導き出し、それをパイロットに教えるゼロシステムを搭載している。
機体出力、推力、機動力はトールギスをも上回る。また初めてガンダニュウム合金を使用したMSでもある。
その設計思想はトールギスをより推し進めたものである、が、さすがに当の技師たちも危険視して開発は設計段階で終了してしまう事になる。
だが、それから十数年後、父親を殺されて怒りに自分を失ったカトルが、H教授の残した設計図(技師たちの話では、これは案の1つだったらしい)から完成させてしまった。
本機に搭乗したカトルは、憎しみの心からゼロシステムに取り込まれてしまう。ツインバスターライフルを分割し、回転しながら掃射する攻撃方法(いわゆる「ローリングバスターライフル」)が有名であるが、これはこの時カトルが行った戦法。
その後ヒイロのメリクリウスと対戦して圧倒。しかし、トロワの捨て身の説得でゼロシステムから解放される事になる。その危険性から、一度は放棄されたが、その力に魅せられたOZの技術仕官トラント・クラークが搭乗した。だが、トラントはゼロシステムの精神負荷に耐え切れず死亡してしまう。こうしてまた宇宙空間に放棄されていたところをゼクス・マーキスが回収して使用。サンクキングダムにおいてヒイロのガンダムエピオンと交戦、お互いゼロシステムに取り込まれた極限の中の戦いで、両機共に負荷で戦闘続行不能になり引き分けに終わる。そして、ヒイロの提案から機体を交換して乗り込み、ここに来て主人公の乗機となる。
なお、この機体には最終的にガンダムパイロット5人が最低1度以上搭乗しており、ゼロシステムを経験しているが、最終的にゼロシステムを使いこなせたのはヒイロだけであった。
ボンボン版では、最終決戦時にエピオンを含むガンダム6機で6機分のジェネレータを使用しツインバスターライフルを放ちリーブラの破壊に成功している。
スパロボシリーズにおいて
ガンダムWはEW版での参戦が増えたため、参戦した作品は多くない。
カトルが乗りゼロシステムにより暴走するイベントが用意されていることが多い。αからゼロシステムが特殊能力となったが、原作で本システムを使いこなしたヒイロ、ゼクス以外のパイロットでも扱うことができる。
過去作品ではより強力なウイングガンダムゼロカスタムへのパワーアップが待ち構えているため、本機のまま運用されることは少ない。
D、第2次ZではTV版のみでの参戦なので、本機のまま最後まで使用されることになる。第2次Zでは今までの不遇さを払拭するかのようにダブルオーと見事なクロスオーバーを見せる。
登場作品と操縦者
旧シリーズ
- スーパーロボット大戦F完結編
- 初登場作品。敵ユニットとして暴走カトルが搭乗しているイメージが強いか?コロニーの地形効果を利用してたりすると、登場時のコロニー破壊イベントに巻き込まれるので注意。条件を満たすと、ヒイロと共に自軍に入る。他のW系ユニット同様に参入時、能力と武器全てが6段階改造済みであるのはありがたい。鉄壁、集中を持つヒイロと相性が良い。
選択肢次第でウイングガンダムゼロカスタムになる。カスタム化を選ぶとかなりの戦力アップが得られるが、ただでさえ使用期間が短いのにカスタム化が終わるまで2話もかかり、その間Wゼロとヒイロが使えなくなってしまうので注意。カスタム化で使用できるのはわずか3話。また、当時ツインバスターライフルは、ツインバスタービームライフルという名称だった。更に、通常版ツインバスタービームライフルをフル改造すると自機周囲範囲型マップ兵器のツインバスターライフル2が追加される。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 味方ユニットとしては一部のルートでしか使用できない。登場シナリオはわずか3話にすぎないが、原作通り出てくるたびにパイロットがころころ変わる(カトル(敵)→ミリアルド(味方)→ヒイロ(味方))のが特徴的。おまけに選択肢次第ではヒイロが乗り込まなくなってしまい(しかもこの選択で熟練度が上がる)、そのままゼロカスタムに乗り換えてフェードアウトしてしまう。不遇な扱いである。
本作品で初めてゼロシステムが特殊能力となった。劇中のような暴走などといったデメリットはなく、パイロットの能力が上昇するメリットのみの能力で、以後も基本的にこの様式が採用されている。 - スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- PS版より射程が伸びた。ウイングガンダムから改造を引き継ぐのだが、全体的に能力は上がっているが、HPと装甲が落ちる。ちなみに本作ではウイング、ゼロ、ゼロカスタムの中で本機の状態が最もHPが低い。
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇
- スパロボD以来久々の参戦。今回ゼロシステムの効果が気力変動型であり、最大で格闘・射撃が+16、技量が+40、その他の能力値が+26上昇する非常に強力な効果になっている。
弾数制MAP兵器としてローリングバスターライフル(自機中心・P武器)とツインバスターライフル(長射程・直線型)の二種類を併せ持ち、最強武器の「ツインバスターライフル最大出力」の高火力も合わさって全機体の中でもトップクラスの性能を誇る。加速と突撃も使えるため、最大射程も半端ない。
シナリオ上でも今までの不遇ぶりを挽回するかのように出番が多く、名称の縁からかゼロと対決する話があり、更に終盤にはゼロシステムの意外な出自、そして双子の兄弟機とも呼べるガンダムの存在が明らかとなる。
「今回のウイングゼロは弱くない」「歴代でも最強のウイングゼロ」という声も多いが、ヒイロ役の緑川光はこのような評価に対して「ウイングはいつだって最強なんだよ!今回(再世篇)は強いってなんだよ!」と憤りを感じているとか。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦D
- スパロボでは初めて最後までこの状態で使う事になる。ウイングガンダムが登場しないので、ヒイロは最初からウイングゼロに乗っている。ストーリー上では、トロワが乗って記憶を取り戻したり、五飛に異星人と戦うビジョンを見せたりしている。本作ではHPは決して高くないので、運動性を強化しリアル系として運用するのがいいだろう。地形適応が空、宇宙共にSなのでステージを選ばず能力を発揮できる。パイロットは、スキルパーツによる射撃の強化が必須だが、カウンターとヒット&アウェイをデフォルトで修得しているゼクスがオススメ。
単独作品
- スーパーロボット大戦64
- カトルの暴走はイベントなので戦う事はない。遠距離武器のツインバスターライフルが強力で、今回はヒイロたちの2回行動も早いので主力で使える。しかし、フル改造によってカスタム化によるデメリットが無いのでカスタムにされてしまうかも。この頃も、まだゼロシステムは特殊能力として扱われていない。
装備・機能
武装・必殺武器
射撃兵装
- マシンキャノン
- 両肩のカバーを180°回転させて、露出した4銃身のガトリング砲で射撃する。牽制用途に止まらず通常のガンダニュウム製MSなら一瞬で破壊が可能な威力がある。展開方式に問題があったのかゼロカスタムではカバーが開くだけに変更されている。
- ウイングバルカン
- 背中のブースターに付属している機関砲で、発射するにはブースターを覆うカバーを展開する必要がある。普通に立つと銃口が上を向く都合上、基本的にネオバード形態用で、スパロボでもそのようになっている(作品によっては付いていない)。ただしモビルスーツ形態でも姿勢次第で使用可能。
- ツインバスターライフル
- ウイングゼロの主武装。2挺のバスターライフルを平行連結したもので、ウイングとは違い機体から直接エネルギーを供給し発射する。その為、発射回数の制限も無く、バスターライフルの倍以上の破壊力を持ち、最大出力では18km程のコロニーやそれより巨大な資源衛星さえ一撃で消滅させてる威力を持つ。また出力をビームライフル程度の出力に調整して連射も可能。通常版。スパロボでも長射程、高威力で燃費も良好な強力な武器として実装されている。過去作品では「ツインバスタービームライフル」と表記されていた。ボンボン漫画版の最終話では機体から直接エネルギーを供給する特性を生かしゼロを含む六機のガンダムによるエネルギー供給でリーブラを破壊したが、この攻撃がスパロボシリーズで再現された事はない。
- ツインバスターライフル(MAP兵器)
- MAP兵器版。2本の直線状の射程を持つ。大抵、弾数:3の武器。
- ローリングバスターライフル / ツインバスターライフル2
- 分割した2丁のバスターライフルを両手に持ち、360°方向へ発射、射角も変更しながら機体を回転させる。この名が付く前はツインバスターライフル2という名称で通常版ツインバスターライフルをフル改造する事で追加される武装だった。ちなみに原作でこの撃ち方をしたのは、暴走状態のカトルで、ヒイロはしていない。
- ツインバスターライフル最大出力
- 第2次Zで追加。文字通り最大出力であらゆる対象を確実に破壊する。カットインはリーブラの破片破壊のシーンと、止めは破壊シーンのラストシーンである。
格闘兵装
- ビームサーベル
- 両肩のアーマーに格納されている。ガンダニュウム合金製のMSをも軽々と両断する出力であり、エピオンのビームソードとも斬り合える程の出力。
防御兵装
- シールド
- 左腕に装着するガンダニュウム合金製のシールド。先端に伸縮機構付きのラムがある。ネオ・バード形態では機首を構成し、バスターライフルを両側に備える。
武装・必殺武器(ネオ・バード形態)
射撃兵装
- ウイングバルカン
- 背中のブースターに付属している機関砲で、発射するにはブースターを覆うカバーを展開する必要がある。普通に立つと銃口が上を向く都合上、基本的にネオバード形態用で、スパロボでもそのようになっている(作品によっては付いていない)。ただしモビルスーツ形態でも姿勢次第で使用可能。
- ツインバスターライフル
- 本形態では分割されシールド部の両側に装備し、主砲として使用可能。
特殊能力
- 剣装備、盾装備、銃装備
- 切り払い、シールド防御、撃ち落としを発動させる。
- 変形
- MS形態⇔ネオ・バード形態へと変形できる。
- ゼロシステム
- 膨大な未来予測データをパイロットの脳内に直接リンクすることで、あらゆる戦術行動を最適化させる装置。それは時にシステムの域を超越した未来予知とも言える未来を見せる事がある。更に脳内麻薬を直接に出し、能力の超強化や痛覚のマヒなどを行う事も可能。だが、パイロットに負荷が掛かり、場合によっては死んでしまう。
移動タイプ
MS形態
ネオ・バード形態
- 空
- 飛行可能。
サイズ
- M
機体BGM
- 「JUST COMMUNICATION」
- 「RHYTHM EMOTION」
- 「汝に大義ありや」
- 再世篇でカトルが乗っている時はこの曲。
対決
- 対ヴァイエイト&メリクリウス
- ゼロシステムに取り込まれ暴走するカトルに、トロワのヴァイエイトとヒイロのメリクリウスが攻防を繰り広げる。
- 対ガンダムデスサイズヘル
- トラントがゼロに搭乗し、デュオのデスサイズヘルと戦闘を行う。パワーでデスサイズヘルを圧倒するが、トラントがゼロシステムに翻弄され死亡する。
- 対アルトロンガンダム
- ゼクスがゼロに搭乗し、ツインバスターライフルを手放し、五飛に協力を要請するため交渉を試みるが、五飛は聞く耳を持たず一方的に攻撃をしかけてくる。五飛が勝負に勝ったら話を聞くと言ったため、そこからゼロもビームサーベルで応戦。しかし、近接格闘戦に特化しているアルトロン相手では、ツインバスターライフルなしでは勝機なしとゼクスは判断しライフルを回収するのだが、ライフルを手にしたと同時にゼロシステムが発動しゼクスはシステムに翻弄されてしまう。
- 対ガンダムエピオン
- 三回対戦して、一勝二引き分け。最初の勝負はウイングゼロにゼクスが、ガンダムエピオンにヒイロが乗り込んで対戦するが、お互いゼロシステムに取り込まれてしまい機体が負荷を起こして引き分けに終わった。二度目の対決はヒイロがウイングゼロ、ゼクスがガンダムエピオンで対決するが、ゼクスが撤退したためまたも引き分け。そして最後の対決では地球圏の命運を賭けた一騎打ちで、ウイングゼロのバスターライフルをエピオンが取り払い、格闘戦の対決となる。そして世界の大勢が決着し、ゼクスは一人の戦士としてヒイロとの決着を図るが、ヒイロの「未来は見えているはずだ!」の一言で、左腕を切り裂かれてウイングゼロの勝利に終わった。左腕を損傷したのはウイングガンダムとトールギスで対戦したヒイロとゼクスの対決と同じ結末であった。
名場面
スパロボシリーズでの名場面
- もう一人の革新者
- 第2次Z再世篇黒の騎士団ルート「革新」にて。イノベイドとの決戦の最中、ヴェーダを奪還したティエリアがセラフィムのトライアルフィールドを発動、ヴェーダの統制下にあった敵機体を停止させ戦況をひっくり返すことに成功する。が、直後にセラフィムがリボンズ・アルマークの攻撃を受け大破してしまう。その後ヴェーダから直接敵機体を停止させるため、ヒイロはゼロシステムとヴェーダを直結させてプロテクトの解除コードを探ることを試みる。それは情報の奔流によってヒイロ自身の精神を破壊しかねない危険な賭けであった。
仲間の反対を押し切ってヴェーダに挑むヒイロ。それを見たリボンズは「人に耐えられるはずがない」と嘲笑するが、対してヒイロはこう言い放つ。「勝手に俺を殺すな」と。そして情報の奔流の中から掴み取ったコードをティエリアに伝え、敵の機体の大半を撤退させることに成功する。このことはリボンズにアイデンティティが崩壊するほどの精神ダメージを与えた。
その後ヴェーダと一体化したティエリアからウイングガンダムゼロに隠されていた秘密―ゼロシステムがイオリアの遺産であったこと、ダブルオーライザーと事実上の兄弟機ということ―が明かされる。ヒイロはティエリアから「イオリアの待ち望んだ人類」と認められ、「もう一人の革新者」として最大級の賛辞を贈られることとなった。
関連機体
全てのガンダムの基本であり、5機のガンダムの手本となった機体である。
- トールギス
- 同じ設計者により、ほぼ同じコンセプトの元開発された機体。
- ウイングガンダム
- 本機のデチューン機と言える存在。
- ガンダムデスサイズ
- ガンダムヘビーアームズ
- ガンダムサンドロック
- シェンロンガンダム
- ウイングガンダムゼロ(EW)
- EW世界観における本機の位置の機体。
搭乗者
二代目主人公機ではあるが、紆余曲折を辿って主人公ヒイロの元に来る事となり、操縦できるのは劇中後半となる。
- カトル・ラバーバ・ウィナー
- 最初に搭乗。ゼロシステムに取り込まれ、暴走してしまう。
- トラント・クラーク
- ゼロシステムの魅力に取り憑かれるが、システムに耐え切れず死亡する。
- デュオ・マックスウェル
- トラントの目論見により無理やり乗せられるが、ゼロシステムに耐え切れず自ら降りる。
- ゼクス・マーキス
- ゼロシステムに翻弄されながらも、やがてはシステムを克服する。
- 張五飛
- 未来が見えないウーフェイに、ヒイロが貸した。そして、彼は倒すべき敵を見つける。
- トロワ・バートン
- ゼロシステムに翻弄されつつも、カトルの説得により記憶を取り戻す。
- ヒイロ・ユイ
- 当初はテストパイロットとして乗り込むが、彼もゼロシステムに翻弄された。そして同じシステムのシステムエピオンを搭載したガンダムエピオンの体験から、遂にシステムを克服する。