特車二課
特車二課とは、『機動警察パトレイバー』シリーズに登場する組織。
概要 編集
泉野明らが所属する部署で、正式名称は「警視庁警備部特科車両二課」[1]。特車二課は主にレイバーを使用した凶悪犯罪に対処するための部署であり、警察用のパトロールレイバー、通称「パトレイバー」を運用して取り締まりにあたる。警視庁警備部特科車両隊に創設された特機部隊を前身とし、多様化するレイバー犯罪に対抗するべく特車二課へと強化再編された経緯を持ち、これに伴い特科車両隊も同時に一課として扱われるようになった。
南雲しのぶ率いる第一小隊と後藤喜一指揮する第二小隊の2隊、そしてレイバーの整備維持に携わる整備班によって構成される。第一小隊は全警察官の中から選抜されたエリート部隊で、隊長の南雲以下、生真面目で優秀な隊員が多いが、第二小隊の設立によって予算不足が際立ち、旧式の機体を使わざるを得ないという不遇な扱いを長期に渡って受けている。一方、第二小隊は新鋭機のAV-98イングラムが配備されているが、隊長である後藤を筆頭に警察官の枠を外れかねない個性的な性格の人員が多く、内外から「独立愚連隊」と呼ばれることも多い。更に第二小隊は第一小隊と比べると犯人確保までに損害を出すことが多く[2]、警察組織内では頭痛の種となっている。
1隊につきレイバー3機(1号機、2号機、予備機の3号機)が配備され、各レイバーに輸送用のレイバーキャリア、バックアップのための指揮車が各1台付随し、これを1班として扱う。3号機はパーツ取り用の予備機という扱いではあるが、特車二課はレイバー運用のための実験部隊的な側面も有するため、これを使用したデータ収集も任務の一つとして扱われる。また、レイバーを運用する際は原則としてフォワード(パイロット)がバックアップ(指揮者)の指示を受けて動くが、現場では臨機応変な対応を求められる場面も多い。
警視庁の直轄部隊であるが、基地は本庁から遠く離れた東京湾の埋立地[3]に存在する。付近に飲食店等が殆どなく、最寄りのコンビニも車で片道45分かかる距離にあるなどまさに「陸の孤島」であり、二課近辺にあり唯一出前を取ってくれる中華料理店「上海亭」が二課の食を賄う生命線となっている[4]。だが、同店が営業時間外の食事に関しては自給自足の必要があり、山崎ひろみの作った家庭菜園、鶏の飼育、高速艇を漁船に転用したハゼ漁[5]で補われている。
隊員らはいつ起こるとも知れないレイバー犯罪に備え、一週間交代の宿直で待機任務につく。彼らは都内でのレイバー犯罪に少数で対応する必要があることから多忙を極めており、特に整備班は損傷したレイバーの修理のみならず、出動に備え機体を万全の状態に維持する必要があり、私生活はほぼ無いといってもよい。
所属人員 編集
メディアによって第2小隊の人員・配属順が異なり、TVアニメ版では「後藤・太田・遊馬・進士・山崎が旧型レイバーを運用している」→「野明とイングラムが配属される」→「香貫花が派遣される」→「香貫花が帰国し熊耳武緒が着任する」、『アーリーデイズ』では「後藤の元に太田・遊馬・進士・山崎、野明が配属される」→「香貫花が派遣される」、漫画版では「後藤の元に太田・遊馬・野明、少し遅れて進士・山崎が配属される」→「熊耳武緒が着任し進士に代わって二号機バックアップになる」となっている。
課長 編集
- 祖父江守
- 特車二課初代課長。
- 福島隆浩
- 特車二課二代目課長。
第一小隊 編集
- 南雲しのぶ
- 第一小隊長。
- 五味丘務
- 1号機フォワード。
- 結城
- 2号機フォワード。
第二小隊 編集
- 後藤喜一
- 第二小隊長。
- 泉野明
- 1号機フォワード。
- 篠原遊馬
- 1号機バックアップ。
- 太田功
- 2号機フォワード。
- 進士幹泰
- 2号機バックアップ兼キャリア担当。香貫花、熊耳の登場後はキャリアに専念。
- 山崎ひろみ
- 1号機キャリア担当。トマト菜園、鶏の飼育も担当。
- 香貫花・クランシー
- 旧OVA(アーリーデイズ)及びTV版前半の2号機バックアップ(指揮担当)。ニューヨーク市警から研修のために派遣された。
- 熊耳武緒
- コミック版及びTV版後半、新OVA版での2号機バックアップ。スパロボ未登場。
整備班 編集
運用機体 編集
- 95式
- 漫画版に登場する、初期に運用されたパトレイバー。民間機を警察用に改修したため、95式改とも呼ばれる。
- 96式
- 漫画版では95式に代わり二番目に配備された機体として登場。『アーリーデイズ』及びTVアニメ版では篠原重工のASUKA95SSLを改修した初代パトレイバーとなっている。
- 97式パイソン
- TVアニメ版に登場。第一小隊に配備された機体。マナベ重工製のMPL-97サーペントを警察用に改良した機体であり、配備当初こそ最先端の機体であったが、1年後に配備されたイングラムの登場により相対的に旧式化していった。
- AV-98イングラム
- 第二小隊に配備された篠原重工製パトロールレイバー。第二小隊に予備機を含めた三機が配備。内3号機はSRW未登場。
- 零式
- 『機動警察パトレイバー the Movie』に登場。篠原HOSでの運用を前提にしたイングラムの後継機。第一小隊への配備を目的に開発が進められ、搭乗員の機種転換訓練も行われていたが、「方舟」事件(エホバ事件)によって立ち消えとなった。
- AV-0ピースメーカー
- AV-X0、AVR-0、AV-X0-2を経て完成した同シリーズの制式タイプ。ニューロンネットワークシステムを搭載し、搭乗員が注意しなくとも機体が自動的に周囲の障害物を避けて被害を最低限に抑えるようになっているが、レイバーの行動を少なからず制限することになる。
- AV-2ヴァリアント
- 劇場版2に登場。2001年の特車二課再編と共に配備された新鋭機。イングラムをシンプルにしたような外見を有している。
余談 編集
- TVシリーズ及び劇場版第2作から十数年後の西暦2013年を舞台とした実写映像作品「THE NEXT GENERATION -パトレイバー-」は東京湾埋め立て計画「バビロンプロジェクト」の終息とバブル経済崩壊による長期不況の影響で運用維持費が嵩張るレイバーは産業そのものが縮小し、レイバー犯罪も激減した為に前々から警視庁の金食い虫と言われ存在意義を失った特車二課は第一小隊が解隊され、レイバーの運用スキルを後世に継承するという名目で存続している第二小隊の日常から物語が始まる。
- なお、第二小隊のみが存続している都合上、2小隊制時代から輪をかけて人員不足であり、待機シフトも2班による交代制となった結果、準待機や非番こそあれ休日がないというトンデモな勤務体制となっている。
脚注 編集
- ↑ 「特殊車両二課」とされている場合もあるが、実在の部署に合わせた表記である「特科車両二課」が正しいと思われる。
- ↑ 漫画版では中盤で初めて損害なしで犯人を取り押さえた際に「設立以来の快挙」とニュース番組で報道されたほどであり、劇場版ではレイバーが暴走して操縦席に取り残された搭乗者が第二小隊が助けに来たと分かって青ざめる描写がある。
- ↑ 立地としては現代のお台場に近く、今野敏氏の小説『夕暴雨 東京湾臨海署安積班』(テレビドラマ『ハンチョウ』の原作)ではお台場近くにある主人公達の拠点「臨海署」の近くに「特車二課」基地が出来るという話があった。
- ↑ しかし、各々に注文が違う20人分の出前の毎日に癇癪を起こした店員とのトラブルが原因で食中毒が起こり、特車二課が壊滅状態に陥ったこともある。この件に関しては熊耳が「特定の飲食店に食生活を依存する状態を改善しなければ、同様か、それ以上に深刻な事態が起きかねない」という旨の改善要求を出している。
- ↑ これは本来漁業法違反なのだがバビロンプロジェクト開始に伴って東京湾の漁業権が消滅しているので合法と細かい設定がある。