レイバー
レイバーとは、『機動警察パトレイバー』シリーズに登場するロボット。
概要
編集レイバー、それは産業用に開発されたロボットの総称である。人間が操縦する多足歩行型作業機械を指し、コクピットを持たない遠隔操縦型であっても「操縦者」がいればレイバーと扱われる。「レイバー」とは元来「労働」や「労働者(労働階級)」を表す英単語だが、直接的な語源は篠原重工が開発した「多足歩行型大型マニピュレーター」の商品名である「レイバー90」とされ、篠原が同機の商標を手放した後、結果同様の作業機械に対する一般名称として浸透したと言われている[1]。
ハイパーテクノロジーの急速な発展と共に建設・土木の分野に広く普及したが、同時にレイバーによる犯罪も急増。警視庁は特科車両二課パトロールレイバー中隊を新設、これに対抗する事になった。レイバー犯罪はそれを用いた強盗・破壊活動からレイバー同士の取っ組み合い(喧嘩)、果ては飲酒運転まで様々である。当然ながらその際の被害は計り知れないものであり、中には警察による鎮圧の過程で被害が拡大してしまうケースもある。
日本ではバビロンプロジェクトによる東京湾開発工事もあって関東圏、特に東京都内では作業用レイバーの稼働率が高い。また、作業用のみならず軍事方面での運用も模索され、ヘルダイバーやブロッケンに代表される軍用レイバーの開発やそれを運用する部隊の編成が国内外問わず行なわれている。更に、このようにレイバー開発が本格化し、需要が急増した1990年代は開発メーカーが総力を上げて市場の覇権を握ろうとしのぎを削っており、一年前にロールアウトした機体であってもその間の技術進歩によってまたたく間に旧式化してしまうことも珍しくはない。中には産業スパイや強奪などの非合法な手段で他社技術を入手しようとする企業も存在するなど、過当競争の様相を呈していった。
レイバーは法的には「特種車両」とされており、機体そのものも「各車」などと車両に準じて呼称される。操縦するためにも「多脚制御機免許」が必要となり、自動車同様にナンバープレートの装着が義務付けられている。しかし、レイバー自体まだ黎明期にあたる技術であり、一般作業用レイバーも警備・軍用機も(火器管制などを除けば)基本的な操縦システムは変わらないため、レイバーの操縦知識がある者であれば誰でも軍用レイバーに乗れてしまうなど、問題も多い。
登場作品
編集単独作品
編集- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 初登場作品。『パトレイバー』の世界観を反映して地球圏の各所で普及しているとされ、宇宙用に改修されたものがスペースコロニーのミラー清掃に使用されていたりする。曰く「そういう細かい作業はレイバー向き」。また、民間の警備会社などもレイバーを採用している。
- 自軍では特車二課の警察用レイバー、敵ユニットとしては軍事用のものが登場。全体的にHPが低めで、基本的に飛行できない。
スパロボに登場したレイバー
編集- AV-98イングラム
- 主役機である警察用レイバー。
- ブロッケン
- グリフォン
- HAL-X10
- ARL-99ヘルダイバー
- 零式
- カルディア
関連用語
編集- 篠原HOS(Hyper Operating System)
- 劇場版で重要な要素となるレイバー用の新型OS。トロイの木馬型コンピュータウイルスが仕込まれており、レイバーのセンサーが高周波を捉えることで暴走を誘発する。
- スパロボでは篠原HOSによって暴走したレイバーの、便宜上のパイロットとしても扱われる。
- 篠原重工
- レイバー製造の大手メーカー。警察と提携し、特車二課に警察用レイバーを導入している。篠原遊馬は同社社長の息子である。
- シャフト・エンタープライズ
- 日用品の製造販売から兵器の受注、人材派遣など、多様な業種に手を広げる巨大多国籍企業。レイバーの製造も行っている。
余談
編集- 制作側曰く、『パトレイバー』以前の「兵器」としてのロボットではなく、「日常生活に溶け込んだロボット」というのがコンセプトだった(詳しくは『ミニパト』第2話「あヽ栄光の98式AV!」で説明されている)。
- 劇場版2ではバビロンプロジェクトの終了と共に関東圏での集中運用体制は終わりを迎えたことで日本各地での運用にシフトしており、それに伴って各県警でもパトロールレイバー隊の新設が検討されている。
- 多足歩行型作業機械とされるレイバーだが、作中では用途に応じて人型に限らず様々な形のレイバーが登場し、水中用レイバー等には足自体持たないものもある。
- 漫画版の後藤喜一はレイバーの展示会を見て「土木機械が人型である必要は無いが、技術力のアピールには格好のスタイル」と評しており、(巨大人型ロボットという非現実的なものが成立しているのは)新しい技術の産物なので形状が最適化されていない・一時の流行のようなものと解釈できる。
- 実写特撮作品『THE NEXT GENERATIONパトレイバー』(SRW未参戦)では、低迷する世界経済情勢にとってレイバーはコストが高く、無人機の発達も目覚ましいので、乗員の訓練や整備維持にも手間の掛かるのが仇となり、不要の烙印を押されて世界中から姿を消しつつある。
- 一方で、『機動警察パトレイバー EZY』では社会基盤を支えるインフラとして定着している。ただし、AI技術による自動化も進んでおり、有人操縦タイプのレイバーは時代遅れとしつつある。
- フルメタル・パニックシリーズの作者賀東招二氏はM9 ガーンズバックの性能の比較対象としてMSと共にレイバーを挙げ、レイバー以上、MS未満としている。
脚注
編集- ↑ 現実でもユンボやカブなど、その車種を代表する商品名がカテゴリの名称として定着する現象は往々にしてあり得る。