テスラ・ドライブ
テスラ・ドライブは、OGシリーズの設定のひとつ。
概要編集
ビアン・ゾルダーク博士が中心となって、テスラ・ライヒ研究所で開発された外宇宙航行用推進システム。
重力制御と慣性質量を個別に変動させることが出来る装置であり、既存の飛行システムを覆す画期的な発明である。初めて搭載されたのは、外宇宙探査航行艦ヒリュウ。
「第1世代型」の完成当初は十分な性能を引き出せず、ドライブ自体も大型で搭載が困難であった。しかしEOTがもたらされると、その技術の転用によりドライブを小型化した「第2世代型」を開発する事に成功する。この経緯から、一部の技術者の間では「テスラ・ドライブそのものがEOTの産物」であるという誤解を招く事になっており、月のテクネチウム基地におけるマオ・インダストリーで開発された「ヒュッケバイン・R」のブラックホールエンジン暴走事故もあってか、EOTを懐疑的に見ている技術者…特にEOTに依存しない機動兵器の開発を目指していたマリオン・ラドム博士からは強い拒否反応を示されていた。しかし、構築された基礎理論や第1世代型のテスラ・ドライブは間違いなく純粋な地球産であった事実から、後にラドム博士は半ば妥協する形で「EOTを使用していない技術」として受け入れ、自らが中心となった「ATX計画」にて開発されたパーソナルトルーパーに搭載する事になっている。
小型化させた第2世代型の完成後も更に研究が進められ、推進剤非依存推進(PIP)[1]機関すら可能になるとの推論も一部技術者の間で立てられる程になった。この推論は、後にディバイン・クルセイダーズ(DC)でプロジェクトTDが立ち上げられるきっかけとなった。ただし純粋なテスラ・ドライブ推進の機体であってもアニメーション上は推進炎の色が違う[2]程度で、燃料を燃焼・噴射して飛行しているように描写されている例がほとんどである。
そのような中、外宇宙からの侵略を予期していたビアンは、極秘裏にパーソナルトルーパーを凌駕する性能を持ち、テスラ・ドライブを標準搭載した機動兵器の開発に着手する。このプランにはロボット工学で高い評価を得ていたフィリオ・プレスティ博士らが参加。ビアンと関わりの深いイスルギ重工のバックアップを受けながら、ドライブの更なる高性能化と小型化を進めた結果、プロジェクトTDの機体を中心に搭載される「第3世代型」の「ツイン・テスラ・ドライブ」の完成に成功する。
そして、史上初のテスラ・ドライブを標準搭載した人型機動兵器のアーマードモジュール・リオンが誕生した。リオンシリーズの生産ライセンスはイスルギ重工に与えられ、DC戦争では極秘に量産されたリオンシリーズがビアン率いるDCの主力となった。
パーソナルトルーパーでは、ヴァイスリッターがテスラ研からもたらされた小型テスラ・ドライブを初めて搭載。PTとしては、初めて人型のまま飛行する機体となった。やがてマオ・インダストリー社など、他社の機動兵器にも用いられるようになった。OGシリーズでは、テスラ・ドライブは新開発された機動兵器の標準装備となりつつあり、既存機体の改修の際も追加搭載される傾向がある。
一方、テスラ・ドライブの小型化が成功した事でそれを弾頭兵器(ミサイル)に組み込んだ兵器である「MTDM(マイクロ・テスラ・ドライブ・ミサイル)」も開発される事になっているが、非常に高性能である反面、製造コストの高さから大量生産には向いていない。
主なテスラ・ドライブ標準搭載ユニット編集
第1世代編集
ドライブの小型化がまだ出来ておらず、大型艦艇クラスでなければ搭載できなかった。またコストも莫大であった。
- ヒリュウ
- OGシリーズの時間軸では、史上初めてテスラ・ドライブを搭載した。
第2世代編集
ドライブの小型化とコストカットに成功[3]し、人型機動兵器に積極的に搭載された。特にアーマードモジュールはドライブの搭載を前提として成り立つ空戦兵器となっている。中でもリオンシリーズは初めてドライブが搭載された量産型機動兵器であり、DC戦争において陸戦兵器主体の連邦軍を大いに苦しめ、その後の連邦軍の兵器体系、とりわけパーソナルトルーパーの空中戦への順応に多大な影響を及ぼしている。
また、単純な浮揚や飛行だけではなく、陸戦型の機体の高機動力の確保や、著しくバランスの悪い陸戦型の機体にバランサー代わりに装備されるなど、技術者たちの創意工夫による応用的使用法が見られたのもこの世代である。
戦艦編集
- ヒリュウ改
- 異星人機(エアロゲイター)の攻撃で大破したヒリュウを大改修し、汎用戦闘母艦として生まれ変わらせた。
- ハガネ、クロガネ、シロガネ
- いずれもテスラ・ドライブで浮遊し、8基のメインロケットエンジン等で推進力を得ていると説明されている。
リオンシリーズ編集
ゲシュペンストシリーズ編集
- ヴァイスリッター
- パーソナルトルーパーで、初めてテスラ・ドライブを搭載した。
- ゲシュペンスト(タイプR)
- GBA版OG2で搭載された。
- ゲシュペンスト・タイプRV
- ゲシュペンストの強化計画ハロウィンプランに則った改修の一環として、テスラ・ドライブを装備。
- ゲシュペンストMk-II(タイプS)
- 量産型ゲシュペンストMk-II改
- ゲシュペンストの強化計画ハロウィンプランに則った改修の一環として、テスラ・ドライブを装備。
- 量産型ゲシュペンストMk-II(シャドウミラーのいた世界のみ)
- シャドウミラーの存在した平行世界では、ゲシュペンストシリーズが長きに渡って制式量産機となっており、標準搭載されている。
ビルトシリーズ編集
標準搭載のドライブのみでは飛行不可能、または困難な機体
- アルトアイゼン・リーゼ
- OG2で標準装備。ただし武装強化による機体バランスの悪化を補うバランサーの目的で追加したもので、飛行能力についてはまったくないわけではないが、質量重量の問題のため長時間飛行できないという、いささか本末転倒な使い方である。ただし、強化パーツ版を別途装備させれば飛行できるようになる。なお、OVAではヴァイスリッターと共に長時間の飛行をしていた。
- アウセンザイター
- 機能限定型のテスラ・ドライブによって慣性質量を低減しているために地上での高速機動を可能にしているが、飛行用ではないので飛行できない。
ヒュッケバインシリーズ編集
- ヒュッケバインMk-IIトロンベ
- エルザム・V・ブランシュタイン(レーツェル・ファインシュメッカー)専用機に搭載。
- ヒュッケバインMk-III
- デチューン時に機動力確保のため装備。
- 量産型ヒュッケバインMk-II
- 地球連邦軍の主力量産機として、リオンシリーズから主力兵器の座を勝ち取った。
Rシリーズ編集
- アルブレード・カスタム
- アルブレードのカスタマイズ機。
- エルアインス
- 平行世界におけるアルブレードの量産型。
ヴァルシオンシリーズ編集
ヴァルシオンシリーズは、OGシリーズではテスラ・ドライブの標準搭載により飛行能力を得た設定になっている。
ゲシュタルトシリーズ編集
- ミロンガ
- ゲシュタルトシリーズの試作型であり、N102-3型を搭載。バンプレストオリジナルの機体で唯一、テスラ・ドライブの型式番号まで細かく設定されている機体である。
- バルトール
- ゲシュタルトシリーズの量産型。こちらには型式番号の設定はない。
その他編集
第3世代編集
ドライブを2基、あるいはそれ以上搭載し、推進剤に頼らずドライブのみで飛行する機種。全機がプロジェクトTDによるAMであり、訓練を積んだパイロットでなければ操縦は困難を極める。ドライブ稼働による恒星間宇宙飛行を最終目的としている。
強化パーツ編集
無印テスラ・ドライブと、強化版のSが存在する。Kでは無印版のみだが、Wスロットシステムもしくは4周以上しなければ入手できないためか、テスラ・ドライブS以上の性能となっている。
テスラ・ドライブ編集
- OGシリーズ
- 移動タイプに空が追加され、飛行能力を得る。さらに、ユニットと全武器の空地形適応が最低Aになる。
- K
- 移動タイプに空が追加され、飛行能力を得る。さらに移動力が+2、運動性が+20され、ユニットと全武器の空地形適応がSになる。対応GBAソフトはスーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION。
- 30
- 移動タイプに空が追加され、飛行能力を得る。さらに移動力が+2、運動性が+25され、ユニットと全武器の空・宇宙地形適応がSになる。
テスラ・ドライブS編集
OGシリーズ並びに『30』で登場。
登場作品編集
αシリーズ編集
携帯機シリーズ編集
- スーパーロボット大戦K
- Wスロットシステムの特典として登場。
単独作品編集
- スーパーロボット大戦30
- エキスパンションパック「その名はOGチーム」クリアで獲得できる強化パーツ。ミノフスキードライブの追加運動性を+5した性能。
- またスーパーエキスパート+モードではモード専用強化パーツとして、テスラ・ドライブSが版権SRWで初登場している。
OGシリーズ編集
関連用語編集
類似するもの編集
- ミノフスキークラフト
- テスラ・ドライブは設定面から見ても「OG版ミノフスキークラフト」である。『αシリーズ』では宇宙世紀ガンダムシリーズと共演していたため、ミノフスキー物理学と共存していたが、そこから独立したOGシリーズにおいて設定が掘り下げられていった。
- ミノフスキードライブ
- 慣性重力装置