サイデリアルは『第3次スーパーロボット大戦Z』に登場するオリジナル敵勢力。
概要編集
様々な星々の勢力から成る星間軍事連合。制圧した他惑星の残存勢力を隷下に収めている。スフィアに関する研究は地球よりも遥かに進んでおり、次元力による事象制御をも可能としている。
スフィア・リアクターが隊長を務める部隊名は「ジェミニス」「鬼宿」「ハイアデス」「アンタレス」となっており、それぞれのスフィアである双子座・蟹座・牡牛座・蠍座を構成する星団や象徴的な星の名前から取られている。また、副官の乗る機体は一般機のカスタムであり、何かしら名前に付け加えられているのも共通項の一つ。
翠の地球を制圧した後、時の牢獄を仕掛けられたもう一つの地球=蒼の地球の動向を伺っていたが、蒼の地球が時の牢獄を破った事で同惑星に対し本格的な侵攻を開始。開戦からわずか二ヶ月で地球連邦軍を圧倒し、蒼の地球の74.9%を征服する(ストーリー進行により変化し、最終的に日本と新世界大陸を除いた全ての地域を支配するに至る)。そして、ロシアに設置した「ラース・バビロン」を首都とし、征服した地域を「
各並行世界において、人類が月に到達した場合に備えて月面に「人類は進化することを許されない種である」というメッセージを残し、それを人類が発見した時にそれぞれの首脳陣の前に現れ、人類の存続と引き換えに服従を強要、進化の監視の代行者としてクロノを組織させた。以後はクロノに指令を送る形で進化を監視しており、その事実は一貫して管理対象種に秘匿されて来たが、蒼の地球においてこの事実が初めて公表されることになった。
本来は銀河中心部が活動領域であり、銀河の覇権争い[1]をしている銀河系最大の組織とされている。だが、皇帝含むスフィア・リアクター達の部隊は屈指の実力を持つものの、元々が複数の星の戦力を無理矢理併合した寄せ集めに近い構成であるため、量的な戦力は決して質が高いとは言えず、大量の無人兵器で補っている面が大きい。銀河から見れば辺境の地球に侵攻してきたのは、銀河系で最も次元力を抽出するのに最適な地球の次元力を奪い、銀河の覇権争いを制する事が目的と目されていた。
その実態は、御使いがスフィアの捜索と収集を目的に結成した下部組織である。組織の大半は御使いによって故郷を滅ぼされた者達で構成されており、謂わば「御使いの被害者達の集まり」とでも云うべきモノであった。
下剋上を恐れた御使いによって、サイデリアルのリアクター達は他者のスフィアを奪取する能力を制限されているため、スフィアを集める方法は他のリアクターを見つけ出しての懐柔策か圧倒的な力を見せつけての屈服、もしくはリアクター候補を用意して奪い取るという方法も考えられていた。しかし、アウストラリス、尸空、エルーナルーナはその裏で御使いに対する反抗の機会を窺っていた。
Z-BLUEの実行したオペレーション・エクリプスによって、徐々に各地の戦力が押されはじめ、遂にはラース・バビロンにおける決戦で、アウストラリスこと次元将ヴィルダークが蒼の地球を去ったことにより「新地球皇国」は事実上壊滅した。銀河方面の本隊は健在だったものの、皇帝の離反によってその力を大きく減少させる事となる。その後は残った残存勢力が尸刻、ダバラーン、サルディアスにまとめられ、Z-BLUEが銀河中心に向かっている間、バアルや御使いのしもべと戦い地球を守っていた。
Z-BLUEが御使いを倒し、超時空修復を成功させたことで、構成されていた様々な星系の人物達は元の並行世界のそれぞれの母星へと戻っていった事で自然消滅した。
登場作品編集
Zシリーズ編集
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 初出。部隊として登場するのはジェミニスのみだが、エピローグにて鬼宿から尸空が顔見せ。
- 第3次スーパーロボット大戦Z連獄篇
- 時獄篇と並行した時間での翠の星での戦いが描かれる。バルゴラ・グローリーを確保し改修している。ハイアデス以外が登場、自軍は主にアンタレスと戦うことになる。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- ハイアデスが登場し、壊滅したジェミニスがアムブリエルのワンマンフォースとして再編成された為、全軍が登場。
- とにかく数が多く、サイズ差や種類も様々、さらにリアクター達は普通に3回行動してくる上にMAP兵器持ち、能力もレベルも高い、スフィア・アクトで徹底的にデバフを撃ってくる、と次元獣以上に鬱陶しい。3人と同時に戦うステージが二つあるが、いずれも今作屈指の難所。
単独作品編集
- スーパーロボット大戦30
- 本編クリア後の戦線ミッションで、本勢力と御使いの機動兵器がエトランゼと呼ばれ、『30』の世界で現れて無差別破壊を行っている。パイロットはイドム。
人物編集
- 皇帝アウストラリス
- 新地球皇国の皇帝にしてサイデリアルの統率者。その正体は…。
ジェミニス編集
母星滅亡時の状況から、この部隊にはアンナロッタ以外の女性がいない。時獄戦役にてアンナロッタは死亡、ガドライトは離反。天獄戦争中期にアムブリエルが加入したのを受け、実質彼女一人のワンマンフォースとして再編されている。
- ガドライト・メオンサム
- ジェミニスの指揮官。「いがみ合う双子」のリアクター。戦場を離れると飲んだくれている。
- アンナロッタ・ストールス
- ジェミニス副長。ジェミナイド最後の女性であり、種族の希望。
- アムブリエル
- 西条涼音の本性人格。「いがみ合う双子」のリアクター候補であり、修復されたジェミニアを駆る。
鬼宿編集
尸刻以外の全員が尸空に倣ってサングラスをかけ、さらに情動がない。
ハイアデス編集
隊員達は異様にテンションが高い。主力は戦艦だが、その機動性は戦闘機のそれと遜色ないレベル。
- ストラウス
- ハイアデスの隊長にして、新地球皇国全軍の司令官。「欲深な金牛」のリアクター。獣のような金色の鎧兜に身を包む。
- ダバラーン・タウ
- ハイアデス副長。ストラウスの片腕的存在。義を尊び正々堂々を重んじるが、闘争本能を抑えきれない戦闘狂の一面も持つ。
アンタレス編集
組織の中では嫌われ者で、「堕ちる」と形容されるほど忌まれている[2]。隊員の大半は「怨嗟の魔蠍」のスフィア・アクトで精神を破壊され、憎しみに凝り固まっている。
- バルビエル・ザ・ニードル
- アンタレス隊長。「怨嗟の魔蠍」のリアクター。一時「オリオン」という名前でセツコらと行動を共にしていた。
- サルディアス・アクス
- アンタレス副長。飄々としたつかみどころのない性格の男。42歳。
- ギルター・ベローネ
- 小隊長。知将を名乗るが実体は視野の狭い小物で、詰めが非常に甘い。
その他編集
運用兵器編集
共通編集
- アンゲロイ
- 主に運用される量産型機動兵器。元々は御使いの兵器であるアルカのデッドコピー。
- 部隊ごとにカラーの違うバリエーションがある。
- デイモーン
- 主に運用される量産型機動兵器。アンゲロイと共に投入される事が多い。
- ティアマート
- 無人攻撃機。デイモーンの上位機で、アンゲロイと同等クラス。時獄戦役の時期にロールアウトした機体で、サイデリアルの兵器では最新。
- バレルアント
- 自律型の機動砲台。地球の生産ラインを接収して運用している。
- エイクロス、アクシオ、ランボルト
- アクシオン財団が設計した兵器と、UCWの作業メカ。生産ラインを接収して運用している。
- グラーティア
- アクシオン財団建造の汎用輸送艦。基本的にはこの戦艦が配備されている。
- アドラティオ
- 汎用戦艦。数少ないサイデリアル純正の兵器であり、それなりに位の高い者に与えられる。主に艦隊であるハイアデスに配備されている。
ジェミニス編集
- ジェミニア
- ディオスクを改修した隊長機。胸部に「いがみ合う双子」のスフィアを搭載していた。天獄戦争にてアムブリエルの専用機として修復された。
- ディオスク
- ジェミニス構成員が搭乗する機動兵器。アンナロッタの専用機として金の装飾が施された「A」が存在。
鬼宿編集
ハイアデス編集
- プレイアデス・タウラ
- ストラウスの操る旗艦で、アルデバルのカスタム型。皇国全軍のフラグシップでもあり、兵からの人気が高い。動力部に「欲深な金牛」のスフィアが搭載されている。
- アルデバル
- ハイアデスが元来所有している機動戦艦。これ自体が巡洋艦であると同時に母艦でもある。ダバラーンの専用艦として青い「バン」が存在。
アンタレス編集
関連用語編集
版権作品における関連勢力編集
余談編集
- サイデリアルとはバビロニア・インド占星術で使われる方式の一つで、黄道十二星座の属する天球上の領域(十二宮)の二つある分け方の片方のことであり、通常の星占いなどに使われているのは「トロピカル方式」と呼ばれる方法。サイデリアル方式での分け方はトロピカル方式とは異なり、太陽を基準点に、十二星座にそれぞれ30度ずつの角度を割り当てる形が取られる。このため、トロピカル方式に比べると太陽が宮に存在する期間とのずれはかなり小さい。
- 占星術ではその人の生まれを「○○座生まれ」というが、原義ではその人が生まれたとき、太陽がどの宮にあったかを示している。たとえば4/14~5/14の間に生まれた人は、その期間は太陽が白羊宮にあるため白羊宮生まれ、となる。日本では分かりやすくするために宮に対応する星座を用い「おひつじ座生まれ」としているが、十二星座と十二宮は元来異なるものであり、歳差によりどんどんずれていくため正確ではない。たとえば現在だと、処女宮の期間はトロピカル方式では8/23~9/22であるが、太陽は9/17頃まで獅子宮にある。
- ジェミニス以外の各部隊の隊長であるスフィア・リアクターと副隊長の名前は、それぞれの部隊名となっている星団や象徴的な星に関連したものとなっている。