ムルタ・アズラエル(Multa Azrail)
ブルーコスモスの盟主であり、アズラエル財閥の御曹司で軍需産業の経営者。その力で国防産業連合理事の肩書きを持って地球連合軍を動かす。
地球連合軍がザフトへ攻勢を強める際に表舞台に登場。このテの悪役によくある「戦場から遠く離れた後方でふんぞり返って指示だけ出す」タイプとは異なり、地球連合軍のオブザーバーとして、自ら戦艦に乗り込み本来危険がつきまとう前線に常に進んで立つなど、行動力に富んでいる。半面、自己中心的で幼児的な性格も見え隠れしており、特にコーディネイターが絡むとその傾向が顕著である。幼少時にコーディネイターの子供との喧嘩や競争で一方的に負けた時の精神的なダメージを今でも引きずっており、それが彼の歪んだ性格を形成する要因ともなっている。
戦艦ドミニオンにオブザーバーとして乗り込み前線に立つが、ジェネシスの投入と三隻同盟の介入でプラント侵攻は失敗に終わる。追い詰められた彼は激昂して艦長ナタルの静止を振り切りアークエンジェルを沈めようとするがムウのストライクの犠牲により失敗。マリューの指揮で発射されたアークエンジェルのローエングリンによってナタルと共に最期を迎えた。
『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』でもスウェン・カル・バヤンの回想シーンで登場している。
経営者としてはそれなりに優秀な人材ではあるものの、本来は民間人に過ぎない彼が、軍艦に乗って指令を下す法的根拠は、本編を見る限り存在しない。現実で言えば三菱重工業やゼネラル・エレクトリックの最高経営者が軍を指揮するようなものである。しかし連合軍側も平然とこの状況を受け入れており、抵抗したのは(作中では)ナタル・バジルールただ一人である。ブルーコスモスの思想は、軍部にシビリアン・コントロールを無視させるほど浸透していたようである。
余談だが、これでも妻子持ちである。ただし設定のみで、劇中で直接登場はしない。
同様に劇中で描写されていない設定として、開戦前はコーディネイターを憎んではいたものの、彼らの虐殺を企てるほど憎んでいたわけではなく、戦争の狂気というものに当てられてしまったが為にコーディネイターに対する狂気染みた憎悪に取り憑かれてしまったらしい。
悪役ではあるが良くも悪くも熱血漢であり、台詞の面白さや特徴的なキャラクター故にファンからの人気も高く意外と愛されており、中の人の影響もあって『盟主王』の愛称で親しまれている。また、中の人である檜山氏にとってもお気に入りの役で、『自分の演じた代表的な悪役キャラ』と評している。
名前の由来はイスラムにおいて死を司る天使、アズラーイールの英語読みから。
登場作品と役柄
スパロボにおいてもブルーコスモスの盟主として他作品の悪役キャラと結託する等の暗躍を見せ、さらに戦闘で台詞があったりと存在感が強いが、敵対するパトリック・ザラと同様に異星人等の人外の脅威を軽視した言動が目立ち、他作品のキャラ達がその事に苦言を呈してもはなから馬鹿にした態度でそれを否定する等、どうにも空気を読んでいない滑稽なイメージも強い。
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 初登場作品。三輪を復帰させたりゼーレと結託するなど、数々の暗躍をする。獅子王凱が駆るジェネシックガオガイガーに対して敵愾心をむき出しにし、ナタルに諌められる(所謂声優ネタ)。ちなみに中断メッセージでは「勇気に頼るな」と発言してナタルにツッコミを入れられる場面も。
- スーパーロボット大戦J
- 第3次αよりも原作に近い活躍で、コルベットと組んで様々な悪巧みを行う。ちなみに今回は第3次αとは逆にユリカに対抗心を燃やすナタルにツッコミを入れる立場。またデビルガンダムにも目を付けるイベントがあるが、特に触れられずに終わった。この作品が関係してるか分からないが、Jの発売後に発売されたゲーム『GジェネレーションDS』では、彼がデビルガンダムの力を手に入れる展開が存在する。
- スーパーロボット大戦W
- 第1部から登場。物語前半からデキムやレナード、コルベットらと結託して様々な暗躍を見せる。今回、フレイが生き残るために勝利の鍵は渡らず、原作通りにならないと思いきや、よりにもよって核より危険なフェルミオンミサイルで決戦に出てくる。叢雲劾からプレア、カナード、ソキウス、生体CPUのような存在を生み出す者として狙われており、ナタルを撃とうとしたところを劾に阻止され、彼に徹底的に追い詰められた挙句、半ば自爆同然の最期を迎えるという原作以上に悲惨な結末に。ちなみに今回はガオガイガーと戦えない。
人間関係
- アズラエルの母
- 文字通り、アズラエルの母親で、アズラエルの人格が歪んだ最大の要因を作った張本人と言える人物。幼少期のコーディネイターの喧嘩に勝てなかったアズラエルが、どうして自分をコーディネイターにしてくれなかったのかと聞いてきた際、平手打ちしてコーディネイターを「化け物」と比喩している。今でもアズラエルの記憶にはこの事が残っているようで、スペシャルエディションIIIにて、その時の回想が語られている。
- ナタル・バジルール
- 部下。コーディネイターに対して敵意を剥き出しにするアズラエルとは相容れず、色々と揉めてしまい、最期は反旗を翻した彼女の捨て身の行動により討たれる事に…。
- ウィリアム・サザーランド
- 地球連合軍内部のブルーコスモス派筆頭。実質的にはアズラエルの腹心で、片腕ともいえる人物。第2次ヤキン・ドゥーエ宙域戦において、艦のブリッジに直撃を受けて戦死した。スパロボでは常に他作品のキャラクターに代役をされてしまう為、現時点では未登場。
- ラウ・ル・クルーゼ
- 敵であるザフトの人間だが、密かに取引しており、フレイを通してニュートロンジャマーキャンセラーの情報を入手し、狂喜する。取引相手の掌で踊っていることに気づかずに…。
- フレイ・アルスター
- クルーゼからの宅配屋。彼女の「戦争を終わらせる鍵を持っている」という発言に興味を持ち、戦闘中にも関わらず保護を指示する。
ちなみに、彼女の父ジョージは大西洋連邦の外務高官で、ブルーコスモス幹部でもある。 - ウズミ・ナラ・アスハ
- 互いに敵対関係になる。
- ロード・ジブリール
- 続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』におけるブルーコスモス盟主。
SEED時代の彼の行動やブルーコスモス内での立ち位置が描かれていない為、二人に面識があったかは作中で明らかにされていないが、この後任者の「決戦時には地下深くに引きこもる」「危なくなると味方を見捨てて逃げ出す」という行為が、図らずともアズラエルの「軍艦に乗って前線に出る」「ジェネシスを喰らってもへこたれずに反撃する」という行為を良い意味で際立たせ、アズラエル本人は何もせずとも汚名返上を果たした。ブルーコスモス盟主としての器をアズラエルと比較されることもあり、自らの手腕で地球連合軍側のほぼ全権限を掌握してザフトと戦ったアズラエルと、デュランダルの掌の上で散々踊らされた末に破滅したジブリールとでは、リーダーとしての質もアズラエルの方が上であったと言える(尤も、最期まで誰かの掌の上で踊らされていたという点は共通しているが)。 - ブルーノ・アズラエル
- 「DESTINY」に登場するロゴスのメンバー。作中ではムルタとの明確な関係の説明はないが、その容姿や同姓である事などから、おそらくは血縁者だと推測されている。ジブリールに見捨てられ、拘束された。
他作品との人間関係
ガンダムシリーズ
- デキム・バートン
- Wでは彼と結託しており、共にコーディネイターの排除を目論んでいた。
- リリーナ・ドーリアン
- 第3次αでは中盤にアラスカにて彼女と会談を行い、ブルーコスモスへの協力を迫るも、当然拒否されると共に、万丈によって彼女を救出される。
- エイパー・シナプス
- 第3次αではオーブ戦で彼を部下として従え、彼にαナンバーズを討つよう指示するが、当然彼が従うわけがなく背かれることになり、怒ったアズラエルは彼を謹慎処分にしてしまう。極刑も危ぶまれたが、無事だった。
- ヤザン・ゲーブル
- 第3次αでは部下。アズラエル自身は彼を熟練パイロットとして評価していた。
- アレンビー・ビアズリー
- Jではウォンに代わり、彼女を操る。
- 東方不敗マスター・アジア
- Jでは原作におけるウォンと同じように彼を「イカレている」と評した。アズラエル自身も充分にイカレているような気がしないでもないが。
- ドモン・カッシュ
- Jではその器の小ささや狭量の狭さ、そして偏狭な思想やコーディネイターのみならずナチュラル以外の人間(異星人との混血児やナノマシン手術を受けた人達)を差別した為彼にも呆れ返られ、「ガキ」呼ばわりされて一蹴されてしまう。
- 叢雲劾
- 脱走した連合軍の戦闘用コーディネイター。自らやプレア、カナード、生体CPUのような悲劇を繰り返さないためにアズラエルの命を狙う。Wでは終盤に彼に追い詰められる事に。
リアル系
- レナード・テスタロッサ
- Wでは彼を雇い、共に様々な陰謀を張り巡らせるが、アズラエルは物事を飄々とゲームのように楽しみ独自の行動を取る彼に懐疑の念を示す場面もあった。なお、彼もアズラエル同様に一見クールを装っているが、その内面はアズラエルに負けず劣らず相当の子供染みたコンプレックスの塊であり、そういった意味では彼もアズラエルと同類の人間である。更に、彼もアズラエル同様に性根の歪んだ最大の原因が「過去に実の母親から受けたひどい仕打ち」であり、最終的にはそのクールぶっていた化けの皮が剥がれて本性を露呈した挙句、(味方だったはずの人間の起こした行動によって)無様且つ惨め、哀れとすら言える最期を遂げる点も共通している(彼が母から受けた「仕打ち」の酷さはアズラエルが母から受けた仕打ちの比にもならないほど卑劣にして残酷なものである)。
- ブルーノ・J・グローバル
- 第3次αではアズラエル達にαナンバーズの戦力を渡さない為に、あえて彼らの太陽系追放の判決を下した彼の手腕を苦々しく思いながらも評価していた。
- ミスマル・コウイチロウ
- JやWでは対立関係にあり、Jでは一時彼を失脚に追いやった。
- アカツキ・ナガレ
- Jではアズラエルを説得しようとするが、結局は見限る。Wでは序盤に早々と彼に縁を切られてしまう。
- アンナ・ステファニー
- Jではコーディネイターだけでなく、ナチュラル以外の人間(異星人との混血児やナノマシン手術を受けた人達)をも差別する考え方を彼女に非難されてしまう。
スーパー系
- 三輪防人
- 第3次αにおける原作でのサザーランドの立ち位置を務める。第2次α終盤に失脚した彼を復帰させ、片腕としている。表向きはアズラエルに従うが、内心ではアズラエルに嘲笑された為敵愾心を抱く場面もあり、徐々に苛烈さを増していくアズラエルの暴挙に本気で辟易する場面も。
- コルベット
- J、Wにおける片腕で原作におけるサザーランドの立ち位置を務める。基本的にはアズラエルに忠実に従っているが、時には彼の無茶に振り回される事も。Wではアズラエルの巻き添えを喰らう形で落命してしまう。
- キール・ローレンツ
- 第3次αでは彼らゼーレと結託する(尤も、アズラエルは彼らの目的など知らず、仮に知っていたとしてもそれに賛同などしないだろうが)。彼らからEVAの鹵獲も命じられていた。アズラエルもゲンドウと同様に彼らを「老人達」呼ばわりしており、彼らに対して快い感情は抱いていなかったと思われる。
- サントス
- 第3次αでは直接関わる場面はないが、彼とも裏で繋がっていた様子である。
- 破嵐万丈、アラン・イゴール
- 第3次αでは連邦を蝕むブルーコスモスを探る中で、アズラエルの暗躍を追っていた。また、万丈に対しては「コーディネイターとメガノイドは同類である」という持論を否定されると共に、リリーナを救出される。
- 剛健一
- Jでは同じくコーディネイターだけでなく、ナチュラル以外の人間(異星人との混血児やナノマシン手術を受けた人達)をも差別する考え方をアンナと同様、彼にも非難されてしまう。
- 獅子王凱
- 第3次αでは声優繋がりの為か妙に彼に(というかその乗機に)過剰に敵対心を燃やす。Wでは残念ながら直接対決は実現せず。
- 光司鉄也
- 中の人が同じ人物。今のところ彼とは共演したことはないが、スパロボでは声優繋がりかアズラエルを意識したような台詞を言う。
名台詞
- 「あー、もうダメダメです、そんなの。この戦力で攻めて制圧できなかった国なんて、消えてもらった方が後の為でしょう」
- オーブ攻防戦で、オーブから会談の要請がきていると言われて。
- 「どうして僕をコーディネイターにしてくれなかったの!」
- 幼少期に、コーディネイターとの喧嘩に勝てなかったアズラエルが母親に叫んだ台詞。コーディネイターに対する根強いトラウマは、この当時からあった模様。
- 「もともと僕らは弱い生き物なんです。だから『強い牙を持つ生き物』はちゃんと繋いでおくか、退治しないと危ないですからねぇ」
- 反コーディネイターの思想を正当化しようとした場面。『強い牙を持つ生き物』は言うまでもなくコーディネイターの事を指しているが、所詮は子供じみた弱者の屁理屈でしかない。
- 「アハハハハ、ィいやったあああ!!」
- ニュートロンジャマーキャンセラーを入手し、異様にハイテンションになって放った言葉(表記はSEEDアニメコミックよりそのまま抜粋。ゲーム内では異なる)。実際に聞けば分かるが、声優の名演(というか怪演?)も相まって凄く嬉しそうである。これらの名台詞により、ネット上では『某盟主』、『僕らの盟主様』などと呼ばれ、非常に親しまれている。
- 「核は持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃない。強力な兵器なんですよ」
「兵器は使わなきゃ…。高い金をかけて造ったのは使うためでしょう」
「さ…さっさと撃って、さっさと終わらせて下さい、こんな戦争は」 - アズラエルの戦争や兵器への考え方が如実に出ている台詞の一つ。第3次αではアズラエルのこの台詞は、あの三輪長官も唖然とさせた。ちなみに兵器には見せて脅すという使い方もあるので、この発言は間違いとは言えないにしても、正しいとも言いがたい。(本編中でもアンドリュー・バルトフェルドがジェネシス発射後に指摘しているように、核(および原作アニメやゲームにおけるジェネシス)のような兵器の本来の存在価値は、相手国にその保有を見せる事で自国への攻撃、侵攻を断念させたり、降伏させるという『戦争の抑止』である。もっとも、「作ったら使いたくなる」のが人間というものであり…)
- 余談だが、後年あるロボットアニメにて、アズラエル同様に檜山氏が演じた悪役キャラが、このアズラエルの台詞と似た事を言っている。
- 「勝ち目のない戦いに、『死んでこい』って自分の部下を送る人達より、僕の方がよっぽど優しいと思うけど?」
- 核を使用した事に批判的な発言をしたナタルに対し、アズラエルが言った言葉。 アズラエルが正しい、優しいのかはともかく、ナチュラルとコーディネイターの戦争で、ナチュラル側が圧倒的不利で犠牲が多いのは事実で、もはや奇麗事を云々言っていられないのも、確かと言える。この為か、言われたナタルも何も反論出来なくなった。
- 「あそこに!! あんなもの残していくわけにはいかないんだよ! 何がナチュラルの野蛮な核だ…! あそこからでも地球を撃てる奴らのこのとんでもない兵器の方がはるかに野蛮じゃないか! そしてもう、いつその照準が地球に向けられるかわからないんだぞ! 撃たれてからじゃ遅い…!」
「無茶でも何でも絶対に破壊してもらう! あれとプラントを…地球が撃たれる前に!」 - ジェネシスの発射に怒って。悪役の台詞ではあるが、なかなか熱血な台詞。また、地球が危機的な状態にある事を一応は理解している模様。尤も、自分が核攻撃を仕掛けた事でジェネシスを使用させる口実を与えてしまったとは認識していないようである。(ジェネシスの存在は発射の直前まで隠蔽されていてアズラエルにも予想外のことではあったが)
- 「自軍の被害は最小限に! そして敵には最大の被害…戦争ってのはそうやるもんだろ!」
- 言っている事自体は戦争の進め方としては当然の事であり、一般兵にしてみればアズラエル側で闘っていれば命を落とす確率も減るわけで、そういう点ではジェネシスの射線上にまだ自軍がいるのも構わず発射を急がせたパトリック・ザラとは対照的である。尤も、繰り返すが、アズラエルが本当に優しいかどうかはまた別の話である。
- 「僕は勝つんだ…そうさ、いつだって…!」
- アークエンジェルに向かってドミニオンのローエングリンで反撃しようとして。最後の最後まで、自身の敗北を認めようとせず、必死に抗おうとするが…。
- 「うおあああああああああ!!」
- 断末魔。最期はアークエンジェルより放たれたローエングリンの光に飲まれ、アズラエルは宇宙の藻屑となった。
スーパーロボット大戦シリーズの名台詞
αシリーズ
- 「あのライオンロボ……なんとなく、気に入りませんね」
「あのライオンロボをなんとかしろよ!」 - 第3次αでジェネシックガオガイガーに対して発生する特殊戦闘台詞。言うまでもなく声優ネタである。
- 「でも、あの異星人と地底人達、僕達には攻撃を仕掛ける気がないようです」
「これはチャンスですよ。奴らの力を利用して、オーブを叩き、αナンバーズを服従させましょう」 - 第3次αでオーブを襲撃したシナリオにてムゲ・ゾルバドス帝国と地底帝国が乱入した際、αナンバーズに協力してそれらを撃退するようシナプスに進言されるも、当のアズラエルは彼の進言に耳を貸さずに漁夫の利を狙おうとした。当然、シナプスは激怒し…
- 「僕はね…! 彼らの戦力を手に入れろと君達に命じたはずだよ!」
「確かに邪魔者は消えたさ。でも、これじゃあ僕の目的は半分しか達せられないじゃあないか!」 - 第3次αの中盤、αナンバーズを太陽系追放に追い込んだものの、戦力を手に入れられなかった事で三輪の不手際を責め立てる。キレ方が玩具を買って貰えずに駄々をこねる子供のようにも見え、彼の普段の紳士的な面の裏に隠された幼児性が垣間見える場面である。
- 「あの議長…大した策略家だよ。こちらの意図を読んで、奴らを手の届かない所へ送り込むとは…!」
(加えて、あの人造人間が手に入らなかったことを知れば、老人達も黙っていないだろう…) - 前述の遣り取りの後、苦々しく思いながらもグローバルの手腕を評価した。なお、ここで彼が言っている「人造人間」とはエヴァンゲリオンの事であり、「老人達」とは言うまでもなく同作においてブルーコスモスを裏から操る黒幕・ゼーレの事である。
- 「その言葉、君の経歴を見る限り、信じていいものか疑わしいね…」
- 上記の台詞の直後、「αナンバーズの戦力がなくても連邦軍の総力を挙げて異星人もコーディネイターも打ち破ってみせましょう」と意気込む三輪長官を嘲笑して。この嘲笑には、流石に三輪長官も内心腹立たしく思っていた。
- 「…まだ自分の立場がわかってないのかい? 君はね…僕の言う通りに動いていさえすればいいんだよ…」
- 上記の台詞の後、連邦軍の今後の方針を一人で勝手に決めて、ナタルを連れて出撃しようとした際、三輪長官に行動方針に疑念を問われた際の返事。なんとも高飛車で傲慢な返事である。同じく傲慢である三輪長官も、このアズラエルの態度には面食らい、呆然とするしかなかった。
- 「敵に確実にダメージを与えたいときには、精神コマンドの熱血と必中を使いましょう」
「勇気などという不確かなものに頼っていてはいつか敗北しますよ」 - 同じく第3次αにて中断メッセージの台詞。これも声優ネタな上、直後にナタルに勇気が精神コマンドにあることに突っ込まれている。しかも勇気の効果には直前に本人がアドバイスしていた熱血と必中が含まれているわけで……。
携帯機シリーズ
- 「さすがオーブの獅子王なんて言われるウズミ・ナラ・アスハ。期待通りですね。いやお見事」
- Jにてオーブ侵攻の際に。確かにウズミは「オーブの獅子」と呼ばれてはいるが、わざわざ「獅子王」と言っちゃう辺り、思わずニヤリとくる台詞。勿論、Jには参戦していないあれを意識した台詞。
- 「何か私情が入ってませんか?」
「そうですか?貴女ならよくわかるのでは…」 - Jにおける対ナデシコ時の台詞。ナタルの声優ネタの混じった言動に時にはクールに、時には呆れながらつっこむ。第3次αにおける対ジェネシックガオガイガー戦におけるナタルとのやり取りとは逆のポジションなのもポイント。
- 「あの爺ィがあそこまでイカれてるなんて、考えませんよ普通!おかげで一年がかりの仕込みがパァだ!」
コルベット「どうします、今攻撃すれば、敵は疲弊しているはずですが」
「腹いせに、ですか。勝手に何でもしてください、僕は寝ます!」 - Jにて、デビルガンダムを破壊された際のコルベットとのやり取り。不貞腐れて不貞寝を決め込んでしまう。これにはコルベットも少々呆れ顔だった。
- 「何が引き際だ! 言っておくけどな、君みたいにナノマシン手術を受けた火星の連中も、僕から見ればコーディネイターと変わらないんだ!」
「黙れ! 地球で生まれて育った者が、青く美しい世界を守る、それがブルーコスモスの理想なんだ! 君や、宇宙人の血が混じった奴らじゃない!」 - Jの終盤でアカツキに説得された時の反論。アカツキのような火星の人間だけでなく、エイジのような異星人の混血児までもコーディネイターと同類であると言い放った。当然、それに当てはまる相手とその仲間の怒りを買ってしまう。挙句にドモンからはガキ呼ばわりされて一蹴され、アカツキからも完全に愛想を尽かされてしまう。
- 「…今、なんて言った…?」
「…その言葉を言ったことを後悔するぞ…!」 - 上述でドモンにガキ呼ばわりされた時の反応。喜怒哀楽を激しく表す事の多いアズラエルにしては珍しく、静かに怒りを露にしている。
- 「ああ! 勝利の鍵が!」
- Wでフレイをノイ・ヴェルターに救出されてしまった時の台詞。もちろんこれも言うまでも無く『ガオガイガー』に因んだ声優ネタである。
- 「じゅ、銃が…!? 何者だ、お前は!!」
- Wにて、ナタルを銃撃し、銃を構えたままノイ・ヴェルターの殲滅命令を下そうとした際、劾の銃撃によって銃を弾き飛ばされて。ご丁寧に劾はこのアズラエルの台詞に対し、「お前に名乗る名はない」と返してくれる。言うまでもなく、このやり取りには劾と同じ声の某兄さんのお約束の口上展開のパロディである。
- 「網膜の管理コード…お前は…まさか戦闘用の…」
- Wにて、劾に正体を問い質した際、彼がサングラスを外して己の正体を仄めかし、彼の正体を察して。直後、彼に怒りに満ちた眼差しと共に威嚇射撃を向けられ、恐怖の余りに完全に怯み上がってしまう。その無様さに、劾はアズラエルを「引き金を引く価値のない男」と断ずる。
- 「待てよ、お前ーっ! 戦えよ!それでも軍人か!!」
「待てよ! 待ってくれよ! 僕は…僕はあいつらを…コーディネイターを!!」
「くそっ…くそーっ!! 僕をおいていくなああああああっ!!」 - アズラエルを自分が撃つに値しない男と断じた劾は、ドミニオンの乗員に脱出を促す。アズラエルは自分を見捨てて脱出していく乗員達、そして劾に連れられて脱出するナタルに激怒するが、劾に痛烈な皮肉を浴びせられ、ナタルにも「あなたはここで死すべき人だ」と言われてしまい、とうとう一人ドミニオンの艦内に取り残されてしまう。一人で喚き続けるその姿は、実に無様で哀れなものである。この後、彼はコルベット共々自滅同然の最期を迎える事となった。
余談だが、後年のスパロボにもスパロボオリジナル展開で似たような最期を遂げたキャラがいる。