自衛隊
自衛隊(Japan Self-Defense Forces)とは、現実に存在する、日本が所有し、領土・領海・領空の安全保障を担う唯一無二の軍事組織。
概要
陸・海・空の戦力に加え、それらを統括する統合幕僚監部によって構成されている。第二次世界大戦の敗戦により解体された旧日本軍に代わる軍事組織であり、国際社会では事実上の軍隊(Japan ○○…陸海空各軍の名称)として認識されているが、日本国憲法第9条の関係上から「日本国内においては軍隊ではない」と扱われている。1990年代以降は国連平和維持活動の一環として海外派遣が行われ、各地での人道・復興支援などを行っている他、重大災害地域での救助活動といった消防組織では手に負えない事態にも、知事や総理大臣の出動要請で出動する。
フィクション作品における扱い
自衛隊は日本のフィクション作品においても度々登場するが、その扱いは作品の方向性によって多岐に変動する。特に自衛隊の「実質的に軍隊に相当するが、公的に軍隊とは扱われていない組織」という微妙な立ち位置から、ある種現実と同様扱いには多くの問題と面倒さを孕んだ組織であり、政治的事情から階級その他等の用語の"言い換え"を強いられているという面もグローバルな軍隊が当然のように存在するフィクション作品の中では少なからず影響することがある。それらの通常の「軍隊」と比較して多くの制限があるというイメージや、憲法上の取り扱い等の現代日本特有の諸問題が必然的に戦いを描かなければならないロボットアニメ等においては逆に障害となる側面も否定出来ない。
しかし、それでも日本での戦いを描く上で軍事組織の存在は描かなければならない要素であり、また実在する分下手に「日本の軍隊」を設定するよりも各所にカドが立たないこともあり、自衛隊は様々な作品で登場している。ちなみに強大な敵が存在するという都合上、現実の自衛隊よりも強力な兵器を保有している場合が多く、作品によっては政治的制限すら限界突破して「何故か保有している核兵器を、現場の勝手な判断でぶっ放す」という政治家や役人卒倒ものの描写がされることもある。
エルドランシリーズにおける防衛隊のように、自衛隊そのものではないがモデルにしたような組織が登場する作品もある。逆にコードギアスシリーズのように、第二次世界大戦やアメリカ合衆国が存在しない世界では自衛隊も存在しない。
自衛隊が登場する作品
- 新世紀エヴァンゲリオン
- 自衛隊はセカンドインパクト後に国連軍へと統合されたという設定であり、作中登場する国連軍の日本部隊は実質的に自衛隊である。それとは別に、独立した「日本軍」である「戦略自衛隊」も登場。管轄省庁は国防省で、国連軍に編入された自衛隊(防衛庁)とは管轄省庁が違う[1]。
- 劇場版においては、日本政府令の下ネルフ本部を襲撃する。ネルフがテロリストと認定されたのもあるが降伏した非武装の一般職員を虐殺するようなシーンもあり、覚醒したEVA弐号機には無双されてしまうなど悪役ややられ役的な比重が大きく扱いは悪い。
- 何より救われないのが、戦自やその隊員たちは終始サードインパクトの阻止に動いているのが、実際はサードインパクトを起こす側によってサードインパクトを阻止する側を全力で妨害していると本人達の意思とは真逆の行動を行っている。ゼーレやゼーレに嘘を吹き込まれた日本政府の命を受けた為、仕方ない部分もあるが、最後まで自分達が利用されていた事にも、本当は妨害した事実にも気付く事なく、あくまでも「作戦は失敗」と認識し塵一つ残さず消滅した姿は悲しいものがある。
- SRWで劇場版が再現される場合はティターンズなど別勢力に役割が割り振られている。
- フルメタル・パニックシリーズ
- 登場するのは陸上自衛隊がメイン。
- 作中の主力陸戦兵器であるアーム・スレイブを陸上自衛隊が導入し、それに合わせた装備の最適化をしている点を除けば、駐屯地祭りでの市民との交流行事や新装備の開発や調達で起きる独特の苦労等、現実に近い自衛隊像として描かれている。
- 鉄のラインバレル
- 「特殊自衛隊」が主人公達の協力者として登場。ただし、アニメ版では一時的に敵に回ったことも。
- 機動警察パトレイバー
- 警視庁同様にレイバーが導入されている設定。「配備予定の軍事用レイバーが暴走してしまう」というエピソードが存在する。
- グレートマジンガー (桜多吾作版)
- 地獄大元帥が敢行した作戦に嵌った日本政府によって科学要塞研究所を制圧に乗り出すが失敗、岡部隊長(『マジンガーZ』からのセミレギュラー)は指揮権を部下に預けて単身鉄也達に味方する道を選ぶ。
- また、新住日重工社長・藤獰の命を受けたブラック・グレートが駒門駐屯地を襲撃し、これを壊滅せしめている。
- 同作者の『マジンガーZ』では、「光子力研究所に襲撃を計ったピグマン子爵を在日米軍からちょろまかした原子爆弾で吹き飛ばす」という切り札を見せた事も。
- ゴジラシリーズ(ゴジラ対エヴァンゲリオン)
- 現実に即した世界観である為、対ゴジラ戦力として頻繁に登場する(ただし、第1作目『ゴジラ』(1954)では制作時期の都合[2]で名称が「防衛隊」であった為、初期のシリーズでは「自衛隊」としての登場は少なかった)。
- 配備戦力も現実のそれに準じる一方で、メーサー殺獣光線車やメカゴジラのような超兵器を保有している作品もある。噛ませ犬的扱いされる場合もあったり、ゴジラの殺害は出来ていないものの、対怪獣戦としては一定の成果を挙げている作品が多い。
- 余談だが、主にゴジラシリーズに登場する自衛隊の事を映画制作会社に因んで(現実に存在する自衛隊と区別を付ける意味でも)「東宝自衛隊」という愛称で呼ぶファンも少なくない。
- ガサラキ
- 「特務自衛隊」が登場。海外派遣用に組織された第4の自衛隊であり、陸・海・空の各自衛隊から必要に応じて人員が集められている。その特殊性から階級の呼び方も軍隊式である。
自衛隊関係者
参戦作品における戦力
- 迅雷、新型迅雷
- 『鉄のラインバレル』における特殊自衛隊の戦力。
- M6 ブッシュネル
- 『フルメタル・パニックシリーズ』では陸上自衛隊に96式(SRW未登場)というASが配備されている設定だが、『W』ではこちらが戦力として用いられている。
- ARL-99ヘルダイバー、HAL-X10
- 『機動警察パトレイバー』の自衛隊の戦力。
- 3式機龍
- 『ゴジラ×メカゴジラ』における特生自衛隊の戦力。
- 壱七式戦術甲冑 雷電、壱七式戦術甲冑改 震電
- 『ガサラキ』における特務自衛隊の戦力。
SRWでの扱い
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 『フルメタル・パニック!』設定。純粋な形での自衛隊は登場せず、練馬レッドドラゴン等は地球連邦軍の日本支部として纏められている。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦W
- 『フルメタル・パニック!』設定。赤城龍之介率いる練馬レッドドラゴンが何度かゾンダー相手に立ち向かっている他、二周目用シナリオでは習志野基地でのフェスティバルでボン太くんとの対戦になる。
- スーパーロボット大戦L
- 『鉄のラインバレル』(アニメ版)設定。原作同様に一時的にJUDAと敵対するシナリオも。
- スーパーロボット大戦UX
- 『鉄のラインバレル』(原作漫画版)設定。ホウジョウ軍に苦戦する場面もあるが、加藤機関との決着ではジャック・スミスを拘束する等の活躍も見せた。
単独作品
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 『機動警察パトレイバー』設定。自衛隊用レイバーで特車二課第2小隊およびコネクト・フォースと合同演習を行おうとしていたが、HAL-X10の暴走により中断。市街地に向かった1機を追跡していく。
- なお、エルドランシリーズの防衛隊が自衛隊とは別個に存在が示されている。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 『ゴジラ対エヴァンゲリオン』名義での参戦により、『ゴジラ×メカゴジラ』から特生自衛隊の家城茜と3式機龍が登場。
- また、第3期からは『ガサラキ』の参戦に伴い、同作から特務自衛隊も登場。
- スーパーロボット大戦DD
- ワールド1では侵略者との戦闘を行っていることが語られている。ワールド3aには『フルメタル・パニック!』設定の自衛隊が存在するようだが具体的な活動は語られない。ワールド6aではドラゴ帝国に成す術がなく敗走しているようだ。ワールド6bでは50年前に各国の軍隊と協力して邪魔大王国の侵攻を食い止めていたが、現在はザール星間帝国の侵略によって政府も軍もまともに機能していない状態。
- なお、オリジナルの世界は第二次世界大戦があった世界でありながら自衛隊ではなく日本軍が存在するようだ。
関連作品
余談
- 自衛隊は実写作品にも協力する形で出演する事が多く、未曾有の災害や怪獣襲来をテーマにした作品には積極的である。近年では、アニメ作品に協力する場合もある。
- しかし、自衛隊の基本的概念が「防衛」である為、戦争(例:『戦国自衛隊』)もしくは自衛隊をモデルにした形の軍隊が登場する作品(例:『バトルロワイアル』)には一切協力していない。