未参戦作品

2017年4月5日 (水) 11:56時点におけるXE (トーク | 投稿記録)による版 (→‎参戦可能・不可能論議)

まだスーパーロボット大戦シリーズに参戦した事の無い作品全体を指す用語。該当作品はこのWikiに置いても、「(SRW未参戦)」と付記される。

参戦にあたって障害になり得るとされる要素は多数推測されているが、本項ではそのうち有力とされている説を挙げる。未参戦作品の中でも話題の焦点になりやすいものは未参戦作品/一覧‎を参照。

注意点

語義からすれば「参戦不可能な作品」ではなく「未だ参戦していない作品」全般を指すと考えるのが普通で、実際に後者の意味で扱われることが多いが、前者のニュアンスを持たせた上で用いられる場合も少なくない。これは「この作品は需要があるのにいまだ参戦していないのはおかしい」という考えをするファンがどの作品にも少なからずいるためである。そのようなファンたちが考察する「未参戦の理由」はもっともらしいものからどう考えても思い込みなものまで様々で、それらの検証に関する話題はファンの間でも格好の話の種になっている。

ただし、その主張のほとんどはあくまで「ごく一部のファンの意見または推測」であって、確定事項であったりファン全体の共通認識であったりするわけではないことに注意して読んでもらいたい。

未参戦の主な原因

放送時期の問題

スパロボの新作開発がスタートした際に放送中の作品は参戦できないというもの。本来の意味での未参戦作品と言える。

過去のスパロボシリーズでは、初代における『機動戦士ガンダムF91』、『第2次G』での『機動武闘伝Gガンダム』、『』での『新機動戦記ガンダムW』、『64』での『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』のように、制作開始時に本編放送中の作品が参戦することがあったが、これらの作品はゲーム中で原作再現が行われることは少なく、いわゆる「いるだけ参戦」となる場合が多かった。そのためか、現在のスパロボ作品では参戦作品を放送終了済の作品から選ぶ方針をとっている。開発には年単位の期間を要することから、開発スタート時には放送終了直後であっても、発売される際には放送後からかなりの期間が空くこととなる。

なお、放送終了後一定期間おいた作品が即参戦するということではなく、下記の理由との兼ね合いやスパロボ制作サイドの「初参戦は大々的に扱いたい」という方針等で参戦が見送られる場合もある。

例外として劇場版○部作、のように一区切り付いている場合は完結していなくても参戦することがある。

知名度の問題

放送時期的に古すぎる、視聴方法が限られている、単に話題性が無いなどの理由により知名度が低い作品がある。それらは参戦しても喜んでくれる原作ファンやスパロボファンが少なく、同時に売上に貢献しないという考え方である。例として、古谷徹氏は寺田Pと食事に行った際、自身が主役を演じた『グロイザーX』の参戦を希望したが、寺田Pは「誰も知らないでしょ」と返答したとのこと。

ファンサービス的にも、商業的にも、より多く参戦を望まれている作品が優先されるのは仕方ないことではあるが、知名度が低いからといって絶対に参戦できないという訳ではない。メジャー作品だけでは参戦作品がいつも似たような顔ぶれになることもあり、シリーズを重ねるにしたがって一般的に知名度が低いと言われるような作品の参戦機会も増えてきている。かつて携帯機用スパロボには声が無く、製作費が安いことから知名度の低い作品でも試験的に参戦しやすいと言われ、そちらで初参戦した作品が好評だった場合は据置機用スパロボに再参戦することもあった。中でもマイナーな作品の多かった『COMPACT2』が『IMPACT』としてリメイクされたことは好例といえる。

また、スパロボに参戦したのちに作品の知名度が上がり、放送当時の玩具の復刻やリメイク作品が製作されるなどのケースもある。

世界観・設定の問題

他作品と絡ませにくい設定の作品や、メインキャラクターが戦争に不向きな少年少女あるいは不向きな職種である作品の場合、制作スタッフの方針で参戦が見送られる場合がある。特に、シリーズを重ねるごとに参戦作品の世界観や諸設定の再現する度合いが強くなっていくにつれて、作品設定の擦り合わせという面で作品の組み合わせにも影響するようになっている。

これらの作品は『α外伝』や『COMPACT3』、『NEO』のように主な舞台を異世界にすることで、参戦が可能になる場合がある。そのため「あの作品がいるならこの作品は出しやすいor出しにくい」というような相性の問題として議論になる場面も多い。 ただし『機動武闘伝Gガンダム』の「ガンダムファイト」、『蒼穹のファフナー』の「日本列島消滅」等のように舞台装置が大幅改変・無視されることも常態化しているため、一概に「この設定では参戦できない」と断言することは出来ない。

多元世界」を導入した『Zシリーズ』の出現以降、各作品同士を平行世界の関係に置くことでこの問題をクリアしているスパロボは多く、日に日にハードルは下がっている。

作品のジャンルの問題

『スーパーロボット大戦』という名前である以上、「ロボットアニメのみが参戦できる」と考えるのは自然だが、いわゆる「ロボットアニメ」という括りが明確に定義されているわけではないため、「この作品はロボットアニメなのかどうか」で参戦の可否が問われることもある。現在ではロボットアニメとして、スパロボ常連として認知されている『新世紀エヴァンゲリオン』も、『F』で参戦が発表された当時は「エヴァは活躍するのが人造人間で、その描写も生物的でロボットらしくない。作品としても変身巨大ヒーローもののオマージュだから、いわゆるロボットアニメとはジャンルが違う」という理由で参戦に抵抗感を示す意見はあり、現在でも見受けられる。

特に『疾風!アイアンリーガー』のような「人間が操縦する巨大なロボット」が出てこない作品や、『ケロロ軍曹』のような「そもそもロボットバトルが主題ではない」作品までもが参戦を果たした現在においては、スパロボに参戦できるロボットアニメの定義はより曖昧になってきている。 ただ、これらの参戦先はいずれも実験色の強い作品・それまでとは趣向の違う作品であり、故に参戦が実現したという見方もできる。

作品 参戦先

展開メディアの問題

漫画・小説で展開されたもののアニメ化・ゲーム化がまだされていない作品。戦闘アニメーションのモデルとなる素材がないことや声優が設定されていない等といった問題が発生する。また、そのあたりを手間隙かけて実際にゼロから設定するとしても、原作版権所持側からは許可されづらいケースもある。メディアミックスに積極的な出版社であれば機会があればその漫画や小説のアニメやゲームへの展開を自分たち主導でやりたいと考えるのが当然であるため、先にスパロボが独自の解釈で動きや声を作って「イメージの固定化」を読者に植え付けるのは好ましくないというわけである。その漫画・小説作品がよっぽどの知名度があるものでない限りは、これらの問題点をクリアするまでの手間をかけるメリットは少ないのが正直なところだろう。

実際に参戦した漫画・小説作品としては以下のものがある。

内容 作品
ロボットのみ登場
キャラクターが共通するアニメ作品が存在する
他のゲーム作品で声優BGMが設定済み
音声収録のない作品に参戦
共通の世界観を持つシリーズ作品と同時参戦
アニメ版と同時参戦

ただし参戦を果たした作品は、いずれも既存のアニメ作品から派生した作品のみとなっており、小説で展開された作品や漫画だけで展開されているシリーズ作品などは未だ参戦していない。

権利上の問題

1.競合他社が権利を所有している

スパロボの販売元である旧バンプレストやバンダイナムコエンターテインメントは、玩具メーカー・バンダイを含む「バンダイナムコグループ」の系列会社であるため、競合関係にあるタカラトミーやコナミがスポンサーを務めて商品化権を握っている作品の参戦は難しいというもの。スパロボに関わる権利は「コンピューターゲームの販売権」であり、基本的には玩具の販売権を取得している会社がゲームも販売することが多く、玩具の発売会社を確認することで大まかに判断できる。ただし稀にそれぞれの権利を別会社が取得している作品(例:『魔神英雄伝ワタル』・『超速変形ジャイロゼッター』)もあるので注意が必要。

ゲーム業界に絞って考えれば、バンダイナムコエンターテインメントはほとんどの同業他社と競合関係にあるため、他社が開発・販売したロボットゲーム作品、それらを原作とするロボットアニメ作品を参戦させることも困難とされている。ただし2000年代以降のゲーム業界は異なるメーカー間のコラボレーションが積極的に行われており、SEGAの『バーチャロン』のスパロボ参戦はその象徴的な例といえるだろう。

2.版権料が高い・権利の所在が不明

ライバル企業が関わっていない作品であっても、制作会社の解散で版権の所在がはっきりしなくなっていたり、版権の管理に複数の企業が関わっていたりする場合、版権取得が困難になりやすい。中には、単純に版権料が高額なので参戦が見送られているのではないかと噂されているものもある。一例としては『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』が『α』を最後に参戦がないのは、この作品の版権管理は見直された結果、キャラクターの出典元である複数の横山光輝作品にも版権料を支払わないとならなくなったためという説がある。この他、原作者が版権を持つ作品の場合、原作者がスパロボシリーズに否定的であると、バンダイが玩具化するには問題はないがスパロボへの参戦は許可が下りない場合もある。逆にダイナミックプロ作品など、原作者・制作サイドがスパロボに好意的・協力的である場合、スポンサーが競合関係にある企業である場合でも参戦した例もある。

また、ロボットアニメの制作サイドとスポンサーの関係には大きく2種類が存在する。1つは『マジンガーZ』や『新世紀エヴァンゲリオン』のように既に制作中の作品に玩具メーカーが出資し見返りとして商品化権を得るというもの、もう1つは、「マシンロボシリーズ」のように玩具メーカーがデザインを持ち込みアニメ化させるというもの。大元の生みの親ががどちらであるかは版権事情にも大きく影響してくる。「マシンロボ」シリーズのように玩具そのものを原作とし、タイトルごとにアニメの制作会社が異なる作品もあれば、『伝説巨神イデオン』のように玩具会社からの持ち込み企画であるにも関わらず玩具会社が手放した作品、「勇者シリーズ」のように複雑な背景事情で映像と玩具が離れ離れになってしまう作品もある。これによって、参戦可能のように思える作品が参戦できない、その逆に不可能だと思われた作品が参戦する、同じシリーズなのに参戦可能なタイトルと不可能なタイトルが存在したりとバラつきが起こることがある。

参戦可能・不可能論議

どの作品がいつ、どんな形で参戦するかは、スパロボユーザーの間で最も注目度の高い項目といっても過言ではない。それ故に「ある作品がスパロボに参戦する可能性はどれほどなのか」という点は各所で論争の火種となっている(この記事自体も、その論議の延長線上にある)。

今日、ある作品が未参戦である理由は概ね前述の6種[1]に整理されて語られるが、Webの草創期にネット上で行われたこの手の議論について言えば、「その作品の設定がスパロボの世界観との親和性を有するかどうか」という世界観や設定に関する問題提起が非常に多かった。

その中には例えば

といった主張が存在していた。

これは黎明期のスパロボが、宇宙世紀ガンダムを母体に『マジンガーシリーズ』や『ゲッターロボシリーズ』(いわゆる御三家)、『超電磁ロボ コン・バトラーV』や『無敵鋼人ダイターン3』といったスーパーロボットアニメの代表作が、スパロボの世界観(あるいは雰囲気)を形成しレギュラーとして定着していた、ひいては「それらが外されることなどあり得ない」と思われていたことに起因する。また、『旧シリーズ』の参戦作品のほとんどがオタク向けでなく、一般向けバラエティ番組で取り上げられるような高い知名度の作品や、児童向けの玩具販促アニメで占められていたことも不安視された一因であろう。

結局これらは参戦を果たし、スパロボ劇中でも問題なく活躍しており、上記の指摘が単なる杞憂に過ぎなかったことは言うまでもない。この例が意味するところは「設定の問題に関して言えば、ユーザー側が考えるよりはスパロボ参戦への壁は低い」ということであり、根本的に話題に昇ったことがあったか疑わざるを得ない疾風!アイアンリーガー』の『NEO』への参戦はそれを顕著に示した例である。

「スパロボは当時のバンプレストが権利関係の調整に秀でていたからこそ実現したシリーズ」という製作者サイドの発言が物語っているように、参戦に対するハードルの高さは、実際のところはほぼ権利関係の調整難度に帰着するものと思われる。権利者の一人でもある原作者の心理的障壁を取り払う意味では、原作の雰囲気を損なわずに参戦可能な世界観を構築することもまた参戦実現に不可欠なため、それらに関する課題もないとは言い切れないが、権利の問題に比してその比重がかなり小さいことは間違いない。

2015年11月、「Side-BN倶楽部」のメルマガにスパロボシリーズの購入者限定の製品開発アンケートが送られており、その中の「スパロボに入っていれば是非プレイしたいと思う参戦作品」という質問で提示されている作品が「未参戦作品/一覧‎」にある他会社の作品やホビーロボットアニメ、さらに『宇宙戦艦ヤマト』・『銀河英雄伝説』のような艦隊戦・軍記物の作品群も含めた全226作品の選択肢があった。これにより、参戦が難しいとされてきた作品にも可能性があるのではないかと話題になり、その後実際に『宇宙戦艦ヤマト2199』が参戦した。

とりわけユーザーの興味は「スーパーロボット大戦で表現されたアニメーション」と「異なる世界観の融合」の二つに絞られる。「スーパーロボット大戦シリーズのアニメーションで表現したアニメーション」はロボットアニメというジャンルを超えて、全ての著作物に適用されている。自由度の高さもあってか二次著作物(オリジナル動画)が多く作成されており、ここから「異なる世界観の融合」へと繋がり、未参戦作品のラインナップへとつながる。しかし、元々のスーパーロボット大戦のイメージアップに繋がるのか、そうでないのか。ユーザーの賛否は又とないことである。

脚注

  1. 「単に機会に恵まれていないだけ」「実はいつでも出せるが、あえて出さない」という理由を含めると8種